【平均年収760万円】ニデック 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年3月期)

【平均年収760万円】ニデック 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年3月期)

ニデックは、精密小型モータ、車載用製品、家電・商業・産業用製品などを製造・販売し、グローバルに事業を展開しています。連結従業員数は10万人を超え、直近の業績では売上高・利益ともに過去最高を更新する増収増益となりました。


目次

※本記事は、ニデック株式会社 の有価証券報告書(2025年3月期、2024年4月1日 ~ 2025年3月31日、2025年9月26日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は IFRS です。

1. 企業概要:どんな会社?


ニデックは、精密小型モータ、車載用製品、家電・商業・産業用製品、機器装置、電子・光学部品などの製造・販売を主な事業とする企業です。同社グループは、これらの幅広い製品群を通じてグローバルに事業を展開しています。

単体従業員数は1,714名、連結従業員数は104,285名です。同社グループの報告セグメントは、SPMS、AMEC、MOEN、ACIM、機械事業、グループ会社事業の6つです。

同社グループは、第2四半期連結会計期間より報告セグメントの区分を変更しました。また、2025年4月1日付でニデックモビリティとニデックエレシスを経営統合しています。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


ニデックは、グローバルに事業を展開する総合モータメーカーとして、多様な人材が活躍できる環境づくりに注力しています。同社グループは、第2創業期を迎え、グループ一体化経営への変革を進めており、それに伴い人事施策や基盤整備を強化しています。社員一人ひとりの成長と挑戦を支援し、グローバルな視点でのキャリア形成を重視する傾向が見られます。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社は、平均勤続年数が比較的長く、従業員の定着が進んでいる傾向を示しています。平均年齢も40歳代前半であり、経験豊富な人材が多数在籍していることがうかがえます。

項目 数値
平均年間給与 7,604,284円
平均勤続年数 13.3年
平均年齢 42.2歳
単体従業員数 1,714人
連結従業員数 104,285人
単体のグループ内比率 1.6%


同社は確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)と確定拠出型(会社が拠出した資金を従業員が運用する)の退職給付制度を設けています。この制度は国内を対象としています。
なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


ニデックは「100年を超えて成長し続けるグローバル企業」「人類が抱える多くの課題を解決する世界No.1のソリューション企業集団」を目指し、第2創業期としてグローバルな飛躍を達成するための人的資本経営を推進しています。旧来の連邦経営からグループ一体化経営(One Nidec)への転換を図り、グループシナジー創出のための人事施策・基盤整備を進めています。

同社は「NIDECグローバル人事ポリシー」を策定しており、「組織・人材開発ポリシー」では個人の存在価値を尊重し、多様な意見を取り入れながら新たな価値を創出する風土の醸成を目指しています。また、「人事制度ポリシー」では、公正・公明・公平な評価に基づき、適切なキャリア機会を提供し、実力に応じた報酬で挑戦を支援する方針を示しています。管理職・非管理職のリーダークラス以上にはジョブ型人事制度(職務等級制度)を導入し、職責・職務の大きさと成果に応じて月例給を決定しています。

人材開発においては、経営層および重要ポスト後継者候補の開発、次世代リーダー(管理職層・担当者層)の開発、そして理念の浸透を重点テーマとしています。具体的には、創業者による育成塾や「グローバル経営大学校」を通じて経営人材を育成し、社内公募制度や機能軸人材マネジメント制度により人材の流動化とプロフェッショナル人材の育成を促進しています。また、キャリア採用は通年で実施し、新卒採用も2027年度入社から通年採用に移行する予定です。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データです。

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合(%) 8.5%
男性労働者の育児休業取得率(%) 42.9%
労働者の男女の賃金の差異(%)(全労働者) 70.9%
労働者の男女の賃金の差異(%)(正規雇用労働者) 77.4%
労働者の男女の賃金の差異(%)(パート・有期労働者) 33.4%

