【平均年収546万円】物語コーポレーション 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年6月期)

【平均年収546万円】物語コーポレーション 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年6月期)

物語コーポレーションは、連結子会社とともに、直営およびフランチャイズによる外食事業を展開しています。「焼肉きんぐ」や「丸源ラーメン」など国内で多様なブランドを展開し、海外事業も拡大しています。直近の業績は増収増益となりました。


目次

※本記事は、株式会社物語コーポレーション の有価証券報告書(2025年6月期、2024年7月1日 ~ 2025年6月30日、2025年9月25日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


物語コーポレーションは、連結子会社11社とともに、直営およびフランチャイズによる外食事業を展開しています。同社グループは、「焼肉きんぐ」や「丸源ラーメン」など、国内で郊外型大型店を主とする14ブランドを運営し、フランチャイズ事業も手掛けています。

単体従業員数は1,820名、連結従業員数は2,069名です。同社グループは飲食事業の単一セグメントとして事業を展開しています。

国内においては物語コーポレーションが郊外型大型店を主とする14ブランドを展開し、フランチャイズ事業も手掛けています。海外11社の連結子会社を通じて、中国、インドネシア、香港、アメリカなどでグローバルに飲食店事業を展開しています。

同社グループは海外事業を拡大しており、2025年3月には台湾に現地子会社を設立しました。また、米国現地子会社を通じて鉄板焼きレストラン「SHOGUN」を展開するSHOGUNグループを同年4月に子会社化しました。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


物語コーポレーションは、外食産業において多様なブランドを展開し、お客様に「笑顔と元気」を提供する企業です。このような事業特性から、従業員一人ひとりの活躍が企業の成長に直結するため、人材の育成と働きやすい環境づくりに注力しています。同社グループは、従業員が自分らしく能力を発揮し、長期的にキャリアを築けるような環境を目指しています。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社は、比較的若い年齢層の従業員が多く、勤続年数も平均的な水準となっています。これは、成長を続ける企業において、新しい人材が積極的に加わり、組織が活性化している状況を示していると言えます。

項目 数値
平均年間給与 5,459,129円
平均勤続年数 4年11ヶ月
平均年齢 32歳9ヶ月
単体従業員数 1,820人
連結従業員数 2,069人
単体のグループ内比率 88.0%


同社は確定給付型の退職一時金制度を採用しており、給与と勤務期間に基づいて一時金が支給されます。ただし支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。

なお、2025年6月30日時点の退職給付債務は8.9億円となっています。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


同社グループは、「Smile & Sexy」という経営理念のもと、「自ら意思決定できる自立した“人財”」の活性化を成長戦略の軸に据えています。個々の魅力あふれる人材がブランド価値を創造し、社会をイキイキさせることにつながると考えています。

この方針に基づき、D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)や健康経営などの施策を通じて、多様な人材が自分らしく働ける企業文化の醸成を図っています。また、長期経営ビジョンでは「『個』の尊厳を『組織』の尊厳の上位に置き、『とびっきりの笑顔と心からの元気』で世の中をイキイキさせる」ことを掲げ、社員一人ひとりの「個」の覚醒を重視しています。

報酬制度においては、ESGに関する数値目標の達成度に連動した譲渡制限付株式報酬制度を導入する予定であり、取締役および執行役員を対象としています。健康経営の取り組みとしては、2021年に「健康経営宣言」を策定し、相談窓口の設置、ストレスチェックの活用、産業医による面談、平日15時のストレッチ実施、残業時間数のモニタリングなど、多岐にわたる施策を展開しています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


連結子会社は法定開示の公表義務対象外のため、提出会社単体のデータを示します。女性管理職比率および労働者の男女の賃金の差異は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」の規定に基づき算出されています。男性労働者の育児休業取得率は、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」の規定に基づき算出されています。

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 6.4%
男性労働者の育児休業取得率 61.2%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 69.9%
労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) 81.6%
労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) 101.4%

