※本記事は、株式会社エアークローゼット の有価証券報告書(2025年6月期、2024年7月1日 ~ 2025年6月30日、2025年9月22日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
エアークローゼットは、国内在住の女性向けに、スタイリストが選定した洋服をレンタルするパーソナルスタイリングサービス「airCloset」を主力としています。洋服のシェアリングエコノミーとサブスクリプションモデルが特徴で、生活家電などのライフスタイル商材をレンタルできる「airCloset Mall」も展開しています。
同社の単体従業員数は79名です。セグメントはパーソナルスタイリング事業の1つとなっています。
エアークローゼットは、パーソナルスタイリング事業の単一セグメントであり、自社でサービス提供を行っています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
エアークローゼットは、ファッションレンタルサービスを主軸とする企業であり、従業員の平均年齢が比較的若く、新しい働き方や多様性を重視する傾向が見られます。事業の成長とともに、従業員のエンゲージメント向上やワークライフバランスの支援にも積極的に取り組んでいることが特徴です。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は、比較的若い年齢層の従業員が多く、平均勤続年数から見ても、成長フェーズにある企業ならではの活気ある人材構成がうかがえます。従業員一人ひとりの成長を重視し、多様な働き方を支援する環境づくりに力を入れていることが特徴です。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 5,708,000円 |
| 平均勤続年数 | 3.81年 |
| 平均年齢 | 32.0歳 |
| 単体従業員数 | 79人 |
| 連結従業員数 | - |
| 単体のグループ内比率 | - |
退職給付制度に関する記載はありません。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社は、人的資本に関する組織戦略において「企業と個人の成長と多様性の両立」を重要課題としています。環境変化が激しく不確実性を伴う市場において、従業員の能力開発とその多様性の確保が、同社自身の継続的な成長に直結するとの理念に基づいています。
具体的な取り組みとして、従業員のエンゲージメント指数に注目し、創業初期から半年に一度のペースでエンゲージメント調査を継続的に実施しています。これにより、組織における従業員の活動意欲や当事者意識の見える化と改善に取り組んでいます。
また、「ダイバーシティ&インクルージョンの推進」を掲げ、従業員一人ひとりのライフスタイルに寄り添うことのできる組織を目指しています。男性の育児休業取得推進にも力を入れ、「男性育休100%宣言」への賛同を公表し、取得率100%を目指す方針です。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データを示します。男女賃金差異は、女性活躍推進法に基づく公表義務の対象項目として選択しておらず、公表されていません。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性管理職比率 | 23% |
| 男性育児休業取得率 | 50% |
エンゲージメント指数
最新のエンゲージメント調査は2024年5月に実施されています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| エンゲージメント調査レーティング | AAA |
| モチベーションスコア | 73.7 |
ダイバーシティ&インクルージョンの推進
従業員一人一人のライフスタイルに寄り添うことのできる組織を目指し、様々な取組みを進めています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性従業員比率 | 49% |
| 男性育児支援シフト勤務利用経験者率 | 60% |
| 外国人比率 | 8% |
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
株式会社エアークローゼットは、国内在住の女性を対象に、プロのスタイリストが選定した洋服をレンタルするサービスを主力としています。サブスクリプション型のビジネスモデルを特徴とし、洋服のシェアリングエコノミーを推進しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社は、パーソナルスタイリングを強みとする月額制ファッションレンタルサービス「airCloset」を主軸に事業を展開しています。このサービスは、スタイリストが顧客一人ひとりの好みに合わせた洋服を選定し、自宅へ配送・レンタルするもので、非対面でのパーソナルスタイリングが特徴です。洋服を循環的に活用するシェアリングエコノミーと、継続課金制のサブスクリプション型ビジネスモデルを採用しています。
収益は主に「airCloset」サービスの月額会費収入から得ており、レギュラープラン、ライトプラン、ライトプラスプランなどの多様なプランを提供しています。これに加え、ダブルレンタルオプションやアクセサリーオプション、スタイリスト指名オプションといったアップセル・クロスセルによる収益機会も確保しています。また、レンタル中の洋服の販売収入や、レンタル提供が終了したアイテムを販売する「エコセール」、企業広告のサンプリング等による広告収入も収益源となっています。
