※本記事は、株式会社エターナルホスピタリティグループ の有価証券報告書(2025年7月期、2024年8月1日 ~ 2025年7月31日、2025年10月28日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
エターナルホスピタリティグループは、焼鳥文化を世界に広める「Global YAKITORI Family」をビジョンに掲げ、飲食事業を展開しています。国内では「鳥貴族」や「やきとり大吉」を中心に、海外では米国、上海、韓国、台湾、香港などで多ブランド展開を進めています。
単体従業員数は115名、連結従業員数は1,030名です。セグメントは飲食事業の単一です。
主な国内グループ会社は、(連結子会社)鳥貴族(飲食事業)、(連結子会社)TORIKI BURGER(同)、(連結子会社)ダイキチシステム(同)などです。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
エターナルホスピタリティグループは、従業員の成長を重視し、働きやすい環境づくりに積極的に取り組んでいます。報酬向上や労働時間短縮を進め、優秀な人材の確保と定着に注力していることが特徴です。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、平均勤続年数が比較的長く、従業員が安定してキャリアを築いている傾向が見られます。平均年齢も40歳と、経験豊富な人材が活躍していることがうかがえます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 6,692,000円 |
| 平均勤続年数 | 9.9年 |
| 平均年齢 | 40.0歳 |
| 単体従業員数 | 115人 |
| 連結従業員数 | 1,030人 |
| 単体のグループ内比率 | 11.2% |
同社グループは、特定退職金共済制度への加入と、確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)の退職一時金制度、および確定拠出型(会社が拠出した資金を従業員が運用する)の制度を採用しています。これらの制度は同社および連結子会社に適用されます。
退職一時金制度はありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。なお、確定給付制度に係る退職給付債務は1.0億円、確定拠出制度への要拠出額は96百万円となっています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
エターナルホスピタリティグループは、「世の中を明るくしたい」という理念のもと、社員と企業が共に成長し続けられる教育体系を整備しています。1985年の創業以来、「任せることが人を育てる」という方針を掲げ、チャレンジできる人材の育成を目指しています。
共通価値観である「TORIKIWAY」を教育のベースとし、階層別研修や選抜型研修を通じて社員の成長を支援しています。また、本人希望と適性を考慮した配置転換による育成も図っています。
同社グループは「外食産業の社会的価値向上」を企業理念の一つに掲げ、労働環境の向上を重要な課題と捉え取り組んでいます。報酬向上と労働時間短縮を進めており、賃金制度の改定や決算賞与の支給、ベースアップ、年間休日数の拡大などを行っています。
優秀な人材の確保に向けては、新卒向けの合同説明会や国内留学生・海外人材の採用、グローバルインターンシップへの参画など、多様な取り組みを実施しています。今後も人事制度の改定や、多様な人材が活躍・成長できる環境構築に取り組む方針です。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。パート・有期労働者の男女賃金差異は開示されていません。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 9.1% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 33.3% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 67.9% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 67.2% |
連結子会社の法定開示
主要事業会社3社の数値のみ掲載します。
▼ ㈱鳥貴族
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 1.7% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 75.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 57.1% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 78.3% |
| 労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) | 96.5% |
▼ ㈱TORIKI BURGER
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 男性労働者の育児休業取得率 | 0.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 17.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 51.4% |
| 労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) | 44.2% |
▼ ダイキチシステム㈱
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 20.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 88.5% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 88.5% |
指標及び目標
| 指標 | 目標 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 2030年7月までに10% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 2030年7月までに80% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
エターナルホスピタリティグループは、焼鳥を中心とした飲食事業を展開しています。同社グループは「Global YAKITORI Family」というビジョンを掲げ、日本が誇る焼鳥の文化を世界に広げることを目指しています。
