※本記事は、株式会社Liberaware の有価証券報告書(2025年7月期、2024年8月1日 ~ 2025年7月31日、2025年10月31日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
Liberawareは、ドローン・ロボットやデータ処理・解析技術を活用し、産業インフラの保守・点検領域における安全性・効率性・持続可能性の向上を支援するインフラDX事業を展開しています。特に、屋内のGPSが届かない「狭く、暗く、危険な」特殊環境での点検に強みを持っています。
単体従業員数は80名、連結従業員数は82名です。セグメントはインフラDX事業の1つです。
同社グループの主な国内関係会社は、持分法適用関連会社であるCalTa株式会社(インフラDX事業)です。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
Liberawareは、ドローンやデジタル技術でインフラ業界のDXを推進する企業です。従業員数は比較的小規模ながら、多様な働き方を導入し、人材の定着を重視する姿勢が見られます。給与水準や働き方の特徴について詳しく見ていきましょう。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
Liberawareは、平均勤続年数が短く、平均年齢も30代後半であることから、比較的若い組織であることがうかがえます。事業の成長とともに、新たな人材が加わり組織が拡大している傾向が見られます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 6,857,000円 |
| 平均勤続年数 | 2.5年 |
| 平均年齢 | 38.8歳 |
| 単体従業員数 | 80人 |
| 連結従業員数 | 82人 |
| 単体のグループ内比率 | 97.6% |
退職給付制度に関する記載はありません。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
Liberawareは、「誰もが安全な社会を作る」というミッションと「見えないリスクを可視化する」というビジョンのもと、ドローンやデジタル技術を活用してインフラ業界のDXを推進しています。この事業活動を通じて社会課題の解決を目指しており、その実現には優秀な人材の確保と育成が不可欠であると考えています。
同社グループは、国籍や年齢、バックグラウンドが多様な人材の登用を重視しており、各種採用活動の継続、社内研修制度の充実、適切な人材配置、人事評価の実施を通じて組織強化に努めています。また、従業員が働きやすい環境を整備するため、リモートワーク、時短勤務、フレックスタイム制、裁量労働制といった多様な制度を導入しています。
従業員の定着性を高めることを重要視しており、退職者人数を目標とすべき指標として検討を進めています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
Liberawareは、女性活躍推進法および育児介護休業法の規定による公表義務の対象ではないため、法定開示項目は記載を省略しています。
提出会社単体の法定開示データは開示されていません。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
株式会社Liberawareは、ドローンやロボット、データ処理・解析技術を駆使し、産業インフラの保守・点検領域における安全性、効率性、持続可能性の向上を支援するソリューションを提供しています。特に、GPSが届かない屋内の「狭くて、暗くて、危険な」特殊環境でのインフラ・設備点検に強みを持っています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、「見えないリスクを可視化する」というビジョンのもと、インフラDX事業という単一事業を展開しています。自社開発の屋内狭小空間点検ドローン「IBIS」を用いて人が立ち入り困難な空間からデータを取得し、3次元化クラウド「LAPIS」によるデータ処理やAI解析、クラウド管理まで一気通貫でサービスを提供しています。
インフラDX事業は、大きく分けて「ドローン事業」「デジタルツイン事業」「ソリューション開発事業」の3つの事業で構成されています。ドローン事業では、屋内専用の産業用小型ドローン「IBIS」を活用し、調査・点検・測量目的のドローン撮影画像を提供する点検ソリューションと、ドローンの機体販売・レンタルを行うプロダクト提供サービスを展開しています。主要顧客は製鉄業、鉄道業、建設業、製造業、官公庁など多岐にわたり、継続顧客からの売上高が一定の割合を占める特徴があります。
デジタルツイン事業では、関連会社であるCalTa株式会社が提供するソフトウェア「TRANCITY」や、その基幹システムを構成する同社のソフトウェア「LAPIS」を用いて、デジタルツインサービスを提供しています。ドローン等で取得した映像や周辺情報(ガス濃度、温度など)をデジタルツインプラットフォーム上に構築し、顧客の設備維持管理や建設現場管理を支援しており、鉄道業や建設業が主な顧客層となっています。ソリューション開発事業は、ドローン等の開発やデジタルツインプラットフォームの開発、ユーザー保有施設のデジタル管理ソフトウェアなど、同社グループの技術力とノウハウを基にハードウェアからソフトウェアまで幅広いソリューションを自社開発で提供しています。日本製鉄株式会社や東京電力グループとの共同開発実績があり、長期にわたる協働を通じて課題解決に取り組んでいます。
