※本記事は、株式会社ジーデップ・アドバンス の有価証券報告書(2026年5月期、2025年6月1日 ~ 2026年5月31日、2026年8月21日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
ジーデップ・アドバンスは、システムインキュベーション事業を展開しています。AIやビジュアライゼーション、ビッグデータ市場の研究者・開発者向けに、最先端テクノロジーを用いたハードウェア提供とオリジナルソリューションを提供し、研究開発を支援しています。
単体従業員数は34名です。同社はシステムインキュベーション事業の単一セグメントで事業を展開しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
株式会社ジーデップ・アドバンスは、システムインキュベーション事業を通じて社会の発展に貢献しています。同社は人材を最重要経営資源と位置づけ、多様な働き方を支援する環境整備に力を入れています。社員一人ひとりの成長と働きがいを重視し、専門性を高めながら安心して働ける職場づくりを目指していることがうかがえます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は、中途採用を積極的に行い、多様な専門性や経験を持つ人材を広く受け入れています。平均年齢は40代半ばであり、経験豊富な社員が活躍していることがうかがえます。一方で平均勤続年数は比較的短く、新しい人材が継続的に加わり、組織が活性化している傾向が見られます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 7,261,000円 |
| 平均勤続年数 | 2.8年 |
| 平均年齢 | 43.8歳 |
| 単体従業員数 | 34人 |
同社は確定拠出年金制度(会社が拠出した資金を従業員が運用する制度)を採用しています。
なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
株式会社ジーデップ・アドバンスは、「Advance you 世界を前進させよう」というミッション達成のため、人材を最重要経営資源と位置づけています。中長期的な企業価値向上に資する人材育成と魅力的な処遇の実現、そして自己成長を促す環境づくりを重視しています。
同社の人事制度は、職種ごとの「等級制度」、成果と行動プロセスを評価する「評価制度」、そして等級と評価に基づき給与や賞与を決定する「報酬制度」の3つで構成されています。特定のスキルに特化したスペシャリストコースも設けられており、公正かつ客観的な評価を通じて、個人のスキルや経験に応じた報酬が決定されます。また、営業利益が予算を大幅に上回る見込みの場合には、決算賞与が別途支給されることがあります。
人材育成においては、先端技術の知識獲得のためのセミナー受講やe-ラーニングシステム、社内会議での情報共有、勉強会を定期的に開催しています。多様な人材を確保するため、中途採用や外国人採用も積極的に行い、2025年6月からは新しい人事評価制度を導入しています。
働きやすい環境整備にも力を入れており、1時間単位の有給休暇制度、時短勤務や時差出勤制度、資格取得支援制度などを導入しています。また、1分単位の勤怠管理システムで長時間労働を抑制し、中途入社者へのフォローアップミーティングも実施するなど、社員が安心して能力を発揮できる職場づくりを進めています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
同社は、女性活躍推進法および育児介護休業法に基づく公表義務の対象ではないため、法定開示データは開示されていません。
人材育成・エンゲージメント
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 有休取得率 | 74.8% |
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
株式会社ジーデップ・アドバンスは、AIやビジュアライゼーション、ビッグデータ分野の研究開発を支援するシステムインキュベーション事業を展開しています。最先端テクノロジーを用いたハードウェア提供から運用支援までをワンストップで提供し、顧客の課題解決に貢献しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社は「Advance with you 世界を前進させよう」をミッションに掲げ、「システムインキュベーション事業」の単一セグメントで事業を展開しています。この事業は、AIやビジュアライゼーション、その他ビッグデータを取り扱う市場の研究者や開発者が抱えるシステム環境上の課題に対し、最先端テクノロジーを用いたサーバー機等のハードウェア提供を含むオリジナルソリューションを提供することで、研究開発のスピードアップを支援するものです。
具体的には、グローバルプロセッサメーカーの最新テクノロジーと提携グローバルベンダーの製品を組み合わせ、ハードウェア等の企画・設計から構築・運用支援までをワンストップで提供しています。顧客の課題をヒアリングし、最新テクノロジーを組み合わせたオリジナルモデルの設計・提案、ハードウェア提供と効果的な動作環境の構築、さらに運用支援として保守・メンテナンスや継続的な開発環境のアップデートサービスを提供しています。
同社のソリューション提供は「DXサービス」と「Service & Support」の2つのサービスで構成されています。「DXサービス」は顧客課題のヒアリングから環境設定までを対象とし、ハードウェア及びソフトウェアの提供と、効果的・効率的な動作環境の構築が主な内容です。提供形態はオンプレミスに加え、クラウドやレンタルといったサブスクリプションサービスも提供しており、多様な顧客ニーズに対応しています。
「Service & Support」は提供したソリューションの運用支援を対象としており、ハードウェアの保守と継続的な開発環境のアップデートを組み合わせた運用支援を提供しています。これにより、顧客は常に最新で安定したシステムを利用でき、本来の研究開発業務に専念することが可能となります。
