※本記事は、株式会社アドテック プラズマ テクノロジー の有価証券報告書(2025年8月期、2024年9月1日 ~ 2025年8月31日、2025年11月26日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
アドテック プラズマ テクノロジーは、半導体・液晶関連事業と研究機関・大学関連事業を展開しています。同社グループは、半導体・液晶基板製造装置向けのプラズマ用高周波電源や計測器の設計・製造・販売、および研究開発用の各種電源の提供を行っています。
単体従業員数は181名、連結従業員数は523名です。セグメントは半導体・液晶関連事業、研究機関・大学関連事業の2つです。
主な国内グループ会社は、アドテック プラズマ テクノロジー(当社)、IDXなどです。
また、当連結会計年度の第4四半期において、Adtec Healthcare Limitedは第三者割当増資に伴い持分比率が低下し、連結子会社から持分法適用関連会社となりました。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
アドテック プラズマ テクノロジーは、半導体・液晶関連事業を主軸とする企業です。同社グループの給与水準や働き方は、事業の特性や規模を反映した環境が整っていると考えられます。従業員の定着や育成にも力を入れており、安定したキャリア形成を目指せるでしょう。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
アドテック プラズマ テクノロジーでは、従業員の平均勤続年数が比較的長く、安定した就業環境がうかがえます。平均年齢も40代前半であり、経験豊富な人材が活躍している傾向が見られます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 6,280,378円 |
| 平均勤続年数 | 9.7年 |
| 平均年齢 | 41.6歳 |
| 単体従業員数 | 181人 |
| 連結従業員数 | 523人 |
| 単体のグループ内比率 | 34.6% |
同社グループは、確定給付型と確定拠出型の退職給付制度を採用しています。確定給付型は給与や勤続年数に応じて給付額が決まり、確定拠出型は会社が拠出した資金を従業員が運用する制度です。これらの制度は、同社および国内子会社、一部の在外子会社に適用されています。
退職一時金制度は存在しますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。なお、退職給付債務は75百万円、年金資産は73百万円となっています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
アドテック プラズマ テクノロジーは、持続的成長と企業価値向上のために、人材確保、育成、定着を重要な人的資本の取り組みと位置付けています。従業員を事業成長の重要な存在と認識し、多様な人材が活躍できる職場環境と企業風土の醸成に努めています。
新たな人事制度を導入し、「ものづくり意識」が高い人材、「考動」及び「協調」できる人材、「新たなステージへの挑戦」ができる人材を「求める人材像」として明確化しました。この制度は「3つの職種」と「7つの等級」に体系化され、従業員のキャリアパスの見える化や昇進・昇格基準が整理されています。
また、女性の登用を積極的に進めており、管理職に対するキャリアプラン支援などの施策を検討しています。知名度向上のためのブランディング活動強化、性別や国籍を問わないキャリア採用・新卒採用の強化、新卒新入社員に対するメンター制度、譲渡制限付株式報酬制度など、多様な取り組みを通じて人材の確保と定着を図っています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社及び連結子会社は、女性活躍推進法及び育児介護休業法の規定による公表義務の対象ではないため、法定開示データは開示されていません。
多様性・登用
提出会社の目標及び実績を記載しております。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 採用者に占める女性労働者の割合(正社員) | 17% |
育児・介護支援
提出会社の目標及び実績を記載しております。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 年次有給休暇取得率 | 80% |
健康・安全
提出会社の目標及び実績を記載しております。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 平均時間外労働時間(月平均) | 9.1時間 |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
アドテック プラズマ テクノロジーは、半導体・液晶関連事業と研究機関・大学関連事業の二つの柱で事業を展開しています。それぞれの分野で専門性の高い製品やサービスを提供し、収益を上げています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、主に高周波電源やマッチングユニット、直流電源といった製品の製造・販売を通じて収益を得ています。世界経済の動向や半導体市場の需要に影響を受けつつも、特定の技術分野で強みを発揮しています。
半導体・液晶関連事業
この事業では、高周波電源やマッチングユニットを主力製品としています。スマートフォンやパソコンの需要は変動があるものの、生成AI関連の高性能半導体の需要拡大や、各国での半導体生産能力強化の動きが市場を支えています。
収益は、ディスプレイ向け成膜装置メーカーや半導体製造装置メーカーへの製品販売から得ています。運営は、当社等が行っています。
研究機関・大学関連事業
この事業では、直流電源を主要製品としています。医療装置向け電源や官公庁向け製品、シリコンウエハ引上用装置向け電源、保守サービスなどが堅調に推移しています。
収益は、これらの製品やサービスの提供から得ています。運営は、IDXが行っています。
同社グループの売上高は、半導体・液晶関連事業が大きな割合を占めており、研究機関・大学関連事業がこれに次ぐ規模となっています。当連結会計年度においては、研究機関・大学関連事業の売上高が前期から大きく増加しました。また、海外顧客からの受注も堅調に推移しており、地域別売上高ではアジア地域が最も大きな割合を占めています。特定の顧客への売上集中も見られます。
