【平均年収584万円】大阪油化工業 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年9月期)

【平均年収584万円】大阪油化工業 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年9月期)

大阪油化工業は、化学物質の精密蒸留を主要事業とし、医薬・農薬・電子材料など幅広い産業分野に加工技術を提供する会社です。直近期は売上高が増加し、経常利益も大幅に増えましたが、特別損失の計上により純利益は損失となりました。


目次

※本記事は、大阪油化工業株式会社 の有価証券報告書(2025年9月期、2024年10月1日 ~ 2025年9月30日、2025年12月26日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


大阪油化工業は、化学物質のわずかな蒸発温度の差を利用して混合物から目的とする物質を分離・精製する精密蒸留を主な事業としています。医薬・農薬・電子材料、航空・宇宙産業など幅広い分野で活用される加工技術を提供しています。

単体従業員数は41名、連結従業員数は52名です。セグメントは受託蒸留事業、プラント事業の2つです。

主な国内グループ会社は、(連結子会社)(プラント事業)、カイコー(同)などです。

なお、同社グループでは、プラント事業における体制見直しのため、2025年10月1日付で株式会社カイコーをユカエンジニアリング株式会社に吸収合併しています。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


大阪油化工業は、精密蒸留・精製技術を核とする化学メーカーとして、社会の発展に貢献しています。同社グループの給与水準や働き方には、安定した事業基盤と従業員の定着を重視する姿勢が反映されているようです。従業員の育成やワークライフバランスへの配慮を通じて、長期的なキャリア形成を支援する環境が整えられています。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


大阪油化工業では、従業員の平均年齢と平均勤続年数から、比較的落ち着いた年齢構成と長期的な就業傾向が見られます。これは、同社が従業員の定着を重視し、安定した環境を提供していることを示唆しています。専門技術を要する事業特性上、経験豊富な人材が長く活躍できる土壌があると考えられます。

項目 数値
平均年間給与 5,842,000円
平均勤続年数 10.4年
平均年齢 40.7歳
単体従業員数 41人
連結従業員数 52人
単体のグループ内比率 78.8%


同社グループは、確定拠出年金制度(会社が拠出した資金を従業員が運用する)を採用しています。この制度は国内グループ会社に適用されています。なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


同社グループは、人的資本をサステナブルな企業活動の源泉であり、企業価値向上に不可欠な要素と位置付けています。そのため、採用と育成、そして安心・安全に働き続けられる社内環境整備を一体的かつ継続的に実施する方針です。

人材育成においては、従業員の自主性を尊重しつつ、それぞれの働き方に合わせた必要な研修やOJTを提供しています。社内環境整備では、ワークライフバランスを重視し、長時間労働の撲滅や年次有給休暇の取得促進を通じて、仕事とプライベートのメリハリをつけられる企業風土づくりを進めています。

また、従業員の安全と心身の健康に配慮するとともに、60歳定年後も70歳までの継続雇用制度を導入し、多様な働き方を支援しています。採用活動では、性別、国籍、学歴にとらわれず、職種の特性に合った多様な人材を積極的に受け入れる方針です。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データは開示されていません。

環境・サステナビリティ


基準日は2024年度実績。対象は同社及び連結子会社のScope1及びScope2の排出量の合計です。

指標 数値 目標
温室効果ガス排出量 1,431トン 今後、削減に向けた対応や目標設定について検討を進めてまいります。
削減率(2019年度実績比) +3.7% -
原単位(売上高100万円)当たりの温室効果ガス排出量 1.214トン -

