※本記事は、ショーボンドホールディングス株式会社 の有価証券報告書(2025年6月期、2024年7月1日 ~ 2025年6月30日、2025年9月25日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
ショーボンドホールディングスは純粋持株会社であり、単体従業員数は22名、グループ連結従業員数は1,051名です。
同社グループは、連結子会社17社及び関連会社3社で構成され、土木建築工事業と製品の製造・販売に関する事業を展開しています。純粋持株会社としてグループ全体の経営戦略立案と子会社の業務執行管理を担っています。
主な国内グループ会社は、ショーボンド建設(国内建設)、ショーボンドマテリアル(その他・(製品製造販売業))、SHO-BOND&MIT インフラメンテナンス(その他・(国内外製品販売業))などです。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
同社グループは、社会資本のメンテナンスを担う企業として、持続可能な社会の実現に貢献するという企業理念を掲げています。この理念に基づき、社員一人ひとりが能力を最大限に発揮できる職場環境づくりを目指しています。持株会社としてグループ全体の人材戦略を推進し、安定した事業基盤のもとで専門性を高められる環境が特徴です。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は、平均勤続年数が長く、従業員の定着性が高い傾向にあります。平均年齢も比較的高い水準であり、経験豊富な人材が多数在籍していることがうかがえます。これにより、長期的なキャリア形成が可能な環境であると考えられます。なお、同社は持株会社であり、傘下の関係会社は以下のデータと同水準とは限りません。各社の求人情報や口コミサイト等を別途参照してください。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 12,122,000円 |
| 平均勤続年数 | 14.2年 |
| 平均年齢 | 43.6歳 |
| 単体従業員数 | 22人 |
| 連結従業員数 | 1,051人 |
| 単体のグループ内比率 | 2.1% |
同社グループは、従業員の退職給付に充てるため確定給付企業年金制度(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)と確定拠出型(会社が拠出した資金を従業員が運用する)の両方を採用しています。退職給付債務は49.5億円、年金資産は50.8億円となっています。また、退職一時金制度がありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。このほか、複数事業主制度であるトープラ企業年金基金にも加入しており、当事業年度の要拠出額は218百万円です。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、社員一人ひとりが心身ともに健康で、安心して長く働き続け、能力を最大限に発揮できる職場づくりを目指しています。人材育成においては、OJTを主体とした研修を通じて、若手社員にも責任ある業務を任せ、自ら課題を解決することで能力向上を図る方針です。社員の成長段階に合わせた知識・技術習得の機会を設け、長期的な視点での人材育成に取り組んでいます。
また、多様な人材の活用を重視し、採用活動から公平な選考を行い、管理職への登用も能力と実績を重視する人物本位で実施しています。社内環境整備では、総労働時間の適正化に早期から取り組み、低い離職率と高い定着力を維持しています。育児・介護や転勤など、社員のニーズに合わせた職場環境の改善も継続的に行っています。
人権尊重も重要なテーマであり、国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」に則った人権方針を制定し、研修やハラスメント防止策を通じて、すべてのステークホルダーと協力して人権尊重に取り組んでいます。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データは、公表義務の対象ではないため開示されていません。
連結子会社の法定開示データ
主要事業会社3社の数値のみ掲載します。
労働者の男女の賃金の差異については、採用区別、等級別の人数構成等の差によるものであり、階層・職位等が同等であれば男女間で賃金の差が生じることはありません。
▼ ショーボンド建設㈱
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 2.6% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 78.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 59.8% |
| 労働者の男女の賃金の差異(うち正規雇用労働者) | 63.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(うちパート・有期労働者) | 39.3% |
人的資本
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 男性労働者の育児休業取得率 | 82.0% |
| 定期採用における女性比率 | 19.0% |
| 女性技術者数 | 45名 |
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
ショーボンドホールディングスは、純粋持株会社として同社グループ全体の経営戦略を立案し、インフラメンテナンスを主軸とした事業を展開しています。連結子会社を通じて、社会基盤の維持・補強に貢献する多様なサービスを提供しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
ショーボンドホールディングスは純粋持株会社であり、連結子会社17社と関連会社3社で構成される同社グループの経営戦略立案と子会社の管理を担っています。同社グループは、地域と事業内容に応じて配置された連結子会社が土木建築工事業や製品の製造・販売に関する事業を展開し、収益を上げています。
国内建設
公共構造物の補修補強工事や製品販売を主な事業内容としています。収益は、主に工事と工事材料の販売から得ています。運営は、ショーボンド建設他12社と関連会社1社が行っています。
その他の事業セグメント
