※本記事は、アウンコンサルティング株式会社 の有価証券報告書(2026年5月期、2025年6月1日 ~ 2026年5月31日、2026年8月24日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
アウンコンサルティンググループは、マーケティング事業を主たる事業としています。グローバルマーケティングでは、SEMサービスやインターネット広告、ウェブサイト開発、ソーシャルメディアなど、企業のマーケティング活動を多言語で国内外に支援しています。メディアマーケティングも手掛けています。
単体従業員数は21名、連結従業員数は21名です。セグメントはマーケティング事業の1つです。
国内においてはアウンコンサルティングが事業を担い、海外4社の連結子会社を通じてグローバルに事業を展開しています。
2025年7月には損害保険申請サポート「ミエルモ」を譲り受け運営を開始し、収益源の多様化を図っています。また、AI検索に対応した「AIOコンサルティング」の提供を開始し、関連企業との業務提携も進めています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
アウンコンサルティングは、インターネットマーケティングサービスをグローバルに展開する企業です。同社グループは“ヒト”を競争優位の源泉と位置づけ、人材への継続的な投資を通じて個人の成長と組織の競争力向上を目指しています。従業員一人ひとりが主体的に学び、挑戦し、専門性及び変化対応力を継続的に高めることを重視する企業文化が特徴です。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は比較的若年層の従業員が多く、平均勤続年数も中程度となっています。従業員が自律的に成長し、多様な働き方を選択できる環境づくりに注力していることがうかがえます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 4,444,030円 |
| 平均勤続年数 | 6.1年 |
| 平均年齢 | 36.6歳 |
| 単体従業員数 | 21人 |
| 連結従業員数 | 21人 |
| 単体のグループ内比率 | 100.0% |
退職給付制度に関する記載はありません。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、人材を最も重要な経営資本の一つと位置付け、従業員が能力を最大限発揮できる環境整備と継続的な投資を通じて、企業価値向上と持続的な成長を目指しています。特に、生成AIの普及や検索行動の変容といった事業環境の変化に対応するため、新たな領域における専門性の強化を推進しています。
人材戦略の基本方針として、「自律的に成長し続ける人材の育成」「多様な人材が活躍できる組織づくり」「挑戦と成果を尊重する企業文化の醸成」の3つを掲げています。教育研修、自己学習支援、実践機会の提供、キャリア形成支援を通じて、デジタルマーケティングや生成AI、AIO(AI Optimization)等の成長領域における知識・スキルの向上を促進しています。
報酬制度においては「公平分配思想」を基本方針とし、成果、能力、専門性、企業価値向上への貢献に対して公平な評価・分配を行うことを重視しています。従業員給与は、市場水準、会社業績、職務内容、役割、責任の大きさ、専門性、成果、能力等を総合的に勘案し、透明性、客観性、納得性を確保して決定されます。また、フルリモートワーク制度やスーパーフレックス勤務、1時間から取得可能な有給休暇、ジョブ型人事制度、資格取得支援制度、副業制度など、多様な働き方やキャリア形成を支える柔軟な制度を構築しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。男性労働者の育児休業取得率および労働者の男女の賃金の額の差異は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく公表義務の対象項目として選択しておらず、公表されていません。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 100.0% |
任意開示指標
上記は、提出会社の数値を記載しております。
| 指標 | 目標 | 実績(前連結会計年度) | 実績(当連結会計年度) |
|---|---|---|---|
| 平均年収(千円) | 6,000 | 4,632 | 4,444 |
| 管理職に占める女性社員の割合 | 50% | 66.7% | 100.0% |
| 男女間賃金格差 | 100% | 75.1% | 93.8% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
アウンコンサルティングは、グローバルマーケティング支援を中核としたマーケティング事業を展開しています。SEM(検索エンジンマーケティング)サービス、インターネット広告の販売および広告制作、ウェブサイト開発、ソーシャルメディアなど、多岐にわたるサービスを国内外の企業に提供しています。
同社グループの収益モデルは、主に一定の期間にわたって提供されるサービスから得られています。近年では、生成AIの普及に対応したAIO(AI Optimization)関連サービスの開発および提供体制の強化を進めています。
具体的には、2025年6月にはAI検索に対応するウェブサイトのSEOコンサルティング支援として「AIOコンサルティング」の提供を開始しました。また、2025年10月には株式会社AI Hackと業務提携し、AIO領域における支援体制を構築しています。
さらに、収益源の多様化を目的として、2025年7月にはクラサポ株式会社より損害保険申請サポート「ミエルモ」を譲り受け、運営を開始しました。これまで培ってきたSEOや広告運用、オペレーション改善の知見を自社事業にも活用し、既存事業とのシナジー創出と企業価値の向上を目指しています。
地域別の売上高を見ると、当連結会計年度は日本国内からの売上が海外からの売上を上回っています。海外売上高は前連結会計年度と比較して減少傾向にあります。
また、当連結会計年度においては、株式会社第一プログレスへの販売が総販売実績の10%を超えています。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの業績は、過去5期間において売上高が減少傾向にあります。経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益は、直近4期間連続で損失を計上しています。