健康・安全


基準日は2024年度実績。

指標 数値 目標
労働災害発生件数 1 0
死亡事故災害件数 0 0

人材育成・エンゲージメント


基準日は2024年度実績。年次有給休暇取得率は12月末時点での実績数値です。

指標 数値 目標
一人当たり月平均所定時間外労働時間 8.6時間 15.0時間
年次有給休暇取得率 93.2% 80.0%

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


大阪油化工業は、化学物質の精密蒸留を専門とする企業グループです。長年培ってきた技術と経験を活かし、顧客の製品価値向上に貢献するサービスを提供しています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、精密蒸留技術を核に「受託蒸留事業」と「プラント事業」の二つのセグメントを展開しています。これらの事業を通じて、機能性化学品などの製造過程における材料の精製を請け負い、顧客の多様なニーズに応えています。海外への売上高は開示されておらず、国内市場に特化した事業展開となっています。

受託蒸留事業

この事業では、創業以来の技術と経験に基づき、同社グループの蒸留装置で原料を精製し、安定した製品を提供しています。原料の選定から最適な蒸留方法、収集データの活用方法まで、総合的な提案を行っています。収益は、精密蒸留の受託加工や研究開発支援から得ています。当連結会計年度においては、半導体・電子材料向けの需要回復や資源・エネルギー関連案件の増加により、売上高は前期から大きく伸びています。

プラント事業

プラント事業では、蒸留装置とろ過装置の設計、販売、保守サービスを提供しています。特に蒸留装置に関しては、同社グループ独自の技術と経験を活かし、設備での試験データに基づいた設計・販売、運転時の技術支援、生産体制確立のための最適条件提案まで行っています。収益は、これらの装置の販売やメンテナンス、消耗品販売から得ています。当連結会計年度は、案件の長期化により多くの案件が次期に繰り越された影響で、売上高は前期から減少しています。

同社グループは、精密蒸留精製において、基礎研究段階から製造規模まで対応できる「受託蒸留事業」と、顧客が自社で蒸留を行うための支援サービスである「プラント事業」を包括的に提供することで、顧客に最適なソリューションを提案できる体制を強みとしています。主要な顧客はダウ・東レ株式会社、住友商事ケミカル株式会社、ENEOS株式会社であり、特に受託蒸留事業において特定の顧客への売上集中が見られます。

セグメント 売上高(2024年9月期) 売上高(2025年9月期)
受託蒸留事業 8.7億円 11.0億円
プラント事業 1.1億円 79百万円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの過去5期間の業績を見ると、売上高は一時的な減少があったものの、当連結会計年度には増加に転じています。経常利益も同様に、一度の減少を経て当連結会計年度には大幅な増加を示しました。一方で、親会社株主に帰属する当期純利益は、過去に損失を計上した期があり、当連結会計年度も損失となっています。これは、公開買付けに伴う関連費用や減損損失といった特別損失の計上が主な要因です。本業のキャッシュ創出力を示す営業活動によるキャッシュ・フローは、当連結会計年度に大きく増加しており、本業からの資金創出は堅調に推移していることがうかがえます。

項目 2021年9月期 2022年9月期 2023年9月期 2024年9月期 2025年9月期
売上高 12.2億円 11.8億円 12.4億円 9.9億円 11.8億円
経常利益 1.3億円 1.4億円 1.1億円 19百万円 1.4億円
経常利益率 10.4% 11.9% 9.0% 2.0% 11.8%
親会社株主に帰属する当期純利益 80百万円 88百万円 △9百万円 0百万円 △32百万円
1株当たり当期純利益(円) 76.25 83.24 △8.38 0.06 △30.77

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたりの売上高は、当連結会計年度において前期から増加しています。また、従業員1人あたりの営業利益も前期から大きく向上しており、組織全体の生産性が改善している傾向が見られます。これは、売上高の増加と営業利益の大幅な改善が要因と考えられます。

指標 2024年9月期(前期) 2025年9月期(当期)
従業員1人あたり売上高(連結) 19.0百万円 22.7百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 0.4百万円 2.7百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


