【平均年収614万円】アイキューブドシステムズ 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年6月期)

【平均年収614万円】アイキューブドシステムズ 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年6月期)

アイキューブドシステムズは、法人向けモバイル端末管理SaaS「CLOMO事業」と投資事業を主軸に展開しています。直近期は新規顧客獲得と投資収益が寄与し、売上高・利益ともに大きく増加しました。グループ各社とともに、法人向けソリューションの強化と事業領域の拡大を進めています。


目次

※本記事は、株式会社アイキューブドシステムズ の有価証券報告書(2025年6月期、2024年7月1日 ~ 2025年6月30日、2025年9月22日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


アイキューブドシステムズは、法人向けモバイル端末の一元管理・運用、業務効率化、セキュリティ強化を支援するSaaS「CLOMO事業」を主軸に展開しています。また、CVCやM&Aを通じた投資活動を行う「投資事業」も手掛けています。

単体従業員数は139名、連結従業員数は197名です。セグメントはCLOMO事業、投資事業の2つです。

主な国内グループ会社は、(連結子会社)アイキューブドベンチャーズ、アイキューブド1号投資事業有限責任組合(投資事業)、ワンビなどです。

2025年1月にはワンビ株式会社を子会社化し、同社の情報漏洩対策ソリューション「TRUST DELETE」をCLOMO事業セグメントに統合しました。これにより、Windows PC向けサービスを強化しています。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


株式会社アイキューブドシステムズは、東京証券取引所グロース市場に上場しており、多様な人材が活躍できる環境づくりに注力しています。同社グループでは、従業員一人ひとりの成長と働きがいを重視し、柔軟な働き方や健康支援を通じて、挑戦を後押しする文化を醸成しています。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社は、若手層が中心の組織構成であることが示されています。平均年齢が35.3歳、平均勤続年数が4.9年となっており、比較的活発な人材流動性が見られます。

項目 数値
平均年間給与 6,142,000円
平均勤続年数 4.9年
平均年齢 35.3歳
単体従業員数 139人
連結従業員数 197人
単体のグループ内比率 70.6%


退職給付制度に関する記載はありません。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


同社グループは「挑戦を、楽しもう。」をブランドスローガンに掲げ、持続的成長には多様な人材の活用が不可欠であると考えています。性別、国籍、年齢、価値観、ライフスタイルなど多様なバックグラウンドを持つ人材の採用と、挑戦的なカルチャーの醸成を通じて、全ての従業員が能力を最大限に発揮できる組織を目指しています。

ダイバーシティ&インクルージョンに加え、公平性(Equity)や帰属意識(Belonging)の視点を取り入れた「DEIBミーティング」を定期的に開催しています。人材育成においては、新卒社員向け研修、階層別研修、マネージャー育成プログラム、OJTなどを実施し、eラーニングの導入で自律的なキャリア形成を支援しています。また、エンジニアが専門知識を習得し能力向上に繋がるよう、国内外の技術カンファレンスへの参加機会も提供しています。

社内環境整備では、従業員一人ひとりが働きがいを持ち、安心して働き続けられる職場環境を整備しています。フルフレックスタイム制やテレワークの活用により、ワークライフバランスの実現をサポートしています。さらに、各種検査費用の補助やオフィストレーニング、アウトドアイベントなど、心身ともに健やかに働ける健康促進施策も推進しています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


連結子会社は法定開示の公表義務対象外のため、提出会社単体のデータを示します。労働者の男女の賃金の差異は、女性活躍推進法に基づく公表項目としていないため、記載を省略しております。

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 20.0%
男性労働者の育児休業取得率 50.0%

人的資本に関する任意開示指標


これらの指標に関する目標及び実績は、提出会社のものを記載しています。

指標 数値
全労働者に占める女性労働者の割合 43.2%
管理職に占める女性労働者の割合 20.0%
全労働者に占める外国籍労働者の割合 10.1%
男性労働者育児休業取得率 50.0%
一人あたり1か月の平均時間外労働時間 4.2時間

