コレックホールディングス 転職ガイド:有価証券報告書等から読み解く会社の実態

コレックホールディングス 転職ガイド:有価証券報告書等から読み解く会社の実態

東証スタンダード市場に上場し、エネルギー、アウトソーシング、メディアプラットフォーム事業を展開しています。2025年2月期は、エネルギー事業の拡大等により売上高65億円(前期比64.2%増)、経常利益2.2億円(同89.3%増)と大幅な増収増益を達成しましたが、当期純利益は減益となりました。


※本記事は、株式会社コレックホールディングス の有価証券報告書(第15期、自 2024年3月1日 至 2025年2月28日、2025年8月27日 提出)の公開情報に基づき作成しています。会計基準は Japan GAAP です。

1. コレックホールディングスってどんな会社?


同社グループは、エネルギー、アウトソーシング、メディアプラットフォームの3事業を展開する企業です。

(1) 会社概要


2010年に設立され、2018年にJASDAQ市場へ上場しました。その後、2019年の東証二部への市場変更を経て、2022年の市場区分見直しによりスタンダード市場へ移行しました。2024年には持株会社体制への移行に伴い、商号を現在のものに変更しています。同年には株式会社Aoieを子会社化するなど、事業拡大を進めています。

2025年2月28日時点で、連結従業員数は410名、単体従業員数は92名です。筆頭株主は代表取締役社長の栗林憲介氏で、第2位はKKインベストメント、第3位は取締役の栗林圭介氏です。

氏名 持株比率
栗林 憲介 21.65%
KKインベストメント 16.37%
栗林 圭介 14.28%

(2) 経営陣


同社の役員は男性10名、女性1名、計11名で構成され、女性役員比率は9.1%です。代表取締役社長は栗林憲介氏が務めています。社外取締役比率は25.0%です。

氏名 役職 主な経歴
栗林 憲介 代表取締役社長 2008年レーサム入社。2009年クルーガーグループ入社。2010年同社代表取締役社長就任。2024年CoCoXia代表取締役社長を経て現職。
西崎 祐喜 取締役副社長グループCFO管理本部長 2008年サイバード入社。デロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー等を経て2023年同社入社。2025年3月より現職。
花井 大地 専務取締役経営企画室長 2008年セレブリックス入社。2009年ビートレード・パートナーズ入社。2011年同社入社。2012年4月より現職。
池本 大介 常務取締役グループCSOC-clamp本部長ノイアット本部長ポスティング本部長 2016年同社入社。営業統括本部長等を経て、2025年3月より現職。C-clamp取締役等を兼任。
木村 昂作 取締役Aoie本部長サンジュウナナド本部長 2009年セレブリックス入社。2011年同社入社。マーケティング統括本部長等を経て、2025年3月より現職。Aoie代表取締役等を兼任。
栗林 圭介 取締役 2008年サイバード入社。2010年同社取締役副社長。サンジュウナナド代表取締役社長等を経て2025年3月より現職。


社外取締役は、星野裕幸(Polaris代表取締役社長)、柴田幸夫(ジン・パートナーズ代表取締役)です。

2. 事業内容


同社グループは、「エネルギー」、「アウトソーシング」、「メディアプラットフォーム」および「その他」事業を展開しています。

(1) エネルギー事業

太陽光パネルおよび蓄電池等の販売・設置サービスを提供しています。アウトソーシング事業とメディアプラットフォーム事業のノウハウを活用したクロスマーケティングを特徴としています。

収益は、顧客が指定する場所への太陽光パネル・蓄電池の設置工事完了および引き渡し時点で、顧客から得ています。運営は主に株式会社C-clampおよび株式会社Aoieが行っています。

(2) アウトソーシング事業

個人向け大規模組織営業のノウハウを活かし、顧客企業から受託する営業活動に関連する業務を行っています。訪問販売やダイレクトマーケティング、デジタルメディアを組み合わせた営業活動を展開しています。