同社グループの財務状況は、事業活動で得た資金を元手に、安定した経営基盤を維持していることを示しています。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの自己資本比率は高い水準を維持しており、強固な財務基盤を示しています。手元資金も増加傾向にあり、不測の事態への耐性があると考えられます。一方で、ROE(自己資本利益率)は当期にマイナスとなっており、収益性については今後の動向が注目されます。

指標 2024年9月期(前期) 2025年9月期(当期)
純資産 17.2億円 16.5億円
自己資本比率 88.9% 88.8%
ROE(自己資本利益率) 0.0% -1.9%
現金及び預金 7.6億円 8.7億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループの営業活動によるキャッシュフローは、当期に大幅な増加となりました。これは、減価償却費の計上や売上債権、棚卸資産の減少が主な要因となっています。投資活動によるキャッシュフローは、有形固定資産の取得による支出が主な要因で、引き続きマイナスで推移しています。財務活動によるキャッシュフローは、配当金の支払いによりマイナスとなっています。

これらの結果、フリーキャッシュフローは当期にプラスに転じており、本業で得た資金で投資を行いながらも、手元に資金が残る状況を示しています。この資金の流れは、同社グループが安定した事業運営を継続し、将来に向けた投資も行いつつ、雇用や給与の安定性を維持する基盤となっていると考えられます。

項目 2024年9月期(前期) 2025年9月期(当期)
営業CF 52百万円 2.1億円
投資CF △68百万円 △60百万円
財務CF △36百万円 △37百万円
フリーCF(営業CF+投資CF) △16百万円 1.5億円


※フリーCF(フリーキャッシュ・フロー)とは、会社が事業活動と投資活動を通じて自由に使える余剰資金のこと。

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループは、特定の販売先への依存リスクを認識しています。主要顧客の方針変更等により取引が終了または大幅に縮小した場合、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、新規事業であるプラント事業の育成・成長に取り組んでいますが、マーケット分析やサービス開発に時間を要することや、必要な資源の獲得コストが予想以上にかかるなど、計画が順調に進まない可能性も想定されています。

③ 人材・組織に関するリスク

同社グループは少人数で業務を遂行しており、今後の事業拡大に応じて積極的な人材の採用及び育成に取り組む方針です。しかし、人材の採用や技術承継が順調に進まなかった場合、または既存の人材が社外に流出した場合には、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


大阪油化工業は、精密蒸留・精製技術を核に、豊かな価値を創造し社会の発展に貢献することを経営方針としています。人材を競争力の源泉と捉え、持続的な成長と企業価値向上を目指す企業です。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


大阪油化工業グループは、「社業を通じ、豊かな価値を創造し、社会の発展に貢献する」という経営方針を掲げています。中長期的な成長力と収益力の強化を重視し、持続的な成長を目指しています。具体的には、人材の育成、受託蒸留事業の堅実な成長、プラント事業の実績積上げ、経営管理体制の強化を重要な課題として取り組んでいます。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


大阪油化工業グループは、人材を競争力の源泉と位置づけ、その採用と育成を重要な経営課題としています。同社グループは「精密蒸留・精製という社業を通じ、豊かな価値を創造し、社会の発展に貢献します」というCSR基本方針に基づき、精製技術を通じて社会課題の解決と地球環境の保全に貢献することを目指しています。

人的資本を企業価値向上の源泉と捉え、安心・安全な社内環境整備を重視しています。ワークライフ・バランスを尊重し、長時間労働の撲滅や年次有給休暇取得を推進することで、社員の安全と心身の健康に配慮した企業風土づくりを進めています。定年後も70歳までの継続雇用制度を導入し、多様な働き方を支援しています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


大阪油化工業グループは、持続的な成長を目指し、2026年9月期以降の重要な課題として複数のテーマに取り組んでいます。人材の育成においては、専門性を高める技術研修や安全指導、勤務環境の整備に積極的な投資を行っています。

