※本記事は、株式会社プレイド の有価証券報告書(2025年9月期、2024年10月1日 ~ 2025年9月30日、2025年12月17日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
プレイドは「データによって人の価値を最大化する」をミッションに掲げ、CXプラットフォーム「KARTE」をウェブサイトやスマートフォンアプリを運営する事業者にクラウド方式で提供しています。生活者が求める良質なコミュニケーションや体験の提供を支援しています。
プレイドの単体従業員数は396名、連結従業員数は531名です。セグメントはSaaS事業、その他周辺事業の2つです。
主な国内グループ会社は、エモーションテック、RightTouch、アジト、CODATUMなどです。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
プレイドは、SaaS事業を展開する企業として、データとテクノロジーを通じて人の価値を最大化することを目指しています。従業員の成長支援や働きやすい環境づくりに力を入れており、個々の能力を尊重する文化が特徴です。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、平均年齢が30代半ばであり、平均勤続年数は比較的短くなっています。これは、新しい人材が継続的に加わり、組織が活発に成長している傾向を示しています。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 9,397,000円 |
| 平均勤続年数 | 2.8年 |
| 平均年齢 | 35.2歳 |
| 単体従業員数 | 396人 |
| 連結従業員数 | 531人 |
| 単体のグループ内比率 | 74.6% |
なお、退職給付制度に関する記載はありません。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、Purpose「PLAY&AID」、Mission「データによって人の価値を最大化する」のもと、人にフォーカスし、人々の生活をより豊かなものにすることを目指しています。人の発想や直感、創造力といった「人の価値」をデータとテクノロジーで最大化し、世界中の創造性と生産性向上に貢献することを目指しています。
「Diversity & Inclusion」の考え方を重視し、あらゆる人が自分らしく生き、ポテンシャルを発揮して活躍できる社会を目指しています。従業員と組織づくりにおいても、個の力を信じ、互いの価値観を尊重する風土の醸成に努めています。
具体的には、フラットで透明性の高いコミュニケーションに基づく挑戦機会の創出を重視しています。売上や経営上の重点指標を可能な限り透明性高く社員に公開し、意思決定前の重要な議論に社員の誰もが参加できる組織文化を形成しています。また、「挑戦しない方がリスク」という考えのもと、承認プロセスを可能な限り排除した組織体制となっています。
従業員の成長支援として、充実した学習機会を提供しています。新たに入社する全従業員を対象とした研修のほか、エンジニア向けのSQL講座や自社プロダクト理解を深めるコンテンツ配信など、高いパフォーマンスを発揮するための機会を数多く設けています。マネージャー層の育成にも力を入れており、ミドルマネジメント層を対象に1on1スキル向上や組織マネジメントスキルの開発研修を実施しています。
個々の働きやすさを追求した独自の福利厚生も特徴です。コロナ禍以前よりリモートワーク制度を導入しているほか、「PLAY-AID Holiday」という独自の休暇制度により、雇用期間に関わらず十分な休暇日数を付与し、出産・育児・介護・療養などを含め、従業員が休みやすい環境を整えています。さらに、使い道を限定しない経費を予め社員に付与する「PLAY-AID Allowance」という独自制度を導入し、業務における非効率を可能な限り減らしています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
連結子会社は法定開示の公表義務対象外のため、提出会社単体のデータを示します。管理職に占める女性労働者の割合および男性労働者の育児休業取得率は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく公表義務の対象項目として選択しておらず、公表されていません。パート・有期労働者の賃金は、正社員の所定労働時間(1日8時間)を参考に算出しています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 71.9% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 77.7% |
| 労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) | 108.2% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
プレイドは「データによって人の価値を最大化する」というミッションを掲げ、CX(顧客体験)プラットフォーム「KARTE」をウェブサイトやスマートフォンアプリを運営する事業者向けに提供しています。同社グループの事業は、顧客のオンライン行動データをリアルタイムで解析し、一人ひとりのユーザーに合わせたパーソナライズされたコミュニケーションや施策実行を可能にすることで、顧客体験の向上を支援しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
プレイドグループは、CXプラットフォーム「KARTE」の開発・提供を主力事業としています。このサービスは、事業者が運営するウェブサイトやスマートフォンアプリに組み込むことで、ユーザーの行動データを収集・解析し、個々のユーザーの状態やニーズを直感的に理解することを可能にします。これにより、事業者は顧客一人ひとりに合わせた最適な情報提供やコミュニケーションを行うことができます。
同社グループの収益モデルは、主に月額課金型(サブスクリプションモデル)を採用しており、事業者のサービスにおけるMAU数(Monthly Active Users)などに応じて利用料が決定されます。主なサービスには、ウェブサイト向けの「KARTE(for Web)」、スマートフォンアプリ向けの「KARTE for App」、そして顧客理解を深めるためのオプションである「KARTE Datahub」があります。これらのサービスは、アパレルや美容・健康といったEC事業者だけでなく、金融、人材サービス、不動産、メーカー、メディア・エンタメ、小売など、幅広い業界の企業に導入されています。
