【平均年収551万円】SHOEI 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年9月期)

【平均年収551万円】SHOEI 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年9月期)

SHOEIは、高品質で高付加価値の二輪乗車用プレミアムヘルメットの製造販売を主たる事業とするヘルメット関連事業を展開しています。グローバルに事業を広げ、直近期は減収減益となりましたが、期初予想は上回りました。


目次

※本記事は、株式会社SHOEI の有価証券報告書(2025年9月期、2024年10月1日 ~ 2025年9月30日、2025年12月22日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


SHOEIは、乗車用ヘルメットの製造販売を主たる事業とするヘルメット関連事業を展開しています。特に高品質で高付加価値の二輪乗車用ヘルメット「プレミアムヘルメット」に特化しており、売上高の約90%を占めています。

単体従業員数は626名、連結従業員数は670名です。セグメントはヘルメット関連事業の1つです。

主な国内グループ会社は、SHOEI SALESJAPANなどです。

同社グループでは、2025年7月1日付でSHOEI DISTRIBUTION GMBHを存続会社、SHOEI(EUROPA)GMBHを消滅会社とする吸収合併を実施しています。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


SHOEIは、従業員の働きがいと成長を重視し、多様な働き方を支援する環境を整備しています。給与水準や福利厚生、人材育成への取り組みを通じて、長期的なキャリア形成をサポートする方針がうかがえます。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


SHOEIでは、平均勤続年数と平均年齢から、比較的長く勤める従業員が多く、安定した環境でキャリアを築いている傾向が見られます。若手からベテランまで幅広い年齢層の従業員が活躍していることがうかがえます。

項目 数値
平均年間給与 5,506,145円
平均勤続年数 12.8年
平均年齢 36.9歳
単体従業員数 626人
連結従業員数 670人
単体のグループ内比率 93.4%


SHOEIは、確定給付型の企業年金制度を導入しています。これは、給与や勤続年数に応じて将来の給付額が決まる制度です。
この制度は国内および一部の連結子会社に適用されています。
退職一時金制度も設けていますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
なお、退職給付債務は19.8億円、年金資産は18.6億円となっています。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


同社グループは、企業価値を持続的に向上させる観点から、人的資本の育成・活用を重要な課題と認識しています。従業員のモチベーションを維持する人事評価体制やOJTを中心とする教育体制を充実させています。

具体的には、全従業員の約9割を占める工場では、毎月の改善活動であるジャストインタイム(JIT)会議を通じて、中堅社員が課題抽出から解決までの一連の改善策を起案・実行・発表する機会があり、人材育成に貢献しています。本社においても、各部門で多能工等の改善活動を取り入れ、社員の教育体制を充実させています。

また、多様な人材の活躍を重視しており、特に女性管理職の増加を目標に掲げています。女性活躍推進や次世代育成支援対策推進の方針に基づき、男女公正な昇進基準の検証や、管理職候補となる女性社員の育成方針策定・実施を進めています。2020年10月1日からはフレックスタイム制度を導入し、ワーク・ライフ・バランスの実現と残業時間削減を目指しています。育児・介護休業や育児・介護短時間勤務など、仕事と育児・介護の両立を支援する諸制度も整備されています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


連結子会社は法定開示の公表義務対象外のため、提出会社単体のデータを示します。女性管理職比率は2025年10月1日付で6.1%となっています。男女間の賃金の差異は、職制上の等級・職位・号棒の分布の差異によるものであり、同一の等級・職位・号棒における男女間の賃金の差異はありません。

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 3.1%
男性労働者の育児休業取得率 73.3%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 79.0%
労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) 80.1%
労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) 75.8%

指標および目標


2025年9月末現在のデータです。

指標 目標 実績
女性管理職比率 2028年3月までに8% 6.1%(2025年10月現在)
男性の育児休業取得率 2027年9月までに70% 73.3%(2025年9月末現在)

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


SHOEIは、乗車用ヘルメットの製造販売を主たる事業とする「ヘルメット関連事業」を展開しています。特に、高品質で高付加価値の二輪乗車用ヘルメットである「プレミアムヘルメット」に特化して製造販売を行っており、同社グループの売上高の大部分を二輪乗車用ヘルメットが占めています。

同社グループは、当社がヘルメット関連製品の製造販売を行い、海外に6社、国内に1社の連結子会社を擁しています。これらの子会社は、欧州、国内、タイ、中国などの地域で代理店管理、販売店運営、マーケティング活動を担っています。世界各国で事業を展開し、多くの国で高いシェアを維持していることが特徴です。

収益モデルとしては、市場のニーズに耳を傾け、新商品開発やモデルチェンジを積極的に行っています。価格の高いレプリカやグラフィックモデルの充実、値上げなどにより販売単価の向上を図り、高収益体質を維持しています。直近の当連結会計年度では、日本、欧州、北米、アジアの各市場で販売数量が減少傾向にあり、特に日本市場での減少幅が大きくなっています。主要な顧客としてHELMET HOUSE INC.と岡田商事㈱が挙げられます。