連結子会社の法定開示


主要事業会社3社の数値のみ掲載します。

▼ ニデックインスツルメンツ㈱

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合(%) 1.7%
男性労働者の育児休業取得率(%) 22.7%
労働者の男女の賃金の差異(%)(全労働者) 71.7%
労働者の男女の賃金の差異(%)(正規雇用労働者) 71.8%
労働者の男女の賃金の差異(%)(パート・有期労働者) 67.1%


▼ ニデックアドバンステクノロジー㈱

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合(%) 7.1%
男性労働者の育児休業取得率(%) 66.7%
労働者の男女の賃金の差異(%)(全労働者) 73.2%
労働者の男女の賃金の差異(%)(正規雇用労働者) 76.1%
労働者の男女の賃金の差異(%)(パート・有期労働者) 45.7%


▼ ニデックパワートレインシステムズ㈱

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合(%) 10.6%
男性労働者の育児休業取得率(%) 60.0%
労働者の男女の賃金の差異(%)(全労働者) 75.6%
労働者の男女の賃金の差異(%)(正規雇用労働者) 83.2%
労働者の男女の賃金の差異(%)(パート・有期労働者) 27.6%

経営層及び重要ポスト後継者開発に関する指標


対象範囲はニデックグループ全体となります。内部継承率については2024年度時点で2025年度目標85%を達成しています。後継者の継承準備度(即時継承可能)は、2024年度に重要ポストの見直しとサクセッションプラン策定の取り組み定着を図った結果、実績値が低下しています。

指標 2022年度 2023年度 2024年度 2025年度目標
内部継承率 65.3% 84.6% 89.5% 85%
後継者の継承準備度(即時継承可能) - 59.8% 57.9% 70%
後継者の継継承準備度(1~2年後に継承可能) 62.1% 55.6% 60.5% 70%
後継者の継継承準備度(3~5年後に継承可能) - 40.2% 50.0% 60%

教育・研修に関する指標


日本地域における一人当たりの研修時間、一人当たりの研修費用については2024年度から集計を開始しています。キャリア意識は、従業員意識調査「組織パフォーマンスサーベイ」の「あなたは、キャリアの方向性を描いていますか?」の設問に対し、「そう思う」、「ややそう思う」と回答した社員の割合です。

スコープ 指標 2022年度 2023年度 2024年度 2025年度目標
当社 一人当たりの研修時間(時間) 12.9時間 12.0時間 14.9時間 15時間
当社 一人当たりの研修時間(日) 1.6日 1.5日 1.9日 1.9日
当社 一人当たりの研修費用(円) 13,526円 17,409円 17,507円 20,000円
当社 キャリア意識(全社員) 50.2% 50.4% 52.5% 55.0%
当社 キャリア意識(男性) 51.2% 51.5% 52.6% -
当社 キャリア意識(女性) 44.8% 44.4% 52.1% -
日本地域 一人当たりの研修時間(時間) - - 10.9時間 -
日本地域 一人当たりの研修時間(日) - - 1.4日 -
日本地域 一人当たりの研修費用(円) - - 6,019円 -

理念浸透に関する指標


ビジョンの浸透度は、従業員意識調査「組織パフォーマンスサーベイ」の「あなたの職場では、会社の経営理念やビジョンが共感されていますか?」の設問に対し、「そう思う」、「ややそう思う」と回答した社員の割合です。女性のビジョンの浸透度については、2024年度時点で目標85.0%を達成しています。連携・コミュニケーションは、同サーベイにおける連携やコミュニケーションに関する合計30設問の5段階評価の平均点です。エンゲージメントは、同サーベイにおけるエンゲージメントに関する合計19設問の5段階評価の平均点です。

