※本記事は、マニー株式会社 の有価証券報告書(2025年8月期、2024年9月1日 ~ 2025年8月31日、2025年11月18日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
同社グループは、医療機器の製造および販売を主たる業務としています。サージカル関連製品、アイレス針関連製品、デンタル関連製品の3つの領域で、グループ各社とともにグローバルに事業を展開しています。
単体従業員数は432名、連結従業員数は4,140名です。セグメントはサージカル関連製品、アイレス針関連製品、デンタル関連製品の3つです。
主な国内グループ会社は、当社などです。
2025年9月1日より、マレーシア販売子会社をアジア地域統括拠点「MANI ASIA SDN. BHD.」として業務運営を開始し、グループ体制の一部再編を行っています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
マニーは、医療機器の製造・販売を通じて世界の人々の幸福に貢献する企業です。同社グループは「世界一の品質を世界のすみずみへ」届けることを目指し、強固な経営基盤を築いています。社員が長く働くことのできる環境を提供しており、安定したキャリア形成が期待できるでしょう。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、平均勤続年数が長く、平均年齢もバランスが取れている傾向が見られます。これらの数値は、従業員が比較的長く会社に定着し、経験を積んで活躍していることを示しています。安定した環境でキャリアを築きたい方にとって、参考となるでしょう。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 7,863,821円 |
| 平均勤続年数 | 14.0年 |
| 平均年齢 | 42.0歳 |
| 単体従業員数 | 432人 |
| 連結従業員数 | 4,140人 |
| 単体のグループ内比率 | 10.4% |
マニーでは、確定給付型企業年金制度(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)と確定拠出年金制度(会社が拠出した資金を従業員が運用する)を併用しています。これらの制度は国内および海外のグループ会社に適用されます。
退職一時金制度もあります。ただし支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。直近の退職給付債務は16.5億円、年金資産は10.4億円となっています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
マニーグループは、企業価値向上を目指し「人的資本経営」を重要な経営基盤と位置づけています。新たな中期経営計画では、「成長戦略を実行する人財育成・獲得」「企業風土改革と挑戦するカルチャーの醸成」「DE&I(Diversity, Equity & Inclusion)」の3本柱で人財戦略を発展させています。社員一人ひとりが自律的に学び、挑戦し、成長できる環境づくりを進めています。
具体的には、2024年に設立した「マニー研修所」を中核に、マネージメント研修や専門スキル教育など、階層別・機能別の体系的な教育プログラムを展開しています。また、社員が自ら考え挑戦する文化への変革を目指し、「トランスフォームM」プロジェクトを発足させ、人事制度の刷新やユニット制の導入も進めています。多様な人財が力を発揮できる環境づくりとして、女性管理職比率15%以上(単体)を目標に掲げ、キャリア採用やグローバル人財育成にも取り組んでいます。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。賃金制度において性別による賃金差異はありませんが、正規雇用労働者において上位職層に占める男性労働者の割合が高いことが差異に影響しています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 8.2% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 80.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 72.5% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 76.5% |
| 労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) | 0.0% |
任意開示指標
上記指標及び目標は当社単体ベースで記載しております。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| キャリア採用比率(直近5カ年累計) | 59.6% |
| 管理職におけるキャリア入社比率 | 73.5% |
| 女性管理職比率15%以上(単体) | 8.2% |
| 年間平均研修時間 | 59時間/人 |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
マニーは、医療現場で使用される様々な製品の製造と販売を手がける企業です。同社グループは、「世界一の品質を世界のすみずみへ」という使命を掲げ、製品を世界中に提供しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、主にサージカル関連製品、アイレス針関連製品、デンタル関連製品の3つの事業セグメントを展開しています。これらの製品の製造と販売を主たる業務としており、国内外で事業活動を行っています。
サージカル関連製品
このセグメントでは、皮膚縫合器や眼科ナイフ、深部縫合器、骨用のこぎり、血管ナイフ、眼科トロカール、硝子体鑷子といった手術用機器を製造・販売しています。白内障手術で使用される眼科ナイフの販売が欧州、中国を中心としたアジア、日本、北米等の地域で拡大し、収益を伸ばしています。
アイレス針関連製品
このセグメントでは、手術用針付縫合糸用針、手術用針付縫合糸、手術用縫合針といった製品を取り扱っています。中国やタイを中心としたアジア及び中南米等のその他の地域でアイレス針の受注が増加しており、収益に貢献しています。
デンタル関連製品
このセグメントでは、歯科用根管治療機器、歯科用回転切削機器、歯科材料などを製造・販売しています。歯科用根管治療用NiTiロータリーファイル「JIZAI」の販売が日本、インド、ベトナム及び欧米地域を中心に拡大しています。一方で、中国における歯科用回転切削機器(ダイヤバー)の自主回収の影響を受け、収益は減少しています。
