【平均年収662万円】出前館 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年8月期)

【平均年収662万円】出前館 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年8月期)

出前館は、国内最大級のデリバリーサービス「出前館」を運営し、多様な飲食店のデリバリーを可能にしています。直近期は売上高が減少し、損失は継続していますが、営業損失と経常損失は改善傾向にあります。


目次

※本記事は、株式会社出前館 の有価証券報告書(2025年8月期、2024年9月1日 ~ 2025年8月31日、2025年11月26日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


出前館は、デリバリー専門サイト・アプリの運営を主たる事業としています。国内最大級のデリバリーサービス「出前館」を通じて、ユーザーは多様なジャンルの飲食店から注文でき、デリバリー機能を持たない店舗も「シェアリングデリバリー」で配達が可能です。

単体従業員数は356名、連結従業員数は392名です。セグメントは出前館事業の1つです。

同社グループは、LINEヤフー株式会社と共同で提供していた生鮮食品・日用品のデリバリーサービス「Yahoo!クイックマート」を2025年8月に終了しました。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


出前館は、フードデリバリープラットフォームを運営する企業として、テクノロジーを活用し、人々の時間価値を高めることをミッションとしています。成長フェーズにある業界で、多様な働き方を支援し、従業員一人ひとりが活躍できる環境の整備に注力していることがうかがえます。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社は、比較的若い年齢層の従業員が多く、平均勤続年数も短めであることから、活発な人材流動性や新しいキャリアを築く機会がある傾向を示しています。

項目 数値
平均年間給与 6,623,000円
平均勤続年数 3.0年
平均年齢 36.4歳
単体従業員数 356人
連結従業員数 392人
単体のグループ内比率 90.8%


退職給付制度に関する記載はありません。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


同社グループは、「テクノロジーで時間価値を高める」というコーポレートミッションのもと、すべてのステークホルダーとの価値協創を重視し、サステナビリティ経営を推進しています。多様な働き方を提供し、多様な人材が活躍できる環境を整備することで、社会が抱える課題解決に取り組む方針です。

人材育成及び管理職への登用においては、性別・国籍等によらず能力や適性を総合的に判断して実施しています。また、SDGs目標の一つとして「正当な報酬と平等な雇用環境の提供」を掲げており、性別に関係なく平等な報酬機会を得られる環境を提供しています。引き続き、性別による教育機会や役職登用のチャンスに差が出ないよう努める方針です。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データです。

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 12.5%
男性労働者の育児休業取得率 70.0%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 74.6%
労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) 85.3%
労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) 94.3%

連結子会社の法定開示


主要事業会社3社の数値のみ掲載します。

▼ (株)出前館コミュニケーションズ

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 0.0%
男性労働者の育児休業取得率 100.0%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 87.8%
労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) 80.4%
労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) 115.4%

グループ全体(連結)

指標 数値
女性管理職比率 12.2%
男性育児休業取得率 72.7%

人材育成・エンゲージメント

指標 数値
女性管理職比率 12.2%
男性育児休業取得率 72.7%

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


出前館グループは、デリバリー専門サイト・アプリの運営を主たる事業としています。フードデリバリーサービス「出前館」を通じて、ユーザーと飲食店、配達員をつなぐプラットフォームを提供しています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、デリバリー専門サイト・アプリの運営を主たる事業とする「出前館事業」を展開しています。この事業は、主に国内最大級のデリバリーサービスである「出前館」で構成されています。ユーザーはパソコンやスマートフォン、タブレットを介してアプリやサイトから店舗・メニューを選択し、注文します。

デリバリー機能を持たない飲食店に対しては、出前館の「シェアリングデリバリー」を利用することで、配達代行の配達員が料理をユーザーへ届けています。カスタマーセンターでは、システムだけでは対応しきれないトラブルやクレームに対し、オペレーターによるユーザー、店舗、ドライバーのサポートを行っています。

収益は、主に加盟店から注文金額に一定の料率を乗じた手数料(サービス利用料および配達代行手数料等)を受け取ることで得ています。また、ユーザーからは注文ごとに決定される送料およびその他手数料(現金払い手数料等)を受け取っています。このほか、サイト上へのバナー広告やテキスト広告の掲載も収益機会となっています。

「出前館」の加盟店数は大幅に増加し、大手チェーン店だけでなく、各地域の人気店舗の加盟も進んでいます。アクティブユーザー数(1年以内に1回以上注文したユーザー数)は、2025年8月末時点で約455万人となっています。なお、LINEヤフー株式会社と共同で提供していた「Yahoo!クイックマート」は、2025年8月にサービスを終了しました。

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの売上高は、前期に減少に転じ、当期も引き続き減少しています。経常損失および親会社株主に帰属する当期純損失は継続していますが、営業損失と経常損失は前期から改善傾向を示しています。

当期は特定のユーザー向けクーポン導入に伴い、販売促進にかかる金額を売上高から減額する処理を採用しています。営業活動によるキャッシュ・フローは減少が続いており、税金等調整前当期純損失が主な要因となっています。