指標 2022年度 2023年度 2024年度 2025年度目標
ビジョンの浸透度(全社員) 80.9% 76.4% 79.2% 85.0%
ビジョンの浸透度(男性) 80.8% 75.8% 78.0% 85.0%
ビジョンの浸透度(女性) 81.4% 79.7% 85.7% 85.0%
連携・コミュニケーション(全社員) 3.66 3.66 3.70 -
連携・コミュニケーション(男性) 3.65 3.64 3.67 -
連携・コミュニケーション(女性) 3.70 3.78 3.88 -
エンゲージメント(全社員) 3.60 3.62 3.67 -
エンゲージメント(男性) 3.61 3.62 3.65 -
エンゲージメント(女性) 3.57 3.63 3.74 -

採用に関する指標


採用に関する指標のうち、一人当たり採用コスト、採用に係る平均日数、離職率は当社のみの数値です。新卒採用における一人当たり採用コストは、2024年度に新卒採用市場の競争率が高まっていることや、グローバル化推進に伴う役割拡大を背景に、母集団形成強化のため増加しています。性別ごとの離職率は2024年度から集計を開始しています。

指標 2023年度 2024年度 2025年度目標
一人当たり採用コスト(新卒採用) 302千円 786千円 -
一人当たり採用コスト(キャリア採用) 2,129千円 2,590千円 -
採用に係る平均日数(キャリア採用) 32.9日 30.6日 30日未満
離職率(全社員) 20.4% 15.0% -
離職率(男性) - 14.7% -
離職率(女性) - 16.6% -

ダイバーシティに関する指標


女性役員比率については、2024年度より外国籍役員も含めて算出しています。女性管理職候補比率については2023年度時点で目標15.0%を達成しています。日本地域における階層別女性比率は2024年度から集計を開始しています。

スコープ 指標 2023年度 2024年度
日本地域 女性役員比率 - 3.4%
日本地域 女性管理職比率 - 5.0%
日本地域 女性管理職候補比率 - 13.7%
全体 障害者雇用率 2.7% 2.8%

育児休業に関する指標


当社における女性の育児休業取得者数/率について、雇用形態別の集計は2023年度から開始しています。日本地域の育児休業に関する指標は2024年度から集計を開始しています。

スコープ 指標 2022年度 2023年度 2024年度
当社 育児休業取得者数/率(男性)(全労働者) 24名/31.2% 27名/47.4% 24名/42.9%
当社 育児休業取得者数/率(男性)(正規雇用労働者) 24名/31.2% 27名/47.4% 24名/42.9%
当社 育児休業取得者数/率(男性)(パート・有期雇用労働者) 0名/- 0名/- 0名/-
当社 育児休業取得者数/率(女性)(全労働者) 19名/100% 12名/100% 23名/100%
当社 育児休業取得者数/率(女性)(正規雇用労働者) - 11名/100% 22名/100%
当社 育児休業取得者数/率(女性)(パート・有期雇用労働者) - 1名/100% 1名/100%
当社 育児休業復職率 92.5% 100% 92.1%
当社 育児休業定着率 81.0% 76.9% 78.3%
日本地域 育児休業取得者数/率(男性)(全労働者) - - 78名/45.3%
日本地域 育児休業取得者数/率(男性)(正規雇用労働者) - - 78名/45.3%
日本地域 育児休業取得者数/率(男性)(パート・有期雇用労働者) - - 0名/-
日本地域 育児休業取得者数/率(女性)(全労働者) - - 75名/100%
日本地域 育児休業取得者数/率(女性)(正規雇用労働者) - - 74名/100%
日本地域 育児休業取得者数/率(女性)(パート・有期雇用労働者) - - 1名/100%
日本地域 育児休業復職率 - - 95.7%
日本地域 育児休業定着率 - - 82.0%

制度を活用できる社員の割合


テレワーク適用率および時差勤務制度適用率・実施率の集計範囲は国内で勤務する社員に限っています。海外赴任者は赴任先の現地法人の就業規則に準拠しています。テレワーク実施率について、コロナ禍においては積極的に実施していましたが、現在は対面でのコミュニケーション・業務運営を原則とし、円滑な業務遂行や意思決定のスピード向上に努めています。性別ごとの年次有給休暇の取得状況は2024年度から集計を開始しています。