同社グループの売上高は、アジア、欧州、北米といった海外地域からの貢献が大きく、グローバルに事業を展開しています。特定の顧客への売上集中は、当連結会計年度においては見られませんでした。
| セグメント | 売上高(2024年8月期) | 売上高(2025年8月期) |
|---|---|---|
| アイレス針関連製品 | 102億円 | 112億円 |
| デンタル関連製品 | 101億円 | 95.1億円 |
| サージカル関連製品 | 81.5億円 | 92.7億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの連結業績は、直近5年間で売上高は着実に増加傾向にあります。経常利益も概ね増加していましたが、当期は減少に転じました。親会社株主に帰属する当期純利益は、前期まで増加傾向でしたが、当期は大幅に減少しています。これは、主に固定資産の減損損失を特別損失として計上したことによるものです。営業活動によるキャッシュ・フローは継続的にプラスを維持しており、本業で安定したキャッシュを創出している状況です。
| 項目 | 2021年8月期 | 2022年8月期 | 2023年8月期 | 2024年8月期 | 2025年8月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 172億円 | 204億円 | 245億円 | 285億円 | 300億円 |
| 経常利益 | 56.8億円 | 75.4億円 | 80.0億円 | 84.6億円 | 82.7億円 |
| 経常利益率 | 33.0% | 37.0% | 32.6% | 29.7% | 27.6% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 42.9億円 | 52.9億円 | 59.5億円 | 62.9億円 | 46.4億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 43.60 | 53.75 | 60.46 | 63.82 | 47.14 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上高(連結)は、前期から当期にかけて増加しています。これは、従業員数が増加する中で、売上高がそれを上回るペースで伸びたことを示しています。一方、従業員1人あたり営業利益(連結)は前期から横ばいとなっています。これは、売上高の増加に対して販売費及び一般管理費が増加したことや、減損損失などの一時的な要因が影響していると考えられます。
| 指標 | 2024年8月期 | 2025年8月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 6.9百万円 | 7.2百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 2.0百万円 | 2.0百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
マニーグループは、本業で安定的に資金を生み出しながら、将来に向けた成長投資を積極的に行っている状況です。強固な財務基盤を維持しつつ、事業拡大のための投資を進めています。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
マニーグループは、高い自己資本比率を維持しており、強固な財務基盤を築いています。当期の自己資本比率は92.4%であり、プライム市場の製造業平均(46.8%)と比較して非常に高い水準となっています。
ROE(自己資本利益率)は当期8.8%で、前期の12.3%から減少しました。プライム市場平均(9.4%)と比較すると、当期はやや下回る水準です。手元資金を示す現金及び預金は、当期末に184億円となっています。これらの財務状況は、同社グループの安定した経営基盤を示しています。
| 指標 | 2024年8月期(前期) | 2025年8月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 523億円 | 536億円 |
| 自己資本比率 | 91.5% | 92.4% |
| ROE(自己資本利益率) | 12.3% | 8.8% |
| 現金及び預金 | 216億円 | 184億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループの営業活動によるキャッシュ・フローは、当期に70.2億円のプラスとなりました。これは主に、税金等調整前当期純利益の減少に伴う営業キャッシュ・イン・フローの減少や、花岡工場建屋の仮払消費税支払、未払金の支払等に伴う営業キャッシュ・アウト・フローの増加により、前期から減少しています。
投資活動によるキャッシュ・フローは、当期に△71.5億円のマイナスとなりました。スマートファクトリーに関連する有形固定資産の取得による支出が増加したことが主な要因です。財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払額が増加したこと等により、当期に△39.0億円のマイナスとなっています。
これらのキャッシュ・フローの状況は、同社グループが本業で安定的に資金を生み出しつつ、将来の成長に向けた設備投資を積極的に行っていることを示しています。フリーキャッシュ・フローは当期に△1.4億円のマイナスとなっており、成長のための投資が先行している状況です。
| 項目 | 2024年8月期(前期) | 2025年8月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 78.1億円 | 70.2億円 |
| 投資CF | △66.4億円 | △71.5億円 |
| 財務CF | △37.0億円 | △39.0億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 11.7億円 | △1.4億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、グローバル事業環境の変化およびカントリーリスクを認識しています。新興国での安価な製品の台頭による価格競争や経済情勢による患者の診療離れ、各国の法律・規制変更、政情不安などが収益性に影響を及ぼす可能性があります。
また、新製品開発リスクも挙げられています。新製品の開発過程で有効性や安全性に予測されなかった問題が判明した場合、期待する時期に新製品を発売できない可能性や開発費が増加する可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、人財力の低下をリスクとして認識しています。労働市場の流動化により、特に重要ポストで人財が流出すると、組織力が一時的に低下し、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。専門性の高い研究者や技術者の育成不足も、事業遂行に影響を与える可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