| セグメント | 売上高(2024年8月期) | 売上高(2025年8月期) |
|---|---|---|
| 半導体・液晶関連事業 | 105億円 | 113億円 |
| 研究機関・大学関連事業 | 7.6億円 | 13.5億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの過去5期間の業績は、売上高と利益ともに変動が見られます。直近の当連結会計年度では、売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益のいずれも前期から増加しました。特に親会社株主に帰属する当期純利益は大きく伸びています。
| 項目 | 2021年8月期 | 2022年8月期 | 2023年8月期 | 2024年8月期 | 2025年8月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 80.0億円 | 123億円 | 125億円 | 113億円 | 127億円 |
| 経常利益 | 11.6億円 | 30.5億円 | 22.9億円 | 16.1億円 | 19.0億円 |
| 経常利益率 | 14.5% | 24.7% | 18.3% | 14.3% | 15.0% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 8.8億円 | 21.7億円 | 16.8億円 | 12.1億円 | 20.1億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 101.96 | 253.56 | 195.66 | 141.83 | 234.40 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたりの売上高は、前期から増加しています。また、従業員1人あたりの営業利益も前期から増加しており、生産性の向上がうかがえます。これらの指標の改善は、組織全体の効率化や事業活動の成果が従業員一人ひとりの貢献に結びついていることを示唆しています。
| 指標 | 2024年8月期(前期) | 2025年8月期(当期) |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 22.3百万円 | 24.2百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 2.9百万円 | 3.5百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
アドテック プラズマ テクノロジーは、堅実な財務基盤と安定したキャッシュフローを維持しています。本業で得た資金を効率的に活用し、事業の成長と安定性を両立させている状況です。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの自己資本比率はプライム市場の製造業平均を上回っており、財務基盤が安定していることを示しています。ROE(自己資本利益率)もプライム市場平均を大きく上回る水準で推移しており、効率的な収益獲得能力があると言えます。手元資金も潤沢に確保されており、不測の事態や将来の投資に備える体制が整っています。これらの財務状況は、同社の事業継続性や将来の成長投資余力に繋がり、雇用や給与の安定性にも良い影響を与える可能性があります。
| 指標 | 2024年8月期(前期) | 2025年8月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 121億円 | 132億円 |
| 自己資本比率 | 45.4% | 48.4% |
| ROE(自己資本利益率) | 10.6% | 15.9% |
| 現金及び預金 | 63.9億円 | 82.8億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループのキャッシュフローは、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローが33.6億円のプラスとなっています。これは税金等調整前当期純利益や棚卸資産の減少額などが主な増加要因です。投資活動によるキャッシュフローは、有形固定資産の取得による支出などにより2.6億円のマイナスとなりました。
その結果、本業で得た資金と投資活動の収支を合わせたフリーキャッシュフローは31.1億円のプラスとなっており、事業活動で安定的に資金を生み出している状況です。財務活動によるキャッシュフローは、長期借入金の返済などにより11.0億円のマイナスとなっています。これらの資金の流れは、同社グループが本業で安定した収益を上げ、将来への投資も行いつつ、財務的な健全性を維持していることを示しており、雇用や給与の安定性にも繋がる要素と言えます。
| 項目 | 2024年8月期(前期) | 2025年8月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 30.3億円 | 33.6億円 |
| 投資CF | △9.4億円 | △2.6億円 |
| 財務CF | △16.7億円 | △11.0億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 20.9億円 | 31.1億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、主要販売先が半導体関連企業であるため、半導体市場の動向に大きく影響を受けます。短期的には需給バランスの調整等で市場規模が変動する可能性があります。また、主に取り扱うプラズマ用高周波電源及びマッチングユニット事業では複数の競合他社が存在し、競合状況の激化により販売価格の下落等が生じるリスクがあります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、グローバルな事業環境での成長において人材の確保を重要視しています。事業の成長に必要な人材を確保し続けられない場合、競争力の低下を招く可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
アドテック プラズマ テクノロジーは、「信頼」を社是とし、高品質でユニーク、革新的な製品を通じて社会貢献を目指す企業です。社員一人ひとりが「Q・U・I・C・K」の理念を胸に、常に最先端技術を追求する文化を育んでいます。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