健康経営の取り組み

指標 数値
健康診断受診率(2025年6月期実績) 100%
健康経営優良法人(大規模法人部門)認定 4年連続取得

サステナビリティの取り組みに対する対外評価

指標 数値
PRIDE指標 最高評価「ゴールド」受賞
CDP気候変動プログラム(2024年) 「C」スコア取得

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


株式会社物語コーポレーションは、直営およびフランチャイズ形式で外食事業を展開する企業です。国内外で多様なブランドの飲食店を運営し、顧客に「とびっきりの笑顔と心からの元気」を提供することを目指しています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、飲食店事業の単一セグメントで事業を展開しています。国内では郊外型大型店を中心に「焼肉きんぐ」「丸源ラーメン」「寿司・しゃぶしゃぶ ゆず庵」など14ブランドを展開し、幅広い客層に対応しています。また、「焼きたてのかるび」や「熟成肉とんかつ ロース堂」「果実屋珈琲」といった新業態の開発や出店も積極的に進めています。

収益は、主に直営店での飲食サービスの提供による売上から得ています。加えて、フランチャイズ加盟企業からの売上歩合方式のロイヤルティ、加盟金、業務受託料なども収益源となっています。海外事業も展開しており、中国、インドネシア、香港、フィリピン、台湾、アメリカに子会社を設立し、飲食店の運営や統括を行っています。

同社グループは、既存店舗の改装や看板商品の磨きこみ、グランドメニューの変更、期間限定商品の販売、サービス力の強化を通じて顧客体験価値の向上に注力しています。デジタルマーケティングの強化や、特急レーン、自動案内システム、セルフレジ、タッチパネル、配膳ロボットなどの導入による店舗運営のDX化も推進しています。国内の外部顧客への売上高が連結売上高の大部分を占める傾向にあります。

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの業績は、過去5期にわたり売上高、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益ともに着実に成長を続けています。特に直近の連結会計年度では、売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益がいずれも前期から増加しました。

国内経済の緩やかな回復やインバウンド需要の増加が外食需要を堅調に推移させる一方で、原材料価格や光熱費、人件費の上昇といった厳しい経営環境が続いています。このような状況下で、同社グループは中期経営計画「ビジョン2025」の実現に向け、既存店の強化、新規出店、新業態開発、海外展開の拡大といった施策を推進しました。

項目 2021年6月期 2022年6月期 2023年6月期 2024年6月期 2025年6月期
売上高 640億円 733億円 923億円 1,072億円 1,239億円
経常利益 42.6億円 61.7億円 71.8億円 85.8億円 90.3億円
経常利益率 6.7% 8.4% 7.8% 8.0% 7.3%
親会社株主に帰属する当期純利益 27.3億円 37.3億円 46.9億円 56.4億円 61.6億円
1株当たり当期純利益(円) 75.36 102.85 129.48 158.15 163.09

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたり売上高は、前期からわずかに増加しました。一方で、従業員1人あたり営業利益は前期と同水準を維持しています。

これらの指標は、同社グループが従業員一人あたりで生み出す売上高が着実に伸びていることを示しています。また、営業利益については、売上高の増加に伴う原価や販管費の増加があったものの、従業員一人あたりの利益創出能力は維持されている状況です。

指標 2024年6月期(前期) 2025年6月期(当期)
従業員1人あたり売上高(連結) 59.2百万円 59.9百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 4.5百万円 4.5百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


物語コーポレーションは、積極的な事業展開と投資活動を通じて成長を追求している段階にあります。財務基盤と資金の流れから、同社グループの現在の経営状況を確認します。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


物語コーポレーションの財務基盤は、自己資本比率とROE(自己資本利益率)の推移から確認できます。当期の自己資本比率は前期から上昇しており、プライム市場の非製造業平均と比較して高い水準を示しています。

ROE(自己資本利益率)は当期に前期から減少しました。しかし、プライム市場平均と比較すると高い水準を維持しています。手元資金である現金及び預金は、当期末に前期から増加しています。これらの数値は、同社グループが安定した財務基盤を維持していることを示しています。

