※本記事は、株式会社ジョイフル本田 の有価証券報告書(2026年6月期、2025年6月21日 ~ 2026年6月20日、2026年9月15日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
ジョイフル本田グループは、ホームセンター事業を主軸としています。一般消費者からプロ顧客まで幅広く対応し、「住まい」と「生活」に関する豊富な商品とサービスを提供する事業を展開しています。
単体従業員数は1,827名、連結従業員数は1,973名です。同社グループのセグメントはホームセンター事業の単一です。
主な国内グループ会社は、本田などです。
同社グループの主な国内関係会社は、以下のとおりです。
| 名称 | 主要な事業の内容 |
|---|---|
| 株式会社本田 | ホームセンター事業・木材販売事業等 |
ジョイフル本田は2025年9月に株式会社本田を完全子会社化し、2026年4月にはアークランズ株式会社との経営統合に関する基本合意書を締結しました。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
ジョイフル本田は、地域社会の生活を豊かにする「生活提案」を重視する企業です。従業員の働きがいや成長を重視し、多様な人材が活躍できる環境づくりに力を入れています。給与水準や福利厚生、人材育成への取り組みを通じて、社員が長期的に安心して働ける基盤を築いていることがうかがえます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は、平均勤続年数が長く、平均年齢も比較的高い傾向にあります。これは、社員が長期にわたってキャリアを築き、定着していることを示唆しています。経験豊富な人材が多数在籍し、安定した組織運営に貢献していると考えられます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 5,389,000円 |
| 平均勤続年数 | 17.6年 |
| 平均年齢 | 42.6歳 |
| 単体従業員数 | 1,827人 |
| 連結従業員数 | 1,973人 |
| 単体のグループ内比率 | 92.6% |
同社グループは、従業員の退職給付に充てるため、確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)および確定拠出型(会社が拠出した資金を従業員が運用する)の年金制度を採用しています。退職一時金制度があり、退職給付として従業員の勤続年数や職群、職責・職能等を基礎とするポイントに基づいて計算された一時金を支給しています。なお、退職給付債務は33.8億円、年金資産は15.3億円となっています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、社員の働く環境に配慮し、社員を個人として尊重し、一人ひとりの能力・適性や意思を重視した配置・異動・昇進を行っています。ミッションに基づき「人事ポリシー」を策定し、中長期的な視点での人材育成に取り組んでいます。急速に変化する社会環境や競争環境に対応するため、「自ら考え行動できる人財」の育成を基本方針とし、体系的な人材育成や挑戦機会の提供を通じて企業価値の向上を目指しています。
給与決定においては、各人が担う職責とその遂行度を基本とした報酬制度を採用しています。正社員には「職群制度」を基軸とした評価・処遇・育成を行い、物価上昇や生活水準の向上に対応した継続的なベースアップや年間休日数の増加など、ワーク・ライフ・バランスの推進に向けた処遇改善を実施しています。賞与は会社の業績と個人の貢献度を総合的に勘案して支給されます。
時給制社員についても「職群制度」へ移行し、役割と期待される成果を明確にすることで、成長意欲を高める処遇体系を運用しています。高い専門性や豊富な経験を持つシニア人材の活躍推進を目的に、再雇用年齢上限を75歳に延長し、60歳以降も評価によって昇給が可能な制度を導入しています。また、人的資本への投資と中長期的な企業価値向上への参画意識を醸成するため、従業員持株会を通じた「譲渡制限付株式」の付与も実施しています。
人材育成では、新入社員研修やOJTトレーナーの配置、動画マニュアルの配信など、多様な研修制度を整備しています。社員一人ひとりの専門性を高め、知識・技術を組織的に継承・強化するため、スキルマップの実務化や評価基準の標準化、社員教育動画の拡充、チーム内研修「マナビタイム」の運用などにも取り組んでいます。仕事と家庭の両立支援にも力を入れており、育児短時間勤務期間の延長や男性の育児参加を促進する特別休暇制度を設けています。これらの取り組みが評価され、「子育てサポート企業」として厚生労働大臣の認定(くるみん認定)を受けています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 4.2% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) | 62.2% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(正社員) | 71.7% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(有期労働者等) | 84.8% |
多様性・登用
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 中途採用者の管理職比率 | 49.5% |
育児・介護支援
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 育児休業からの復職率 | 97.3% |
| 男性育児休業取得率 | 52.0% |
人材育成・エンゲージメント
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 平均残業時間 | 3.5時間/月 |
| 有給休暇平均取得率 | 78.9% |
| 働きがい肯定率 | 42.0% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