ただし、当連結会計年度においては、売上高は前年同期を下回ったものの、営業損失、経常損失、親会社株主に帰属する当期純損失のいずれも損失幅が縮小しました。これは、既存案件の減少や新規サービス立ち上げのための先行投資があった一方で、営業活動の効率化や収益性改善への取り組みが進んだことを示しています。営業活動によるキャッシュ・フローは引き続き使用となっていますが、前連結会計年度と比較して使用額は減少しています。
| 項目 | 2022年5月期 | 2023年5月期 | 2024年5月期 | 2025年5月期 | 2026年5月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 5.0億円 | 4.5億円 | 4.4億円 | 2.7億円 | 2.5億円 |
| 経常利益 | 3百万円 | △78百万円 | △85百万円 | △93百万円 | △51百万円 |
| 経常利益率 | 0.6% | △17.2% | △19.3% | △34.2% | △20.0% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 4百万円 | △89百万円 | △1.4億円 | △1.2億円 | △42百万円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 0.53 | △11.87 | △18.46 | △15.35 | △5.64 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの生産性を見ると、従業員1人あたり売上高は前期から増加しています。これは、従業員数の減少と売上高の減少幅の比較において、売上高の減少幅が小さかったことを示唆しています。
一方、従業員1人あたり営業利益は、前期に引き続き損失を計上しているものの、損失幅は縮小しました。このことは、事業効率の改善に向けた取り組みが進んでいる状況を表しています。
| 指標 | 2025年5月期 | 2026年5月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 11.8百万円 | 12.1百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | △4.6百万円 | △2.7百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
アウンコンサルティングは、財務基盤の強化と事業の再構築に取り組んでいます。キャッシュフローの状況からは、事業活動による資金流出が続いていることが示されています。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤を見ると、自己資本比率はプライム市場の非製造業平均と比較して高い水準にあります。一方で、ROEはマイナスとなっており、収益性の改善が課題であることが示されています。手元資金は確保されているものの、前期から減少しており、今後の事業運営における資金の動向に注目が集まります。
| 指標 | 2025年5月期(前期) | 2026年5月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 3.3億円 | 3.1億円 |
| 自己資本比率 | 44.0% | 46.0% |
| ROE(自己資本利益率) | - | -13.2% |
| 現金及び預金 | 4.4億円 | 4.2億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループのキャッシュフローを見ると、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローは、当期もマイナスで推移しています。これは主に税金等調整前当期純損失によるものです。投資活動によるキャッシュフローは、長期前払費用の売却による収入があり、プラスとなっています。
財務活動によるキャッシュフローは、長期借入金の返済による支出があり、マイナスで推移しています。これらの結果、フリーキャッシュフローもマイナスとなっており、事業活動で生み出す資金だけでは投資を賄えていない状況が示されています。この状況は、今後のコスト削減圧力や事業再編の可能性に影響を与える可能性があり、雇用や給与の安定性を検討する上で留意すべき点です。
| 項目 | 2025年5月期(前期) | 2026年5月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | △47百万円 | △38百万円 |
| 投資CF | 2百万円 | 28百万円 |
| 財務CF | △17百万円 | △16百万円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | △46百万円 | △11百万円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
アウンコンサルティングは、2020年5月期以降営業損失を計上しており、当連結会計年度においても営業損失を計上しています。この状況は、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせる事象が続いていると認識されています。ただし、資金繰りに重要な懸念はないと判断されており、重要な不確実性は認められないとしています。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、インターネット広告市場の競争激化と市場変化への対応をリスクとして認識しています。また、生成AIの普及によるユーザーの検索行動の変化に対応するため、AIO関連サービスを提供していますが、技術革新の急速な変化や市場の不確実性が事業に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、グローバルマーケティングやメディアマーケティング等の各領域において、高度な専門知識を持つ人材の確保と育成を重要な課題としています。計画的な人材確保や育成ができない場合、または事業の中核をなす社員に不測の事態が生じた場合、業務の遂行が困難となり業績に影響を与える可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
