※本記事は、株式会社オウケイウェイヴ の有価証券報告書(2025年6月期、2024年7月1日 ~ 2025年6月30日、2025年9月29日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
オウケイウェイヴは、「世界中のありがとうの物語を蓄積し可視化する」をパーパスに掲げ、Q&A形式のコミュニティ「OKWAVE」の運営を中核としています。法人向けQ&Aソリューション「OKWAVE Plus」やクラウドサンクスカード「GRATICA」などを提供しています。
単体従業員数は12名、連結従業員数は13名です。セグメントはプラットフォーム事業の1つです。
主な国内グループ会社は、オウケイウェイヴ、組織やコミュニティ内で日常的に交わされる「ありがとう」を、カラフルなカードに添えて送ることができるコミュニケーションツール。、オープンサイトなどです。
同社グループは、2024年7月31日付で株式会社オープンサイトの株式を取得し、子会社化しました。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
オウケイウェイヴは、従業員の平均勤続年数が長く、比較的落ち着いた年齢構成を持つ企業です。事業特性から見ても、安定した環境で長期的にキャリアを築きたいと考える方にとって、魅力的な選択肢となるでしょう。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、従業員の平均勤続年数が長く、安定した雇用環境がうかがえます。平均年齢も40代前半であり、経験豊富な人材が活躍している傾向が見られます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 6,149,711円 |
| 平均勤続年数 | 10.0年 |
| 平均年齢 | 40.2歳 |
| 単体従業員数 | 12人 |
| 連結従業員数 | 13人 |
| 単体のグループ内比率 | 92.3% |
退職給付制度に関する記載はありません。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、「世界中のありがとうの物語を蓄積し可視化する」というパーパス(存在目的)を掲げ、事業の持続的成長にはパーパスに共感する多様な人材の採用・育成が重要だと考えています。そのため、性別、国籍、キャリア採用を問わず、多様な人材活用を推進していく方針です。
中長期的な従業員の成長支援として、キャリアデザインや研修制度の充実を図り、多様な人材が活躍できる社内環境の整備を進めています。具体的には、ハラスメントや社内規程違反、法令違反について外部社労士や監査役へ通報できる内部通報窓口を設置しています。また、半期に一度従業員アンケートを実施し、風通しの良い文化と働きがいのある組織の形成に努めています。
2022年8月の現経営体制への移行後、経営再建の途上にあり、組織体制も大幅に変化した経緯があります。現体制下では、組織としての一体感を持ちつつ、個々人がより活躍できる環境の整備に特に重点を置き、従業員のモチベーション向上と退職リスクの軽減に資すると考えています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
女性管理職に占める女性労働者の割合、男性の育児休業取得率、および労働者の男女の賃金の差異は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく公表義務の対象ではないため、記載が省略されています。
提出会社単体の法定開示データは開示されていません。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
株式会社オウケイウェイヴは、「世界中のありがとうの物語を蓄積し可視化する」ことをパーパスに掲げ、互助プラットフォームの運営を通じて組織や地域コミュニティの生産性向上に貢献しています。Q&A形式のコミュニティを中核に、多様なソリューションを提供しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、Q&Aコミュニティ「OKWAVE」の運営を中核とし、組織や地域コミュニティの互助力を高めるソリューションを提供しています。主力事業は「OKWAVE」に加え、企業独自のQ&Aコミュニティを構築・運営できる「OKWAVE Plus」、クラウドサンクスカード「GRATICA」、そしてオンラインマッチングサービス「Sincerely yours」です。
「OKWAVE」はインターネット上で広く開放され、主に広告収入を得ています。一方、「OKWAVE Plus」と「GRATICA」は法人向けに提供され、月額利用料やサブスクリプションモデルによる収益が中心です。オンラインマッチングサービス「Sincerely yours」は個人ユーザー向けの月額利用料・サブスクリプションモデルで収益を上げています。
当連結会計年度においては、広告事業で純広告契約や高単価商材の獲得にシフトした結果、売上高が前期を大きく上回りました。クラウドサンクスカード「GRATICA」および「OKWAVE Plus」の売上高は、解約による導入企業数の減少があったものの、単価改善などにより前期とほぼ同水準で推移しています。また、中高年向けオンラインマッチングサービスを提供する連結子会社であるオープンサイト社の新規連結により、マッチングサービスからの売上高を計上しました。
同社グループの売上高は、ほぼすべてが日本国内で発生しており、海外からの収益はごくわずかです。当連結会計年度では、特定の顧客であるテレコムクレジット株式会社への売上高が全体の10%以上を占めるようになりました。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの売上高は、過去5年間で減少傾向にありましたが、直近の連結会計年度では前期から増加に転じました。経常損失および親会社株主に帰属する当期純損失は継続していますが、損失額は減少傾向にあります。
特に当連結会計年度では、営業損失および経常損失が前期から大きく改善しました。これは、オフィス移転や人員体制の見直し、専門家報酬の減額などによるコスト削減が大きく寄与しています。営業活動によるキャッシュ・フローは前期の支出から収入へと転換し、本業でのキャッシュ創出力が改善している状況です。
