※本記事は、株式会社ボルテージ の有価証券報告書(2025年6月期、2024年7月1日 ~ 2025年6月30日、2025年9月29日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
ボルテージは、スマートフォンなどのモバイル端末向けに感動コンテンツを提供するモバイルコンテンツ事業を展開しています。基本理念として「アート&ビジネス」を掲げ、特に「恋愛と戦いのドラマ」という独自スタイルを世界に広めることを目指しています。
単体従業員数は143名、連結従業員数は143名です。
主な国内グループ会社は、(連結子会社)ボルピクチャーズなどです。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
ボルテージは、従業員の働きやすさを重視し、多様な人材が活躍できる環境づくりに力を入れています。柔軟な働き方を支援する制度や、女性の活躍を後押しする取り組みを通じて、社員が長期的にキャリアを築けるような職場環境を目指していることがうかがえます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
ボルテージでは、従業員の平均勤続年数が比較的長く、安定したキャリア形成が可能な環境であることが示されています。平均年齢も30代半ばであり、経験豊富な人材が中心となって業務を推進している傾向が見られます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 5,431,444円 |
| 平均勤続年数 | 9.4年 |
| 平均年齢 | 34.9歳 |
| 単体従業員数 | 143人 |
| 連結従業員数 | 143人 |
| 単体のグループ内比率 | 100.0% |
ボルテージは確定拠出年金制度を採用しています(会社が拠出した資金を従業員が運用する)。この制度は国内の従業員に適用されています。
なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
ボルテージは、企業理念である「アート&ビジネス」を通じて社会に貢献するというビジョンに基づき、SDGs活動を推進しています。この活動は、すべての人々にとってより良い社会の実現を目指すとともに、同社グループの事業拡大にも寄与すると考えられています。
人材戦略においては、「みんなが働きやすい職場環境を作る」「女性が活躍できる職場を目指す」ことを目標としています。具体的には、テレワーク制度や勤務時間区分の自主選択といった柔軟な働き方を実現し、子どもの看護休暇など、子どもを持つ社員が安心して働ける環境整備に取り組んでいます。
また、次世代育成にも注力しており、「若い世代への職業観の形成を手助けする」「講演会や交流会で、同じ志を持つ方々と話す機会を設け業界の発展に貢献する」ことを目標としています。学生の企業訪問受け入れや業界交流会の実施、役員等による講演会を通じて、業界全体の発展にも貢献しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
連結子会社は法定開示の公表義務対象外のため、提出会社単体のデータを示します。男女賃金差異は、女性活躍推進法に基づく公表義務の対象項目として選択しておらず、公表されていません。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 56.5% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 200.0% |
多様な社会への対応
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性正社員比率 | 66.0% |
| 女性管理職比率 | 57.0% |
| 新卒採用者に占める女性の割合 | 100.0% |
| 女性の新規管理職登用率 | 0.0% |
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
ボルテージは、モバイルコンテンツの企画・制作・開発・運営を主な事業とする企業です。スマートフォンなどのモバイル端末利用者を対象に、感動コンテンツを提供しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、モバイルコンテンツ事業を主軸に展開しており、主に「日本語女性向け」「英語・アジア女性向け」「男性向け」「電子コミック・コンシューマ」の4つの区分で事業を運営しています。収益モデルは、基本プレイ無料のアイテム課金制やストーリー単位の個別課金制が中心です。
日本語女性向け
この区分では、ストーリーを楽しむ「読み物型」、ストーリーにアバターなどのゲーム性を組み合わせた「アバター型」、カード収集・育成要素を持つ「カード型」、そして作品への深い感情的なつながりから生まれるファン文化を指す「ファンダム」を展開しています。主にアバター型と読み物型が減少傾向にあります。
英語・アジア女性向け
海外市場向けのコンテンツを展開しており、日本語版恋愛ドラマアプリを翻訳した「Love365: Find Your Story」のような読み物アプリや、アバター型アプリを提供しています。主にアバター型と読み物型が減少傾向にあります。
男性向け
主にカード型のゲームアプリを展開しています。この区分も減少傾向にあります。
電子コミック・コンシューマ
電子コミック販売ストア「ぼるコミ」や電子コミックレーベル「ボル恋comic」「ボル恋TOON」を展開しています。また、Nintendo SwitchやSteam向けのコンシューマタイトルも提供しています。主に電子コミック販売ストアが減少傾向にあります。
同社グループの売上高は、日本、北米、その他の地域から得ています。当連結会計年度においては、日本からの売上高が最も大きく、北米、その他がそれに続いています。為替差損が発生していることから、為替変動による影響を受ける可能性があります。また、グーグル・ペイメント合同会社、Apple Inc.、SBペイメントサービス株式会社といった特定のプラットフォーム運営会社からの売上高が、総売上高に占める割合で大きな比率を占めています。
| セグメント | 売上高(2024年6月期) | 売上高(2025年6月期) |
|---|---|---|
| 日本語女性向け | 2兆548億円 | 1兆6,630億円 |
| 男性向け | 7,289億円 | 6,422億円 |
| 英語・アジア女性向け | 3,954億円 | 2,624億円 |