同社グループの収益は、主にドローン事業の点検ソリューションとプロダクト提供サービス、デジタルツイン事業のデータ処理・解析サービスとデジタルツインプラットフォーム、そしてソリューション開発事業から得ています。当連結会計年度においては、ドローン事業が最も大きな割合を占め、次いでソリューション開発事業、デジタルツイン事業が続いています。特定の顧客への売上集中も見られ、CalTa株式会社と東京電力ホールディングス株式会社が主要な取引先となっています。海外売上高は連結売上高の90%未満であり、本邦の外部顧客への売上高が大部分を占めていますが、韓国に100%子会社を設立するなど、海外展開も進めています。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループは当連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、それ以前の期間との比較は行われていません。当連結会計年度の売上高は14.1億円を計上しています。営業損失は△15.9億円となりましたが、これは事業拡大に伴う人員増加による人件費やSBIR研究開発費の計上が主な要因となっています。一方で、営業外収益として多額の補助金収入を計上しており、経常利益は47百万円と黒字を確保しています。親会社株主に帰属する当期純利益も46百万円となっています。営業活動によるキャッシュ・フローは△3.6億円となっています。
| 項目 | 2021年7月期 | 2022年7月期 | 2023年7月期 | 2024年7月期 | 2025年7月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | - | - | - | - | 14.1億円 |
| 経常利益 | - | - | - | - | 47百万円 |
| 経常利益率 | - | - | - | - | 3.3% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | - | - | - | - | 46百万円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | - | - | - | - | 2.44 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上高は17.2百万円となっています。また、従業員1人あたり営業利益は△19.4百万円となっており、当連結会計年度に営業損失を計上している状況を示しています。
| 指標 | 2024年7月期 | 2025年7月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | - | 17.2百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | - | △19.4百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
Liberawareの財務状況は、事業活動と投資活動における資金の流れから、現在の経営状態を把握できます。特に、成長に向けた投資が活発に行われている状況が示されています。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
Liberawareの財務基盤を見ると、自己資本比率は53.6%となっており、プライム市場の製造業平均46.8%と比較して高い水準を示しています。ROE(自己資本利益率)は5.1%であり、プライム市場平均の9.4%を下回っています。手元資金である現金及び預金は7.5億円を確保しており、事業運営に必要な流動性を維持している状況です。これらの財務状況は、同社グループの事業継続性や将来の成長投資の余力に影響を与える可能性があります。
| 指標 | 2024年7月期(前期) | 2025年7月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 8.7億円 | 9.3億円 |
| 自己資本比率 | - | 53.6% |
| ROE(自己資本利益率) | - | 5.1% |
| 現金及び預金 | 10.6億円 | 7.5億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
Liberawareのキャッシュフローを見ると、当連結会計年度の営業活動によるキャッシュフローは△3.6億円の使用となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益の計上、売上債権の増加、未収消費税等の増加によるものです。投資活動によるキャッシュフローは△0.6億円の使用となり、有形固定資産の取得や敷金及び保証金の差入による支出が主な要因です。その結果、フリーキャッシュフローは△4.2億円となっています。財務活動によるキャッシュフローは1.2億円の獲得となり、短期借入金の純増加が主な要因です。同社グループは事業拡大のための研究開発投資を継続しており、資金調達によって事業活動を支えている状況がうかがえます。このような資金の流れは、今後の事業成長への期待と同時に、本業での資金創出能力の向上が、雇用や給与の安定性につながる可能性があります。
| 項目 | 2024年7月期(前期) | 2025年7月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | - | △3.6億円 |
| 投資CF | - | △0.6億円 |
| 財務CF | - | 1.2億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | - | △4.2億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、特定の販売先であるCalTa株式会社への売上高が高い水準にあります。特定の取引先の経営方針等が、同社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、ドローン市場やインフラDX市場における新たな競合他社の出現や技術革新により、競争が激化するリスクも存在します。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループの事業では、ドローンや3次元化技術など専門性を持つ人材が不可欠です。今後、人材獲得競争の激化や在職する人材の社外流出が生じた場合、同社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