同社のビジネスモデルは、「DXサービス」のうち「AI・ビジュアライズソリューションサービス」及び「その他DXソリューションサービス」がフロービジネスであり、「DXサービス」のうち「サブスクリプションサービス」及び「Service & Support」がストックビジネスです。フロービジネスとストックビジネスを組み合わせることで、安定的な収益確保を目指しています。
同社はNVIDIA社、Intel社、AMD社からパートナー認定を受けており、最新技術情報の取得、共同プロモーション、特価仕入れ、顧客紹介などのメリットを享受しています。また、運用支援を通じた顧客満足度の向上から次のフロービジネス案件創出へとつながる「正のスパイラル」を価値としています。
本邦以外の外部顧客への売上高はなく、海外比率や為替リスクは発生していません。当事業年度においては、学校法人片柳学園への販売実績が総販売実績の14.2%を占めています。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
当事業年度の業績は、生成AI関連の設備投資需要増を背景に、売上高、営業利益、経常利益、当期純利益のいずれも前期から増加しています。特に営業利益、経常利益、当期純利益は大幅な増益となりました。セールスミックスの変化により売上原価率が低下し、売上総利益が増加したことが、利益の増加に寄与しています。
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社は単体従業員数34名で事業を展開しており、少数精鋭の体制で専門性の高いシステムインキュベーション事業に取り組んでいます。顧客の研究開発を支援する事業特性上、個々の従業員の専門知識や技術力が事業の成果に直結すると考えられます。組織全体の効率性や個人の貢献度が重要となる事業構造であると示唆されます。
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社は、将来の成長に向けた積極的な投資を行っている段階にあります。本業で得た資金を運転資本の増加に充てている状況です。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社の財務基盤を見ると、手元資金は前期から減少しています。これは、事業活動における資金の使途が増加したことによるものです。
| 指標 | 2025年5月期(前期) | 2026年5月期(当期) |
|---|---|---|
| 現金及び現金同等物 | 33.3億円 | 17.7億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社の当期のキャッシュフローは、営業活動によるキャッシュフローがマイナスとなっています。これは主に、棚卸資産の増加や前渡金の増加といった運転資本の増加が要因です。投資活動によるキャッシュフローは、有形固定資産や無形固定資産の取得によりマイナスとなっています。
財務活動によるキャッシュフローもマイナスであり、主に配当金の支払いが影響しています。これらの結果、フリーキャッシュフローはマイナスとなっており、本業で得た資金を上回る投資や運転資本への支出が行われている状況です。これは、事業拡大に向けた積極的な投資フェーズにあることを示しており、将来の成長への期待がある一方で、現時点では資金を外部に依存している状態とも言えます。
| 項目 | 2025年5月期(前期) | 2026年5月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 6.0億円 | △14.5億円 |
| 投資CF | △1.3億円 | △43百万円 |
| 財務CF | △79百万円 | △1.1億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 4.7億円 | △14.9億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社は、最先端の研究を行う顧客にソリューションを提供しており、技術革新のスピードが極めて速い市場に属しています。急速な技術革新に十分に対応できない場合、競争力が損なわれ、事業及び業績に影響を与える可能性があります。
また、同社のシステムインキュベーション事業はNVIDIA社製品を中心としており、仕入高に対するNVIDIA社製品の占める割合が高い状況です。NVIDIA社製品の市場規模が減少したり、経営戦略に変更があったりする場合には、事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社の差別化要因は技術革新への迅速な対応であり、そのためには高い技術力や専門性を持つ人材の確保と育成が不可欠です。人材確保が想定通りに進まない場合や、優秀な人材が流出してしまった場合には、同社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
ジーデップ・アドバンスは、「Advance with you 世界を前進させよう」というミッションを掲げ、研究者や開発者のシステム環境上の課題解決を支援する「システムインキュベーション事業」を展開しています。同社は、持続的な成長と社会への価値創出を目指し、企業価値向上に取り組んでいます。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
ジーデップ・アドバンスは、「Advance with you 世界を前進させよう」をミッションに掲げています。研究者や開発者のシステム環境上の課題に対し、同社オリジナルのソリューションを提供することで、研究や開発を支援する「システムインキュベーション事業」を展開しています。同社は、市場における事業の優位性を確保し、持続的な成長を目指すことを重要な経営目標としています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