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの業績は、過去数期にわたり売上高、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益ともに成長傾向を示していました。しかし、直近の当連結会計年度では、売上高、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益のいずれも前期から減少に転じています。

減収減益となったものの、期初予想に対しては増益を達成し、目標とする自己資本利益率を維持しています。

項目 2021年9月期 2022年9月期 2023年9月期 2024年9月期 2025年9月期
売上高 238億円 290億円 336億円 358億円 324億円
経常利益 60.9億円 85.0億円 98.6億円 105億円 89.0億円
経常利益率 25.6% 29.4% 29.3% 29.3% 27.5%
親会社株主に帰属する当期純利益 44.1億円 60.2億円 70.7億円 73.8億円 63.2億円
1株当たり当期純利益(円) 82.09 112.18 131.73 139.90 120.22

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたり売上高および従業員1人あたり営業利益は、当連結会計年度において前期から減少しています。これは、連結従業員数が増加した一方で、売上高と営業利益が減少したことによるものと考えられます。

同社グループでは臨時雇用者の正社員登用を進めており、組織体制の強化を図っている状況がうかがえます。

指標 2024年9月期 2025年9月期
従業員1人あたり売上高(連結) 56.4百万円 48.3百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 16.3百万円 13.3百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


同社グループは、本業で安定的に資金を生み出し、将来に向けた投資も行いながら、手元資金を厚くしている状況です。強固な財務基盤を維持し、事業活動に必要な資金を自己資金で賄う方針を示しています。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループは、高い自己資本比率とROE(自己資本利益率)を維持しており、強固な財務基盤を築いています。手元資金も増加傾向にあり、不測の事態や将来の成長投資に備える体制が整っています。このような財務状況は、入社後の雇用や給与の安定性につながる可能性があります。

指標 2024年9月期(前期) 2025年9月期(当期)
純資産 295億円 322億円
自己資本比率 84.2% 85.1%
ROE(自己資本利益率) 26.0% 20.5%
現金及び預金 154億円 199億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループのキャッシュフローは、本業で安定して資金を稼ぎ出し、それを将来への投資に充てつつ、手元資金を積み上げている状況を示しています。営業活動によるキャッシュフローは、税金等調整前当期純利益や減価償却費、棚卸資産の減少などにより増加しました。投資活動によるキャッシュフローは、生産設備の維持・増強やシステム導入のための有形・無形固定資産の取得により減少しています。財務活動によるキャッシュフローは、主に配当金の支払額により減少しました。

これらの資金の流れから、同社グループは本業で得た資金を効率的に運用し、事業の成長と株主還元を両立していることがうかがえます。フリーキャッシュフローもプラスを維持しており、安定した事業運営と将来への投資余力がある状態です。これは、入社後の雇用や給与の安定性、そして会社の持続的な成長性につながる可能性があります。

項目 2024年9月期(前期) 2025年9月期(当期)
営業CF 97.2億円 97.6億円
投資CF △32.8億円 △13.9億円
財務CF △56.5億円 △37.7億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 64.4億円 83.6億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループは、日米欧等の二輪先進国におけるライダーの高齢化と若年層のライダー増加の無さにより、顧客数が減少に転じる可能性をリスクとして認識しています。これに対し、レトロタイプや新素材モデルの需要対応、PFSサービスの推進、新興国市場への注力で対応しています。

また、海外売上高比率が82.5%と高く、為替相場の大きな変動が経営成績に影響を与える可能性があります。国内での効率的な開発・生産による付加価値向上、円建て輸出取引の拡大、円高時の値上げ、内部留保及び現預金の手厚い確保により、為替リスクに左右されにくい体質を目指しています。

③ 人材・組織に関するリスク

人材・組織に関するリスクの記載はありません。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


SHOEIは、健全な財務体質を基盤に、Made in Japanの高品質な製品と顧客の声に応える姿勢を重視する企業です。長期的な視点で事業を継続し、社会に貢献することを目指しています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


同社グループは、「健全な財務体質により、事業継続を長期にコミットする」ことを経営方針の第一に掲げています。長期的視野での経営を可能にする財務的な独立と、高い自己資本比率の維持を目指しています。

「Made in Japanで勝負する」ことを最大の資産であるブランドの維持と競争力確保の唯一の選択肢と確信しています。また、「お客様の声に耳を傾ける」ことを企業としての使命、存在意義とし、お客様が希望する製品を安全基準を満たしながら機動的に供給することを目指しています。

30年先、50年先も自主独立を貫く健全な企業であり続けることを目標としています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社グループは、企業価値を持続的に向上させる観点から、サステナビリティ/ESG経営を強化しています。代表取締役社長がサステナビリティ課題に関する経営判断の最終責任を有し、経営管理本部が推進事務局として機能しています。