| 電子コミック・コンシューマ | 2,775億円 | 2,508億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの売上高は、過去5期間で減少傾向にあります。一方で、経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益は、過去には損失を計上した期もありましたが、直近2期間では黒字を維持し、当期は前期から増加しています。営業利益も当期は黒字に転換しており、本業での収益性が改善していることがうかがえます。営業活動によるキャッシュ・フローも当期はプラスに転じています。
| 項目 | 2021年6月期 | 2022年6月期 | 2023年6月期 | 2024年6月期 | 2025年6月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 69.0億円 | 53.9億円 | 42.6億円 | 34.6億円 | 28.2億円 |
| 経常利益 | 1.8億円 | △3.0億円 | △64百万円 | 16百万円 | 18百万円 |
| 経常利益率 | 2.6% | △5.5% | △1.5% | 0.5% | 0.6% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 1.6億円 | △4.1億円 | △39百万円 | 5百万円 | 13百万円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 25.48 | △64.18 | △6.10 | 0.82 | 2.07 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社の従業員1人あたり売上高(連結)は、前期から減少しています。一方で、従業員1人あたり営業利益(連結)は、前期の損失から当期は黒字に転換し、大きく改善しています。これは、売上高の減少がある中で、費用削減や効率化が進んだ結果、従業員一人あたりの利益創出能力が向上していることを示しています。
| 指標 | 2024年6月期 | 2025年6月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 20.9百万円 | 19.7百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | △0.6百万円 | 0.1百万円 |
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
ボルテージの経営の安定性について、財務基盤と資金の流れから現状を把握します。本業で資金を生み出し、財務基盤を強化している状況がうかがえます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
ボルテージの財務基盤は、自己資本比率が78.3%と高く、プライム市場の非製造業平均と比較しても強固な水準を示しています。純資産も22.0億円と安定しています。ROE(自己資本利益率)は0.6%であり、プライム市場平均を下回っています。手元資金である現金及び預金は13.3億円を確保しており、事業運営における資金の安定性がうかがえます。これらの財務状況は、入社後の雇用や給与の安定性に関わる重要な要素となります。
| 指標 | 2024年6月期(前期) | 2025年6月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 21.8億円 | 22.0億円 |
| 自己資本比率 | 76.5% | 78.3% |
| ROE(自己資本利益率) | 0.2% | 0.6% |
| 現金及び預金 | 12.9億円 | 13.3億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
ボルテージのキャッシュフローを見ると、当期は営業活動によるキャッシュフローがプラスに転じ、42百万円の資金を得ています。これは主に未払費用や契約負債の減少があった一方で、売上債権の減少やソフトウエア償却費、減価償却費の計上、税金等調整前当期純利益の計上によるものです。投資活動によるキャッシュフローは2百万円の支出となり、有価証券及び投資有価証券の売却収入や預け金の減少があった一方で、投資有価証券の取得による支出がありました。財務活動によるキャッシュフローは4百万円の支出で、長期借入金の返済が主な要因です。結果として、フリーキャッシュフローは40百万円のプラスとなっており、本業で生み出した資金で投資を賄い、余剰資金を確保できている状況を示しています。これは、事業の安定性と将来への投資余力を示すものであり、雇用や給与の安定性にも良い影響を与える可能性があります。
| 項目 | 2024年6月期(前期) | 2025年6月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | △41百万円 | 42百万円 |
| 投資CF | △80百万円 | △2百万円 |
| 財務CF | △34百万円 | △4百万円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | △1.2億円 | 40百万円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、モバイルコンテンツ市場の動向や競合他社の存在に関するリスクを認識しています。市場の成長が予測を下回る場合や、競合との差別化が図れない場合には、業績に影響を与える可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、事業拡大に必要な人材の確保と育成を重要な課題と認識しています。業務上必要とされる人材を確保・育成できない場合には、業績に影響を与える可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
ボルテージは、「アート&ビジネス」という企業理念のもと、感動コンテンツの提供を通じて社会に貢献することを目指しています。多様な働き方や次世代育成にも力を入れ、持続可能な成長を追求する企業風土が特徴です。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは、「アート&ビジネス」という企業理念を掲げ、「恋愛と戦いのドラマ」をテーマとした感動コンテンツを提供することを経営方針としています。ここでいう「アート」とは、独創性の高いコンテンツを企画し生み出すことであり、「ビジネス」とは、コンテンツを多くの人に楽しんでもらうための連続的なヒットを生み出す仕組み作りと定義されています。