同社グループはSaaS事業の単一セグメントであり、特定の顧客に収益が集中している状況は見られません。また、本邦以外の外部顧客への売上高はないため、海外事業比率はなく、為替変動による影響も限定的であると考えられます。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
プレイドグループの業績は、過去数期にわたり売上高が着実に増加する傾向を示しています。経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益は、以前は損失を計上していた時期もありましたが、直近2期で黒字に転換し、当期は大幅な増益を達成しました。これは「KARTE」の販売強化や事業領域の拡大、既存顧客での利用範囲拡大が寄与した結果です。営業活動によるキャッシュ・フローも増加しており、本業でのキャッシュ創出力が向上していることがうかがえます。
| 項目 | 2021年9月期 | 2022年9月期 | 2023年9月期 | 2024年9月期 | 2025年9月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 54.4億円 | 73.0億円 | 86.3億円 | 110億円 | 134億円 |
| 経常利益 | △1.1億円 | △9.8億円 | △9.4億円 | 1.8億円 | 13.8億円 |
| 経常利益率 | △1.9% | △13.5% | △10.9% | 1.7% | 10.3% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | △1.1億円 | △9.3億円 | △21.1億円 | 3.2億円 | 11.0億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | △2.86 | △24.30 | △53.92 | 8.01 | 26.99 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
プレイドグループの従業員1人あたり売上高は前期から増加しており、生産性の向上が見られます。従業員1人あたり営業利益も前期から大きく増加しており、収益性の改善が進んでいることが示されています。これは事業拡大に伴う人員増強と、既存顧客における「KARTE」の利用範囲拡大による業績成長が背景にあると考えられます。組織全体の効率化と収益創出能力の強化が進んでいる状況がうかがえます。
| 指標 | 2024年9月期 | 2025年9月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 24.5百万円 | 25.2百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 0.6百万円 | 2.7百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
プレイドグループは、本業で安定した資金を生み出し、将来への投資も行いつつ、財務基盤を強化している状況です。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
プレイドグループの財務基盤は、自己資本比率とROE(自己資本利益率)の両面で良好な状態を示しています。自己資本比率はプライム市場の製造業平均や非製造業平均と比較しても高い水準にあり、財務の健全性がうかがえます。また、ROEもプライム市場平均を大きく上回っており、効率的な資本活用ができていることを示しています。手元資金である現金及び預金も増加傾向にあり、不測の事態への耐性も備わっている状況です。
| 指標 | 2024年9月期(前期) | 2025年9月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 32.0億円 | 48.1億円 |
| 自己資本比率 | 43.0% | 49.3% |
| ROE(自己資本利益率) | 11.2% | 27.8% |
| 現金及び預金 | 47.4億円 | 66.0億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
プレイドグループの当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益の計上や契約負債の増加などにより、資金の獲得が増加しました。投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券や無形固定資産の取得による支出が増加しています。財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入れによる収入や非支配株主からの払込みによる収入などにより、資金の獲得が増加しました。
本業で安定的に資金を生み出し、将来に向けた投資も行いつつ、フリーキャッシュ・フローもプラスで推移していることから、事業の成長性と財務の安定性が両立している状況です。
| 項目 | 2024年9月期(前期) | 2025年9月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 9.0億円 | 13.8億円 |
| 投資CF | △0.5億円 | △3.8億円 |
| 財務CF | 0.7億円 | 8.7億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 8.5億円 | 9.9億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループはSaaS事業の単一セグメントに依存しており、CX(顧客体験)及びデジタルマーケティング市場の成長や需要が同社グループの見込みを下回った場合、事業及び業績に影響を与える可能性があります。また、CXソフトウェア市場は今後競争が激化することが予想されており、競合環境が激化した場合には、同社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、事業をさらに成長させる上で、エンジニアや営業担当者をはじめとした優秀な人材を確保・育成することが必要不可欠であると認識しています。人材の確保が想定どおり進まなかった場合や、優秀な人材が社外に流出した場合には、同社グループの提供するサービスの競争力の低下や採用コストの増大を招き、事業及び業績に影響を与える可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