同社は「airCloset」事業の月額会費および販売による売上が全体の約82%を占めており、安定的な顧客基盤が事業収入の中心を担っています。さらに、生活家電などのライフスタイル商材を試して購入できる「airCloset Mall」も展開しており、メーカー公認のレンタル型販売ビジネスの基盤を提供しています。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社の直近の業績は、売上高が前年度から増加しました。営業利益、経常利益、当期純利益はいずれも黒字に転換しています。特に当期純利益は、全社として初めての黒字化を達成しました。これは、主力サービスである「airCloset」の継続率改善による安定した会員数の伸びや、顧客単価の上昇が主な要因となっています。また、成長加速に向けた投資を行いながらも、収益性の改善を継続した結果を示しています。
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
株式会社エアークローゼットは、事業活動で得た資金を将来の成長に向けた投資に充当している状況です。財務の安定性について、現在の状況を確認します。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社の自己資本比率は19.6%となっており、プライム市場の非製造業平均(24.2%)と比較するとやや低い水準です。ROE(自己資本利益率)については記載がありません。財務基盤の健全性は、企業の安定性や将来の成長投資の余力に影響を与えます。
| 指標 | 2024年6月期(前期) | 2025年6月期(当期) |
|---|---|---|
| 自己資本比率 | - | 19.6% |
| ROE(自己資本利益率) | - | - |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社のキャッシュフローは、営業活動において税引前当期純利益や減価償却費、レンタル用資産売却等に伴う原価振替額、前受金の増加額などにより資金を獲得しています。一方で、未払または未収消費税等の減少額が資金の減少要因となっています。投資活動では、主に有形固定資産の取得による支出が見られます。財務活動では、短期借入金の純増加があった一方で、長期借入金の返済による支出がありました。これらの資金の流れは、同社が事業を拡大し、将来に向けた投資を行っている状況を示しています。
| 項目 | 2024年6月期(前期) | 2025年6月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | - | - |
| 投資CF | - | - |
| 財務CF | - | - |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | - | - |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社は、インターネットを介してアパレル商品をレンタルするパーソナルスタイリングEC事業を主力としています。インターネット関連市場の発展が阻害される場合、経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、月額会員数の新規獲得が計画通りに進まない場合や、既存会員の減少が発生した場合にも、経営成績や財政状態に影響を及ぼすリスクがあります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社は、今後の事業拡大及び収益基盤の拡充のため、優秀な人材の確保と育成が不可欠であると認識しています。採用基準を満たす人材を十分に確保できない場合や、採用後の育成が不十分な場合には、事業拡大が制約され、経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
「“ワクワク”が空気のようにあたりまえになる世界へ」をビジョンに掲げるエアークローゼットは、ファッションレンタルプラットフォームを運営するファッションテック企業です。同社は、人々のライフスタイルを豊かにし、持続可能な社会の実現を目指す企業文化を大切にしています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
エアークローゼットは、「“ワクワク”が空気のようにあたりまえになる世界へ」をビジョンに掲げ、ファッションレンタルプラットフォームの運営を中心に事業を展開するファッションテック企業です。同社は「発想とITで人々の日常に新しいワクワクを創造する」というミッションのもと、人々の生活に寄り添い、ライフスタイルを豊かにすることを目指しています。単なる利便性を超えたユーザー体験を追求し、「感動」と「出会い」を届けることを重視しています。
また、限られた人生の時間において「モノとの最適な出会い」を実現し、大量消費社会を変革することに取り組んでいます。シェアリングの概念が持続可能な経済社会の創造に結びつくことを信じ、サーキュラー・エコノミーに立脚したサービス開発を継続しています。パーソナルスタイリングをサブスクリプション型のレンタルサービスで実現し、パーソナライズ市場におけるリーディングカンパニーとしての地位確立を目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
エアークローゼットは、お客様の顧客体験(UX)を中心に考えたサービスの提供を重視しています。同社は事業と組織を運営する上でサステナビリティの観点を当然に考慮すべき事項と捉え、事業に関連する全ての部門、全てのプロジェクトがサステナビリティの観点を持って企画・推進されるべきであると考えています。創業当初よりシェアリングの概念が持続可能な経済社会の創造に結びつくことを信念とし、サーキュラーエコノミーの実現を推進してきました。