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


アイキューブドシステムズは、ITを軸とした挑戦を積極的に進める企業として、法人向けモバイル端末管理サービスを提供するCLOMO事業と、CVCやM&Aを通じた投資事業を展開しています。デザインとエンジニアリングの力で挑戦を支え、笑顔につながるアイデア実現の母体となることを目指しています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、企業や教育、医療、官公庁など様々なビジネスシーンで活用されるモバイル端末に対し、一元的な管理・運用、業務効率化、セキュリティ強化を支援するサービスをSaaSとして提供するCLOMO事業を主軸としています。また、CVCやM&Aを通じた投資活動により、同社グループの持続的な成長を目指す投資事業も運営しています。CLOMO事業では、月額や年額で定額課金するサブスクリプション型を採用しており、安定した収益基盤を構築しています。

CLOMO事業

CLOMO事業は、法人向けモバイル端末(iPhoneやAndroid等のスマートフォン、タブレット、モバイルPC)を一元的に管理・運用する「CLOMO MDM」を中心に、モバイル端末向けアプリケーション「CLOMO SECURED APPs」、Windows PC向けの情報漏洩対策サービス「TRUST DELETE」を開発・提供しています。これらのサービスはクラウドを介してSaaSとして提供されており、多くの顧客に対応できる収益構造となっています。

収益は、主にモバイル端末管理ソフトウェアサービスやモバイル端末向けアプリサービスの月額・年額課金から得ています。当連結会計年度においては、OEM提供による新規顧客の獲得が進んだことで、売上高は前期から大きく増加しました。

投資事業

投資事業では、ベンチャーキャピタル子会社である株式会社アイキューブドベンチャーズを通じて「アイキューブド1号投資事業有限責任組合」を設立し、スタートアップ投資を行っています。主な投資対象はモバイル、SaaS、セキュリティ等、同社グループの事業領域と親和性の高い企業、社会課題解決型企業、そして同社グループが本社を置く九州の地場で活動している企業です。

収益は、営業投資有価証券の売却による収益などから得ています。当連結会計年度では、前期に売上高がなかったところから収益を計上し、営業損失も縮小しました。

同社グループの売上高は、本邦以外の外部顧客への売上高がないため、国内市場に集中しています。また、株式会社NTTドコモ及びそのグループ会社への販売実績が当連結会計年度の総販売実績の46.0%を占めており、特定の顧客への収益集中が見られます。

セグメント 売上高(2024年6月期) 売上高(2025年6月期)
CLOMO事業 29.5億円 36.3億円
投資事業 - 1.2億円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの直近5期間の業績推移を見ると、売上高は第21期以降、継続的に増加傾向にあります。特に当連結会計年度では、CLOMO事業における新規顧客獲得の進展と投資事業での収益計上が寄与し、売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益のいずれも前期から大きく増加しました。

項目 2021年6月期 2022年6月期 2023年6月期 2024年6月期 2025年6月期
売上高 - 24.5億円 26.7億円 29.5億円 37.5億円
経常利益 - 8.2億円 6.1億円 6.7億円 8.8億円
経常利益率 - 33.3% 22.9% 22.7% 23.4%
親会社株主に帰属する当期純利益 - 5.4億円 4.4億円 4.6億円 5.6億円
1株当たり当期純利益(円) - 102.67 83.33 87.96 109.62

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたりの売上高は、当期に前期から増加しています。また、従業員1人あたりの営業利益も当期に前期から増加しており、同社グループ全体の生産性が向上している傾向を示しています。

指標 2024年6月期 2025年6月期
従業員1人あたり売上高(連結) 18.8百万円 19.0百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 4.4百万円 4.6百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