指標 2022年度 2023年度 2024年度
テレワーク適用率 100% 100% 100%
テレワーク実施率 - 3.1% 3.3%
時差勤務制度適用率 83.0% 97.2% 96.4%
時差勤務制度実施率 - 3.7% 3.9%
年次有給休暇の取得状況(全社員) 69.0% 73.0% 64.9%
年次有給休暇の取得状況(男性) - - 62.0%
年次有給休暇の取得状況(女性) - - 75.6%

健康経営に関する指標


欠勤率、性別ごとの月平均残業時間については2024年度から集計を開始しています。2024年度は健康増進プログラムの内容および集計方法を変更したことに起因して実績値が低下しています。

指標 2022年度 2023年度 2024年度
メンタルヘルスによる年間長期欠勤・休職者数 70名 33名 16名
メンタルヘルス以外の疾病による年間長期欠勤・休職者数 13名 4名 4名
欠勤率 - - 1.0%
健康増進プログラムへの参加率 83.4% 67.8% 25.2%
月平均残業時間(全社員) 19.6時間 20.1時間 19.3時間
月平均残業時間(男性) - - 22.5時間
月平均残業時間(女性) - - 9.0時間

労働災害に関する指標

指標 2022年度 2023年度 2024年度
労働災害の発生件数 2件 6件 4件
労働災害度数率 0.5 1.7 1.2
労働災害により失われた時間 32時間 948時間 0時間
労働災害による死亡者数 0名 0名 0名

コンプライアンスに関する指標


解雇には諭旨解雇を含んでいます。

指標 2022年度 2023年度 2024年度
懲戒処分の発生件数(解雇) 2件 0件 1件
懲戒処分の発生件数(解雇以外) 4件 3件 1件
コンプライアンス研修の受講率 97.0% 94.4% 95.4%

有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


ニデックは、精密小型モータを基盤に、車載用製品、家電・商業・産業用製品、機器装置、電子・光学部品など多岐にわたる製品の製造・販売を手掛けています。同社グループは、グローバルな市場で幅広い顧客に製品を提供し、収益を上げています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、精密小型モータ、車載用製品、家電・商業・産業用製品、機器装置、電子・光学部品などの製造・販売を主な事業内容としています。これらの事業は、顧客との契約に基づき、物品の引き渡しが完了した時点、またはサービス提供が完了した時点で収益を認識しています。一部の工事契約においては、一定の期間にわたり履行義務が充足されると判断し、進捗度に応じて収益を認識しています。

同社グループは、6つの報告セグメントで構成されています。

SPMS

HDD用モータ及びその他小型モータの製造・販売を行っています。収益は、HDD用モータやAIデータセンター向け水冷モジュールをはじめとする新分野の売上増加から得ています。

AMEC

車載用製品の製造・販売を行っています。収益は、電動パワーステアリング用モータや電動ブレーキブースター用モータなどの需要を取り込んだ車載オーガニック事業の売上増加から得ています。

MOEN

家電・商業・産業用製品の製造・販売を行っています。収益は、データセンターの非常用電源向け発電機やバッテリーエネルギー貯蔵システム(BESS)などのエネルギー分野の需要増加から得ています。

ACIM

家電・商業・産業用製品の製造・販売を行っています。収益は、商業・産業用モータなどの売上増加から得ています。

機械事業

機器装置、工作機械の製造・販売を行っています。収益は、新規連結の影響や液晶ガラス基板搬送用ロボットの増収から得ています。

グループ会社事業

車載用製品、家電・商業・産業用製品、機器装置、電子部品及びその他小型モータ、その他製品の製造・販売を行っています。収益は、ニデックインスツルメンツやニデックプレシジョンなどの売上増加から得ています。

同社グループの売上高は、日本、中国、その他アジア、米国、欧州など世界各地で構成されており、特定の地域に収益が集中している状況ではありません。為替変動は売上高や営業利益に影響を与える要因となっています。