項目 2021年8月期 2022年8月期 2023年8月期 2024年8月期 2025年8月期
売上高 290億円 473億円 514億円 504億円 397億円
経常利益 △191億円 △366億円 △121億円 △58.5億円 △49.7億円
経常利益率 △66.1% △77.3% △23.6% △11.6% △12.5%
親会社株主に帰属する当期純利益 △219億円 △362億円 △122億円 △37.0億円 △49.7億円
1株当たり当期純利益(円) △265.99 △284.24 △92.25 △28.19 △43.62

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたり売上高(連結)は、前期から減少しています。一方で、従業員1人あたり営業利益(連結)は前期から改善する傾向にあります。

これは、売上高の減少傾向がある中で、営業損失の改善が進んでいることを示しています。組織全体の効率化やコスト適正化の取り組みが、一人あたりの利益改善に寄与していると考えられます。

指標 2024年8月期 2025年8月期
従業員1人あたり売上高(連結) 129.9百万円 101.3百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) △15.4百万円 △12.6百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


出前館グループの経営の安定性について、財務基盤、キャッシュフロー、そして事業リスクの観点から現状を分析します。現在の資金の流れは、事業活動と投資活動において資金が減少している状況を示しています。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


出前館グループの財務基盤を見ると、自己資本比率は73.7%となっており、前期の76.2%から減少しています。これはプライム市場の非製造業平均と比較して高い水準を示しています。

ROE(自己資本利益率)は当期で△15.3%となり、前期の△9.4%から悪化しています。手元資金である現金及び預金は285億円であり、前期の345億円から減少しています。

これらの数値は、同社グループの財務の健全性や資金の流動性を示す指標となります。

指標 2024年8月期(前期) 2025年8月期(当期)
純資産 365億円 286億円
自己資本比率 76.2% 73.7%
ROE(自己資本利益率) △9.4% △15.3%
現金及び預金 345億円 285億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


出前館グループのキャッシュフローを見ると、当連結会計年度の営業活動によるキャッシュフローは△49.7億円の減少となりました。これは主に税金等調整前当期純損失49.7億円、未収入金の減少10.7億円、未払金の減少6.0億円などによるものです。

投資活動によるキャッシュフローは△2百万円の減少であり、投資有価証券の売却による収入0.3億円、敷金及び保証金の差入による支出0.7億円などがありました。財務活動によるキャッシュフローは△10.0億円の減少で、自己株式の取得による支出29.5億円、自己株式取得のための預け金の減少19.5億円などが主な要因です。

これらの結果、フリーキャッシュフローは△49.7億円となりました。営業活動で資金が減少している状況は、本業での資金創出が課題であることを示しています。投資活動はほぼ横ばいですが、全体として資金が流出している状況であり、今後の事業展開における資金の確保と収益性の改善が、雇用や給与の安定性、そして会社の成長性にとって重要な要素となります。

項目 2024年8月期(前期) 2025年8月期(当期)
営業CF △45.8億円 △49.7億円
投資CF 21.9億円 △2百万円
財務CF △40.0億円 △10.0億円
フリーCF(営業CF+投資CF) △24.0億円 △49.7億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

出前館グループは、フードデリバリー市場の動向に影響を受けるリスクを認識しています。2024年には市場規模が前年比で減少すると予想されており、市場が予想通りに成長しない場合には、同社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

また、同社グループの売上高の大半を「出前館事業」が占めているため、この特定事業への依存度が高いこともリスクとして挙げられています。出前館事業においてオーダー数や加盟店数が増加しない場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。

③ 人材・組織に関するリスク

出前館グループは、安定的な成長のために優秀な人材の確保が重要であると認識しています。必要な人材を適時適切に確保できない場合や、社内の有能な人材が流出した場合には、事業運営や事業展開に支障が生じ、業績に影響を及ぼす可能性があります。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


出前館は、「テクノロジーで時間価値を高める」というミッションを掲げ、フードデリバリー事業を通じて人々の生活や時間をより価値あるものにすることを目指しています。地域密着型のサービスを全国で展開し、社会の活性化と課題解決に貢献する企業です。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


同社グループは、「テクノロジーで時間価値を高める」ことをミッションとしています。テクノロジーの力を駆使し、人々の生活や時間をより価値あるものにしていくため、更なるサービス体験の向上に努めることを経営の基本方針としています。

また、配達代行(シェアリングデリバリー)という地域密着型のサービスを日本全国で展開することで、地域の活性化に貢献することを目指しています。地域や社会が抱える諸課題に対してソリューションを提供できるサービスを構築していく方針です。さらに、業界のリーディングカンパニーとしてデリバリー市場の拡大・発展を目指し、企業価値の向上を図ることを目標としています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社グループは、加盟店には新たな販売手法を、ユーザーには利便性の高いサービスを、配達員には効率良く収入を得られるフレキシブルな働き方を提供することを目指しています。サステナビリティ経営を推進し、株主、従業員、配達パートナー、ユーザー、加盟店、取引先、地域社会といったすべてのステークホルダーとの価値協創を重視しています。