収益は、顧客(取引先企業)からの販売・契約等の受託業務において、消費者紹介や契約代行等の成果に応じた手数料として受け取っています。運営は主に株式会社ノイアット、株式会社あんしんサポートが行っています。

(3) メディアプラットフォーム事業

ゲーム攻略サイト「アルテマ」、不動産・地域情報サイト「イエプラコラム」、転職情報サイト「キャリハイ転職」などのデジタルメディアを運営しています。

収益は、メディアサイトを通じて消費者に広告主の商品・サービスの購入や登録等の成果を提供した時点で、顧客(広告主)から得ています。運営は主に株式会社サンジュウナナド、株式会社メルセンヌが行っています。

(4) その他

報告セグメントに含まれない事業として、システム開発やエンジニア派遣等を行っています。

収益は、システム開発やエンジニア派遣等のサービス提供対価として顧客から受け取っています。運営は主に同社グループが行っています。

3. 業績・財務状況


同社の連結業績をデータで分析します。

(1) 業績推移


直近5期間の業績を見ると、売上高は40億円前後で推移していましたが、直近の2025年2月期には65億円へと大幅に拡大しています。経常利益は変動が見られるものの、直近では2.2億円と回復傾向にあります。当期純利益は黒字を維持していますが、利益率は低下傾向にあります。

項目 2021年2月期 2022年2月期 2023年2月期 2024年2月期 2025年2月期
売上高 40.5億円 48.2億円 41.2億円 39.4億円 64.7億円
経常利益 5.2億円 -0.6億円 2.7億円 1.2億円 2.2億円
利益率(%) 12.7% -1.3% 6.6% 3.0% 3.4%
当期利益(親会社所有者帰属) 1.1億円 -4.6億円 1.6億円 0.9億円 0.2億円

(2) 損益計算書


売上高の大幅な増加に伴い、売上総利益も前期の35億円から当期は45億円へと増加しました。一方で、事業拡大に伴うコスト増もあり、営業利益率は微増にとどまっています。全体として事業規模の拡大が進んでいることが読み取れます。

項目 2024年2月期 2025年2月期
売上高 39.4億円 64.7億円
売上総利益 34.6億円 44.7億円
売上総利益率(%) 87.9% 69.1%
営業利益 1.2億円 2.2億円
営業利益率(%) 3.0% 3.4%


販売費及び一般管理費のうち、給料及び手当が16億円(構成比39%)、法定福利費が3億円(同7%)を占めています。

(3) セグメント収益


エネルギー事業が前期比約4倍の売上を記録し、利益面でも黒字転換して全体を牽引しました。アウトソーシング事業も増収増益と好調です。一方、メディアプラットフォーム事業は減収減益となりました。

区分 売上(2024年2月期) 売上(2025年2月期) 利益(2024年2月期) 利益(2025年2月期) 利益率
エネルギー 7.1億円 28.2億円 -0.3億円 1.7億円 5.9%
アウトソーシング 11.9億円 19.9億円 0.6億円 1.2億円 6.2%
メディアプラットフォーム 20.1億円 16.1億円 3.0億円 1.7億円 10.4%
その他 0.2億円 0.5億円 -0.2億円 -0.2億円 -37.7%
調整額 - - -1.9億円 -2.2億円 -
連結(合計) 39.4億円 64.7億円 1.2億円 2.2億円 3.4%

(4) キャッシュ・フローと財務指標

コレックホールディングスは、営業活動により資金を創出し、子会社株式の取得等で投資活動に資金を投じ、借入金の増減等で財務活動を行っています。営業活動では、税金等調整前当期純利益の計上や買掛金・未払消費税の増加が資金増加に寄与しました。投資活動では、子会社株式の取得が主な資金減少要因となりました。財務活動では、短期借入金の純増加や長期借入れによる収入が資金増加に貢献しました。