組織のサステナビリティ向上においては、「企業と個人の成長と多様性の両立」を重要課題としています。従業員の能力開発とその多様性の確保が、同社自身の継続的な成長に直結するとの理念に基づいています。創業初期から従業員のエンゲージメント調査を継続的に実施しており、最新の調査では最高レーティングであるAAAを取得し、モチベーションスコアは73.7となっています。
また、ダイバーシティ&インクルージョンの推進を掲げ、従業員一人ひとりのライフスタイルに寄り添う組織を目指しています。男性育休100%宣言への賛同を公表し、男性の育児休業取得率100%を目指すとともに、男性育児支援シフト勤務利用経験者率も60%です。従業員の外国人比率は8%であり、多様な人種・文化を前提とした組織づくりも推進しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
エアークローゼットは、今後の成長に向けて、既存のレディース領域の事業を中心にセグメント展開及びプラットフォーム展開により成長する方針を基本としています。その中で、同社サービスの認知度の向上を重要な課題と認識しており、費用対効果を慎重に検討した上で広告宣伝やプロモーション活動の質を改善していく方針です。
また、システム及び物流機能の強化にも継続して取り組んでいます。特に、レンタル商品の返却後のメンテナンス処理などを効率的に行う「還流物流」を実現する倉庫管理システムや、スタイリング提供システムといったプラットフォームサービスの利用拡大を、他社との具体的な協業事案を増やしながら進めています。
さらに、「airCloset Mall」等の新規事業に関する商品展開の強化として、アパレル以外の生活商材も含めたユーザーのトータル・ライフスタイル・サポートのニーズを満たすことを目指しています。優秀な人材の確保と組織力の強化も重要な課題であり、継続的な採用活動や適正な人事評価、従業員アンケートによるモチベーション測定、コミュニケーション促進施策に力を入れています。開発体制の更なる充実を図るため、ベトナム・ハノイにシステム開発子会社を設立し、人材の教育・育成を進めていく方針です。内部統制の強化を通じた業務の標準化と効率化も推進しています。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
同社は、社外取締役を含む取締役会と社外監査役で構成される監査役会を設置しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
同社の株主構成を見ると、代表取締役社長兼CEOである天沼聰氏が筆頭株主となっています。その他、事業会社や同社の役員も上位株主として名を連ねており、多様な主体によって支えられている資本構成となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 天沼 聰 | 16.78% |
| Monoful Pte. Ltd. | 13.40% |
| 寺田倉庫 | 10.24% |
| 住友商事 | 9.66% |
| MLPFS CUSTODY ACCOUNT | 9.66% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は9名(男性9名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長兼CEOは天沼聰氏が務めています。社外取締役比率は50.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 天沼 聰 | 代表取締役 社長兼CEO | 2003年アビームコンサルティング入社、2011年楽天入社。2014年7月より同社代表取締役社長兼CEOを務め、現在に至ります。一般社団法人日本パーソナルスタイリング振興協会、シェアリングエコノミー協会の理事も務めています。 |
| 前川 祐介 | 取締役 副社長 | 2009年アビームコンサルティング入社、2012年楽天入社。2014年7月より同社取締役副社長を務め、現在に至ります。一般社団法人日本パーソナルスタイリング振興協会の事務局長も務めています。 |
| 小谷 翔一 | 取締役 | 2007年西日本電信電話入社、アビームコンサルティング、ベイカレントを経て、2013年ASOBIBA代表取締役に就任。2014年7月より同社取締役を務め、現在に至ります。BAKERUの取締役も兼任しています。 |
社外取締役は、武市智行氏(武市コミュニケーションズ代表取締役社長)、月森正憲氏(寺田倉庫執行役員)、榊原健太郎氏(サムライインキュベート代表取締役)です。社外監査役は、内田行彦氏(元ASM取締役)、阿部達行氏(元メタルワン在籍)、樋口俊輔氏(樋口会計事務所代表取締役)です。
同社は監査役会設置会社であり、株主総会、取締役会、監査役会、会計監査人、内部監査人が相互に連携する体制を採用しています。社外取締役および社外監査役は、経営陣から独立した立場で経営の監視機能を果たしています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社の役員報酬は、固定報酬としての基本報酬を主軸としています。業務執行取締役には基本報酬が支払われ、社外取締役にはその職務に応じて基本報酬が支払われるか、無償とされています。業績連動報酬や非金銭報酬については、今後の導入が検討されています。監査役の報酬は、株主総会で定められた上限額の範囲内で監査役会の協議により決定されています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 3名 | 53百万円 | 17.8百万円 |
| 社外役員 | 6名 | 21百万円 | 3.6百万円 |
同社の役員報酬等の総額は75百万円であり、対象となる役員の合計は9名です。
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