※本記事は、株式会社タウンズ の有価証券報告書(2025年6月期、2024年7月1日 ~ 2025年6月30日、2025年9月25日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
タウンズは純粋持株会社であり、単体従業員数は316名です。
同社グループは、感染症臨床検査用の抗原検査キットメーカーとして、30年以上にわたり体外診断用医薬品等の製造・販売を行っています。国内を中心に海外にも製品を提供しています。
国内においてはタウンズが生産・販売を一手に担い、海外4社の関係会社を通じてグローバルに事業を展開しています。
タウンズは、第7期に連結子会社であった旧タウンズを吸収合併し、実質的な事業活動を再開しました。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
同社グループは、診断技術を通じて人々の安心な生活に貢献することを目指しています。持株会社として、グループ全体の人材マネジメントを重視し、多様な人材が活躍できる環境づくりに注力しています。社員一人ひとりの成長を支援し、働きがいのある職場環境の整備に取り組む姿勢が見られます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、30代後半の従業員が中心となって活躍しており、比較的若い年齢層で構成されている傾向が見られます。平均勤続年数は6年未満であり、事業拡大に伴う新たな人材の積極的な採用が、組織の活性化に繋がっていると考えられます。
なお、同社は持株会社であり、傘下の関係会社は以下のデータと同水準とは限りません。各社の求人情報や口コミサイト等を別途参照してください。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 8,212,281円 |
| 平均勤続年数 | 5.9年 |
| 平均年齢 | 38.9歳 |
| 単体従業員数 | 316人 |
同社は、退職給付制度として確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)を採用しています。この制度は提出会社に適用されます。
退職一時金制度があり、退職金規程に基づき支給され、その一部は中小企業退職金共済制度から支給される仕組みです。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社は、企業の継続的な成長には人材の確保が不可欠であると考え、ダイバーシティ&インクルージョン(多様性と包摂)の推進と、働きやすく働きがいのある職場環境の整備を重視しています。社員一人ひとりの活躍を支援し、多様な価値観や能力を持つ人材が最大限に力を発揮できるよう、双方向のコミュニケーションを促進しています。
また、「魅力ある職場環境の構築」をマテリアリティの一つとして掲げ、研修や資格取得支援を充実させることで、社員の成長機会の提供にも積極的に取り組んでいます。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 15.8% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 100.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 53.7% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 66.7% |
| 労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) | 48.1% |
魅力ある職場環境の構築
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 男性育児休業取得率 | 100% |
| 年次有給休暇と会社独自のリフレッシュ休暇の合計取得日数 | 14.5日 |
| 正社員に占める女性比率 | 39.4% |
| 健康診断受診率 | 100% |
| ストレスチェック受検率 | 95.7% |
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
タウンズは、感染症臨床検査用の抗原検査キットを製造・販売する企業です。長年にわたり培った分析技術を応用し、高品質な体外診断用医薬品を国内外に提供しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社は、感染症臨床検査用の抗原検査キットメーカーとして、30年以上にわたり事業を展開しています。主力製品は、特別な装置を必要とせず迅速な診断が可能なイムノクロマト法を利用した抗原検査キットです。病院や開業医だけでなく、WHOなどの国際機関、研究機関、バイオベンチャー企業など幅広い顧客に製品を提供しています。
同社製品は、独自のブラックラインによる判定ラインの見易さ、診断の正確性、同梱される綿棒の使いやすさ、高感度を保ちつつ判定時間が短い点などがユーザーから評価されています。主な製品としては、新型コロナ単品検査キット、新型コロナ/インフルエンザコンボ検査キット、インフルエンザ検査キットがあります。
収益は、これらの体外診断用医薬品の製造・販売から得ています。国内売上が大部分を占めており、輸出売上も計上しています。販売実績においては、スズケングループへの販売割合が高い傾向にあります。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社の直近の業績は、売上高、売上総利益、営業利益、経常利益、当期純利益のいずれも増加傾向を示しています。特に、前期と比較しても増収増益を達成しており、各段階利益率も改善しています。
