※本記事は、シンポ株式会社 の有価証券報告書(2025年6月期、2024年7月1日 ~ 2025年6月30日、2025年9月18日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
シンポは、無煙ロースター関連事業を主軸とする企業です。焼肉から生じる煙や臭いを吸収・除去するシステム機器の製造販売、附帯工事、メンテナンス、アミ洗浄サービスなどを手掛けています。
単体従業員数は124名、連結従業員数は128名です。
国内においてはシンポが生産・販売を一手に担い、海外1社の連結子会社を通じてグローバルに事業を展開しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
シンポは、無煙ロースター関連事業を主要事業とする企業です。従業員の平均年齢や勤続年数から、一定の経験を持つ人材が活躍している職場環境がうかがえます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、平均年齢が40歳を超え、平均勤続年数も約9年と、比較的安定した環境でキャリアを築いている従業員が多い傾向にあります。従業員数は単体で100名を超えており、グループ全体でも同様の規模感で事業を展開しています。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 7,033,000円 |
| 平均勤続年数 | 8.8年 |
| 平均年齢 | 41.3歳 |
| 単体従業員数 | 124人 |
| 連結従業員数 | 128人 |
| 単体のグループ内比率 | 96.9% |
同社は確定給付型の退職給付制度を採用しており、給与や勤続年数に応じて給付額が決まる仕組みです。この制度は国内グループ会社を対象としています。退職一時金制度もありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。年金資産は1.3億円です。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、働きやすい職場環境の確立やSDGsへの取り組みを通じて、持続可能な社会への貢献を目指しています。人材の多様性の確保と育成を重視しており、人事考課により能力や業務実績を総合的に評価し、性別や国籍に関わらず適正な人材を管理職に登用する方針です。
具体的には、2030年までに女性管理職登用率10%を目指すとともに、男性労働者の育児休業取得率の向上にも取り組んでいます。働きやすい職場環境の確立を通じて安全衛生優良企業を実現し、離職率5%未満を目標としています。多様な属性・能力を持つ人材が活躍できる職場環境の整備に努めています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データを示します。女性管理職比率は女性活躍推進法に基づき算出されています。男性労働者の育児休業取得率および労働者の男女の賃金の差異は、公表義務の対象ではないため記載を省略しています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性管理職比率 | 0.0% |
多様性・登用
| 指標 | 目標 | 実績(当連結会計年度) |
|---|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 10% | 0% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
シンポは、無煙ロースター関連事業を主な事業として展開しています。快適な食環境を提供するシステム機器の製造販売から、その附帯工事、メンテナンス、アミ洗浄サービスまでを一貫して手掛けています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、無煙ロースターの製造販売およびその附帯工事、メンテナンスサービス、アミ洗浄サービスを主要な事業としています。具体的には、肉を焼く際の煙や臭いを吸収し屋外に排気する「ダクト式無煙ロースター」と、ファンを内蔵し脱臭装置で煙や臭いを除去して室内に排気する「ノンダクト式無煙ロースター」の2種類を提供しています。無煙ロースターの製造販売はシンポと神府貿易(上海)有限公司が行っています。
収益モデルとしては、国内市場では主力製品である下引き無煙ロースターの販売が伸び悩む一方で、焼肉店以外の飲食店に対する内装工事や空調工事などの店舗環境工事が堅調に推移しています。また、既存店向けのダクト清掃やアミレンタル事業といったアフターサービスも「ワンストップサービス」として積極的に展開しており、特にアミレンタル事業の受注が好調です。
海外市場では、中期経営計画において海外売上比率を将来的に20%以上へ高めることを重点戦略としています。中国市場の低迷があるものの、香港、台湾などのアジア地域や北米での需要は堅調に推移しており、フィリピン、タイ、ベトナムなどへの積極的な営業展開により海外製品売上高が増加しています。主要な顧客として株式会社物語コーポレーションへの売上高が一定の割合を占めています。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの直近5期間の業績は、売上高が継続して増加傾向にあります。経常利益は増加基調で推移していましたが、直近の期ではわずかに減少しました。親会社株主に帰属する当期純利益も同様に、直近の期で減少に転じています。
