リビン・テクノロジーズ 転職ガイド:有価証券報告書等から読み解く会社の実態

リビン・テクノロジーズ 転職ガイド:有価証券報告書等から読み解く会社の実態

リビン・テクノロジーズは東京証券取引所(グロース市場)および名古屋証券取引所(メイン市場)に上場し、不動産関連のDXプラットフォーム事業を展開しています。2025年9月期は主力メディアの広告効率改善等により、売上高は横ばいながら各利益項目で大幅な増益を達成しました。(139文字)


※本記事は、リビン・テクノロジーズ株式会社 の有価証券報告書(第22期、自 2024年10月1日 至 2025年9月30日、2025年12月26日 提出)の公開情報に基づき作成しています。会計基準は Japan GAAP です。

1. リビン・テクノロジーズってどんな会社?


同社は不動産・住宅業界に特化したマッチングプラットフォームと業務支援クラウドサービスを提供する企業です。

(1) 会社概要


2004年に設立され、2006年に不動産プラットフォーム事業へ進出しました。2019年に東証マザーズ(現グロース)へ上場を果たし、その後も外壁塗装比較サイトやバーチャル住宅展示場などの新規事業を展開しています。2025年には名古屋証券取引所メイン市場への重複上場を行うなど、事業基盤の拡大を続けています。

連結従業員数は87名、単体では83名体制です。大株主構成は、筆頭株主が創業者の川合大無氏(42.18%)、第2位が同氏の資産管理会社である川合商会(30.80%)となっており、創業者とその関連会社が過半数を保有する安定した株主構成となっています。

氏名 持株比率
川合 大無 42.18%
川合商会 30.80%
柴田 健一 2.66%

(2) 経営陣


同社の役員は男性6名、女性0名の計6名で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は川合大無氏が務めています。社外取締役比率は50.0%です。

氏名 役職 主な経歴
川合 大無 代表取締役社長 1998年ニチモウ入社。バリューコマース、サイバーエージェントを経て、2004年に同社を設立し代表取締役社長に就任。2023年より仲介王の取締役も兼任し、現在に至る。
小林 翔太郎 取締役管理部 部長 2012年ホームアドバイザー(現くふう住まい)入社。2016年に同社入社。WARC、ミナカラ、キッズスターを経て、2023年に同社取締役に就任。2024年より管理部部長を務める。
國藤 直樹 取締役不動産メディア事業ユニット事業ユニット長 1997年ガリバーズトラベルエージェシー入社。サイバーエージェント、楽天等を経て2015年に同社入社。マーケティング部長等を歴任し、2025年より現職。


社外取締役は、井田英明(BOOKWELL代表取締役)、長富一勲(長富一勲公認会計士事務所所長)、大下徹朗(TT&Partners代表社員)です。

2. 事業内容


同社グループは、「DXプラットフォーム事業」および「その他」事業を展開しています。

(1) マッチングプラットフォーム


不動産を「売りたい」「管理してほしい」「建てたい」といったエンドユーザーと、不動産会社などのクライアント企業をマッチングするサービスを提供しています。主力サイト『リビンマッチ』を中心に、外壁塗装の『ぬりマッチ』などを運営しています。

主な収益源は、エンドユーザーからの問い合わせ獲得数に応じた反響課金、または月額定額の利用料です。エンドユーザーは無料で利用でき、クライアント企業は見込客を効率的に獲得できる仕組みです。運営は主にリビン・テクノロジーズが行っています。

(2) DXクラウド


不動産会社などの住宅関連企業に対し、業務効率化を支援するクラウドサービス(SaaS)を提供しています。具体的には、AI査定、SMS配信システム、営業支援システム(SFA)、Eラーニングなどを展開し、マッチング後の成約率向上を支援しています。

収益は主にクライアント企業からの月額利用料によって構成されています。サービスの提供により、クライアント企業の業務DXを推進し、エンドユーザーの満足度向上にも寄与することを目指しています。運営は同社および連結子会社が行っています。

3. 業績・財務状況


同社の連結業績をデータで分析します。

(1) 業績推移


2024年9月期から2025年9月期にかけて、売上収益は微増ながら安定的に推移しています。一方、利益面では経常利益および当期純利益ともに大幅な増加傾向にあり、利益率も大きく改善しています。これは広告費の適正化などの効率化が進んだ結果と見られます。

項目 2024年9月期 2025年9月期
売上収益(または売上高) 36億円 36億円
経常利益 2.1億円 4.7億円
利益率(%) 5.9% 13.2%
当期利益(親会社所有者帰属) 1.1億円 3.1億円

(2) 損益計算書


売上高は前期比で微増となりましたが、営業利益および営業利益率は大幅に向上しています。コストコントロールが奏功し、収益性が高まっていることが数字に表れています。

項目 2024年9月期 2025年9月期
売上高 36億円 36億円
売上総利益 -億円 -億円
売上総利益率(%) -% -%
営業利益 2.1億円 5.0億円
営業利益率(%) 5.8% 14.0%