ジョイフル本田は、ホームセンター事業を主軸に、住まいと生活に関する幅広い商品販売とサービス提供を通じて、一般消費者からプロ顧客まで多様なニーズに応える事業を展開しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、ホームセンター事業を主な事業としています。「住まい」に関する資材・プロ用品、インテリア・リビング、ガーデン・ファームといった関連商品の販売やリフォーム工事の設計・施工、さらに「生活」に関するデイリー・日用品、ペット・レジャー関連商品の販売を行っています。これらに付帯するサービスも提供し、豊富な品揃えとロープライスを実践しています。
収益は主に、これらの商品販売とリフォーム工事、および付帯サービスから得ています。同社グループは単一セグメントで事業を展開しており、特定の地域や顧客に収益が集中する傾向は見られません。また、海外の外部顧客への売上高は連結損益計算書の90%未満であり、国内事業が中心となっています。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループは当連結会計年度より連結決算に移行しており、前連結会計年度との比較分析は行われていません。直近の連結会計年度においては、売上高、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益を計上しています。
| 項目 | 2022年6月期 | 2023年6月期 | 2024年6月期 | 2025年6月期 | 2026年6月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | - | - | - | - | 1,328億円 |
| 経常利益 | - | - | - | - | 99.5億円 |
| 経常利益率 | - | - | - | - | 7.5% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | - | - | - | - | 90.0億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | - | - | - | - | 149.37 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループは当連結会計年度から連結決算に移行したため、前期の従業員数データがなく、1人あたりの収益性や生産性の推移を比較することはできません。しかし、当期の従業員1人あたり売上高と営業利益の水準は、同社グループの事業規模と従業員数から見た収益創出力を示しています。
| 指標 | 2025年6月期 | 2026年6月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | - | 67.3百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | - | 4.4百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
ジョイフル本田グループの財務状況を見ると、強固な自己資本と手元資金を背景に、安定した経営基盤を築いていることがうかがえます。本業で得た資金を将来の成長投資に回しつつ、資金の流動性も確保されています。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
ジョイフル本田グループは、高い自己資本比率と潤沢な手元資金を保持しており、財務基盤が盤石な状態を示しています。この安定性は、入社後の雇用や給与の安定性にもつながる要素です。
| 指標 | 2025年6月期(前期) | 2026年6月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 1,218億円 | 1,264億円 |
| 自己資本比率 | - | 75.4% |
| ROE(自己資本利益率) | - | 7.1% |
| 現金及び預金 | 322億円 | 252億円 |
同社グループの自己資本比率は75.4%となっており、プライム市場の非製造業平均(24.2%)と比較して非常に高い水準を示しています。ROE(自己資本利益率)は7.1%であり、プライム市場平均(9.4%)を下回っています。現金及び預金は252億円を確保しており、不測の事態にも対応できる手元資金の厚みがある状態です。
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
ジョイフル本田グループの当連結会計年度におけるキャッシュフローは、本業で安定的に資金を生み出し、その資金を将来の成長に向けた投資に充てている状況です。
営業活動によるキャッシュフローは72.8億円の収入となりました。これは主に税金等調整前当期純利益や減価償却費によるものです。投資活動によるキャッシュフローは△51.3億円の支出となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出や無形固定資産の取得による支出によるものです。財務活動によるキャッシュフローは△94.0億円の支出となりました。これは主に長期借入金の返済による支出や配当金の支払額によるものです。本業で得た資金を投資に回しつつ、フリーキャッシュフローもプラスを維持していることから、事業の成長性と財務の健全性が両立している状態であり、雇用や給与の安定性にもつながる基盤があると言えます。
| 項目 | 2025年6月期(前期) | 2026年6月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | - | 72.8億円 |
| 投資CF | - | △51.3億円 |
| 財務CF | - | △94.0億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | - | 21.5億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、出店地域において競合他社の店舗が多数存在し、今後も競争が激化していくことが予想されています。これにより、業績および財務状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。