| 項目 | 2021年6月期 | 2022年6月期 | 2023年6月期 | 2024年6月期 | 2025年6月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 22.0億円 | 8.3億円 | 1.5億円 | 1.5億円 | 2.3億円 |
| 経常利益 | △8.3億円 | △16.3億円 | △8.0億円 | △3.7億円 | △1.6億円 |
| 経常利益率 | △38.0% | △196.3% | △545.4% | △241.9% | △68.3% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 39.5億円 | △51.2億円 | △10.7億円 | △2.8億円 | △1.4億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 362.01 | △403.51 | △79.25 | △7.31 | △3.28 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上高(連結)は、前期から当期にかけて増加しています。これは、売上高の増加と従業員数の減少が複合的に影響していると考えられます。
従業員1人あたり営業利益(連結)は、前期に引き続き損失となっていますが、損失額は前期から大きく改善しました。これは、コスト削減努力が実を結び、組織全体の効率性が向上している傾向を示しています。
| 指標 | 2024年6月期 | 2025年6月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 10.2百万円 | 18.1百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | △19.0百万円 | △8.8百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループは営業損失が継続しており、フリーキャッシュフローもマイナスとなっています。このような状況は、財務の安定性において課題があることを示しています。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの自己資本比率は18.9%であり、非製造業のプライム市場平均24.2%を下回っています。ROE(自己資本利益率)は△55.6%と、プライム市場平均9.4%を大きく下回る状況です。現金及び預金は5.4億円となっており、財務基盤の強化が継続的な課題であることが示されています。
| 指標 | 2024年6月期(前期) | 2025年6月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 1.9億円 | 3.7億円 |
| 自己資本比率 | 11.3% | 18.9% |
| ROE(自己資本利益率) | -893.8% | -55.6% |
| 現金及び預金 | 2.7億円 | 5.4億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは64百万円の収入となりました。これは主に営業損失の計上、和解金収入、未収消費税等の減少、前払費用の減少、前受金の増加、長期前受金の増加によるものです。投資活動によるキャッシュ・フローは△83百万円の支出となっており、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が主な要因です。
フリーキャッシュフローは△19百万円の支出となっており、本業で得た資金だけでは投資活動を賄いきれていない状況を示しています。財務活動によるキャッシュ・フローは288百万円の収入となっており、株式の発行や新株予約権の発行による資金調達が行われています。営業損失が継続する中で、財務活動による資金調達で事業活動や投資活動を支えている状況であり、今後の収益改善が雇用や給与の安定性、成長性において重要な要素となります。
| 項目 | 2024年6月期(前期) | 2025年6月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | △367百万円 | 64百万円 |
| 投資CF | △1百万円 | △83百万円 |
| 財務CF | 487百万円 | 288百万円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | △369百万円 | △19百万円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
同社グループは、過去の投資運用取引や連結子会社化に関連する損失計上により、親会社株主に帰属する当期純損失が継続しています。2023年6月期末には債務超過となりましたが、新株予約権の発行や現物出資による新株発行により、2024年6月期には債務超過を解消しています。しかし、2020年6月期以降営業損失が継続しており、当連結会計年度においても営業損失114百万円を計上していることから、継続企業の前提に関する重要な不確実性が存在しています。
② 事業構造・収益性に関するリスク
Q&Aコミュニティの運営において、競合の発生と競争激化のリスクがあります。市場の動向や競合他社との価格競争によっては、同社グループの業績に影響をもたらす可能性があります。また、新規事業への取り組みを進める方針ですが、安定して収益を生み出すまでに時間を要し、同社グループ全体の利益率を低下させるリスクも存在します。
③ 人材・組織に関するリスク
人材獲得競争の激化に関するリスクがあります。今後、人材獲得の激化により既存社員の流出や新たな人材の確保ができない場合、十分なリソースを確保できず、同社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