販売費及び一般管理費のうち、広告宣伝費が17億円(構成比53%)、給料及び手当が5億円(同16%)を占めています。

(3) セグメント収益


主力のDXプラットフォーム事業においては、リビンマッチの広告効率改善等により利益が増加しました。売上高は前年と同水準を維持しつつ、効率的な運営により収益性が向上しています。

区分 売上(2024年9月期) 売上(2025年9月期)
DXプラットフォーム事業 36億円 36億円
連結(合計) 36億円 36億円

(4) キャッシュ・フローと財務指標


本業で獲得したキャッシュに加え、有価証券の償還等による投資CFのプラスを原資として、借入金の返済や自己株式の取得を進めており、財務体質の改善と株主還元を行っている改善型と言えます。

項目 2024年9月期 2025年9月期
営業CF 1.0億円 4.5億円
投資CF -5.1億円 0.8億円
財務CF 11.7億円 -4.9億円


企業の収益力を測るROE(自己資本利益率)は19.3%で市場平均を上回る一方、財務の安定性・安全性を測る自己資本比率は51.6%で市場平均を上回っています。

4. 経営方針・戦略


同社が掲げる経営理念と、それを実現するための企業文化、および今後の具体的な成長戦略について解説します。

(1) 経営理念


同社グループは、「情報をもっと簡単、便利、快適に」をコンセプトに掲げています。情報活用の利便性を追求し、すべての人により快適なユーザーエクスペリエンス(UX)を提供すると同時に、住生活関連ビジネスのパフォーマンス向上を支えるための事業を展開していくことを基本方針としています。

(2) 企業文化


同社は、新規サービスの開発、優秀な人材の確保・育成、内部管理体制の強化に注力し、強固な事業基盤を確立することを重視しています。また、ユーザーとクライアント双方にメリットのあるプラットフォームを目指し、継続的な改善と価値向上に取り組む姿勢を持っています。

(3) 経営計画・目標


同社グループは、持続的な利益成長を目指し、継続的な事業拡大の観点から各サービスの成長性や効率性の向上に取り組んでいます。その達成度を測るための客観的な経営指標として、「営業収益」および「営業利益」を重要視しています。具体的な数値目標は明示されていませんが、これらを重視した経営を行っています。

(4) 成長戦略と重点施策


主力事業『リビンマッチ』の魅力と認知度を向上させ、オーガニック経由の集客強化や広告費用対効果の改善を図ります。また、『ぬりマッチ』や『メタ住宅展示場』などの第2の柱となる事業規模の拡大を急務とし、新規サービスの開発やAI等の先端技術の商品化にも注力します。さらに、人材採用・育成による営業力強化も推進します。

5. 働く環境


同社の人材戦略と、給与水準や働きやすさに関する指標を解説します。

(1) 人材戦略・方針


事業拡大に向けて、中途および新卒採用により優秀な人材を確保し、企業風土に合った人材を登用する方針です。また、従業員やチームが最大限のパフォーマンスを発揮できるよう教育体制を整備し、人材の定着と能力の底上げを図ることで、組織体制の強化に取り組んでいます。

(2) 給与水準・報酬設計


同社(単体)従業員の平均年間給与はグロース市場の平均とほぼ同じ水準です。

項目 平均年齢 平均勤続年数 平均年間給与
2025年9月期 34.0歳 3.7年 6,168,000円


※平均年間給与は賞与及び基準外賃金を含みます。

(3) 人的資本開示


同社および連結子会社は「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」等の規定による公表義務の対象ではないため、有報には本項の記載がありません。

また、同社は「サステナビリティ」等のセクションにおいて、法定開示以外の指標も掲載しています。例えば、IT関連有資格者(18名増加)などです。

6. 事業等のリスク


事業環境やシステムに関連する主なリスク要因を概観します。

(1) 不動産・住宅業界市場の動向


同社グループは不動産・住宅業界に特化したサービスを提供しているため、景気後退や金利上昇、住宅税制の変更等により不動産取引が低迷し、業界全体の広告出稿が大幅に減少した場合、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(2) 広告宣伝費の費用対効果


主力メディアの運営において広告宣伝費は重要な投資ですが、広告媒体の掲載基準変更や検索エンジンの表示ロジック変更、競争環境の変化などにより、広告効果が変動するリスクがあります。費用対効果が悪化した場合、集客数の減少やコスト増につながる可能性があります。

(3) 技術革新への対応遅れ


インターネット業界の技術革新スピードは速く、AI等の新技術や顧客ニーズの変化に迅速に対応できない場合、サービスの陳腐化を招く恐れがあります。継続的な技術情報の収集と対応が必要不可欠です。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。