| 項目 | 2021年6月期 | 2022年6月期 | 2023年6月期 | 2024年6月期 | 2025年6月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 55.0億円 | 62.1億円 | 63.9億円 | 72.1億円 | 73.7億円 |
| 経常利益 | 7.0億円 | 9.1億円 | 9.7億円 | 10.2億円 | 9.9億円 |
| 経常利益率 | 12.6% | 14.6% | 15.2% | 14.2% | 13.4% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 5.1億円 | 5.3億円 | 6.8億円 | 6.6億円 | 5.9億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 90.63 | 94.07 | 120.66 | 116.78 | 105.50 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたりの売上高は前期からわずかに減少しており、従業員1人あたりの営業利益も前期から減少しています。これは、売上高の増加率が従業員数の増加率を下回ったことや、利益率の低い工事案件の増加が影響したことなどが考えられます。
| 指標 | 2024年6月期(前期) | 2025年6月期(当期) |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 57.7百万円 | 57.6百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 8.1百万円 | 7.6百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
シンポは、本業で得た資金を将来の成長に向けた投資に充てている段階にあります。財務基盤の安定性を維持しつつ、事業拡大のための投資を積極的に行っている状況です。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
シンポグループは、高い自己資本比率を維持しており、強固な財務基盤を有していることが示されています。ROE(自己資本利益率)はプライム市場平均と比較して当期はやや下回っていますが、前期は上回っていました。手元資金は前期から減少しているものの、一定の現金を保有している状況です。
| 指標 | 2024年6月期(前期) | 2025年6月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 67.9億円 | 69.2億円 |
| 自己資本比率 | 81.8% | 79.6% |
| ROE(自己資本利益率) | 10.1% | 8.6% |
| 現金及び預金 | 33.3億円 | 22.8億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
シンポグループの当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローはプラスとなっています。これは、税金等調整前当期純利益や減価償却費の計上などが主な増加要因です。
投資活動によるキャッシュ・フローは、名古屋アミ洗浄工場の建設に伴う有形固定資産の取得による支出が主な要因となり、大幅なマイナスとなっています。財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入れによる収入があったものの、自己株式の取得や配当金の支払額、長期借入金の返済による支出額によりマイナスで推移しています。
これらの状況から、同社グループは本業で安定的に資金を生み出しつつ、将来の成長に向けた設備投資を積極的に行っていることがうかがえます。
| 項目 | 2024年6月期(前期) | 2025年6月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 7.9億円 | 6.7億円 |
| 投資CF | 4.7億円 | △18.8億円 |
| 財務CF | △2.7億円 | △31百万円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 12.6億円 | △12.1億円 |
※フリーCF(フリーキャッシュ・フロー)とは、会社が事業活動と投資活動を通じて自由に使える余剰資金のこと。
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループの主要事業である無煙ロースターの製造販売事業において、主要顧客である焼肉店の牛肉価格高騰や人手不足による人件費高騰が、新規出店や既存店の改装、異業種からの参入減少につながり、業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、競合他社との低価格競争や素材原料の高騰による原価上昇も、同社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
焼肉業界における人手不足による人件費の高騰は、同社グループの業績に影響を及ぼす可能性があると認識されています。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
シンポは、お客様との幸せの共有を追求し、社会と社員の幸福に貢献することを目指す会社です。環境への配慮や多様な人材の活躍を重視する企業風土が特徴です。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
シンポ株式会社は、企業理念として「私たちは私たちの幸せをお客様と共有するために、良い仕事をする、いい商品をつくる、最善のサービスをするように努めます」を掲げています。