セグメント 売上高(2024年3月期) 売上高(2025年3月期) セグメント利益(2024年3月期) セグメント利益(2025年3月期) 利益率
グループ会社事業 5,858億円 6,183億円 756億円 876億円 14.2%
MOEN 4,598億円 5,739億円 613億円 703億円 12.3%
ACIM 4,280億円 4,623億円 426億円 406億円 8.8%
SPMS 3,306億円 3,913億円 260億円 411億円 10.5%
AMEC 3,385億円 3,487億円 △557億円 △30.0億円 △0.9%
機械事業 2,044億円 2,134億円 284億円 178億円 8.4%

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの過去5期間の業績推移を見ると、売上高は一貫して増加傾向にあり、当連結会計年度には過去最高を更新しました。親会社の所有者に帰属する当期利益も、直近の2期間で大きく増加し、当連結会計年度に過去最高を更新しています。税引前当期利益も同様に増加し、過去最高を更新しました。

項目 2021年3月期 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期
売上高 1兆6,181億円 1兆9,182億円 2兆2,300億円 2兆3,472億円 2兆6,078億円
税引前利益 1,529億円 1,700億円 1,104億円 2,017億円 2,333億円
税引前利益率 9.5% 8.9% 5.0% 8.6% 8.9%
親会社の所有者に帰属する当期利益 1,219億円 1,358億円 370億円 1,245億円 1,644億円
1株当たり当期純利益(円) 104.10 116.20 32.13 108.30 143.06

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたり売上高(連結)は、前期から当期にかけて増加しており、生産性が向上している傾向が見られます。また、従業員1人あたり営業利益(連結)も前期から当期にかけて増加しており、従業員一人あたりの収益創出能力が高まっていることが示されています。これらの指標の改善は、同社グループの収益体質の強化と組織効率化の進展を示唆しています。

指標 2024年3月期(前期) 2025年3月期(当期)
従業員1人あたり売上高(連結) 23.2百万円 25.0百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 1.6百万円 2.3百万円

業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


ニデックグループの財務状況は、安定した基盤と成長に向けた投資のバランスが取れていることを示しています。本業で着実に資金を生み出しながら、将来への投資も継続している状況です。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


ニデックグループの財務基盤は、自己資本比率がプライム市場の製造業平均(46.8%)を上回る水準で推移しており、安定性を示しています。ROE(自己資本利益率)もプライム市場平均(9.4%)を上回っており、効率的な経営が行われていることがうかがえます。手元資金も潤沢に確保されており、事業運営における安定性が高い状況です。

これらの財務状況は、長期的な視点での事業継続と、それに伴う雇用や給与の安定性につながる基盤となっています。

指標 2024年3月期(前期) 2025年3月期(当期)
自己資本 1兆6,315億円 1兆7,171億円
自己資本比率 51.6% 51.8%
ROE(自己資本利益率) 8.4% 9.8%
現金及び現金同等物 2,170億円 2,462億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


ニデックグループのキャッシュフローを見ると、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローは、当期に2,844億円の収入となりました。これは前期の3,208億円から減少しています。投資活動によるキャッシュフローは、有形固定資産の取得や事業買収、研究開発活動への支出などにより、当期は1,473億円の支出となりました。これは前期の1,536億円の支出から減少幅が縮小しています。

財務活動によるキャッシュフローは、短期借入金の増加や長期債務の調達があった一方で、社債の償還や配当金の支払いにより、当期は802億円の支出となりました。これは前期の1,816億円の支出から減少幅が縮小しています。結果として、営業活動によるキャッシュフローから投資活動によるキャッシュフローを差し引いたフリーキャッシュフローは、当期に1,372億円のプラスとなっています。

本業で安定して資金を生み出し、それを成長のための投資に充てている状況であり、財務的な健全性を保ちながら事業拡大を目指していることがうかがえます。この資金の流れは、同社グループが持続的な成長を追求し、将来にわたる雇用や給与の安定性につながる可能性を示しています。