また、受託蒸留事業では、生産能力増強や他の精製技術の周辺サービスへの展開、きめ細やかな顧客対応による顧客満足度向上を通じて、堅実な成長を目指しています。プラント事業では、受託蒸留事業で培った実績や知見を活かした技術支援や生産体制構築支援、認知度向上、納入後のメンテナンス体制の充実を図っています。さらに、企業価値向上のため、事業の成長や業容拡大に合わせた経営管理体制の強化も重要な課題としています。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


大阪油化工業は、監査等委員会設置会社として、外部の視点を取り入れた経営監督機能の強化を図っています。取締役会は社外取締役を含む構成となっており、経営の健全性と透明性の確保を目指しています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


大阪油化工業の株主構成を見ると、筆頭株主は事業会社であるエルアール株式会社です。また、代表取締役社長CEOである堀田哲平氏が個人として第2位の大株主となっています。このように、特定の事業会社と経営トップが上位株主として名を連ねており、経営に対する影響力を持つ資本構成となっています。

株主名 持株比率
エルアール 34.25%
堀田 哲平 22.80%
森田 成之 5.14%
野村 直樹 2.75%
島田 嘉人 2.66%


前事業年度末において主要株主であったTHE HONGKONG AND SHANGHAI BANKING CORPORATION LTD - SINGAPORE BRANCH PRIVATE BANKING DIVISION CLIENTS A/C 8221-623793は、当事業年度末において主要株主ではなくなり、エルアール株式会社が新たに主要株主となりました。

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は8名(男性7名・女性1名)で構成され、女性役員比率は12.5%です。代表取締役社長CEOは堀田哲平氏が務めています。社外取締役比率は62.5%です。

氏名 役職 主な経歴
堀田 哲平 代表取締役社長 CEO マスミューチュアル生命保険株式会社(現ニッセイ・ウェルス生命保険株式会社)入社後、同社専務取締役、代表取締役社長を歴任。ユカエンジニアリング株式会社代表取締役社長、株式会社カイコー代表取締役社長を経て、2025年12月より現職。
野村 直樹 取締役 専務執行役員 製造部長兼工場長 COO 同社入社後、製造課課長、副工場長、取締役製造部長兼工場長、専務取締役製造部長兼工場長を歴任。ユカエンジニアリング株式会社取締役、株式会社カイコー取締役を経て、2025年12月より現職。
戸村 吉裕 取締役 常務執行役員 技術営業部長 日本油脂株式会社(現日油株式会社)入社後、大阪支社化成品営業部長などを務める。シンコールケミカル・ターミナル株式会社営業部長、品質環境部長を経て、同社入社。2025年12月より現職。


社外取締役は、本田佳人氏(エルアール代表取締役)、金川正氏(元りそな銀行上席マスター監査員・常勤監査等委員)、橋森正樹氏(橋森・幡野法律会計事務所代表・監査等委員)、中辻洋司氏(元大阪工業大学特任教授・監査等委員)、宮宇地景子氏(宮宇地公認会計士事務所代表・監査等委員)です。

同社は監査等委員会設置会社であり、2025年12月25日開催の定時株主総会で移行しました。外部の視点からの経営監督機能を強化するため、社外取締役5名(うち監査等委員である社外取締役4名)を選任し、経営の健全性・効率性を確保する体制をとっています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


大阪油化工業の役員報酬は、企業価値の持続的な向上と株主との価値共有を目的とした体系です。業務執行取締役には固定報酬としての基本報酬と譲渡制限付株式による非金銭報酬が支給されます。一方、監督機能を担う社外取締役および監査等委員である取締役には、その職務に鑑み基本報酬のみが支払われる仕組みです。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 4名 72百万円 18.1百万円
社外取締役 2名 7百万円 3.6百万円
社外監査役 3名 10百万円 3.2百万円


なお、総額には期中に退任した役員の報酬が含まれます。また、上記の非金銭報酬等の額は、取締役3名に対する当事業年度における譲渡制限付株式報酬の費用計上額です。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。