指標 2024年6月期(前期) 2025年6月期(当期)
純資産 296億円 404億円
自己資本比率 47.2% 54.3%
ROE(自己資本利益率) 21.0% 17.7%
現金及び預金 122億円 125億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


物語コーポレーションのキャッシュフローは、事業活動による資金創出と投資活動への資金投入の状況を示しています。営業活動によるキャッシュフローは当期にプラスとなり、前期から増加しました。これは主に税金等調整前当期純利益と減価償却費によるものです。

投資活動によるキャッシュフローは当期にマイナスとなり、前期から支出が増加しています。これは主に新規出店に伴う有形固定資産の取得や、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が要因です。財務活動によるキャッシュフローは当期にプラスとなり、前期から減少しました。これは主に長期借入れによる収入があった一方で、長期借入金の返済や配当金の支払いがあったためです。

営業活動で得た資金を上回る投資活動が行われた結果、フリーキャッシュフローは当期にマイナスとなりました。これは同社グループが事業拡大や新規出店、M&Aといった成長戦略に積極的に資金を投じている状況を示しています。このような資金の流れは、将来の成長に向けた投資が活発に行われていることを意味しており、事業の拡大に伴う雇用機会の創出や給与水準の維持・向上につながる可能性があります。

項目 2024年6月期(前期) 2025年6月期(当期)
営業CF 106億円 118億円
投資CF △92.4億円 △140億円
財務CF 35.2億円 27.1億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 13.9億円 △21.2億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

物語コーポレーションは、外食業界の市場環境の変化によるリスクを認識しています。国内人口の減少や中食市場の成長により、市場規模が縮小傾向にあることが挙げられています。

また、原材料の価格高騰もリスクとしています。天候不順や国際情勢、為替変動などにより、食材価格が高騰する可能性があり、業績に影響を及ぼす可能性があります。

③ 人材・組織に関するリスク

人材・組織に関するリスクの記載はありません。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


物語コーポレーションは、「Smile & Sexy」という独自の経営理念を掲げ、個々の「物語人」が輝く企業文化を築いています。お客様に「とびっきりの笑顔と心からの元気」を届けることを通じて、社会をイキイキさせることを目指しています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


物語コーポレーションは、「Smile & Sexy(スマイル アンド セクシー)」という経営理念を掲げています。これは“自己実現を目指す”ことを意味しています。

同社グループは、素敵に自由に、正々堂々、人間味豊かな“物語人”が集う「個」が溢れる企業を目指しています。

2030年までの中期経営ビジョン「物語ビジョン2030」では、「業態開発型リーディングカンパニー実現に向けた全方位成長戦略」を基本方針としています。業態開発を軸に国内外での事業拡大を図り、人財力を競争優位性として持続的な企業価値向上と社会貢献を目指しています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


物語コーポレーションは、「Smile & Sexy(スマイル アンド セクシー)」という経営理念のもと、素敵に自由に正々堂々、人間味豊かに自分を表現することを大切にしています。

「自ら意思決定できる自立した“人財”」の活性化を成長戦略の軸に据え、「個」の魅力溢れる人財が「とびっきりの笑顔と心からの元気」で世の中をイキイキさせることを目指しています。

お客様には安心かつ高品質な商品提供とフレンドリーなサービスを、お取引先様とは公正な取引と信頼関係を重視しています。従業員の多様性・人権を尊重し、能力を発揮できる優れた職場環境づくりを推進する企業風土があります。

長期経営ビジョンでは「『個』の尊厳を『組織』の尊厳の上位に置き」社員一人ひとりの「個」の覚醒を重視しています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