アドテック プラズマ テクノロジーは、社是として「信頼」を掲げ、社員の行動の心構えとしています。その達成のため、「Quality(高品質)」「Unique(ユニーク)」「Innovative(革新)」「Creative(創造)」「Kind to the Earth(地球に優しく)」を経営理念「Q・U・I・C・K」としています。
同社グループは「世界に通じる技術、営業、経営」を目指し、「プラズマ用高周波電源、計測器、プラズマソースで世界一」を目指しています。信頼性の高いプラズマ用高周波電源関連製品のトータルサービスとトータルソリューションの提供を通じて、社会の発展に貢献したいと考えています。
また、産学官連携を中心にプラズマ技術の基礎研究及び応用研究体制を整備し、半導体製造装置分野だけでなく、新素材・環境等の他分野への応用を進める方針です。新しい価値と高い品質の製品の早期供給を目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
アドテック プラズマ テクノロジーは、社是である「信頼」を社員の行動の心構えとしています。経営理念「Q・U・I・C・K」に基づき、常に最先端の技術を磨き、電子技術を通じて真にユーザーニーズに応える製品作りを目指す企業風土です。
同社グループは、思想、信条、性別、国籍等を問わず、多様な人材が活躍できる職場環境や企業風土の醸成に取り組んでいます。人材の確保、育成及び定着、ワークライフバランスの実現を重視しています。
同社が「求める人材像」としては、「ものづくり意識」が高い人材、「考動」及び「協調」できる人材、「新たなステージへの挑戦」ができる人材を掲げています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
アドテック プラズマ テクノロジーは、組織体制の整備、製品開発力の強化、優秀な人材の確保及び社員の教育・訓練の強化を将来につながる施策として実施しています。これまで培ってきたプラズマ技術をベースに、さらに幅広い分野で活用できる製品の開発を進め、安定した事業構造への転換に取り組んでいます。
同社グループは、顧客からの新製品開発ニーズに対応するため、グループ拠点の活用と優秀な人材の確保及び育成に努めています。営業及び生産面においてもグループ連携の強化を図る方針です。
サステナビリティに関する取り組みとして、人的資本の取り組み(人材確保、育成及び定着)と気候変動への取り組み(CO2排出量の削減)を特に重要視しています。女性の登用については、管理職位への登用に課題があるとし、キャリアプラン支援などの施策を検討しています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
アドテック プラズマ テクノロジーは、取締役会と監査等委員会を設置する監査等委員会設置会社です。客観的な視点から意思決定を行い、経営と業務執行を厳重に監視する体制を採用しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
アドテック プラズマ テクノロジーの筆頭株主は個人株主の藤井修逸氏であり、同氏が発行済株式の2割以上を保有しています。上位株主には複数の個人株主のほか、信託銀行や海外の金融機関、従業員持株会も名を連ねています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 藤井 修逸 | 22.76% |
| 佐々木 嘉樹 | 2.45% |
| 日本カストディ銀行(信託口) | 2.43% |
| WILL FIELD CAPITAL PTE. LTD. | 2.40% |
| BNP PARIBAS LUXEMBOURG/2S/JASDEC/FIM/LUXEMBOURG FUNDS/UCITS ASSETS | 2.39% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は8名(男性6名・女性2名)で構成され、女性役員比率は25.0%です。代表取締役社長は森下秀法氏が務めています。社外取締役比率は50.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 森下 秀法 | 取締役社長 (代表取締役) | 1999年2月同社入社、2018年11月同社代表取締役社長より現職。 |
| 高原 敏浩 | 専務取締役 | 2000年8月同社入社、2018年11月同社専務取締役より現職。 |
| 後藤 浩樹 | 取締役 | 1995年11月同社入社、2018年11月同社取締役より現職。 |
| 坂谷 和宏 | 取締役 総務・経理部長 | 2018年7月同社入社、2018年11月同社取締役総務・経理部長より現職。 |
社外取締役は、藤代祥之氏(ローツェ代表取締役社長)、藤井美代子氏(社会保険労務士藤井美代子事務所開業・監査等委員)、沖本秀幸氏(税理士法人Colors代表社員・監査等委員)、神原多恵氏(みつば法律事務所所長・監査等委員)です。
同社は監査等委員会設置会社であり、社外取締役4名のうち3名が監査等委員を務めています。社外取締役は、法令や会計に関する幅広い経験と見識に基づき、専門的かつ客観的な視点から取締役の職務遂行を監視し、経営の透明性向上に貢献しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社の取締役報酬は、基本報酬、業績連動報酬(賞与)、および譲渡制限付株式報酬で構成されています。基本報酬は職位や職務、経営内容などを考慮して設定され、業績連動報酬は連結業績を基準として企業価値向上への動機付けを図っています。譲渡制限付株式報酬は、企業価値の持続的な向上と株主との価値共有を目的としています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 5名 | 1.4億円 | 27.0百万円 |
| 社外取締役 | 4名 | 11百万円 | 2.8百万円 |
なお、取締役の報酬等の額には、使用人兼務取締役の使用人分は含まれていません。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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