※本記事は、株式会社エヌ・ピー・シー の有価証券報告書(2025年8月期、2024年9月1日 ~ 2025年8月31日、2025年11月28日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
エヌ・ピー・シーグループは、FA装置の提供、太陽光パネルのリサイクル・検査サービス、植物工場ビジネスを展開しています。太陽電池業界を中心に、自動車部品や電子部品業界にもFA装置を提供し、太陽光パネルのライフサイクル全体をサポートしています。
単体従業員数は164名、連結従業員数は168名です。セグメントは装置関連事業、全社(共通)の2つです。
エヌ・ピー・シーは、太陽電池製造装置、太陽光パネルリサイクル装置、FA装置の製造・販売、太陽光発電所の検査サービス、太陽光パネルのリユース・リサイクル、植物工場ビジネスを本体で展開しています。
エヌ・ピー・シーは2024年9月1日付で、環境関連事業部を装置関連事業部に統合し、事業部を一本化しました。これにより、同社グループは装置関連事業の単一セグメントとなっています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
株式会社エヌ・ピー・シーは、太陽光発電関連事業を主軸とする企業であり、専門性の高い技術職が多く在籍していることがうかがえます。従業員の平均年齢や勤続年数からは、比較的安定した環境でキャリアを築ける傾向が見られます。同社グループは、多様な人材が活躍できる環境整備にも力を入れています。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は、平均勤続年数が長く、平均年齢も比較的高い水準にあります。このことから、従業員が長期的にキャリアを形成している傾向がうかがえます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 5,319,371円 |
| 平均勤続年数 | 11.4年 |
| 平均年齢 | 39.3歳 |
| 単体従業員数 | 164人 |
| 連結従業員数 | 168人 |
| 単体のグループ内比率 | 97.6% |
同社は、勤続年数及び基本給を基礎に計算される確定給付型の退職一時金制度を設けています。この制度は国内および海外の従業員に適用されます。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、持続可能な成長の根幹を人材と捉え、多様な個性を持つ人材が強みを発揮し、互いに良い影響を与え合う環境づくりを重視しています。この考えに基づき、「ダイバーシティ&インクルージョン方針」を定め、全ての社員にとって働きやすく、能力を最大限に発揮できる環境整備と施策を進めています。
具体的には、採用活動における性別・国籍・職歴・年齢・思想・価値観などに基づく差別の禁止を徹底し、女性が活躍できる環境であることを積極的に広報しています。人材配置においては、新卒社員の研修を通じて適性を考慮した配属を行い、配属後も半年に一度の人事面談で転属希望を確認するなど、適切な配置を維持するための見直しを常に行っています。
人事制度の整備・改革・改善にも継続的に取り組み、社員の働きやすさと定着率の向上に努めています。2017年には退職金制度を導入し、2020年にはみなし残業を撤廃して業務効率化とワークライフバランスの向上を実現しました。また、「時間単位の年次有給休暇制度」の導入により柔軟な働き方を推進し、社内研修や資格取得支援で社員のスキル向上を支援しています。技術職では、定年後もベテラン技術者を継続雇用し、技術継承を図っています。育児・介護に関する制度も整備されており、過去に対象となった女性社員は100%育児休業を取得しています。男性社員の育休取得に関する情報提供も強化し、家庭と仕事の両立を支援しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の男女賃金差異は、女性活躍推進法に基づく公表義務の対象ではないため、記載を省略しています。連結子会社は法定開示の公表義務対象外のため、提出会社単体のデータを示します。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 16.1% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 0.0% |
人材の育成及び社内環境整備方針の目標、指標
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 採用した労働者(正社員)に占める女性割合 | 20.0% |
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
エヌ・ピー・シーは、太陽電池業界や自動車部品業界、電子部品業界などに向けて各種FA装置を提供している同社グループです。太陽光パネルのリサイクル装置の提供や、太陽光発電所の検査から廃棄までの一貫したサービスも手掛けています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、装置関連事業を単一セグメントとして事業を展開しています。太陽電池製造装置やFA装置、太陽光パネルリサイクル装置の提供を主軸としています。また、販売した装置の消耗部品やスペアパーツの販売も行っています。
太陽光発電所の検査サービスや、排出された太陽光パネルのリユース・リサイクルといった環境関連サービスも提供しています。さらに、人工光植物工場で栽培した野菜の販売も手掛けています。
収益は、主に米国の太陽電池メーカーである主要顧客からの売上が大きな割合を占めています。地域別に見ると、アメリカからの収益が最も大きく、海外比率が高い事業構造となっています。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの過去5期間の業績は、売上高と各利益ともに変動が見られます。直近の当連結会計年度においては、前期と比較して売上高、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益がいずれも減少する結果となりました。