これは、インフルエンザや新型コロナウイルス感染症の流行状況に対応し、市場シェアを拡大したことによるものです。また、利益率の高い新型コロナ単品検査キットやコンボ検査キットの売上構成比が高まったことも、利益率改善に寄与しています。
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社の従業員数は、当事業年度末時点で316人となっており、前事業年度末から増加しています。平均年間給与は8,212,281円です。
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社は、財務の安定性について、堅実な基盤を維持する方針を示しています。企業の財務状況は、入社後の雇用や給与の安定性を判断する上で重要な要素となります。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社の財務基盤については、自己資本比率やROE(自己資本利益率)、手元資金の状況を示す具体的な数値は開示されていません。これらの指標は、企業の安定性や収益性、不況時の耐性を示す重要な要素となります。
入社後の雇用や給与の安定性を判断する上では、これらの財務指標の動向を継続的に確認することが望ましいです。
| 指標 | 2024年6月期(前期) | 2025年6月期(当期) |
|---|---|---|
| 自己資本比率 | - | - |
| ROE(自己資本利益率) | - | - |
| 現金及び預金等 | - | - |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社のキャッシュフローの状況については、営業活動、投資活動、財務活動それぞれの資金の流れを示す具体的な数値は開示されていません。キャッシュフローは企業の資金繰りや成長戦略を反映する重要な指標です。
本業の稼ぎや将来への投資状況、資金調達の健全性を把握するために用いられます。これらの情報がないため、同社の資金の流れから直接的に雇用や給与の安定性、将来の成長性を判断することは難しい状況です。
| 項目 | 2024年6月期(前期) | 2025年6月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | - | - |
| 投資CF | - | - |
| 財務CF | - | - |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | - | - |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社は、新型コロナウイルス関連の検査キットが売上高の大きな割合を占める状況が続いています。感染症の流行規模が想定より小さかった場合や、予期せぬ事由により売上高が大幅に減少した場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、主要顧客であるスズケングループへの売上が59.4%を占めており、特定の販売先に対する依存度が高い状況です。販売先の集中による信用管理リスクも高くなっており、取引が打ち切りになった場合や取引金額が引き下げられた場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社は、中長期的な経営計画達成のため、新製品の企画・開発能力のある人材やグローバル人材、プロフェッショナル人材の確保と育成が必要であると考えています。持続的な成長に必要な人材の確保が達成できなかった場合、または達成のために人件費等が増加した場合には、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
タウンズは、独自の診断技術を通じて人々の生活に安心と潤いを届けることを目指しています。持続可能な社会の実現に貢献するため、事業活動全体で社会課題の解決に挑む企業です。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社は「私たちタウンズは、独自の体外診断用医薬品により、人々の生活に安心と潤いを届けます。そのために、技術・知識を集積し、新たな製品の開発、品質改善に取り組み続けます。」を経営理念としています。より良い製品を世界に向けて発信し続けることを方針として掲げています。
「診断技術で、安心な毎日を。」をコーポレートスローガンとし、世界の安心な毎日を創ることを目指しています。感染症POCT(臨床現場即時検査)分野において、創業以来30年以上にわたり高品質な製品を提供し、国内市場を牽引していると自負しています。今後は新たな事業の柱を築き、さらなる高付加価値企業となることを目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社は、技術と知識を集積し、新たな製品の開発と品質改善に継続的に取り組むことを重視しています。事業活動を通じて、人々の生活に安心と潤いを届け、持続可能な社会の実現に貢献することを目指す企業風土です。
経営においては、株主、顧客、従業員をはじめとする利害関係者に対し、経営責任と説明責任の明確化を図り、経営の効率化、健全性、透明性を高めることを重要課題としています。企業倫理と法令遵守の徹底、リスク管理体制の強化を通じて、コーポレート・ガバナンスの充実に取り組んでいます。