物語コーポレーションは、中期経営ビジョン「物語ビジョン2030」と「中期3カ年経営計画2026~2028」の実現に取り組んでいます。

重点戦略として「業態開発力×人財力で勝ち抜く成長戦略」を掲げ、「個の覚醒」を加速させる理念型企業への進化を軸に、人財力による成長を目指しています。

「サステナビリティ経営戦略」では、外食業界トップクラスのサステナビリティ経営体制確立を目指し、ESG施策の実行と情報開示を推進しています。持続可能な社会への貢献を図るとともに、「コーポレート戦略」として経営基盤の強化に注力しています。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


同社は監査役会設置会社であり、経営の意思決定と監督機能の強化、透明性の向上を図るため、社外取締役を選任・配置しています。これにより、株主をはじめとする全てのステークホルダーからの信頼獲得と持続的な成長を目指しています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


同社グループの株主構成を見ると、日本マスタートラスト信託銀行(信託口)や日本カストディ銀行(信託口)といった信託銀行が上位に名を連ねています。また、小林姓の個人株主が複数名上位に名を連ねていることも特徴です。

株主名 持株比率
日本マスタートラスト信託銀行(信託口) 9.56%
小林 雄祐 4.12%
日本カストディ銀行(信託口) 2.97%
小林 佳雄 2.91%
NORTHERN TRUST CO.(AVFC) RE FIDELITY FUNDS(常任代理人 香港上海銀行東京支店) 2.12%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は11名(男性8名・女性3名)で構成され、女性役員比率は27.2%です。代表取締役社長は加藤央之氏が務めています。社外取締役比率は42.9%です。

氏名 役職 主な経歴
加藤 央之 代表取締役 社長 国内事業統括 マーケティング担当 2009年4月同社入社。お好み焼事業部事業部長、業態開発本部本部長などを経て、2020年7月副社長執行役員、Storyteller株式会社代表取締役、物語(上海)企業管理有限公司董事に就任。2020年9月同社代表取締役社長に就任し、2025年7月より現職。
岡田 雅道 代表取締役 専務執行役員 海外事業統括 海外営業担当 2001年11月同社入社。専門店事業部事業部長、執行役員などを経て、2018年8月Storyteller株式会社代表取締役社長に就任。2020年7月同社代表取締役専務執行役員に就任し、物語(上海)企業管理有限公司董事長、PT.Agrapana Niaga Gemilang取締役などを兼任。2025年7月より現職。
津寺 毅 取締役 常務執行役員 財務・成長戦略担当 1998年5月同社入社。成長戦略室室長、執行役員などを経て、2018年9月同社取締役財務・成長戦略担当、管理本部本部長に就任。2020年7月より同社取締役常務執行役員として物語(上海)企業管理有限公司董事、PT.Agrapana Niaga Gemilangコミサリスなどを兼任。2025年7月より現職。
木村 公治 取締役 上級執行役員 FC事業推進・店舗・立地開発担当 新事業担当 1999年4月同社入社。開発本部本部長、焼肉事業部事業部長などを歴任。2018年7月上級執行役員営業担当に就任。2020年9月同社取締役上級執行役員に就任し、2025年7月より現職。


社外取締役は、元ビジネスリンク代表取締役の西川幸孝氏、安田会計事務所所長の安田加奈氏、味の素専務執行役員の倉島薫氏です。

同社は監査役会設置会社です。社外取締役は、経営に関する幅広い知識・経験を持つ人材が客観的な立場から意見を述べ、取締役の業務執行を監督する役割を担っています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


同社の取締役(社外取締役を除く)の報酬は、基本報酬、業績報酬、個人評価報酬、株式報酬で構成されています。基本報酬は役位や職責に応じて決定され、業績報酬は連結経常利益や純利益を評価基準としています。中長期的なインセンティブとして譲渡制限付株式報酬が導入されており、今後はESGに関する数値目標の達成度にも連動する制度が導入される予定です。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 5名 1.8億円 35.0百万円
社外役員 8名 51百万円 6.4百万円


なお、報酬の支給対象となった人数は事業年度中に退任した役員を含みます。また、使用人兼務の取締役に対しては、使用人分の給与は支給されていません。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。


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