株式会社アイキューブドシステムズは、安定した財務基盤を構築しており、事業活動を通じて着実に資金を生み出している状況です。本業で得た資金を投資に回し、さらに余剰資金も確保していることが示されています。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの自己資本比率はプライム市場平均と比較して高い水準にあり、財務の健全性を示しています。ROE(自己資本利益率)もプライム市場平均を上回る水準で推移しており、効率的な経営が行われていることがうかがえます。

手元資金である現金及び預金も増加傾向にあり、不況時への耐性も高い状態です。これらの財務指標は、同社グループが安定した財務基盤を持ち、事業活動を継続していく上で強みとなることを示しています。

指標 2024年6月期(前期) 2025年6月期(当期)
純資産 25.8億円 28.6億円
自己資本比率 71.2% 57.7%
ROE(自己資本利益率) 18.1% 21.8%
現金及び預金 18.1億円 22.3億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


営業活動によるキャッシュ・フローは、当期に10.1億円のプラスとなりました。これは主に税金等調整前当期純利益の計上や減価償却費の増加によるものです。

投資活動によるキャッシュ・フローは、当期に△36百万円の使用となりました。これは主に無形固定資産の取得による支出や投資有価証券の取得による支出があった一方で、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による収入があったためです。

財務活動によるキャッシュ・フローは、当期に△5.6億円の使用となりました。これは主に配当金の支払額や自己株式の取得による支出によるものです。

これらの結果、フリーキャッシュ・フローは当期に9.8億円のプラスとなり、本業で稼いだ資金が投資を上回る状況を示しています。このキャッシュ・フローの状況は、同社グループが安定した資金繰りを維持し、将来の成長に向けた投資余力も確保していることを示しており、雇用や給与の安定性にもつながる基盤があると言えます。

項目 2024年6月期(前期) 2025年6月期(当期)
営業CF 8.2億円 10.1億円
投資CF △6.2億円 △36百万円
財務CF △4.5億円 △5.6億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 2.1億円 9.8億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループの売上高は、特定の販売パートナーへの依存度が高い状況です。販売パートナーの販売方針変更や不具合発生により、良好な関係が損なわれた場合、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

また、CLOMO事業が主軸であり、投資事業は安定した収益創出に至っていません。CLOMO市場の成長が想定通りに進まない場合や、事業環境の変化に適切に対応できない場合には、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

③ 人材・組織に関するリスク

同社グループは小規模な組織であり、事業拡大に応じた従業員の育成や採用が適時適切に進まない場合、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。急激な社員増加に対応できない場合や退職が続出する場合には、事業計画の進捗遅延や競争力低下のリスクがあります。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


株式会社アイキューブドシステムズは、ITを軸とした様々な挑戦を積極的に進め、笑顔あふれる社会の実現に貢献することを目指しています。同社グループは、多様な人材が能力を最大限に発揮できる組織づくりを重視し、挑戦を楽しむ文化を育んでいます。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


同社グループは、パーパスを「笑顔につながる、まだ見ぬアイデア実現の母体となる」と定義しています。提供価値は「デザインとエンジニアリングの力で、挑戦を支える」としています。

「挑戦を、楽しもう。」をブランドスローガンに掲げ、ITを軸とした様々な挑戦を積極的に進めていく企業を目指しています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社グループは「挑戦を、楽しもう。」をブランドスローガンとし、様々な挑戦を楽しみながら取り組むことを重視しています。同時に、挑戦を楽しむ人や組織を支えることで、笑顔あふれる社会の実現に貢献することを目指しています。

人材の多様性を重視しており、性別、国籍、年齢、価値観、ライフスタイルなど多様なバックグラウンドを持つ人材の採用と、多様かつ挑戦的なカルチャーの醸成を通じて、全ての従業員が尊重され、能力を最大限に発揮できる組織を目指しています。

ダイバーシティ&インクルージョンに加え、公平性(Equity)と帰属意識(Belonging)の視点を取り入れた「DEIBミーティング」を定期的に開催し、従業員のパフォーマンス向上に繋がる環境づくりを進めています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社グループは、MDM市場におけるシェア拡大のため、技術開発力をベースにした高機能化や周辺機能の追加、複数種類の端末管理機能拡充に取り組んでいます。顧客の信頼を厚くするためのサポート体制の充実による高い継続率の維持も課題としています。

