BRUNO 転職ガイド:有価証券報告書等から読み解く会社の実態

BRUNO 転職ガイド:有価証券報告書等から読み解く会社の実態

東証グロース上場。インテリア雑貨「BRUNO」やトラベルグッズ、化粧品等の企画・開発・販売を行う。第30期はギフト需要やインバウンド回復を取り込み、売上高は前期比112%の増収。営業利益は同300%の大幅増益となり、最終損益も黒字転換を果たしました。


※本記事は、BRUNO株式会社 の有価証券報告書(第30期、自 2024年7月1日 至 2025年6月30日、2025年9月29日 提出)の公開情報に基づき作成しています。会計基準は Japan GAAP です。

1. BRUNOってどんな会社?


デザイン性の高いインテリア雑貨やトラベルグッズ、化粧品等の企画・開発から販売までを手掛ける企業です。

(1) 会社概要


同社は1995年にイデア・インターナショナルとして設立され、時計等の企画開発を開始しました。2008年にヘラクレス(現・東証グロース)へ上場し、2012年には現在の中核ブランド「BRUNO」を販売開始。2013年にRIZAPグループと資本業務提携を行い、連結子会社となりました。2021年に現在のBRUNOへ商号変更しています。

連結従業員数は237名、単体では182名です。筆頭株主は親会社のRIZAPグループで53.13%を保有しています。第2位は同社の常勤監査等委員である松原元成氏、第3位は金融機関のJ.P.Morgan Securities plcとなっています。

氏名 持株比率
RIZAPグループ 53.13%
松原 元成 0.32%
J.P.Morgan Securities plcDirector Andrew J.Cox 0.09%

(2) 経営陣


同社の役員は男性5名、女性0名の計5名で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長執行役員CEOは塩田 徹氏です。社外取締役比率は60.0%です。

氏名 役職 主な経歴
塩田 徹 取締役社長執行役員CEO(代表取締役) 2015年パナソニックヘルスケアホールディングス入社。RIZAPグループ取締役、RIZAPテクノロジーズ会長等を歴任し、2025年1月より現職。
松原 元成 取締役(監査等委員) 1987年アメリカンファミリー生命保険入社。2000年同社取締役、常務執行役員CFO等を経て2025年9月より現職。


社外取締役は、小野 聡(ライブラ法律会計事務所所長)、藤原 泰輔(高松大学経営学部教授)、生方 紀雄(ウィーメックス監査役)です。

2. 事業内容


同社グループは、「住関連ライフスタイル商品製造卸売事業」、「住関連ライフスタイル商品小売事業」および「デザイン」事業を展開しています。

(1) 住関連ライフスタイル商品製造卸売事業


デザイン性の高いインテリア雑貨、トラベルグッズ、化粧品等の住関連ライフスタイル商品を企画・開発し、インテリアショップ等の専門店やセールスプロモーションを行う法人等に対して販売しています。「BRUNO」ブランドのキッチン家電や「MILESTO」ブランドのトラベルグッズなどが主力製品です。

収益は、専門店への卸売や法人への販売による商品代金です。運営は主にBRUNOが行っていますが、美容関連分野では子会社のジャパンギャルズ等が企画開発や製造を担っています。

(2) 住関連ライフスタイル商品小売事業


「BRUNO」等の自社ブランド商品やセレクト商品を、直営店舗および自社ECサイト等を通じて一般消費者に直接販売しています。直営店はインテリア商品中心の「ブルーノ」、トラベルグッズの「トラベルショップミレスト」、ギフトショップ「グッドギフトゴー」の3業態を展開しています。

収益は、直営店およびECサイトでの一般消費者への商品販売代金です。運営は主にBRUNOが行っています。

(3) デザイン事業


商品関連や住空間関連等のコンセプト・デザインの企画・作成を行っています。同社の強みであるデザイン力を活かし、空間プロデュースなども手掛けています。

収益は、デザイン業務の提供対価としての手数料収入です。運営は主にBRUNOが行っています。

3. 業績・財務状況


同社の連結業績をデータで分析します。

(1) 業績推移


売上高は第29期に減少しましたが、第30期には回復傾向にあります。利益面では第29期に赤字を計上しましたが、第30期は増収効果やコストコントロールにより黒字転換を果たしました。第30期の売上高は145億円、経常利益は3億円となり、利益率も2.3%へと改善しています。

項目 第26期 第27期 第28期 第29期 第30期
売上高 168億円 173億円 - 129億円 145億円
経常利益 10億円 9億円 - 0.1億円 3億円
利益率(%) 6.2% 5.3% - 0.1% 2.3%
当期利益(親会社所有者帰属) 4億円 5億円 6億円 -3億円 2億円

(2) 損益計算書


売上高は前期比で増加し、売上総利益率も改善傾向にはないものの売上総利益額は増加しました。営業利益は大幅に改善し、営業利益率は3.0%となりました。コスト構造の見直しや売上増による利益押し上げ効果が見られます。