国内では「鳥貴族」と「やきとり大吉」を中心に店舗を展開しています。「鳥貴族」は「うまい!を、気がねなく!」をコンセプトに、チキン・均一価格・国産にこだわり、各店舗での串打ちや自社工場でのタレ一括生産により、質の高い商品を提供しています。「やきとり大吉」は独立開業支援を通じて全国に展開し、地域に根差した店づくりを行っています。海外では米国、上海、韓国、台湾、香港などに進出し、「鳥貴族」ブランドのほか、韓国では高価格帯の「mozu」、米国では「zoku」「HASU」といったブランドも展開しています。収益は主に顧客との契約から生じる飲食事業の売上から得ており、カムレード契約締結時に受領する加盟金の前受に係る繰延収益も含まれます。同社グループの売上高は、本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えており、国内事業が収益の大部分を占めています。特定の顧客への売上高で連結損益計算書の売上高の10%以上を占めるものは存在しません。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの売上高は、過去5期にわたり継続的に増加しています。特に直近の数期では、既存店の売上増加と新規出店が成長を牽引しています。利益面では、過去には損失を計上した期もありましたが、その後は黒字を維持しています。直近の期では、売上高は増加したものの、原材料価格や人件費、光熱費の高騰により、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益は前期から減少しています。しかし、営業活動によるキャッシュ・フローは安定した収入を確保しており、本業でのキャッシュ創出力は維持されている状況です。
| 項目 | 2021年7月期 | 2022年7月期 | 2023年7月期 | 2024年7月期 | 2025年7月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 156億円 | 203億円 | 334億円 | 419億円 | 464億円 |
| 経常利益 | △3.1億円 | 19.7億円 | 14.3億円 | 32.6億円 | 31.0億円 |
| 経常利益率 | △2.0% | 9.7% | 4.3% | 7.8% | 6.7% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | △4.7億円 | 11.3億円 | 6.2億円 | 21.3億円 | 17.2億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | △40.25 | 97.88 | 53.18 | 183.67 | 149.23 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上高(連結)は前期からわずかに減少しています。一方、従業員1人あたり営業利益(連結)も前期から減少しています。これらの指標は、従業員一人ひとりの貢献度や組織全体の効率性を示すものであり、今後の動向が注目されます。
| 指標 | 2024年7月期 | 2025年7月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 45.6百万円 | 45.0百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 3.5百万円 | 3.0百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループは、本業で安定的に資金を生み出しつつ、将来の成長に向けた積極的な投資を行っている状況がうかがえます。財務基盤は堅固であり、事業拡大への意欲が見られます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの自己資本比率は前期から増加し、プライム市場の非製造業平均を上回っています。ROE(自己資本利益率)は前期から減少していますが、プライム市場平均より高い水準を示しています。手元資金は前期から減少しており、事業活動に必要な流動性を確保しつつ、将来の成長に向けた投資を行っている状況がうかがえます。
| 指標 | 2024年7月期(前期) | 2025年7月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 86.9億円 | 97.7億円 |
| 自己資本比率 | 42.1% | 45.7% |
| ROE(自己資本利益率) | 27.3% | 18.6% |
| 現金及び預金 | 83.6億円 | 74.2億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループの当連結会計年度におけるキャッシュフローは、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローが24.9億円の収入となりました。これは主に税金等調整前当期純利益の計上や減価償却費によるものです。
一方、投資活動によるキャッシュフローは26.9億円の支出となっています。これは主に有形固定資産の取得による支出が影響しています。その結果、営業活動によるキャッシュフローと投資活動によるキャッシュフローを合わせたフリーキャッシュフローは2.0億円のマイナスとなりました。
財務活動によるキャッシュフローは6.9億円の支出です。これは長期借入れによる収入があったものの、長期借入金の返済や配当金の支払いが上回ったことによるものです。同社グループは本業で資金を生み出しつつ、積極的な設備投資を行っている状況がうかがえます。
| 項目 | 2024年7月期(前期) | 2025年7月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 44.4億円 | 24.9億円 |
| 投資CF | △19.9億円 | △26.9億円 |
| 財務CF | △27.2億円 | △6.9億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 24.5億円 | △2.0億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、外食業界の成熟化や競争激化といった市場環境のリスクを認識しています。また、海外事業展開においては、各国の法令・制度、政治・経済・社会情勢、文化・商慣習の違いや為替レートの変動など、様々なリスクが存在すると説明されています。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、安定的な成長のために優秀な人材の確保を最重要課題としています。しかし、直営店及びカムレード加盟企業の出店拡大に対して、人材の確保及び教育が追いつかない場合には、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があるとされています。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
