※本記事は、日本ファルコム株式会社 の有価証券報告書(2025年9月期、2024年10月1日 ~ 2025年9月30日、2025年12月19日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
日本ファルコムは、ゲームソフトの企画、制作、開発、販売を主たる業務としています。主にロールプレイングゲームを中心とした製品部門と、国内外へのライセンス許諾を行うライセンス部門の二部門で事業を展開しています。
単体従業員数は69名です。同社の事業セグメントは、製品部門とライセンス部門の2つです。
同社は連結財務諸表を作成しておらず、関係会社も存在しません。ゲームソフトの企画、制作、開発、販売は主に自社内で一貫して行っています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
日本ファルコムは、ゲームソフトウェアの開発・販売を手がける企業です。同社での働き方を考える上で、給与水準や従業員の定着傾向、そして人材育成に対する考え方は重要な要素となります。ゲーム業界特有の専門性と創造性が求められる環境で、どのようなキャリアを築けるのか、具体的なデータと方針から見ていきましょう。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、従業員の平均勤続年数が比較的長く、平均年齢も中堅層が中心となっています。このことから、長期的にキャリアを形成しやすい環境である傾向がうかがえます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 5,569,000円 |
| 平均勤続年数 | 14.8年 |
| 平均年齢 | 39.3歳 |
| 単体従業員数 | 69人 |
なお、退職給付制度に関する記載はありません。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
日本ファルコムは、中長期的な企業価値向上と持続的成長のため、人材の多様性の確保を含む人材育成と社内環境整備を重要な方針としています。性別、年齢、国籍、新卒、中途採用を問わず、能力を有する人材を積極的に採用する考えです。
また、男女ともに社員が育児や介護と仕事を両立しやすい環境を作ることを目指しています。具体的な数値目標の設定は困難であるとしつつも、代表取締役社長が社員一人一人に対して定期的に意見聴取を実施するなど、取り組みの有効性確保に努めています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」の規定による公表義務の対象ではないため、提出会社単体の法定開示データは開示されていません。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
日本ファルコムは、ゲームソフトの企画、制作、開発、販売を主たる業務としています。ユーザーに喜ばれるゲームコンテンツづくりにこだわり、国内外で幅広い展開を進めています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社は、主にロールプレイングゲームを中心としたゲームソフトの企画、制作、開発、販売を行う製品部門と、ゲームソフトや音楽コンテンツのライセンス許諾を行うライセンス部門の二部門で事業活動を展開しています。製品部門では、PlayStation 5やNintendo Switch、Steamといった多様なプラットフォーム向けに新作や移植タイトルを発売し、音楽CDの企画・制作・販売も手掛けています。ライセンス部門では、日本国内の各種家庭用ゲーム機ソフトの開発・販売ライセンス許諾に加え、海外への現地語化・販売ライセンス許諾、モバイルアプリやインターネットダウンロード販売、書籍等のライセンス許諾を通じて収益を得ています。ライセンス許諾は契約一時金やランニング・ロイヤリティーの契約形態に応じてロイヤリティー収入を計上しており、安定的な収益源となっています。
同社の事業は、海外地域への展開も積極的に進めており、北米・欧州・アジア地域へのライセンス許諾や、スマートフォン向けアプリ、アニメなどのメディア展開、他社コンテンツとのコラボレーション企画、各種イベント開催など、多角的なグローバル戦略を推進しています。地域別の売上高を見ると、日本国内だけでなく、北米・欧州地域からの収益も大きな割合を占めており、海外市場での存在感を示しています。また、為替差益の増加が経常利益に影響を与えていることから、為替変動が業績に影響を与える可能性があります。販売実績においては、特定の販売先への収益集中が見られる傾向があります。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社の当事業年度の業績は、売上高、営業利益、経常利益、当期純利益のいずれも前期と比較して増加しました。売上高は前期から増加し、営業利益も前期を上回る結果となりました。経常利益は営業利益の増加に加え、為替差益の増加も寄与し、前期から大きく増加しています。当期純利益も前期より増加しました。
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
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4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
日本ファルコムは、財務の安定性を確保しながら事業を展開しています。本業で安定して資金を生み出し、将来に向けた投資も行っています。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社の自己資本比率は高い水準にあり、強固な財務基盤を築いています。手元資金も増加傾向にあり、事業運営の安定性を示しています。これらの財務状況は、従業員の雇用や給与の安定につながる基盤であると言えます。
| 指標 | 2024年9月期(前期) | 2025年9月期(当期) |
|---|---|---|
| 自己資本比率 | 95.1% | 94.6% |
| ROE(自己資本利益率) | - | - |
| 現金及び預金等 | 95.4億円 | 103.5億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社は営業活動により安定的に資金を増やしています。これは主に税引前当期純利益の計上によるものです。投資活動による資金の増減はほぼなく、財務活動では配当金の支払いによる資金の減少が見られます。
本業で安定して資金を生み出し、投資も行いつつ、配当も実施できる健全な財務状況を示しています。これは、同社の事業が安定しており、将来的な成長に向けた基盤も維持されていることを示しています。安定した資金の流れは、従業員の雇用や給与の安定性にもつながる要素です。
| 項目 | 2024年9月期(前期) | 2025年9月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 8.5億円 | 10.1億円 |
| 投資CF | △1百万円 | 0百万円 |