同社は、2023年6月期から戦略を軌道修正し、2027年6月期頃にはアプリと新分野(電子コミック・コンシューマ)での「事業3本柱」を成立させることを目指しています。日女アプリではファンダムの充実とアプリ形態の進化による採算性向上を図る「ファンダム戦略」を推進中です。新分野では拡大と強力なIP(知的財産)創出に向けた「ヒットIP戦略」を進めています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、企業理念である「アート&ビジネス」で社会に貢献するというビジョンに基づき、SDGs活動に取り組んでいます。すべての人々にとってより良い社会の実現を目指し、多様な社会への対応を重視しています。
具体的には、「みんなが働きやすい職場環境を作る」「女性が活躍できる職場を目指す」ことを目標としています。テレワーク制度や勤務時間区分の自主選択、子どもの看護休暇といった柔軟な働き方を実現し、社員が安心して働ける環境整備を進めています。また、次世代育成として学生の企業訪問受け入れや業界交流会の実施、役員等による講演会を通じて、若い世代の職業観形成や業界の発展に貢献しています。環境・資源対策としては、ペーパーレス化やリサイクルを通じて環境負荷の低減と業務効率化に取り組んでいます。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、事業多角化のための「投資サイクル」推進を主要な課題の一つと認識しています。既存事業と新規事業のバランスを取りながら、収益を確保しつつ成長を実現することを目指しています。
また、さらなる事業拡大のためには、魅力的なオリジナルコンテンツ(ヒットIP)の連続創出が不可欠であると考えています。物語アプリだけでなく、電子コミックやコンシューマといった新分野でのヒットIP創出にも注力しています。組織体制の進化も重要な課題であり、事業多角化に対応するため、特定の専門ノウハウを持つ事業部を複数育成し、緩やかな連合体としてグループ体制を進化させていく方針です。
優秀な人材の確保と組織体制の強化も重点テーマであり、新卒採用を中心に、企業風土に合った人材の登用と研修プログラムによるスキル向上を促しています。システム技術・インフラの強化や、自然災害・感染症等への危機管理体制の強化も進め、事業活動の継続性を高めることに取り組んでいます。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
ボルテージは、経営の透明性とコンプライアンスを徹底し、経営環境の変化に迅速かつ柔軟に対応できる組織体制の構築を重要な施策と位置付けています。同社は2017年9月28日開催の第18期定時株主総会をもって、監査等委員会設置会社に移行しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
ボルテージの株主構成を見ると、創業家が上位株主として名を連ね、経営に強い影響力を持つ体制であることがうかがえます。筆頭株主は代表取締役社長の津谷祐司氏であり、上位には同氏の配偶者である津谷奈々子氏も含まれています。また、株式会社サードストリートも上位株主であり、津谷祐司氏と津谷奈々子氏がその所有株式を実質的に所有している状況です。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 津谷 祐司 | 10.45% |
| サードストリート | 10.27% |
| SBI証券 | 7.38% |
上記のほか、自己株式91,581株があります。持株比率は自己株式(91,581株)を控除して計算しております。第1位の津谷祐司氏及び第4位の津谷奈々子氏は、第2位の株式会社サードストリートの所有株式を実質的に所有しております。
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は7名(男性6名・女性1名)で構成され、女性役員比率は14.3%です。代表取締役社長は津谷祐司氏が務めています。社外取締役比率は42.9%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 津谷 祐司 | 代表取締役 社長 | 1985年4月株式会社博報堂入社。1999年9月同社設立、代表取締役社長。2020年9月より同社代表取締役社長現職。 |
| 東 奈々子 | 取締役 副社長 | 1992年4月株式会社博報堂入社。2000年4月同社取締役。2020年9月より同社取締役副社長現職。 |
| 加藤 慶太 | 取締役 副社長 | 2007年4月同社入社。2014年7月同社執行役員。2021年9月同社取締役。2024年9月より同社取締役副社長現職。 |
| 松永 浩 | 取締役 総務IT本部 管轄 | 1990年4月株式会社情報開発センター入社。2002年1月同社入社。2005年9月より同社取締役現職。 |
社外取締役は、永山憲一氏(元東京情報システム取締役副社長・常勤監査等委員)、小笠原寿男氏(元ユナイテッドプレシジョンテクノロジーズ常勤監査役・監査等委員)、川西祐輔氏(川西公認会計士・税理士事務所代表・監査等委員)です。
同社は監査等委員会設置会社であり、監査等委員会は3名の監査等委員で構成され、全員が社外取締役です。これにより、取締役会に対する監査・監督機能を充実させ、経営の健全性及び透明性を確保する体制となっています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社の役員報酬は、業績と企業価値の継続的な向上を目的とし、各取締役の職責及び貢献に見合った体系となっています。監査等委員を除く取締役の報酬は、原則として固定報酬としての基本報酬及び業績連動報酬等により構成され、その他、会社業績等に応じて非金銭報酬等や決算賞与が支給されます。監査等委員である取締役の報酬は、その職務の独立性という観点から、原則として基本報酬のみで構成される固定報酬を支給しており、会社業績等に応じて非金銭報酬等が支給されます。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 社外取締役 | 4名 | 10百万円 | 2.4百万円 |
基本報酬の限度額は、取締役(監査等委員である取締役を除く。)については年額350百万円以内、監査等委員である取締役については年額20百万円以内となっております。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。
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