オウケイウェイヴは、「ありがとう」の気持ちを循環させ、人々の関係性を向上させることを目指す企業です。互助の精神を基盤としたサービスを通じて、社会課題の解決と企業価値の最大化を追求しています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは、「世界中のありがとうの物語を蓄積し可視化する」をパーパス(存在目的)に掲げています。このパーパスに基づき、「問い」から始まり「ありがとう」が生まれるコミュニケーションの習慣化と、その「ありがとう」の可視化により、組織やコミュニティ内の関係性向上と労働生産性を高めるソリューションを提供しています。
「Oshiete(教えて)」「Kotaeru(答える)」「ARIGATO(ありがとう)」という気持ちを循環させ、波のように広げることで、人々の関係性を向上させ、世界中の様々な問題を解決へつなげていくことを目指しています。特に、分断社会や格差社会の中で広がる社会課題に対し、社会的価値を創造することで収益の極大化と事業・企業価値の最大化を図ることが経営方針です。
中長期的には、お互いが助け合う社会への構造変化を促すため、人が人を支える仕組みを提供し、インターネットを活用して悩みを解決し社会に貢献することを重要な役割と考えています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは創業以来、Web3.0の思想を持ち、「互助」を中心とした自律分散型のサービスを提供しています。今後も「人と人とが、広く、オープンに、フラットにつながることによる、お互いを助け合いサポートするチカラ」を基盤にした「互助プラットフォーム」と「組織内に互助の絆と関係性を生むサービス」の提供および開発を進めています。
サービスの活性化のカギは「ありがとう」という感謝のチカラであり、これにより人と人がより強く、信頼を持ってつながることを重視しています。また、パーパスに共感する多様な人材の採用・育成が重要であると考えており、性別、国籍、キャリア採用を問わず多様な人材活用を推進する方針です。
組織としての一体感を持ちつつ、個々人がより活躍できる環境の整備に重点を置いています。持続的成長と中長期的な企業価値の向上を実現するため、透明性の高い経営とコーポレート・ガバナンス体制の強化を重要な課題と認識しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループが優先的に対処すべき重要な課題の一つは、コーポレートガバナンスの改善・強化です。過去の事案を受け、内部管理体制を常に見直し、ガバナンスの強化を図ることに全力を尽くしています。
具体的な改善策として、法令遵守の意識の保持と強化、特定の人物に対する先入観に流されないための対策、取締役相互間ならびに社内会議体との連携・相互監督の強化に取り組んでいます。また、取締役会の調査、与信管理及びリスク管理不足の改善、ガバナンス体制の根本的な改善・再構築、内部統制部門及び内部監査体制の強化、開示体制の見直しも進めています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
株式会社オウケイウェイヴは、持続的な成長と企業価値の向上を目指し、経営の透明性向上と実効性評価を通じてコーポレートガバナンスの強化に取り組んでいます。取締役会は重要事項の審議と意思決定、事業全般の監督を担い、監査役会が業務執行の監査を行う体制です。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
同社の筆頭株主は株式会社ブイ・シー・エヌであり、公益財団法人こどもの未来創造基金やGFA株式会社といった法人株主が上位に名を連ねています。また、複数の個人株主も上位に位置しており、多様な株主によって支えられている資本構成となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| ブイ・シー・エヌ | 7.59% |
| 公益財団法人こどもの未来創造基金 | 6.48% |
| GFA | 5.31% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は9名(男性9名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は杉浦元氏が務めています。社外取締役比率は66.7%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 杉浦 元 | 代表取締役社長 | 1996年4月大和企業投資株式会社入社、1997年7月株式会社ソラシドエア設立取締役、1999年6月株式会社ブイ・シー・エヌ取締役パートナー、2000年2月同社取締役、2022年8月同社代表取締役社長より現職。 |
| 新田 義寛 | 取締役 | 2002年4月野村アセットマネジメント株式会社入社、2004年4月ボストンコンサルティンググループ入社、2007年4月株式会社ベネッセコーポレーション入社、2025年9月同社取締役より現職。 |
社外取締役は、山本峰義氏(森岡・山本・韓法律事務所パートナー弁護士)、関常芳氏(関常芳公認会計士事務所所長)、中村真広氏(KOU代表取締役)、片田朋希氏(GFA専務取締役)です。社外監査役は、瀧野章氏(オープンサイト監査役)、山田徹氏(青木・関根・田中法律事務所弁護士)、長尾拓真氏(ワンヘルスコーポレーション代表取締役)です。
同社は監査役会設置会社であり、取締役会は社内取締役2名と社外取締役4名で構成されています。社外取締役は経営の監視、提言、助言を行い、監査役は高い専門性をもって取締役会を監視することで、コーポレートガバナンスの維持に努めています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社の役員報酬は、事業の成熟度や業績・株価との連動性を考慮し、職責や役位に応じた固定報酬とストック・オプションを基本としています。社外取締役および監査役については、独立性の観点から固定報酬のみが支給される仕組みです。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 1名 | 8百万円 | 8.1百万円 |
| 社外役員 | 7名 | 16百万円 | 2.3百万円 |
役員報酬の総額は23.9百万円であり、対象となる役員は合計8名です。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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