アウンコンサルティングは、グローバルマーケティング支援を中核に、独創的な考え方で社会貢献を目指す企業です。従業員一人ひとりの成長と多様な働き方を尊重する企業文化を大切にしています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
アウンコンサルティンググループは、「私たちは独創的な考え方で課題を解決し、笑顔に溢れた社会づくりに貢献します」という使命(ミッション)を掲げています。日本市場だけでなく、グローバル市場でマーケティング事業を展開し、企業の海外展開や多言語情報発信を支援しています。生成AIの普及を新たな成長機会と捉え、AIO(AI Optimization)関連サービスの開発・提供体制を強化しています。グローバルマーケティング、AIマーケティング、メディアマーケティングを相互に補完させ、中長期的な企業価値向上を目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
アウンコンサルティンググループは、「汗」「協」「成」「誇」「楽」という5つの価値観(バリュー)を大切にしています。これらは、率先して汗をかくこと、仲間との協力、着実な成長、家族や社会からの誇り、そしてわくわくとした人生を楽しむことを示しています。同社グループは人的資本を重要な経営資本と位置付け、「ヒト」こそが競争優位の源泉であると考えています。
人材戦略の基本方針として、自律的に成長し続ける人材の育成、多様な人材が活躍できる組織づくり、挑戦と成果を尊重する企業文化の醸成を掲げています。育児や介護、地方在住などの制約にかかわらず、多様な人材が能力を発揮できる環境づくりを重視しており、フルリモートワークやスーパーフレックス制度などを推進しています。個人の成長と会社からの期待が重なり合うことで働きがいが高まると捉え、コミュニケーション機会の創出や自己成長機会の提供にも取り組んでいます。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
アウンコンサルティンググループは、継続的な成長に向けた事業基盤の強化と「業績回復」を最優先課題としています。早期の黒字化に向けた収益力の改善に取り組む必要があると認識しています。
グローバルマーケティングでは、生成AI時代に対応したAIOコンサルティングやAIOリサーチなどのAIマーケティング領域を成長分野と捉え、新たな収益機会の拡大を図っています。メディアマーケティングでは、損害保険申請サポート「ミエルモ」の早期収益化を目指し、デジタルマーケティングの知見を活用しています。
組織体制及び人材基盤の強化も重要な課題です。生成AIやデジタルマーケティングの進化、新規事業領域の拡大に対応できる専門人材の確保・育成に注力しています。多様な人材が能力を発揮できる環境づくりや、働きがいを高めるための環境づくりを推進しています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
アウンコンサルティングは、監査等委員会設置会社として、独立性の高い社外取締役を選任し、監査等委員にも任命することで監督機能を強化しています。これにより、経営の公正性、透明性、迅速性を確保し、企業価値の向上を目指す体制を構築しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
同社の株主構成を見ると、代表取締役CEOである信太明氏が筆頭株主となっています。これは、創業者が経営に強い影響力を持つ資本構成を示しています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 信太 明 | 31.41% |
| BANK JULIUS BAER AND CO.LTD. SINGAPORE CLIENTS | 16.83% |
| JPモルガン証券 | 2.51% |
| 楽天証券共有口 | 1.84% |
| 高橋 重行 | 1.53% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は6名(男性6名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役CEOは信太明氏が務めています。社外取締役比率は66.7%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 信太 明 | 代表取締役CEO | 1992年4月株式会社リクルート入社、1998年6月同社設立 代表取締役。2015年6月AUN Thai Laboratories Co.,Ltd.代表取締役、AUN Global Marketing Pte.Ltd.代表取締役、AUN PHILIPPINES INC.代表取締役。2019年6月同社代表取締役CEOより現職。 |
| 高橋 重行 | 取締役 | 2005年11月株式会社リクルートHRマーケティング入社、2009年4月同社入社。2016年6月AUN PHILIPPINES INC.取締役。2019年6月同社執行役員。2023年12月AUN Vietnam Co.,Ltd.代表取締役。2024年8月同社取締役より現職。 |
社外取締役は、藤原徹一氏(藤原投資顧問代表取締役)、加藤征一氏(加藤公認会計士事務所所長・監査等委員)、松村卓朗氏(株式会社ピープルフォーカス・コンサルティング代表取締役・監査等委員)、田中克洋氏(弁護士・監査等委員)です。
同社は監査等委員会設置会社であり、取締役会の監査・監督機能の強化を図っています。独立性の高い社外取締役を監査等委員に任命することで、経営の公正性・透明性・迅速性を確保する体制です。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社の役員報酬は、企業価値の持続的な向上を促すインセンティブとして、株主利益と連動した報酬体系を基本方針としています。業務執行取締役の報酬は業績を反映させた基本報酬のみで、業績に応じて翌期の基本報酬が決定されます。監督機能を担う社外取締役には、その職務に鑑み基本報酬のみが支払われます。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 2名 | 14百万円 | 6.9百万円 |
| 社外役員 | 4名 | 8百万円 | 1.9百万円 |
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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