項目 2024年3月期(前期) 2025年3月期(当期)
営業CF 3,208億円 2,844億円
投資CF △1,536億円 △1,473億円
財務CF △1,816億円 △802億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 1,672億円 1,372億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループは、グローバルに事業を展開しているため、事業を展開する各国・地域における政治・経済情勢の変動が経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。特に、保護主義的な貿易政策の台頭や地政学的リスクの顕在化は、需要変動やサプライチェーンの寸断、為替レートの急激な変動などを引き起こす可能性があります。

また、急速な技術革新や産業構造の変化も、ビジネスモデルに深刻な影響を与えるリスクとして認識されています。AIの進化や自動運転技術の進展に伴い、従来の製品に対する需要が急激に減少する可能性があり、これに適切に対応できない場合、売上や利益の減少を招く恐れがあります。

③ 人材・組織に関するリスク

同社グループは、高度な専門性をもつ優れた人材やグローバルに活躍できる人材の確保が不可欠であると考えています。人材の流動化や少子高齢化等により人材獲得競争が激化する中、これらの人材を確保できなければ、競争優位性を失い、事業成長に悪影響を及ぼす可能性があります。

④ 雇用安定性・リストラ

当期において、AMECセグメントで構造改革費用30億4百万円を計上しています。この費用は事業再編や人員削減等に伴うものであり、転職先を検討する際に留意すべき情報です。

財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


ニデックは、グローバルな事業展開とM&A戦略を両輪に成長を続ける企業です。世界が直面する課題を解決し、持続的な成長を目指す企業文化を築いています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


同社グループは「100年を超えて成長し続けるグローバル企業」「人類が抱える多くの課題を解決する世界No.1のソリューション企業集団」を目指しています。第2創業期として次の50年に向け、グローバルでのさらなる飛躍を達成する段階にあります。

市場動向を踏まえた「事業5本柱」として、AI社会を支える、サステナブル・インフラとエネルギーの追求、産業の生産効率化、より良い生活の追求(Better Life)、モビリティイノベーションの各領域に注力しています。既存事業の枠を超えてシナジーを追求し、事業拡大を目指しています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


ニデックは「NIDECグローバル人事ポリシー」として「“For Our Future, For Our Dream” ― 世界の人々の明日と私たちの夢のために“挑戦する”組織・人材であり続けます。」を掲げています。組織・人材開発ポリシーでは「Encourage Uniqueness, Respect Team Spirit」として個性を尊重し、多様な意見を受容する風土を醸成しています。

人事制度ポリシーでは「Reward Based on Contributions without Bias」として、公正・公明・公平な評価と適切なキャリア機会の提供を目指しています。創業以来大切にしてきた「情熱・熱意・執念」「知的ハードワーキング」「すぐやる・必ずやる・できるまでやる」の三大精神と「Nidec Way(全社員の行動指針・規範)」を全社員に浸透させ、グループ一体化経営(One Nidec)を推進しています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社グループは、連結子会社における不適切な会計処理や貿易取引上の問題、関税問題などの事案を認識しており、第三者委員会を設置して客観的な調査を進めています。調査の結果判明した事象に対しては、原因究明と再発防止策の策定・実施、財務諸表の訂正等、適切な対応を行う方針です。

また、持続可能な経営の実現に向け、「脱炭素社会の実現」「人権の尊重・適正な労働慣行の浸透」「国際競争力が高い人材の確保・育成」を含む5つの重要分野(マテリアリティ)において改善活動を進めています。これらの成果は役員報酬にも反映される仕組みです。

会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


ニデックは監査等委員会設置会社であり、取締役会は過半数を独立社外取締役で構成されています。これにより、経営の意思決定と監督機能の強化が図られています。指名委員会と報酬委員会も設置されており、コーポレート・ガバナンス体制の充実を目指しています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


ニデックの株主構成を見ると、信託銀行が上位に名を連ねる一方で、創業者の永守重信氏も主要な株主として名を連ねています。複数の金融機関や信託銀行が上位に位置しており、幅広い機関投資家によって支えられている資本構成となっています。創業者が引き続き主要株主であることは、同社の経営において創業者の影響力が一定程度存在することを示しています。

