マミーマートホールディングス 転職ガイド:有価証券報告書等から読み解く会社の実態

マミーマートホールディングス 転職ガイド:有価証券報告書等から読み解く会社の実態

東証スタンダード市場に上場し、埼玉県を中心にスーパーマーケット事業を展開する企業です。生鮮食料品を主力とし、「マミーマート」「生鮮市場TOP!」「マミープラス」の3業態を運営しています。直近の決算では、売上高1914億円、経常利益72億円となり、積極的な出店と既存店改装により増収増益を達成しました。


※本記事は、株式会社マミーマートホールディングス の有価証券報告書(第60期、自 2024年10月1日 至 2025年9月30日、2025年12月18日 提出)の公開情報に基づき作成しています。会計基準は Japan GAAP です。

1. マミーマートホールディングスってどんな会社?


埼玉県を地盤に関東エリアでスーパーマーケットを展開し、「マミーマート」「生鮮市場TOP!」「マミープラス」の3つのフォーマットで多様なニーズに対応しています。

(1) 会社概要


1965年に岩崎商事として設立され、1988年にマミーマートへ商号変更しました。2004年にジャスダックへ上場し、2022年の市場区分見直しに伴い東証スタンダード市場へ移行しました。2025年10月には持株会社体制へ移行し、現社名に変更しています。

連結従業員数は1,137名、単体では1,058名です。筆頭株主は資産管理会社のライブ・コアで、第2位には業務提携先でもある総合商社の住友商事が名を連ねています。

氏名 持株比率
ライブ・コア 32.47%
住友商事 21.63%
マミーマート共栄会 8.26%

(2) 経営陣


同社の役員は男性12名、女性2名の計14名で構成され、女性役員比率は14.3%です。代表取締役社長は岩崎裕文氏が務めています。社外取締役比率は30.0%です。

氏名 役職 主な経歴
岩崎 裕文 代表取締役社長 1998年入社。常務取締役管理本部長、同業務統括本部長、代表取締役副社長等を経て2008年より現職。
斯波 範雄 取締役副社長執行役員業務本部長彩裕フーズ株式会社代表取締役会長 2003年入社。取締役販売事業部長、常務取締役、専務取締役等を経て現職。
青木 繁 常務取締役執行役員 1997年入社。執行役員総合企画室長、取締役執行役員営業戦略室長等を経て現職。
木場田 裕樹 常務取締役執行役員 2017年入社。執行役員販売事業部長兼オペレーション構築室長等を経て現職。
原 修 取締役執行役員人事部長 1994年入社。商品事業部グローサリー部長等を経て2018年より現職。
清水 大輔 取締役執行役員 1996年入社。執行役員ニューフォーマット事業部長、同TOP!事業部長等を経て現職。
若林 寛 取締役執行役員統括経営監査部長 住友商事出身。同社ライフスタイル・リテイル事業本部等を経て2021年入社。同年より現職。


社外取締役は、東野和彰(住友商事国内リテイルユニット長)、永井美保子(元資生堂コーポレートコミュニケーション本部長)、柳好美(元モスフードサービス取締役)です。

2. 事業内容


同社グループは、「スーパーマーケット事業」および「その他」事業を展開しています。

(1) スーパーマーケット事業


生鮮食料品、一般食料品、日用雑貨などの販売を行っています。地域密着型の「マミーマート」、生鮮特化型の「生鮮市場TOP!」、ディスカウント業態の「マミープラス」を展開し、多様な顧客ニーズに対応しています。

収益は一般消費者への商品販売による売上高です。運営は主にマミーマートホールディングスが行い、子会社の彩裕フーズが生鮮食料品の加工を、マミーサービスが店舗の清掃・管理サービスを担当しています。

(2) その他事業


温浴施設の運営および葬祭サービスの提供を行っています。

収益は施設利用者からの利用料やサービス料等です。運営は子会社のマミーサービスが行っています。

3. 業績・財務状況


同社の連結業績をデータで分析します。

(1) 業績推移


直近5期間の業績は、売上高、経常利益ともに増加傾向にあります。特に直近の2025年9月期は売上高が1900億円を超え、利益面でも過去最高水準を更新するなど、好調な推移を見せています。

項目 2021年9月期 2022年9月期 2023年9月期 2024年9月期 2025年9月期
売上高 1,353億円 1,307億円 1,426億円 1,585億円 1,914億円
経常利益 64億円 54億円 64億円 70億円 72億円
利益率(%) 4.7% 4.2% 4.5% 4.4% 3.8%
当期利益(親会社所有者帰属) 30億円 30億円 38億円 41億円 45億円

(2) 損益計算書


売上高の大幅な増加に伴い、売上総利益も拡大しています。営業利益率は低下傾向にありますが、増収効果により営業利益額自体は増加しており、事業規模の拡大が進んでいます。

項目 2024年9月期 2025年9月期
売上高 1,585億円 1,914億円
売上総利益 368億円 422億円
売上総利益率(%) 23.2% 22.0%
営業利益 64億円 67億円
営業利益率(%) 4.1% 3.5%