製品製造事業、国内外への工事用材料販売、海外建設事業を含んでいます。収益は、工事用材料やメカニカル継手の製造販売、海外での建設事業から得ています。運営は、ショーボンドマテリアル、SHO-BOND&MITインフラメンテナンス、ショーボンド(ホンコン)LTD.、SHO-BOND&MIT USA,INC.、CPAC SB&M Lifetime Solution Co.,Ltd.、Structural Technologies, LLCが行っています。
同社グループの売上高は、国内建設セグメントが大部分を占めています。また、主要な顧客として東日本高速道路、西日本高速道路、国土交通省といった公共性の高い機関からの売上が大きな割合を占める傾向にあります。海外売上高は連結損益計算書の売上高の90%を超えないため、国内市場が事業の中心となっています。
| セグメント | 売上高(2024年6月期) | 売上高(2025年6月期) |
|---|---|---|
| 国内建設 | 813億円 | 868億円 |
| その他の事業セグメント | 40.8億円 | 39.4億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの直近5期間の業績は、売上高、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益のいずれも増加傾向を示しています。特に、親会社株主に帰属する当期純利益は着実に伸びており、安定した成長を続けていることがうかがえます。ナラティブによると、同社グループは11期連続で増収増益を達成しています。
| 項目 | 2021年6月期 | 2022年6月期 | 2023年6月期 | 2024年6月期 | 2025年6月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 801億円 | 812億円 | 839億円 | 854億円 | 907億円 |
| 経常利益 | 163億円 | 177億円 | 186億円 | 204億円 | 211億円 |
| 経常利益率 | 20.4% | 21.8% | 22.2% | 23.9% | 23.3% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 113億円 | 124億円 | 129億円 | 143億円 | 151億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 210.68 | 231.06 | 243.53 | 273.73 | 292.03 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上高(連結)は前期から増加しており、従業員1人あたり営業利益(連結)も同様に増加しています。これは、同社グループ全体の生産性が向上していることを示しています。組織全体の効率化が進み、従業員一人ひとりが生み出す価値が高まっている傾向が見られます。
| 指標 | 2024年6月期 | 2025年6月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 83.8百万円 | 86.3百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 19.3百万円 | 19.8百万円 |
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
ショーボンドホールディングスは、堅実な財務基盤と安定したキャッシュフローを維持しています。これにより、事業の継続性と将来への投資余力を確保している状況です。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
ショーボンドホールディングスの財務基盤は強固な状態です。当期の自己資本比率は81.4%であり、プライム市場の非製造業平均と比較して高い水準を示しています。ROE(自己資本利益率)も14.5%と、プライム市場平均を上回る水準で推移しています。手元資金である現金及び預金も325億円を確保しており、不況時にも耐えうる安定性があると言えます。これらの財務指標は、事業の安定性や将来の成長に向けた基盤が整っていることを示しています。
| 指標 | 2024年6月期(前期) | 2025年6月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 1,044億円 | 1,064億円 |
| 自己資本比率 | 79.2% | 81.4% |
| ROE(自己資本利益率) | 14.2% | 14.5% |
| 現金及び預金 | 273億円 | 325億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
ショーボンドホールディングスの当期のキャッシュフローは、本業で安定的に資金を創出している状況です。営業活動によるキャッシュフローは94.7億円の増加となり、主に税金等調整前当期純利益の増加要因によるものです。投資活動によるキャッシュフローは4.6億円の増加となり、有価証券及び投資有価証券の売却収入が有形固定資産の取得支出を上回っています。その結果、フリーキャッシュフローは99.4億円のプラスを確保しており、本業の稼ぎが投資を上回る優良な状態を示しています。財務活動によるキャッシュフローは127.0億円の減少となり、配当金の支払いや自己株式の取得による支出が主な要因です。これらの資金の流れは、同社グループが安定した事業運営を行いながら、株主還元も積極的に実施していることを示しており、入社後の雇用や給与の安定性にも寄与すると考えられます。
| 項目 | 2024年6月期(前期) | 2025年6月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 194.1億円 | 94.7億円 |
| 投資CF | 24.9億円 | 4.6億円 |
| 財務CF | △92.1億円 | △127.0億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 219.0億円 | 99.4億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは建設事業の割合が高く、建設市場の著しい縮小や競争環境の激化が生じた場合、工事受注量の減少や工事採算の低下により業績に影響を及ぼす可能性があります。また、建設資材価格や労務単価の急激な高騰、技能労働者の不足が生じた場合、工事原価の上昇による工事採算の低下や工事遅延等が発生するリスクがあります。
③ 人材・組織に関するリスク