この減少は、部品の売上が想定を下回ったことが一因とされています。一方で、米国主要顧客向けの案件における現地作業での原価低減や、販売費及び一般管理費の削減により、利益面では当初の予想を若干上回る着地となりました。
| 項目 | 2021年8月期 | 2022年8月期 | 2023年8月期 | 2024年8月期 | 2025年8月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 78.2億円 | 43.8億円 | 93.2億円 | 108億円 | 92.7億円 |
| 経常利益 | 11.5億円 | 6.2億円 | 9.6億円 | 24.3億円 | 19.2億円 |
| 経常利益率 | 14.7% | 14.1% | 10.3% | 22.5% | 20.7% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 7.8億円 | 3.8億円 | 9.9億円 | 16.8億円 | 13.3億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 35.54 | 17.60 | 46.16 | 77.81 | 61.36 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたりの売上高および営業利益は、前期と比較して当期は減少しています。これは、従業員1人あたりの生産性が全体として低下したことを示しています。
この傾向は、事業規模やプロジェクト構成の変化、あるいは効率性の改善余地を示唆している可能性があります。
| 指標 | 2024年8月期 | 2025年8月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 63.1百万円 | 55.2百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 14.2百万円 | 11.4百万円 |
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
株式会社エヌ・ピー・シーの経営の安定性について、財務基盤とキャッシュフローの観点から見ていきます。本業で着実に資金を生み出し、将来に向けた投資も行いながら、安定した財務状況を維持していることが示されています。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤は、高い自己資本比率と潤沢な手元資金によって安定していることがわかります。自己資本比率は83.9%と、プライム市場の製造業平均を大きく上回る水準を示しています。ROE(自己資本利益率)は12.9%であり、プライム市場平均を上回っています。手元資金である現金及び預金も増加しており、事業活動を支える十分な流動性がある状態です。これらの財務状況は、事業の継続性や将来の成長投資の余力につながる要素となっています。
| 指標 | 2024年8月期(前期) | 2025年8月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 96.8億円 | 108億円 |
| 自己資本比率 | 62.7% | 83.9% |
| ROE(自己資本利益率) | 18.9% | 12.9% |
| 現金及び預金 | 52.4億円 | 64.2億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループのキャッシュフローを見ると、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローは増加しており、14.8億円のプラスとなっています。これは税金等調整前当期純利益の計上や売上債権、棚卸資産の減少などが主な要因です。投資活動によるキャッシュフローは△0.6億円のマイナスで、有形及び無形固定資産の取得による支出が主な要因となっています。フリーキャッシュフローは14.1億円のプラスであり、本業で得た資金が投資を上回る状況です。財務活動によるキャッシュフローは△2.2億円のマイナスで、配当金の支払額が主な要因となっています。これらの資金の流れは、同社グループが安定した事業運営を行いながら、自己資金の範囲内で必要な投資と株主還元を行っていることを示しており、雇用や給与の安定性につながる基盤があると言えます。
| 項目 | 2024年8月期(前期) | 2025年8月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 5.6億円 | 14.8億円 |
| 投資CF | △0.9億円 | △0.6億円 |
| 財務CF | △1.3億円 | △2.2億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 4.7億円 | 14.1億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループの売上高は太陽電池業界向けの割合が高く、太陽電池の普及が停滞または減速した場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。また、特定の米国太陽電池メーカーへの売上比率が高い状況であり、同社の事業環境が大幅に縮小したり、取引が減少したりした場合も、同社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
受注の急激な増加や技術者の高齢化による人員不足により、生産能力が不足するリスクがあります。この場合、装置の納期超過や受注機会の損失が発生し、業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