開発体制の強化も重要な課題であり、エンジニアが成長し充実した仕事・生活ができる環境を作り、魅力的な職場としての認知を広めることを目指しています。M&Aや海外におけるオフショア開発先の開拓など、外部リソースを活用した抜本的な開発体制の強化も推進しています。

品質保証体制の強化では、サービス品質向上に向けた様々な施策を継続し、ソフトウェアエンジニアリングにおける改善をさらに進め、サービスの安全性を高めることを課題としています。

カスタマーサクセス活動の効率化も重点テーマの一つです。顧客数の増加に比例した人員増強ではなく、業務効率化によってカスタマーサクセス活動に係る人員数を抑制しつつ、高い継続率を維持することを目指しています。

新たな事業領域の開拓も課題としており、CLOMO事業の周辺領域への進出や新規事業の開発、M&A、社内における事業開発活動に積極的に取り組んでいます。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


アイキューブドシステムズは、代表取締役執行役員社長CEOが議長を務める取締役会と、社外取締役で構成される監査等委員会を設置しています。これにより、経営の透明性と健全性を確保し、コーポレート・ガバナンスの強化を図っています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


アイキューブドシステムズの株主構成を見ると、筆頭株主は代表取締役執行役員社長CEOである佐々木勉氏です。個人株主が上位を占めており、特定の株主が経営に強い影響力を持つ資本構成となっています。

株主名 持株比率
佐々木 勉 55.56%
畑中 洋亮 8.62%
日本カストディ銀行(信託口) 2.43%
平 強 1.76%
大野 尚 1.22%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は6名(男性4名・女性2名)で構成され、女性役員比率は33.3%です。代表取締役執行役員社長CEOは佐々木勉氏が務めています。社外取締役比率は66.7%です。

氏名 役職 主な経歴
佐々木 勉 代表取締役執行役員社長 CEO 1996年株式会社システムライフ入社後、2001年にアイキューブドシステムズを個人創業。同年9月に有限会社アイキューブドシステムズ(現同社)を設立し代表に就任。2003年9月より同社代表取締役社長CEO、2022年9月より同社代表取締役執行役員社長CEO(全部門統括)より現職。
坂田 崇典 取締役執行役員管理本部長 CFO 1992年凸版印刷株式会社入社。朝日アーサーアンダーセン株式会社、株式会社日経BPを経て、2005年アウンコンサルティング株式会社入社。同社取締役常務執行役員などを歴任。2024年4月同社入社、同年9月より同社取締役執行役員管理本部長CFOより現職。


社外取締役は、東能利生氏(東能利生公認会計士事務所代表・常勤監査等委員)、内田裕子氏(スイングバイクリエーション代表取締役社長・監査等委員)、古宮洋二氏(九州旅客鉄道代表取締役社長執行役員・監査等委員)、舞田靖子氏(弁護士法人舞田法律事務所社員・監査等委員)です。

同社は監査等委員会設置会社であり、監査等委員会は全員が独立社外取締役で構成されています。これにより、独立した立場から取締役会の監督を行い、コーポレート・ガバナンス体制の充実と強化を図っています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


アイキューブドシステムズの役員報酬は、企業価値の持続的な向上と株主利益との連動を重視した体系です。業務執行取締役に対しては、固定報酬としての金銭による基本報酬と譲渡制限付株式報酬を組み合わせています。一方、社外取締役には、その職務に鑑み、固定報酬としての金銭による基本報酬のみを支給しています。譲渡制限付株式報酬は、企業価値向上へのインセンティブと株主との価値共有を目的としています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(監査等委員及び社外除く) 4名 90百万円 22.6百万円
社外役員 4名 22百万円 5.4百万円


※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。