ESG基本方針として、環境面ではエネルギー消費量・温室効果ガス排出量の管理と削減、フードロス削減、自然由来の梱包素材の普及を推進しています。社会面では多様な働き方と人材が活躍できる環境を整備し、ライフインフラを担う企業として地域の発展と維持を支えることを掲げています。ガバナンス面では、法律・諸規定を遵守し、適時適切な情報開示を実施することで企業価値向上と発展を図る方針です。人材育成においては、性別・国籍等によらず能力や適性を総合的に判断し、管理職への登用等を実施しています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社グループは、「デリバリーの日常化」を実現するため、ユーザー体験・満足度の向上、ユニットエコノミクスの改善、新しい収益モデルの拡大を優先的に対処すべき課題としています。具体的には、シェアリングデリバリーの更なる拡大、配達員の獲得、配達効率の向上に取り組んでいます。

また、人材の確保・育成も重要な課題であり、適切な人材配置を行い、評価制度や給与体系を整備・充実させることで、社員が最大限のパフォーマンスを発揮し継続的にモチベーションを高められる環境づくりを進めています。情報システム基盤と個人情報管理の強化も重点テーマであり、情報管理責任の明確化、システム上の対策、従業員教育の一層の徹底を含む情報管理体制の継続的な強化を図っています。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


出前館は、取締役会と監査役会を設置する体制で経営の透明性と実効性を確保しています。社外からの視点を取り入れ、公正な意思決定と監督を重視するガバナンス体制を構築しています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


出前館の株主構成を見ると、事業会社や投資事業組合、海外の証券保管振替機関などが上位に名を連ねています。特定の株主グループが一定の影響力を持つ資本構成となっています。

株主名 持株比率
LINEヤフー 35.30%
未来Fund有限責任事業組合 18.42%
KOREA SECURITIES DEPOSITORY-SAMSUNG 13.14%
ザ バンク オブ ニューヨーク 133612 3.37%
中村 利江 2.06%


なお、ベイリー・ギフォード・アンド・カンパニーから、2025年5月8日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書において、2025年4月30日現在で株式を保有している旨が記載されていますが、同社として2025年8月31日現在における実質所有株式数の確認ができないため、上記大株主の状況には含められていません。また、みずほ信託銀行から、2024年11月22日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書(変更報告書)において、2024年11月15日現在で株式を保有している旨が記載されていますが、同社として2025年8月31日現在における実質所有株式数の確認ができないため、上記大株主の状況には含められていません。

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は9名(男性6名・女性3名)で構成され、女性役員比率は33.0%です。代表取締役社長(CEO)は矢野哲氏が務めています。社外取締役比率は83.3%です。

氏名 役職 主な経歴
矢野  哲 代表取締役社長(CEO) 2000年7月JPモルガン証券株式会社入社、2016年5月LINE株式会社(現Aホールディングス株式会社)入社、2021年1月同社執行役員CFO、2024年9月同社代表取締役社長(CEO)より現職。
富山  浩樹 取締役 2007年10月株式会社サッポロドラッグストアー入社、2016年8月サツドラホールディングス株式会社代表取締役社長、2020年11月同社取締役より現職。
森    一生 取締役 2009年12月弁護士登録、2016年10月代官山綜合法律事務所設立及び代表就任、2020年11月同社取締役より現職。
舛田  淳 取締役 2008年10月ネイバージャパン株式会社(現Aホールディングス株式会社)入社、2014年12月LINE MUSIC株式会社代表取締役CEO、2016年11月同社取締役より現職。
坂上 亮介 取締役 2008年10月ヤフー株式会社(現LINEヤフー株式会社)入社、2019年10月Zホールディングス株式会社(現LINEヤフー株式会社)常務執行役員最高財務責任者(CFO)、2023年11月同社取締役より現職。
小笹  文 取締役 1999年4月株式会社リクルート入社、2018年7月合同会社カラフル代表社員、2024年11月同社取締役より現職。


社外取締役は、富山浩樹氏(サツドラホールディングス代表取締役社長CEO・指名報酬委員会委員長)、森一生氏(代官山綜合法律事務所代表・指名報酬委員会委員)、舛田淳氏(LINEヤフー上級執行役員・指名報酬委員会委員)、坂上亮介氏(LINEヤフー上級執行役員CFO・指名報酬委員会委員)、小笹文氏(合同会社カラフル代表社員・指名報酬委員会委員)です。

同社は監査役会設置会社であり、取締役会は社内取締役1名、社外取締役5名で構成されています。監査役3名全員が社外監査役であり、高い独立性を持つ社外役員が経営の監督機能を強化しています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


同社の役員報酬は、固定報酬に加え、業績連動報酬や譲渡制限付株式による非金銭報酬を組み合わせた体系となっています。これにより、役員の経営責任と企業価値向上へのインセンティブを明確にしています。譲渡制限付株式の解除条件には、売上高、連結営業利益、株価といった指標が用いられています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 2名 83百万円 41.5百万円
社外役員 8名 29百万円 3.6百万円


なお、総額には当事業年度中に退任した取締役の報酬等も含まれています。また、対象人員は、無報酬の取締役2名、監査役1名を除いています。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。


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