| 財務CF | △204百万円 | △204百万円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 8.5億円 | 10.1億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社の業績は、「イース」シリーズや「軌跡」シリーズといった特定のゲームソフトへの依存度が高くなる傾向にあります。市場環境の変化やゲームコンテンツ(IP)の陳腐化が生じた場合、業績に影響を与える可能性があります。
また、ゲームソフトの販売開始時に売上の多くが集中するため、新製品の発売時期により四半期ごとに業績が大幅に変動する可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
今後の事業拡大には、特に開発分野で十分な知識と技術を有する人材の確保・育成が不可欠であると認識しています。適格な人材を十分に確保できなかった場合、事業拡大に制約が生じ、業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
日本ファルコムは、個人の創造力を尊重し、チームワークによってオリジナリティあふれるゲームコンテンツを創出する企業です。これらの魅力を世界中のお客様に伝え、事業の裾野を広げることを目指しています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社は、個人の創造力を尊重し、チームワークによってその効果を最大限に高めることを経営の基本方針としています。オリジナリティあふれるゲームコンテンツ及びサービスの創出を目指しています。
これらの魅力を様々な分野・プラットフォームを通じて世界中のお客様に伝えることに努め、継続して事業の裾野を広げていくことをビジョンとしています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社は、創業以来培ってきたノウハウとブランドを基礎に、攻守のバランスが取れた経営基盤作りを推進する企業風土を持っています。人材の多様性の確保を含む人材育成に関する方針として、性別・年齢・国籍・新卒・中途採用を問わず、能力を有する人材を採用することを掲げています。
また、男女ともに社員が育児や介護等と仕事を両立しやすい環境を作ることを方針としています。代表取締役社長が社員一人一人に対して定期的に意見聴取を実施するなど、社員の声に耳を傾ける姿勢があります。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社は、コンテンツメーカーとしての競争力をさらに高めるため、人材の採用及び育成に注力することを優先的な課題としています。業界の老舗として培ってきた多くのノウハウ、技術、価値観を着実に伝え、組織の中核を担える創造力豊かな人材の育成に取り組んでいます。
また、企画・開発・広報・販売といった一連の業務サイクルをより的確かつスピーディーに進めることで、社内の活性化を一層促すことを目指しています。コンテンツ及びサービスを供給するペースをさらに向上させることも重点テーマとしています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
日本ファルコムは、取締役会設置会社及び監査役会設置会社として、迅速な意思決定と業務執行、そして経営の健全性・透明性の確保を目指しています。取締役会は5名の取締役で構成され、監査役4名が監査役会を組織しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
日本ファルコムの筆頭株主は株式会社日本ファルコムホールディングスです。上位株主には、創業家関連の個人株主である加藤圭氏と加藤翔氏も名を連ねています。同社は関連会社と創業家関連の個人株主によって支えられている資本構成となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 日本ファルコムホールディングス | 40.46% |
| 加藤圭 | 10.44% |
| 加藤翔 | 10.40% |
| 五味大輔 | 4.53% |
| KOREA SECURITIES DEPOSITORY | 4.01% |
なお、前事業年度末において主要株主であった加藤正幸氏は2024年12月15日に逝去し、所有株式は加藤圭氏及び加藤翔氏へ相続されました。この相続により、新たに加藤圭氏及び加藤翔氏が主要株主となりました。また、五味大輔氏は2025年11月13日現在で620,000株(6.03%)を所有している旨が大量保有報告書に記載されています。
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は9名(男性7名・女性2名)で構成され、女性役員比率は22.2%です。代表取締役社長は近藤季洋氏が務めています。社外取締役比率は20.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 近藤 季洋 | 代表取締役社長 | 1998年4月旧日本ファルコム株式会社入社、2001年11月新設分割により同社に転籍、2007年7月同社代表取締役社長より現職。 |
| 中野 貴司 | 専務取締役 | 1998年4月旧日本ファルコム株式会社入社、2001年11月新設分割により同社に転籍、2024年12月同社専務取締役より現職。 |
| 石川 三恵子 | 取締役デザインユニットエグゼクティブマネージャー | 1987年7月旧日本ファルコム株式会社入社、2001年11月新設分割により同社に転籍、2020年1月取締役デザインユニットエグゼクティブマネージャーより現職。 |
| 草野 孝之 | 取締役クリエイティブユニットクリエイティブディレクター | 1991年4月旧日本ファルコム株式会社入社、2001年11月新設分割により同社に転籍、2020年1月取締役クリエイティブユニットクリエイティブディレクターより現職。 |
社外取締役は、谷逸平氏(株式会社工画堂スタジオ代表取締役社長)です。
同社は監査役会設置会社であり、取締役会による迅速な意思決定と監査役会による経営監視の体制をとっています。社外取締役は、企業経営や業界における豊富な経験・識見に基づき、客観的な助言や提言を行う役割を担っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
日本ファルコムの役員報酬は、固定の金銭報酬を基本としています。取締役の報酬は、株主総会で決議された報酬総額の範囲内で、同社の業績や各取締役の担当業務、貢献度などを総合的に考慮して決定されます。監査役の報酬は、監査役会での協議を経て決定されています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 5名 | 67百万円 | 13.4百万円 |
| 監査役(社外除く) | 1名 | 7百万円 | 7.0百万円 |
| 社外役員 | 3名 | 4百万円 | 1.3百万円 |
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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