また、社員の活躍を支援し、働きやすく働きがいのある職場環境の整備を推進しています。個を尊重し、多様な価値観・考え・能力・経験をもった人財が活躍できるよう、双方向のコミュニケーションと研修や資格取得支援の充実にも積極的に努めています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社は、診断技術とデータを用いた社会課題の解決を成長戦略の中心に掲げ、事業の継続的な成長と企業価値の向上に努めています。そのための課題として、営業チャネルの強化・拡大に取り組んでおり、営業員の人員拡充を進めています。
また、現状の抗原検査キットの枠を超えて事業領域を拡大するため、新抗体開発技術やD-IA(デジタルイムノアッセイ)などの新たなコア技術の開発に注力しています。情報通信技術を活用した生産性向上にも取り組んでおり、業務体系の効率化と生産性の向上を目指しています。
今後のさらなる成長に向けて、人財採用及び育成の強化も重要なテーマです。専門人財の積極的な採用活動や、社内人財への教育体制の強化に努めています。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
タウンズは、取締役会と監査役会を設置し、経営の効率性、健全性、透明性を高めるコーポレート・ガバナンス体制を構築しています。また、指名・報酬諮問委員会を設置し、手続きの公正性・透明性・客観性を強化しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
タウンズの筆頭株主はCITIC CAPITAL JAPAN PARTNERS Ⅲ, L.P.であり、機関投資家が主要な株主となっています。代表取締役社長である野中雅貴氏も上位株主として名を連ねており、経営陣が一定の株式を保有していることが特徴です。複数の機関投資家が上位に位置しており、多様な株主によって支えられている資本構成を示しています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| CITIC CAPITAL JAPAN PARTNERS Ⅲ, L.P. | 40.50% |
| 野中 雅貴 | 26.73% |
| 日本カストディ銀行(信託口) | 1.70% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は9名(男性7名・女性2名)で構成され、女性役員比率は22.2%です。代表取締役社長は野中雅貴氏が務めています。社外取締役比率は33.3%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 野中 雅貴 | 代表取締役社長 | 1999年10月太田昭和監査法人入所。2006年6月みずほキャピタルパートナーズ入社。2007年7月同社事業開発部長兼海外担当取締役。2014年4月同社代表取締役社長より現職。 |
| 内山 義雄 | 取締役管理本部長 | 1990年10月太田昭和監査法人入所。2006年9月スミダコーポレーション入社。2015年11月大庄社外監査役。2018年11月同社執行役員管理本部長。2020年9月同社取締役管理本部長より現職。 |
| 永井 淳平 | 取締役 経営企画室長 | 2010年4月三井住友銀行入行。2015年8月オスカー共同創業取締役Chief Strategy Officer。2017年7月スポーツフィールド取締役CFO。2021年4月同社入社。2024年9月同社取締役経営企画室長より現職。 |
| 伊藤 政宏 | 取締役 | 1998年4月ベイン・アンド・カンパニー入社。2006年11月シティック・キャピタル・パートナーズ・ジャパン・リミテッド入社マネージング・ディレクター。2017年6月同社取締役より現職。 |
社外取締役は、三品聡範氏(サイネス合同会社代表社員)、千葉理氏(曙綜合法律事務所代表弁護士)です。社外監査役は、中川真紀子氏(中川公認会計士事務所代表・ESネクスト監査法人理事パートナー)、Caroline F.Benton氏(国立大学法人筑波大学学長補佐・教授)です。
同社は監査役会設置会社であり、取締役会による経営の意思決定・監督機能と、監査役会による監査機能が連携する体制です。社外取締役および社外監査役は、それぞれの専門的な知見に基づき、経営の監督と監査において重要な役割を担っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
タウンズの役員報酬は、企業価値向上への貢献を促す仕組みとなっています。社内取締役に対しては、固定報酬である基本報酬に加え、会社業績に連動する業績連動報酬と中長期的なインセンティブとしての株式報酬で構成されています。標準業績時には基本報酬が約60%、業績連動報酬が約20%、株式報酬が約20%となるように設定されています。一方、社外取締役および監査役の報酬は基本報酬のみで、業績による変動はありません。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 3名 | 72百万円 | 24.1百万円 |
| 監査役(社外除く) | 1名 | 8百万円 | 8.4百万円 |
| 社外役員 | 4名 | 20百万円 | 5.0百万円 |
なお、第10期事業年度に役員に就任していた取締役6名(うち社外取締役2名)のうち、取締役1名は無報酬であったため、報酬支給対象の人数は異なります。
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