株主名 持株比率
日本マスタートラスト信託銀行(信託口) 13.62%
永守 重信 8.61%
日本カストディ銀行(信託口) 5.26%
京都銀行(常任代理人 日本カストディ銀行) 4.32%
エスエヌ興産合同会社 3.52%


なお、上記所有株式数は2024年10月1日付で実施された普通株式の1株につき2株の割合での分割前の株式数です。

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は11名(男性7名・女性4名)で構成され、女性役員比率は36.4%です。代表取締役社長執行役員最高経営責任者は岸田光哉氏が務めています。社外取締役比率は63.6%です。

氏名 役職 主な経歴
永守 重信 代表取締役グローバルグループ代表(取締役会議長) 1973年7月同社設立、代表取締役社長最高経営責任者。2024年6月代表取締役グローバルグループ代表(取締役会議長)より現職。
岸田 光哉 代表取締役社長執行役員最高経営責任者 1983年4月ソニー株式会社入社。2018年4月ソニーモバイルコミュニケーションズ株式会社代表取締役社長。2024年6月代表取締役社長執行役員より現職。
小部 博志 取締役会長 1973年7月同社設立に参加。2000年4月取締役副社長。2024年4月取締役会長より現職。


社外取締役は、吉井浩氏(元大阪国税局長・常勤監査等委員)、佐藤慎一氏(元財務事務次官)、小松弥生氏(独立行政法人国立美術館東京国立近代美術館長)、酒井貴子氏(大阪公立大学大学院法学研究科教授)、山田文氏(京都大学大学院法学研究科教授・監査等委員)、豊島ひろ江氏(中本総合法律事務所パートナー・監査等委員)、梅田邦夫氏(元特命全権大使・一般財団法人外国人材共生支援全国協会副会長・監査等委員)です。

同社は監査等委員会設置会社であり、取締役会は過半数を独立社外取締役で構成されています。これにより、経営の透明性と客観性を高め、監督機能の強化を図っています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


ニデックの役員報酬は、グローバル競争力の強化と事業の持続的成長を目的として設計されています。固定報酬に加え、前年度の業績達成度に基づく変動報酬(賞与)と、3事業年度の業績達成度に基づく業績連動型株式報酬で構成されています。特に、2024年6月からは業績連動型株式報酬にESG目標が反映されることとなり、ESGパフォーマンスとの連動が強化されています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(監査等委員及び社外除く) 3名 1.7億円 57.0百万円
監査等委員(社外除く) 2名 40百万円 20.0百万円
社外役員 7名 60百万円 8.6百万円


なお、業績連動型株式報酬制度は2018年6月20日開催の定時株主総会で導入されており、当事業年度末の業績連動型株式報酬額の総額が前年度末時点で算定された報酬累計額の総額を下回ったため、表では差額が減額表示されています。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

💬キャリコネで会社の実態を確認する

決算資料で業績や財務の状況を把握することは、転職の準備として非常に有効です。数字は会社の今の実力と方向性を正直に示しています。

ただ、数字だけでは見えてこないこともあります。職場の雰囲気、上司との関係、実際の残業の実態、昇給のリアル——こうした情報は、現役社員やOB・OGの声から得られます。

企業口コミサイト「キャリコネ」では、社員のリアルな口コミや給与明細、求人情報をまとめて確認できます。決算データと合わせてチェックすることで、応募判断の精度が上がります。


この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。


関連記事

ニデックの転職研究 2026年3月期2Q決算に見るキャリア機会

ニデックの2026年3月期2Q決算は、売上高が中間期で過去最高を更新。一方で車載事業の構造改革や不適切会計に伴うガバナンス刷新が急務となっています。「 Conversion2027」による高収益体質への転換や、AIサーバー向け冷却技術等の成長領域で、転職希望者がどのような役割を担えるのかを整理します。