同社グループは、この理念に基づき「お客様のニーズに応え、お客様が繁栄されるお手伝いをします」を実践しています。
お客様、社員、そして株主やお取引先様の「幸せ」を追求し、日々研鑽に努めることを目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
シンポは、企業活動においてお客様のニーズに応え、その繁栄を支援することを重視しています。
同社グループは、お客様、社員、株主、お取引先様の「幸せ」を追求する姿勢を大切にしています。
地球環境問題が重要課題であると認識し、企業活動のあらゆる面で環境に配慮した行動を環境方針として掲げています。
人材育成においては、人事考課により能力と業務実績を総合的に評価し、性別や国籍等で選別せず適正な人材を管理職に登用する方針です。
多様な属性・能力を持つ人材が活躍できる職場環境の整備に努めています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
シンポグループは、働きやすい職場環境の確立やSDGsへの取り組みを通じて、持続可能な社会への貢献を重点テーマとしています。
CO2削減による脱炭素社会の実現に向け、電気式ロースターや水素を熱源とする無煙ロースターの開発を進めています。
アミ洗浄事業も、焼肉店の労働環境改善や環境負荷低減に貢献しています。
人材面では、2030年までに女性管理職登用率10%を目指し、男性育児休業取得率向上や離職率5%未満を目標に、多様な人材が活躍できる環境整備を進めています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
シンポは取締役と監査役体制を軸に、コーポレート・ガバナンスの充実を図っています。経営の意思決定に関する合議体制として、取締役会を毎月1回開催しており、監査役も出席し、取締役会のチェック機能の役割も果たしています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
シンポは、ヤマタケ総業有限会社が筆頭株主として経営を支えています。その他、MSIP CLIENT SECURITIESや日本カストディ銀行(信託口)といった機関投資家や信託銀行も上位株主として名を連ねています。取引先持株会や金融機関も大株主として同社を支える構成となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| ヤマタケ総業有限会社 | 35.56% |
| MSIP CLIENT SECURITIES | 12.94% |
| 日本カストディ銀行(信託口) | 8.76% |
なお、シンプレクス・アセット・マネジメントは2024年8月7日現在で1,127,000株(株券等保有割合18.35%)を所有している旨が変更報告書に記載されていますが、2025年6月30日現在の実質所有株式数の確認ができないため、上記大株主の状況には含められていません。
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は9名(男性8名・女性1名)で構成され、女性役員比率は11.1%です。代表取締役社長は安藤紀彦氏が務めています。社外取締役比率は16.7%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 安藤 紀彦 | 代表取締役 社長 | 1985年7月同社入社、2008年9月同社取締役東京支店長、2013年9月同社常務取締役東京支店長、2021年9月同社代表取締役社長より現職。 |
| 片岡 光男 | 取締役 営業本部長 | 1993年12月同社入社、2007年9月同社取締役北海道支社長、2013年10月フードクロス・マネジメント代表取締役社長、2025年7月同社取締役営業本部長より現職。 |
| 山田 清久 | 取締役 生産管理本部長 | 1994年1月同社入社、2008年9月同社取締役生産管理部長、2011年7月神府貿易(上海)有限公司董事長、2021年9月同社取締役生産管理本部長より現職。 |
| 谷村 政美 | 取締役 西日本統括本部長 | 2012年2月同社入社、2015年9月同社執行役員大阪支店長、2019年9月同社取締役大阪支店長、2021年9月同社取締役西日本統括本部長より現職。 |
| 田口 茂樹 | 取締役 管理本部長 | 1994年5月同社入社、2021年9月同社執行役員管理本部長、2023年9月同社取締役管理本部長より現職。 |
社外取締役は、阿知波智大氏(監査法人東海会計社代表社員)です。
同社は監査役会設置会社であり、取締役会と監査役会により業務執行の監督および監査を行っています。監査役会は3名の社外監査役で構成され、高い独立性と専門的な知見に基づき企業統治の有効性を高める役割を担っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社の役員報酬は、基本報酬、業績連動報酬、退職慰労金で構成されています。業績連動報酬の指標には営業利益が採用されており、経営上の目標達成状況を客観的に判断する指標としています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 5名 | 1.1億円 | 21.8百万円 |
| 社外役員 | 4名 | 12百万円 | 2.9百万円 |
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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