また、仕入れルートに支障が生じて商品調達ができなくなる場合や、原材料価格、為替相場の変動、海外情勢等の外的要因により仕入価格が高騰する可能性があります。これらの仕入価格の変動が生じた場合には、業績および財務状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
人材・組織に関するリスクの記載はありません。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
ジョイフル本田は、お客様の喜びと夢を地域社会と共に創り出すことを目指し、変化する社会環境に柔軟に対応しながら、次の50年を見据えた企業価値向上に取り組んでいます。お客様に「また来店したい」と感じていただけるような、商品力、提案力、接客力の強化を重視する企業文化が特徴です。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは、「『必要必在』と『生活提案』で地域社会の喜びと夢を共創する」ことをミッションとして掲げています。このミッションに基づき、国内No.1の“Living Space Innovator”企業となることを目指すビジョンを追求しています。お客様の生活を豊かにする提案を通じて、地域社会に貢献していくことを重視しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、お客様の喜びと満足を追求する企業風土を大切にしています。行動指針として「お客様基点で全てを発想する」「お客様の“不”の解消を続ける」「未来志向で変化に挑戦する」「常に謙虚な気持ちで感謝を忘れない」「倫理・道徳を重視し、共に成長する」の5か条を掲げています。
社員には「自ら考え行動できる人材」としての成長を求め、そのための機会を提供しています。また、個人の人権や多様な価値観を尊重し、働きがいのある職場環境の実現に努めています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、中期経営計画において「知的資本への投資」と「ESG経営の継続」を重点テーマとしています。具体的には、職場環境の改善を通じて働きがい肯定率の向上を目指し、属性不問の人材活用や女性社員のキャリア支援によるダイバーシティ推進に取り組んでいます。
また、中長期的なGX計画を策定し、グリーンエネルギーの導入を進めることで、温室効果ガス排出量の削減に取り組んでいます。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
ジョイフル本田は、取締役会と監査役会からなる監査役会設置会社です。独立社外取締役を中心とした議論を活性化し、取締役会の監督機能強化を図る体制を構築しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
ジョイフル本田の株主構成を見ると、創業家関連の信託口や個人が上位に名を連ねています。複数の創業家関係者が大株主として存在しており、同社の経営を支える基盤となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 野村信託銀行(本田創業家信託口) | 9.57% |
| 日本マスタートラスト信託銀行(信託口) | 8.87% |
| C&I Holdings | 4.49% |
| 本田 理 | 3.04% |
| 公益財団法人本田記念財団 | 2.07% |
(注)当社は、小数点以下第3位を切り捨てて算出しております。
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は8名(男性5名・女性3名)で構成され、女性役員比率は37.5%です。代表取締役社長は平山育夫氏が務めています。社外取締役比率は60.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 平山 育夫 | 代表取締役社長 | 1987年3月同社入社、2023年6月より同社代表取締役社長。MTJフィットネス取締役、ジョイフルエーケー取締役、本田取締役を現任。 |
| 本田 理 | 取締役顧問 | 1986年3月ホンダ産業入社、2005年8月同社取締役。2020年4月より同社取締役顧問。 |
社外取締役は、白河桃子氏(相模女子大学大学院特任教授・内閣官房「一億総活躍国民会議」民間議員)、戸倉圭太氏(アンダーソン・毛利・友常法律事務所パートナー・ニューヨーク州弁護士)、柴山慎一氏(教育テック大学院大学教授・日本広報学会理事長)です。
同社は監査役会設置会社であり、5名の取締役のうち3名が社外取締役、3名の監査役全員が社外監査役で構成されています。独立社外取締役を中心とした議論を通じて、取締役会の監督機能強化を図る体制です。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
ジョイフル本田の役員報酬は、固定報酬、短期業績に連動する賞与、中長期業績に連動する株式報酬で構成されています。報酬額は自己資本利益率(ROE)に応じた業績連動報酬テーブルや、EBITDA、PBR、働きがい肯定率などの目標達成状況を評価して決定されます。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 2名 | 62百万円 | 31.0百万円 |
| 社外役員 | 9名 | 58百万円 | 6.4百万円 |
非金銭報酬等25百万円(員数5名うち社外取締役3名)のうち12百万円が業績連動型株式報酬(員数1名)、13百万円が社外取締役を含む非業務執行取締役の業績非連動型株式報酬(員数4名うち社外取締役3名)であります。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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