「Made in Japan」を生産戦略の根幹に掲げ、従業員一人ひとりの精鋭化を通じて国内工場の競争力を持続的に強化しています。お客様のニーズを重視し、安全・快適で楽しいモビリティ生活を提供することを重要課題としています。

社員が安心して活躍できる職場作りと地域社会への貢献も重視しており、労務管理や健康管理による快適な職場作り、多様性を取り入れた人的資本の有効活用に取り組んでいます。社会的責任を意識したガバナンス体制の強化とコンプライアンスの徹底も推進しています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社グループは、コーポレートガバナンスの強化を実行してまいります。また、長期的に企業価値向上に資するような新事業への進出を検討しています。

ESG経営を推進し、特に環境への取り組みが企業に求められた重要な社会的責務のひとつであると認識しています。気候変動の緩和・適応など環境問題に配慮した行動を可能な範囲で積極的に行い、持続可能な循環型経済社会の実現に貢献することを目指しています。

人的資本の育成・活用も重要な課題と認識しており、従業員のモチベーション維持やOJTを中心とする教育体制の充実、多様な人材が活躍できる働きやすい環境の整備を進めています。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


SHOEIは、取締役会、指名報酬委員会、監査役会を設置しており、これらの機関を通じてコーポレート・ガバナンスの充実を図っています。株主や顧客、取引先、従業員といったステークホルダーとの良好な関係構築を重視し、企業価値の向上を目指しています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


SHOEIの株主構成を見ると、複数の信託銀行や海外の金融機関が上位を占めています。特定の事業会社や創業家が筆頭株主として経営に強い影響力を持つような構成ではありません。幅広い機関投資家によって支えられている資本構成となっています。

株主名 持株比率
日本カストディ銀行(信託口) 12.90%
日本マスタートラスト信託銀行(信託口) 12.20%
STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505001 6.50%


なお、2025年6月6日付で公衆の縦覧に供されている変更報告書において、キャピタル・リサーチ・アンド・カンパニーから2025年5月30日現在で4.67%の株式を所有している旨が記載されています。また、2025年7月17日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書において、スパークス・アセット・マネジメントから2025年7月15日現在で5.33%の株式を所有している旨が記載されています。

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


SHOEIの役員は9名(男性7名・女性2名)で構成され、女性役員比率は22.0%です。代表取締役社長は石田健一郎氏が務めています。社外取締役比率は33.3%です。

氏名 役職 主な経歴
石田 健一郎 代表取締役 社長 1983年三菱商事株式会社に入社。2013年に同社に入社し、海外営業部長、SHOEI(EUROPA)GMBH代表取締役社長などを歴任。2016年10月より同社代表取締役社長に現職。
堀本 隆行 常務取締役 生産本部長兼茨城工場長 1987年同社に入社後、商品開発部長、生産技術統括部長などを経て、2021年12月より取締役生産本部長兼茨城工場長に就任。2023年12月より常務取締役生産本部長兼茨城工場長に現職。
山口 裕士 取締役 経営管理本部長兼 経営管理部長 1990年株式会社三菱銀行に入行。2020年同社に入社し、財務経理部長、首維(上海)摩托車用品有限公司董事などを歴任。2023年4月より取締役経営管理本部長兼経営管理部長に現職。
清水 匡輔 取締役海外営業部長 2005年司法試験に合格後、複数の法律事務所を経て、2015年同社取締役に就任。2024年同社に入社し海外営業部長、2024年12月より取締役海外営業部長に現職。


社外取締役は、小林慶一郎氏(慶應義塾大学経済学部教授)、髙山清子氏(公認会計士・株式会社東京精密社外取締役)です。

同社は監査役会設置会社であり、取締役会、指名報酬委員会、監査役会を通じて企業統治体制を構築しています。社外取締役は独立役員として、経営全般に関する助言や提言を行っています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


SHOEIの役員報酬は、株主総会で決定された報酬限度額に基づき、固定報酬と業績連動報酬を組み合わせた基本報酬、および譲渡制限付株式報酬で構成されています。業績連動報酬は連結純利益やEBITDAの増加額を指標とし、取締役(社外取締役を除く)に適用されます。譲渡制限付株式報酬は、対象役員の貢献度を考慮して交付される仕組みです。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 5名 2.4億円 47.0百万円
監査役(社外除く) 1名 17百万円 16.9百万円
社外役員 4名 30百万円 7.4百万円


同社グループの役員報酬等の総額は281百万円であり、報酬の支給対象となった役員は合計10名です。
なお、取締役(社外取締役を含む)及び監査役(社外監査役を除く)に対する非金銭報酬等の総額の内訳は、譲渡制限付株式報酬45,670千円です。

個人別報酬が開示されている役員は、石田健一郎氏(1.25億円)です。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。