プレイドは、データとテクノロジーを通じて「人の価値」を最大化することを目指し、インターネットにおける顧客体験の革新に挑戦しています。個々の創造性を尊重し、挑戦を促す文化を大切にしている会社です。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
プレイドは「データによって人の価値を最大化する」をミッションに掲げています。ビジネスミッションとしては「個客中心のサービス体験をあたりまえに」を掲げており、インターネットでは人が見えないという現状を打破することを目指しています。
インターネットをリアル化することで「人」を徹底的に可視化し、あらゆる顧客接点をデータによって個客中心の体験へとアップデートしていく、次代のあたりまえの実現に挑戦しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループはPurpose「PLAY&AID」、Mission「データによって人の価値を最大化する」のもと、人にフォーカスした事業を展開しています。人の発想や直感、創造力といった「人の価値」をデータとテクノロジーで最大化することを目指しています。
多様な人々が自分らしく生き、ポテンシャルを発揮して活躍できる社会を目指す「Diversity & Inclusion」の考え方を大切にしています。従業員と組織づくりにおいても、個の力を信じ、互いの価値観を尊重する風土の醸成に努めています。
売上や経営上の重点指標を透明性高く公開し、社員が意思決定前の重要な議論に参加できるフラットな組織文化を形成しています。「挑戦しない方がリスク」という考えのもと、承認プロセスを可能な限り排除し、小さく素早く実行して価値検証できる体制を整えています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、今後のさらなる成長に向けて複数の重点テーマに取り組んでいます。提供するプロダクトやサービスの機能追加・改善を継続的に実施し、顧客価値の向上に努めています。
また、プロダクトやサービスの認知度向上、新規顧客獲得に向けたマーケティング活動やパートナー企業との提携を強化しています。顧客がプロダクトの価値を実感できるよう、カスタマーサポートなどの顧客支援を提供し、人的資源への投資も行っています。
組織体制の整備も重要な課題であり、多様なバックグラウンドを持つ優秀な人材の採用・育成、そして従業員が働きやすい環境の整備を継続的に実施しています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
プレイドは、株主総会、取締役会、経営会議、監査役会、会計監査人、内部監査担当を設置し、各機関の相互連携によりガバナンス体制を構築しています。監督機能と執行機能の役割分担を明確にするため、執行役員制度を採用し、意思決定と執行の迅速化を図っています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
プレイドの株主構成を見ると、代表取締役執行役員CEOである倉橋健太氏が筆頭株主となっています。また、取締役執行役員の柴山直樹氏も上位株主の一人です。このように、同社の経営陣が主要な株主として名を連ねていることが特徴です。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 倉橋健太 | 26.75% |
| 柴山直樹 | 17.24% |
| 田畑正吾 | 9.51% |
| 日本カストディ銀行 | 3.48% |
| Google International LLC | 3.46% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は8名(男性7名・女性1名)で構成され、女性役員比率は12.5%です。代表取締役執行役員CEOは倉橋健太氏が務めています。社外取締役比率は40.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 倉橋 健太 | 代表取締役執行役員CEO | 2005年楽天株式会社(現 楽天グループ株式会社)入社。2011年同社設立、代表取締役CEO就任。2022年同社代表取締役執行役員CEO就任より現職。 |
| 柴山 直樹 | 取締役執行役員 | 2011年株式会社エスキュービズム入社。2013年同社入社、取締役CTO就任。2019年同社取締役執行役員就任より現職。 |
| 髙栁 慶太郎 | 取締役執行役員 | 2005年楽天株式会社(現 楽天グループ株式会社)入社。アジャイルメディア・ネットワーク株式会社取締役副社長COOを経て、2018年同社取締役執行役員就任より現職。 |
社外取締役は、松澤香氏(三浦法律事務所パートナー・OnBoard代表取締役・渋谷区副区長)、三村真宗氏(U-ZERO代表取締役CEO)です。
同社は監査役会設置会社であり、株主総会、取締役会、経営会議、監査役会、会計監査人、内部監査担当が連携してガバナンス体制を構築しています。社外取締役は、取締役の意思決定の妥当性・適正性を確保するための助言・提言を行っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
プレイドの役員報酬は、持続的な成長と中長期的な企業価値向上へのインセンティブとして機能するよう設計されています。基本報酬である金銭報酬と株式報酬で構成されており、社外取締役の報酬は基本報酬のみです。同社は成長初期・投資フェーズにあるため、基本報酬が報酬の中心となっています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 4名 | 1.3億円 | 32.4百万円 |
| 監査役(社外除く) | 1名 | 21百万円 | 21.0百万円 |
| 社外取締役 | 3名 | 17百万円 | 5.6百万円 |
| 社外監査役 | 3名 | 14百万円 | 4.8百万円 |
役員報酬の総額は1.8億円であり、報酬の支給対象となった役員は合計11名です。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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