Liberawareは、「誰もが安全な社会を作る」というミッションを掲げ、見えないリスクを可視化することを目指している会社です。ハードウェアとソフトウェアを融合させたソリューションを通じて、社会の安全と持続可能性に貢献しています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは、「誰もが安全な社会を作る」をミッションとし、「見えないリスクを可視化する」をビジョンとしています。このミッションとビジョンのもと、ハードウェアとソフトウェアを融合させたソリューションを展開しています。
特に、製鉄業を中心とした重厚長大系の産業や鉄道などのインフラ産業に対し、ドローンとデジタル技術を組み合わせた革新的なソリューションを提供しています。将来的には、屋内の閉鎖空間を自由に飛行する自律型ドローンの開発と、海外企業への展開も視野に入れて事業活動を進める方針です。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、事業活動を通じて持続可能な社会の実現に貢献することを目指しています。インフラ業界のDX化を推進し、労働人口減少や設備老朽化といった社会課題の解決に取り組むことを目的としています。
サステナビリティ経営を継続するためには、システム開発や営業、管理といった各部門において優秀な人材を確保し、育成することが重要であると考えています。国籍や年齢構成に幅広く、多様なバックグラウンドと専門知識・技能を持った人材の登用が必要であるとしています。働き方においても、リモートワーク、時短、フレックス、裁量労働制といった多様な制度を導入し、従業員が働きやすい環境の整備に努めています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、開発体制の強化と優秀な人材の確保を優先的な課題としています。ハードウェアとソフトウェアの両技術の継続的な強化、エンジニアの採用と育成、そして産学連携や業務提携、共同研究の推進に注力する方針です。
また、情報管理体制の強化も重要な課題であり、顧客の機密情報や個人情報を取り扱う可能性から、ISMS認証取得や継続的な研修、システム整備を通じて情報管理を徹底しています。事業拡大に応じた内部管理体制の強化も図っており、コーポレート機能の充実、コーポレート・ガバナンスの強化、適切な内部統制システムの構築を進めています。
既存サービスの強化と事業連携、認知拡大、海外での事業展開も重点テーマとしています。顧客ニーズの把握による関係強化、幅広い顧客企業に選ばれるためのサービス向上、事業連携やパートナーシップの拡充、屋内ドローンやデジタルツインサービスの認知度向上、ユースケース創出、サービスチャネル拡充、そして韓国を中心とした海外展開の推進に取り組んでいます。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
Liberawareは、取締役会による監督と監査役による適法性監査の二重のチェック機能を持つ監査役会設置会社です。経営の効率化、健全性、透明性を高め、中長期的な株主価値向上を目指しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
Liberawareの株主構成を見ると、創業者が筆頭株主として名を連ね、経営陣が上位株主として会社を支えていることがわかります。また、事業会社も主要な株主として参画しており、幅広いステークホルダーに支えられた資本構成となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 閔 弘圭 | 18.23% |
| 東日本旅客鉄道 | 11.73% |
| 和田 哲也 | 4.23% |
| 野平 幸佑 | 3.38% |
| 楽天証券 | 2.37% |
なお、前事業年度末において主要株主でなかった東日本旅客鉄道は、当事業年度末現在では主要株主となっています。
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は8名(男性8名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役は閔弘圭氏が務めています。社外取締役比率は20.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 閔 弘圭 | 代表取締役 | 2013年4月 国立大学法人千葉大学 特別研究員。2016年8月 同社設立 代表取締役就任。2021年6月 CalTa 取締役就任より現職。 |
| 林 昂平 | 取締役 | 2009年4月 新日本製鐵(現 日本製鉄)入社。2021年5月 同社入社。2024年8月 同社取締役就任より現職。 |
| 市川 純也 | 取締役CFO | 2007年12月 監査法人トーマツ(現 有限責任監査法人トーマツ)入所。2021年12月 同社入社 管理部長就任。2024年11月 同社取締役CFO就任より現職。 |
| 和田 哲也 | 取締役 技術開発部長 品質保証部長 | 2015年1月 株式会社自律制御システム研究所(現 株式会社ACSL)入社。2016年8月 同社設立 取締役就任。2025年8月 同社品質保証部長就任より現職。 |
社外取締役は、守屋実氏(守屋実事務所 代表取締役)です。
同社は監査役会設置会社であり、取締役会が経営上の意思決定と取締役の職務執行を監督し、監査役会が取締役の職務執行の適法性を監査する体制をとっています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
Liberawareの役員報酬は、株主総会で定められた報酬限度額の範囲内で決定されます。取締役の報酬は代表取締役が各取締役の職務や実績を勘案して決定し、監査役の報酬は監査役会で協議・決定されます。非金銭報酬としてストックオプションも導入されており、中長期的な企業価値向上への貢献を促す仕組みとなっています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 5名 | 43百万円 | 8.6百万円 |
| 社外役員 | 4名 | 14百万円 | 3.6百万円 |
なお、人数は事業年度中に報酬の支給対象となった人数であり、期中に退任した役員を含みます。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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