ジーデップ・アドバンスは、「人」を最重要な経営資源と位置づけ、既存案件で得た経験や知見を新たなサービスに繋げ、付加価値を創出することを目指しています。多様な専門性や経験、価値観を取り入れるため、積極的に中途採用や外国人の採用を行い、ダイバーシティを推進しています。
従業員が安心して働き、能力を十分に発揮できるよう、「働きがいのある職場づくり」や「人権の尊重」のための労働環境整備に努めています。具体的には、時間単位の有給休暇制度や時短勤務制度、時差出勤制度を導入しています。また、会社指定資格の取得支援や、対面でのコミュニケーションを重視した全社員会議・懇親会の開催、中途入社者へのフォローアップも行っています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
ジーデップ・アドバンスは、専門人材の確保・育成と組織能力の強化を重要な課題としています。多様なバックボーンを持つ人材の積極的な採用活動を推進し、技術認定・資格取得支援や社内勉強会・研修体制の整備を通じて、個々の専門性を組織的な競争力へと転換する取り組みを進めています。
また、社員一人ひとりが経営理念や経営方針を深く理解し、チームとして顧客価値を最大化できる組織文化の醸成にも継続して取り組んでいます。企業規模の拡大に応じた内部管理体制の構築を図るため、コーポレート・ガバナンスの強化および内部統制の継続的な改善・強化も推進しています。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
同社は監査役会設置会社であり、取締役会と監査役会を設置しています。経営の客観性や透明性を確保するため、取締役会の任意の諮問機関として指名・報酬委員会とコンプライアンス・リスクマネジメント委員会を設置し、ガバナンス体制の強化に努めています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
同社の株主構成を見ると、筆頭株主は代表取締役CEOである飯野匡道氏の資産管理会社である株式会社IAMです。飯野氏個人や飯野亜矢子氏も上位株主として名を連ねており、創業家およびその関連会社が同社の資本構成において大きな割合を占めていることがうかがえます。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| IAM | 55.15% |
| 飯野 亜矢子 | 5.50% |
| 野村信託銀行(投信口) | 3.53% |
| 上嶋 秀治 | 1.92% |
| 飯野 匡道 | 1.92% |
(注)1.発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合は、小数点第三位を四捨五入して表示しております。
2.IAMは同社の代表取締役CEOである飯野匡道の資産管理会社であります。
3.当事業年度末における野村信託銀行株式会社の信託業務に係る株式数については、同社として把握することができないため記載しておりません。
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は7名(男性6名・女性1名)で構成され、女性役員比率は14.3%です。代表取締役社長CEOは飯野匡道氏が務めています。社外取締役比率は50.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 飯野 匡道 | 代表取締役社長CEO 執行役員 | 1988年オムロン・マイコンシステムズ株式会社(現ソフトバンク株式会社)入社。2001年トーワ電機株式会社取締役就任。2016年同社代表取締役社長就任。2025年同社代表取締役社長CEO執行役員就任より現職。 |
| 大橋 達夫 | 取締役CFO 執行役員 経営管理本部長 | 2005年監査法人トーマツ入所。2016年株式会社スカイパレスアソシエイツ入社。2020年同社取締役就任。2025年同社取締役CFO執行役員経営管理本部長就任より現職。 |
社外取締役は、栗原さやか氏(仙台あさひ法律事務所開設パートナー弁護士)、上山亨氏(カケルパートナーズ合同会社代表社員)です。
同社は監査役会設置会社であり、取締役4名(うち社外取締役2名)、監査役3名(うち社外監査役3名)を選任しています。監査役の任期と独任制の観点から、長期かつ安定的な監査を実施できる体制となっています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社の役員報酬は、月額の固定報酬を基本的な構成としています。加えて、会社の業績や経営戦略を考慮し、取締役のインセンティブ向上のために新株予約権を付与する方針です。監査役の報酬は、株主総会で決議された総額の範囲内で監査役間の協議により決定されます。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 3名 | 54百万円 | 18.0百万円 |
| 社外取締役 | 3名 | 5百万円 | 1.6百万円 |
| 社外監査役 | 3名 | 10百万円 | 3.2百万円 |
なお、総額には期中に退任した役員の報酬が含まれます。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。
💬キャリコネで会社の実態を確認する
決算資料で業績や財務の状況を把握することは、転職の準備として非常に有効です。数字は会社の今の実力と方向性を正直に示しています。
ただ、数字だけでは見えてこないこともあります。職場の雰囲気、上司との関係、実際の残業の実態、昇給のリアル——こうした情報は、現役社員やOB・OGの声から得られます。
企業口コミサイト「キャリコネ」では、社員のリアルな口コミや給与明細、求人情報をまとめて確認できます。決算データと合わせてチェックすることで、応募判断の精度が上がります。



上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。