エヌ・ピー・シーは「もの創りを通して、自然と社会と人間に必要とされる企業」を目指しています。地球環境や地域社会への貢献を重視し、持続可能な社会の実現に貢献する企業として成長を追求しています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは、経営の基本方針として「我々は、もの創りを通して、自然と社会と人間に必要とされる企業を目指します。」を掲げています。たゆまぬ技術革新の努力により創り出す製品を通じ、地球環境、地域社会等に貢献し、あらゆるステークホルダーに必要とされる企業へと成長することが同社グループの存在意義であると考えています。
環境及び持続可能な社会の実現を意識し、既存事業の強化・拡大を図る方針です。新しい分野に積極的に取り組むことによってリスク分散を図り、安定した業績を維持し、かつ成長することができる企業を目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、持続可能な成長の根幹を人材と捉え、多様な個性を持った人材が個々の強みを十分に発揮し、互いに良い影響を与え合うことができる環境が必要と考えています。この考えに基づき、「ダイバーシティ&インクルージョン方針」を定めています。
具体的には、採用活動において性別・国籍・職歴・年齢・思想・価値観などに基づく差別の禁止を徹底しています。社員の適性、意向、生活状況などを考慮した適材適所の人材配置を行い、ひとりひとりが活躍できる環境を整備しています。
また、人事制度や職場環境を整備・改善し、それぞれの状況に応じた働きやすさの向上と、社員の定着を目指しています。多様な個性を尊重し合えるよう、社員同士の関係構築を支援するほか、教育活動を通じてダイバーシティ&インクルージョン方針を周知徹底し、これを遵守する仕組みを構築しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、環境及び持続可能な社会の実現を意識し、既存事業の強化・拡大を図ることを経営戦略としています。新しい分野に積極的に取り組むことでリスク分散を図り、安定した業績を維持し、成長できる企業を目指しています。
その他の課題として、今後の生産体制を強化するにあたり、装置製造に必要となる機械・電気・ソフト設計及び製造に係る技術力のさらなる向上が挙げられています。これに対応するため、新卒採用を積極的に行うとともに、若手の育成を担うことができる中途社員の採用も積極的に進めていく方針です。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
エヌ・ピー・シーは監査役会設置会社であり、社外取締役と社外監査役を選任することで、経営の監視機能を強化しています。透明性が高く、経営環境の変化に迅速に対応できる体制の構築に努めています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
同社の筆頭株主は代表取締役社長の伊藤雅文氏であり、上位株主には複数の個人名が見られます。これは、特定の株主グループが同社の経営に一定の影響力を持つ資本構成であると言えます。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 伊 藤 雅 文 | 6.02% |
| 日本マスタートラスト信託銀行(信託口) | 2.90% |
| STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505050 | 2.50% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は8名(男性8名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は伊藤雅文氏が務めています。社外取締役比率は40.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 伊 藤 雅 文 | 代表取締役社長 | 1992年12月同社入社、1993年9月同社取締役、1996年8月NPC America Corporation(現NPC America Automation Inc.)取締役、2011年11月同社代表取締役社長より現職。 |
| 廣 澤 一 夫 | 専務取締役 管理本部長 | 1992年12月同社入社、2007年11月同社取締役、2016年9月同社専務取締役、2018年11月同社管理本部長より現職。 |
| 矢 内 利 幸 | 常務取締役 事業本部長 | 2005年9月同社入社、2010年11月同社取締役、2016年9月同社常務取締役、2017年9月同社事業本部長より現職。 |
社外取締役は、寺田健治氏(元IDEC執行役員生産本部長)、平町聡氏(元サッポログループマネジメント代表取締役社長)です。
同社は監査役会設置会社であり、取締役5名(うち社外取締役2名)、監査役3名(うち社外監査役2名)を選任しています。社外取締役および社外監査役の選任により、経営の監視機能の客観性と中立性を確保しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社の役員報酬は、基本報酬、業績連動報酬、非金銭報酬(譲渡制限付株式報酬)で構成されています。経営の監督機能を担う社外取締役に対しては、基本報酬のみを支給する方針です。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 3名 | 1.2億円 | 39.2百万円 |
| 監査役(社外除く) | 1名 | 8百万円 | 7.8百万円 |
| 社外役員 | 4名 | 11百万円 | 2.7百万円 |
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