エターナルホスピタリティグループは、日本が誇る焼鳥の文化と価値を世界に広めることを目指し、お客様に感動を提供する店舗づくりを追求しています。持続的な成長と収益基盤の強化を基本方針としています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
エターナルホスピタリティグループは、資本・人材・ノウハウを集中投下し、業務オペレーションの均一化や経営の効率化に取り組むことを基本方針としています。食材・調理の研究を通じて提供価値と品質を向上させ、お客様に感動していただける店舗づくりを追求することで、他社との差別化を図り、持続的な成長と収益基盤の強化を目指しています。
同社グループは「Global YAKITORI Family」というビジョンを掲げ、日本が誇る焼鳥の文化と価値を世界に広めることを目指しています。焼鳥を「YAKITORI」として世界言語にし、焼鳥を軸に世界の外食市場へ挑戦しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
エターナルホスピタリティグループは、創業時から変わらない「世の中を明るくしたい」という「うぬぼれ」の理念のもと、社員と企業が共に成長し続けられることを目指しています。1985年の創業以来、「任せることが人を育てる」という人財育成方針を掲げ、チャレンジできる人財の育成を目指しています。
共通価値観である「TORIKIWAY」を教育のベースとしており、社員の成長を支援しています。採用においては、企業理念への共感とリーダーシップ、自己主導型の個人、そして起業家精神を持つ人間を重視しています。同社グループは「外食産業の社会的価値向上」を企業理念の一つとして掲げています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
エターナルホスピタリティグループは、長期的な成長と収益基盤強化のため、複数の重点課題に取り組んでいます。内部管理体制の強化として、リスク管理や衛生管理、コンプライアンス遵守体制の強化、財務報告に関連する内部統制の強化を進めています。
人材の採用・教育強化も重要なテーマです。企業理念に共感する優秀な人材の確保を最重要課題とし、新卒・中途採用に積極的に取り組んでいます。従業員の働きがい・働きやすさの向上、待遇改善、人事制度の改定、研修プログラムの充実にも注力しています。
既存店売上高の維持向上に向けては、商品品質、接客力、衛生管理の強化を全従業員に周知徹底し、お客様満足度の向上に努めています。また、食の安全への対応として、安全かつ良質な食材の確保にも取り組んでいます。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
エターナルホスピタリティグループは、監査役会設置会社として、取締役会と監査役会を軸としたガバナンス体制を構築しています。経営の透明性と公正性を重視し、社外役員が監督機能を担う体制です。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
エターナルホスピタリティグループの株主構成を見ると、創業家が筆頭株主として同社グループを支えていることがわかります。創業者の大倉忠司氏が筆頭株主であり、その関連会社も上位に名を連ねています。これにより、創業家が同社グループの経営に一定の影響力を持つ資本構成となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 大倉 忠司 | 22.43% |
| 大倉忠 | 9.89% |
| 日本カストディ銀行(信託口) | 7.28% |
| 日本マスタートラスト信託銀行(信託口) | 6.75% |
| サントリー | 2.23% |
なお、レオス・キャピタルワークスは2024年9月13日現在で561,000株を保有している旨が大量保有報告書に記載されていますが、2025年7月31日時点の実質所有株式数は確認できていません。
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は10名(男性8名・女性2名)で構成され、女性役員比率は20.0%です。代表取締役社長CEOは大倉忠司氏が務めています。社外取締役比率は33.3%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 大倉 忠司 | 代表取締役 社長・CEO | 1986年9月同社設立、代表取締役社長就任。2022年10月同社代表取締役社長CEO就任より現職。 |
| 清宮 俊之 | 取締役・COO | 2019年10月同社社外取締役就任。2022年10月同社取締役COO就任より現職。 |
| 小吹 雄一郎 | 取締役・CFO | 2014年11月株式会社ミュープランニング代表取締役社長。2024年10月同社取締役CFO就任より現職。 |
| 道下 聡 | 取締役・CTO・CADO | 2007年7月同社入社。2025年8月同社取締役CTO・CADO就任より現職。 |
社外取締役は、井川沙紀氏(インフロレッセンス代表取締役)、長岡香江氏(株式会社ナガオカ代表取締役)です。
同社は監査役会設置会社であり、独立性の高い社外取締役と社外監査役を選任することで、経営の透明性と公正性の確保に努めています。社外役員は、企業経営の経験や専門的な知見に基づき、客観的な立場から経営の監督機能を果たしています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
エターナルホスピタリティグループの役員報酬は、取締役(社外取締役を除く)に対しては固定報酬である基本報酬と、業績連動報酬として賞与および株式報酬が支給される仕組みです。一方、社外取締役および監査役の報酬は、高い独立性の観点から基本報酬のみで構成されています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 5名 | 1.6億円 | 32.8百万円 |
| 監査役(社外除く) | 2名 | 37百万円 | 18.5百万円 |
| 社外役員 | 5名 | 33百万円 | 6.5百万円 |
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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