建設資材価格や労務単価の急激な高騰に加え、技能労働者の不足が生じた場合、工事原価の上昇や工事遅延等により業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
ショーボンドホールディングスは、「社会資本を良好な状態で次世代に引継ぐ」という使命感を持ち、メンテナンス業界のトップランナーとして社会貢献を目指す企業です。高度な技術開発力で豊かで安全な社会の実現に貢献することを掲げています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは、「社会資本を良好な状態で次世代に引継ぐ」というグループ企業理念を掲げています。メンテナンス業界のトップランナーとして、高度な技術開発力で豊かで安全な社会の実現に貢献することを使命としています。
めざし続ける姿として、メンテナンス専業としての使命を果たすこと、化学技術と土木技術の融合により新材料・新工法を開発する「技術のショーボンド」であること、そして収益性・効率性重視の経営を追求しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループの社是は、「熟慮して決断」「行動への責任」「統一ある職場」「社会への貢献」の四つです。社員一人ひとりが心身ともに健康で、安心して長く働き続け、資質・能力を最大限に発揮できる職場づくりを目指しています。
多様な人材を活かし、その能力が最大限発揮できる機会を提供することで、イノベーションを生み出し、価値創造につなげていくことを重視しています。管理職への登用は、性別や国籍、新卒・中途採用等に関係なく、能力や実績を重視する人物本位で実施されています。
また、国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」に則った人権方針を2022年8月に制定し、人権尊重に取り組んでいます。社員のニーズに耳を傾け、職場環境の改善を継続することで、高い定着力を維持する傾向が見られます。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、「中期経営計画2027」において、「事業性と社会性を追求した企業価値の向上」を基本方針としています。持続的な利益成長と社会課題への取り組みの両立に向けて、各施策を遂行しています。
具体的には、人的資本への投資継続をはじめとする非財務資本の活用を含む財務・非財務両面の資本政策により、企業価値の更なる向上を実現していく方針です。また、DXによる生産性向上と働き方改革の推進も重点テーマの一つとしています。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
ショーボンドホールディングスは監査等委員会設置会社であり、監査等委員の過半数が社外取締役で構成されています。これにより、取締役会の監督機能とコーポレート・ガバナンス体制の強化を図っています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
ショーボンドホールディングスの株主構成を見ると、上位には複数の機関投資家や財団が名を連ねています。具体的には、信託銀行や海外の金融機関、一般財団法人が主要な株主として存在しています。これにより、幅広い投資家層に支えられている資本構成であると言えます。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 日本マスタートラスト信託銀行(信託口) | 11.48% |
| 一般財団法人上田記念財団 | 10.61% |
| STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505001 | 9.30% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は7名(男性6名・女性1名)で構成され、女性役員比率は14.3%です。代表取締役社長は岸本達也氏が務めています。社外取締役比率は42.9%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 岸本 達也 | 代表取締役社長 | 2001年4月ショーボンド建設入社。同社取締役執行役員近畿圏支社長、取締役副社長を経て、2017年9月より同社代表取締役社長に現職。 |
| 関口 恭裕 | 常務取締役 コーポレート担当 兼経営企画部長 | 1989年4月三菱銀行(現三菱UFJ銀行)入行。2017年7月ショーボンド建設入社後、当社取締役経営企画部長を経て、2023年9月より同社常務取締役コーポレート担当兼経営企画部長に現職。 |
| 島田 貴靖 | 取締役 事業戦略担当 | 1992年4月ショーボンド建設入社。同社執行役員中部支社長、取締役中部支社長、常務取締役営業本部長兼DX推進室長を経て、2023年9月より同社取締役事業戦略担当に現職。 |
| 荒井 摂 | 取締役 販売事業担当 | 1995年4月ショーボンド建設入社。同社執行役員近畿圏支社長、取締役首都圏北陸支社長を経て、2024年9月より同社取締役販売事業担当、ショーボンドマテリアル代表取締役社長に現職。 |
社外取締役は、三浦悟氏(公認会計士・監査等委員)、本郷亮氏(弁護士・監査等委員)、桑野玲子氏(東京大学生産技術研究所教授・監査等委員)です。
同社は監査等委員会設置会社を採用しており、社外取締役は独立した立場で、業務執行の監督と助言を通じてコーポレート・ガバナンスの強化に貢献しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
ショーボンドホールディングスは持株会社であるため、取締役の報酬は基本報酬のみで構成されており、金銭による月例の固定報酬として支給されています。業績連動報酬や賞与は、取締役が兼務する子会社から支給される仕組みです。報酬の決定は、代表取締役社長が作成した案を指名・報酬等諮問委員会が審議し、取締役会で決定されています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 5名 | 94百万円 | 18.8百万円 |
| 監査等委員(社外除く) | 2名 | 23百万円 | 11.5百万円 |
| 社外役員 | 3名 | 21百万円 | 7.0百万円 |
当事業年度における役員報酬の総額は1.38億円、対象となる役員の総数は10名です。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。
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