マニーは、医療機器を通じて世界の幸福に貢献するという明確な理念を持ち、高品質な製品を追求する企業です。挑戦を重んじる文化と、多様な人材が活躍できる環境づくりに力を入れています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
マニーグループは、「患者のためになり、医師の役に立つ製品の開発・生産・提供を通して世界の人々の幸福に貢献する」ことを企業理念としています。この理念は、中期経営計画2029におけるミッションとしても掲げられています。
同社グループのビジョンは「世界一の品質を世界のすみずみへ」であり、世界的な製品需要の増加が見込まれる医療機器市場において、高品質な製品を提供し続けることを目指しています。
また、経営基本方針として「順法精神と独創技術を持ち将来利益を確保する」を掲げ、将来利益の最大化に努めています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
マニーグループは、中期経営計画2029において「科学する心で熱心に粘り強く」、「トレード・オフ」へのこだわり、そして「創造・進化へのたゆまぬ挑戦」をバリュー(大切にしていく価値観)として定めています。
同社グループが求める人財像は、「開拓者精神」「ラストパーソン」「共創」「プロフェッショナル」「世界一の品質」の5つです。これらはグローバル競争を勝ち抜くための道しるべとされています。
社員が自ら考え挑戦する文化への変革を目指し、「トランスフォームM」プロジェクトを発足させ、経営層・マネージメント・社員が一体となって新しい価値創出を推進しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
マニーグループは、長期的な成長に向けた経営基盤の強化を重点テーマとしています。これには、製品開発力の抜本的な強化とサステナビリティ推進が含まれます。
サステナビリティ推進においては、成長戦略を実行する人財の育成・獲得、挑戦する企業文化の醸成、DE&I(Diversity, Equity & Inclusion)を含む人的資本経営の推進に取り組んでいます。
また、人権方針の順守、環境負荷低減、サプライチェーン管理、第三者評価の獲得とスコア向上も重要な課題です。同社グループは「マニーグループ人権方針」を策定し、サプライヤー行動規範も制定しています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
マニーは、指名委員会等設置会社制度を採用しており、経営の監督と業務執行を分離することで、迅速かつ効率的な業務執行と経営の透明性・客観性の向上を図っています。取締役会は、社外取締役を過半数選任することで、独立性と社会的公平性を保つことを重視しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
マニーの株主構成を見ると、筆頭株主は日本マスタートラスト信託銀行(信託口)となっています。上位株主には、マニックスや松谷技研といった関連会社に加え、松谷貫司氏などの個人株主も複数名を連ねています。これらの状況から、創業家や関連会社が一定の影響力を持つ資本構成であることがうかがえます。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 日本マスタートラスト信託銀行(信託口) | 11.44% |
| マニックス | 10.76% |
| 松谷技研 | 5.16% |
| 日本カストディ銀行(信託口) | 4.11% |
| 公益財団法人マニー松谷医療奨学財団 | 3.25% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は12名(男性11名・女性1名)で構成され、女性役員比率は8.3%です。代表執行役社長は渡部眞也氏が務めています。社外取締役比率は57.1%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 渡部 眞也 | 取締役 | 1982年日立製作所入社、日立グローバルストレージテクノロジーズ社取締役チーフストラテジスト、日立製作所執行役常務、みらかホールディングス取締役兼代表執行役副社長COO&CIOを経て、2024年11月より同社取締役兼代表執行役社長。 |
| 髙橋 一夫 | 取締役 | 1978年ホギ入社、同社取締役経営企画部長兼製品管理部長を経て、2013年同社顧問、2018年11月より同社取締役。2025年9月より同社取締役常勤顧問。 |
| 髙井 壽秀 | 取締役会副議長 | 1977年日本不動産銀行入行、2006年同社顧問、2013年11月より同社取締役。2021年11月より同社取締役会副議長。 |
社外取締役は、矢野達司氏(元三洋化成工業取締役兼専務執行役員・指名委員会委員長・監査委員会委員長)、森山裕紀子氏(早稲田リーガルコモンズ法律事務所パートナー弁護士・報酬委員会委員長・監査委員会委員)、光定洋介氏(産業能率大学経営学部教授・取締役会議長・監査委員会委員)、松井幸郎氏(元アステラス製薬専務担当役員・指名委員会委員・報酬委員会委員・監査委員会委員)です。
同社は指名委員会等設置会社制度を採用しています。社外取締役を過半数選任することで、取締役会としての独立性と社会的公平性を保ち、経営の監督機能の強化を図っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
マニーの執行役報酬は、基本報酬(固定報酬)と変動報酬で構成されており、標準業績時で概ね65%対35%の割合となっています。変動報酬は、連結営業利益の伸び率を指標とする業績連動報酬と、中期経営計画の達成要件や株価を指標とする譲渡制限付株式報酬(RS)で構成されています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 1名 | 10百万円 | 10.0百万円 |
| 執行役 | 7名 | 2.6億円 | 37.7百万円 |
| 社外取締役 | 5名 | 45百万円 | 9.0百万円 |
期末現在の人員は取締役7名(社外取締役4名)、執行役7名で、取締役のうち2名は執行役を兼務しています。取締役と執行役の兼任者の報酬は、執行役の欄に総額を記載しています。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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