販売費及び一般管理費のうち、給料及び賞与が161億円(構成比43%)、賃借料が42億円(同11%)を占めています。売上原価は売上原価合計の100%を占め、商品仕入による費用が中心です。

(3) セグメント収益


スーパーマーケット事業は新規出店や既存店改装の効果により増収増益となりました。その他事業も増収増益で推移しています。

区分 売上(2024年9月期) 売上(2025年9月期) 利益(2024年9月期) 利益(2025年9月期) 利益率
スーパーマーケット事業 1,603億円 1,932億円 64億円 67億円 3.5%
その他 4億円 5億円 0.4億円 0.8億円 16.0%
連結(合計) 1,607億円 1,937億円 64億円 67億円 3.5%

(4) キャッシュ・フローと財務指標


企業の収益力を測るROE(自己資本利益率)は13.1%で市場平均を上回る一方、財務の安定性・安全性を測る自己資本比率は48.8%で市場平均を上回っています。

項目 2024年9月期 2025年9月期
営業CF 9億円 102億円
投資CF -57億円 -98億円
財務CF 6億円 -5億円

4. 経営方針・戦略


同社が掲げる経営理念と、それを実現するための企業文化、および今後の具体的な成長戦略について解説します。

(1) 経営理念


同社グループは「Enjoy Life!」をグループコンセプトとしています。これは、お客様に毎日の食生活を通じて、健康で笑顔あふれる豊かな人生を楽しんでいただくことを応援するという独自の考え方です。健康寿命を延ばしたいという想いを胸に、関わる全ての方の人生を笑顔であふれるものにすることを目指しています。

(2) 企業文化


同社では、お客様、従業員、企業の三方良しに向けた問題・課題解決のための「M3カイゼン活動」を推進しています。主体的な活動を見える化し、従業員の評価へ連動させることで、「主体的に行動する人材」から「主体的にカイゼンする人材」へと成長を促し、成長マインドを持ったチーム作りを目指す文化があります。

(3) 経営計画・目標


2024年9月期から2026年9月期までの中期経営計画を推進しており、この3年間を収益力拡大へ向けた「先行投資フェーズ」と位置づけています。最終年度となる2026年9月期には、9店舗の新規出店および2店舗の業態転換を伴う改装を計画しており、安定的な利益確保と売上高・経常利益のさらなる向上を目指しています。

(4) 成長戦略と重点施策


中期経営計画では、「圧倒的地域No.1店舗の構築」「出店・改装スピードアップとエリア拡大」「人材育成」の3つを重点方針としています。特に、新フォーマットである「生鮮市場TOP!」と「マミープラス」への業態転換を進め、広域関東圏へのエリア拡大を図るとともに、AI・DX関連や物流センターへの投資も実行します。

5. 働く環境


同社の人材戦略と、給与水準や働きやすさに関する指標を解説します。

(1) 人材戦略・方針


育成スピードアップと採用拡大を方針とし、会社の成長・拡大に対応できる人的資本体制の構築を目指しています。人的資本への投資や諸制度改革を実行するとともに、LSP(Labor Scheduling Program)導入による最適な人員配置を行い、従業員のやりがい、働きやすさ、創造性発揮の好循環を構築する方針です。

(2) 給与水準・報酬設計


同社(単体)従業員の平均年間給与はスタンダード市場の平均とほぼ同じ水準です。

項目 平均年齢 平均勤続年数 平均年間給与
2025年9月期 41.5歳 11.7年 592万円


※平均年間給与は賞与及び基準外賃金を含みます。

(3) 人的資本開示


同社は以下のような人的資本・多様性の開示を行っています。

項目 数値
女性管理職比率 5.4%
男性育児休業取得率 60.0%
男女賃金差異(全労働者) 58.3%
男女賃金差異(正規) 79.0%
男女賃金差異(非正規) 93.3%


また、同社は「サステナビリティ」等のセクションにおいて、法定開示以外の指標も掲載しています。例えば、有休消化率(全労働者)(85.3%)、有休消化率(正規雇用)(64.7%)などです。

6. 事業等のリスク


事業環境やシステムに関連する主なリスク要因を概観します。

(1) 自然災害・感染症による影響

本社、物流センター、店舗等において、地震や台風などの自然災害、あるいは予期せぬ感染症等が発生した場合、施設や物流網に損害が生じ、営業活動が阻害される可能性があります。これにより、同社グループの売上高および業績に影響を及ぼす可能性があります。

(2) 経済状況及び金利変動

小売事業は景気や個人消費の動向、異常気象による生鮮相場変動の影響を受けます。また、設備投資資金を主に固定金利の借入金で調達していますが、急激な金利上昇が発生した場合は、業績に影響を及ぼす可能性があります。

(3) 業界動向及び出店競合

スーパーマーケット業界はオーバーストア状態にあり、競争激化が見込まれます。独自の商品力強化等で差別化を図っていますが、競争の激化は売上高および業績に影響を及ぼす可能性があります。また、建築コスト上昇や人手不足による新規出店コストの増加や工期延長もリスク要因となります。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。