項目 第29期 第30期
売上高 129億円 145億円
売上総利益 57億円 62億円
売上総利益率(%) 44.3% 42.6%
営業利益 1億円 4億円
営業利益率(%) 1.1% 3.0%


販売費及び一般管理費のうち、給与手当が10億円(構成比18%)、広告宣伝費が8億円(同13%)、支払手数料が8億円(同13%)を占めています。

(3) セグメント収益


製造卸売事業は海外販売の伸長などにより増収となりました。小売事業はEC販売におけるカタログギフトの好調やインバウンド需要による店舗販売の回復で増収となりました。デザイン事業も増収となっています。

区分 売上(第29期) 売上(第30期)
住関連ライフスタイル商品製造卸売事業 65億円 70億円
住関連ライフスタイル商品小売事業 65億円 74億円
デザイン事業 0.3億円 0.5億円
連結(合計) 129億円 145億円

(4) キャッシュ・フローと財務指標


**積極型**(営業CF+、投資CF-、財務CF+):営業活動で得た資金に加え、財務活動でも資金を調達し、投資活動に積極的に資金を投じている状態です。

項目 第29期 第30期
営業CF 10億円 5億円
投資CF -4億円 -13億円
財務CF -10億円 1億円


企業の収益力を測るROE(自己資本利益率)は3.7%で市場平均を上回る一方、財務の安定性・安全性を測る自己資本比率は49.5%で市場平均を上回っています。

4. 経営方針・戦略


同社が掲げる経営理念と、それを実現するための企業文化、および今後の具体的な成長戦略について解説します。

(1) 経営理念


同社グループは、「当社にかかわる全ての人々の幸せを実現する」ことを事業のミッションとし、「独創的で遊び心のある商品・サービスを提供し、人々のライフスタイルを豊かにする」ことを実践しています。これからも収益性を伴った持続的成長の実現を目指しています。

(2) 企業文化


「行動指針」として、同社の一員であることに誇りを持ち、心から幸せを感じる企業創りを目指すこと、新たなマーケットを創出し顧客に驚きや感動を届けること、創造性とチャレンジ精神を発揮すること、社会・環境の変化に強い関心を持ち自責を持って行動することを掲げています。

(3) 経営計画・目標


企業価値を高めるために、成長性・収益性の指標として、売上高、営業利益、売上高営業利益率を重視しています。また、長期的に安定した配当の実施、健全なキャッシュ・フローの向上と財務体質の改善にも努める方針です。

(4) 成長戦略と重点施策


卸売、直営店、ECの3つの販路をバランスよく展開し、インテリア、トラベル、化粧品等のカテゴリー分散によるリスク分散戦略を進めます。商品開発力とマーケティング力の強化、原価率等の低減による収益力強化、人材育成を重要課題としています。

* 商品戦略:インテリア商品の開発、コラボ商品開発、トラベル商品強化、美容関連分野への本格進出。
* 海外戦略:代理店中心から同社主導のマーケティング体制へ転換し、「BRUNO」ブランドの認知向上を図る。
* EC・マーケティング:顧客管理強化による購入回数増加、効果的な広告宣伝によるブランド認知向上。

5. 働く環境


同社の人材戦略と、給与水準や働きやすさに関する指標を解説します。

(1) 人材戦略・方針


持続的成長のために優秀な人材の確保と育成が不可欠と捉え、活発な採用活動と教育・研修制度の充実を進めています。働きやすい環境としてテレワーク勤務を導入し、創造性を評価した人事評価制度の導入により、働く者にとって魅力的な会社になるよう努めています。

(2) 給与水準・報酬設計


同社(単体)従業員の平均年間給与はグロース市場の平均を大きく下回る水準です。

項目 平均年齢 平均勤続年数 平均年間給与
第30期 39.0歳 8.9年 4,052,241円


※平均年間給与は賞与及び基準外賃金を含みます。

(3) 人的資本開示


同社は以下のような人的資本・多様性の開示を行っています。

項目 数値
女性管理職比率 40.0%
男性育児休業取得率 100.0%
男女賃金差異(全労働者) 55.2%
男女賃金差異(正規雇用) 65.0%
男女賃金差異(非正規雇用) 148.1%

6. 事業等のリスク


事業環境やシステムに関連する主なリスク要因を概観します。

(1) 商品開発に関するリスク


デザイン性の高い商品を扱っていますが、流行や嗜好が短期的に大きく変化することがあります。開発商品が消費者の嗜好に合致しない場合や開発が遅れた場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。カテゴリー分散によりリスクヘッジを図っています。

(2) 海外からの仕入に関するリスク


商品は主に中国から輸入しており、仕入価格は為替相場の影響を受けます。円安によるコスト上昇や、生産国での自然災害、社会的混乱等の予期せぬ事象により商品仕入に問題が生じた場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。為替予約や生産拠点の分散で対応しています。

(3) 在庫管理に関するリスク


流行・嗜好の変化により需要動向を見誤った場合、過剰在庫を抱えるリスクがあります。発注数量の最小化等で適正化に努めていますが、滞留在庫が発生し評価減を実施する場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。