項目 2024年2月期 2025年2月期
営業CF 1.8億円 1.7億円
投資CF -0.3億円 -1.3億円
財務CF 3.2億円 1.1億円

4. 経営方針・戦略


同社が掲げる経営理念と、それを実現するための企業文化、および今後の具体的な成長戦略について解説します。

(1) 経営理念


同社グループは、「情報コミュニケーションに感性と体温を。」をパーパスとして定め、より良い情報やサービスを正しく、わかりやすく、必要な人に届けることで、誰もがよりよい未来と出会える社会を目指しています。また、「誰もが、より良い変化を愉しめる社会へ。」をビジョンに掲げています。

(2) 企業文化


同社グループは、「人とITのちからで、ヒト・モノ・コトの繋がりをアップデートする。」というミッションを推進するための価値基準として、「礼儀とモラルがはじめの一歩」「昨日の自分を超えていく」「他責にせず、自ら動く」など11項目のバリューを定めています。これらを軸とした人材育成と組織づくりを重視しています。

(3) 経営計画・目標


同社グループは、2025年2月期を初年度とする新中期経営計画「CORREC Innovation 2029」を策定し、事業構造の転換と新たな事業ポートフォリオの確立を推進しています。財務戦略として、長期的目線でのD/Eレシオ0.5倍を意識した資金調達や、DOE5%を目標とした株主還元を掲げています。

(4) 成長戦略と重点施策


新中期経営計画の2年目として、各事業の強化に取り組んでいます。エネルギー事業では垂直統合型モデルの確立、アウトソーシング事業ではストック型商品の拡販と営業DXの推進、メディアプラットフォーム事業では高利益率の維持と新規収益源の創出を目指しています。また、1年に1件を目標としたM&AやAI/DXの活用も推進します。

5. 働く環境


同社の人材戦略と、給与水準や働きやすさに関する指標を解説します。

(1) 人材戦略・方針


同社グループは、「人の魅力と可能性を引き出す」という価値観のもと、従業員のポテンシャル、チャネル、プロダクトを掛け合わせた「『ポテンシャル×チャネル×プロダクト』マネジメント」により最適な人員配置を行っています。多面的な人事評価制度や階層別研修を通じて、リーダーシップ人材の育成と多様な人材の活躍を推進しています。

(2) 給与水準・報酬設計


同社(単体)従業員の平均年間給与はスタンダード市場の平均をやや下回る水準です。

項目 平均年齢 平均勤続年数 平均年間給与
2025年2月期 31.6歳 4.4年 5,183,000円


※平均年間給与は賞与及び基準外賃金を含みます。

(3) 人的資本開示


同社は以下のような人的資本・多様性の開示を行っています。

項目 数値
女性管理職比率 31.7%
男性育児休業取得率 -
男女賃金差異(全労働者) -
男女賃金差異(正規雇用) -
男女賃金差異(非正規雇用) -


※同社は公表義務の対象ではないため、男性育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異の記載を省略しています。

また、同社は「サステナビリティ」等のセクションにおいて、法定開示以外の指標も掲載しています。例えば、有休消化率(65.6%)、育休・産休取得率(71.4%)などです。

6. 事業等のリスク


事業環境やシステムに関連する主なリスク要因を概観します。

(1) 人材確保・労務環境リスク

競争優位性の確保や持続的成長には優秀な人材の確保と育成が不可欠です。人材確保ができず報酬水準が上昇する場合や、重要な人材の流出、想定以上の離職が生じた場合、競争力が低下し経営成績に影響を与える可能性があります。

(2) 検索エンジンへの対応リスク

運営するWebメディアやコンテンツは検索エンジンからの集客に依存しています。SEO対策を行っていますが、検索エンジンのアルゴリズムが大きく変更された場合、集客に影響が発生し、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(3) 個人情報保護に関するリスク

事業において個人情報を保管しており、不正アクセス等による流出リスクがあります。管理体制を構築していますが、万一流出が発生した場合、損害賠償や社会的信用の失墜により、業績に影響を及ぼす可能性があります。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。