ETSグループ 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年9月期)

ETSグループ 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年9月期)

ETSグループは、岩井工業所、DCラインなどを傘下に持つ持株会社です。2024年10月に設立され、電気工事業と不動産関連事業を展開し、連結従業員数は241名です。当期は売上高と利益が好調に推移しました。


目次

※本記事は、株式会社ETSグループ の有価証券報告書(2025年9月期、2024年10月1日 ~ 2025年9月30日、2025年12月26日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


ETSグループは持株会社であり、グループ連結従業員数は241名です。

同社グループは、連結子会社7社により構成され、主に電力工事や電気設備工事を施工する電気工事業と、ビル清掃、マンション管理、建物設備メンテナンス及び管理業務受託を行う不動産関連事業を展開しています。

主な国内グループ会社は、ETSホールディングス、岩井工業所、DCライン、東京管理、ユウキ産業などです。

ETSグループは2024年10月1日付で単独株式移転により設立され、持株会社体制へ移行しました。また、2025年10月1日には、連結子会社3社の商号変更を実施しています。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


同社グループは、ライフラインである「電力」を提供する事業を展開しており、持続可能な社会への貢献と企業価値の向上を目指しています。その実現に向け、サステナビリティ経営を重視し、人的資本への投資や人材の多様性確保を重要な戦略として位置づけています。従業員が能力を最大限に発揮できる環境づくりに注力していることがうかがえます。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社グループは、人材の多様性を尊重し、年齢、性別、国籍、障害の有無にかかわらず積極的に多様な人材の採用及び登用に取り組んでいます。また、人材を「財」と捉え、各種研修の拡充や資格取得支援、社員面談の推進を通じて、能力を最大限活かす環境を整えることで、中長期的な企業価値の向上に努めています。

なお、同社は持株会社であり、傘下の関係会社は以下のデータと同水準とは限りません。各社の求人情報や口コミサイト等を別途参照してください。

項目 数値
連結従業員数 241人


同社グループは、確定給付型の制度として退職一時金制度及び確定給付企業年金制度を採用しているほか、確定拠出型の制度として確定拠出年金制度を設けています。これらの制度は同社グループ全体に適用されています。退職一時金制度はありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。

なお、確定給付型の退職給付債務は1.2億円、年金資産は7百万円となっています。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


同社グループは、人材の多様性を確保することを人的資本に関する重要な取り組みとしています。人材の多様性を尊重し、年齢、性別、国籍、障害の有無にかかわらず積極的に多様な人材の採用及び登用に取り組む方針です。

具体的には、人材育成に力を入れており、実務者研修、安全研修、外部講師を招いた次世代リーダーシップ研修、ボルダリング研修、新入社員研修等の各種研修を拡充しています。また、資格取得支援の拡充や社員面談の推進により、従業員の能力を最大限に活かす環境を整えています。働き方改革としては、建設業働き方改革加速プログラムを推進し、スピーディな意思決定と環境変化に柔軟に対応できる体制づくりを行っています。女性の労働環境改善にも取り組み、就業規則の改定によりウェルネス休暇の導入や時短期間の延長を実施しています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データは開示されていません。

連結子会社の法定開示


主要事業会社3社の数値のみ掲載します。

株式会社ETSホールディングスは、女性活躍推進法に基づく公表義務の対象項目として男女賃金差異を選択しておらず、公表されていません。

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 7.4%
男性労働者の育児休業取得率 0.0%

有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


ETSグループは、持株会社としてグループ全体の経営管理を担い、主に電気工事業と不動産関連事業を展開しています。多様な事業を通じて、社会インフラの維持・発展と生活基盤のサポートに貢献しています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、電気工事業と不動産関連事業を主軸に事業を展開しています。これらの事業は、社会の基盤を支える重要な役割を担っています。海外での売上は発生しておらず、国内市場に特化した事業構造となっています。

電気工事業

電力工事や電気設備工事の設計・施工を主な事業内容としています。収益は、東北地方や関東地方における基幹送電線の大型工事、再生可能エネルギー発電所やデータセンターの特別高圧変電所工事などから得ています。運営は、ETSホールディングス、岩井工業所、DCラインが行っています。主要な顧客として、東北電力ネットワーク株式会社や東京電力パワーグリッド株式会社が挙げられます。

不動産関連事業

ビル清掃、マンション管理、建物設備メンテナンス、管理業務受託などを手掛けています。収益は、安定的な建物管理業務に加え、修繕工事の取り込みなどから得ています。運営は、東京管理、ユウキ産業、エトスホテル、合同会社東山が行っています。

その他の事業セグメント

売電事業を営んでいます。

セグメント 売上高(2024年9月期) 売上高(2025年9月期)
電気工事業 - 95.5億円
不動産関連事業 - 16.9億円
その他の事業セグメント - 27百万円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


ETSグループは2024年10月1日に設立されたため、当連結会計年度が第1期となり、前年同期との比較は行われていません。当連結会計年度においては、電気工事業での大型工事の順調な進捗や、不動産関連事業の安定的な成長により、売上高と利益は好調に推移しました。

項目 2021年9月期 2022年9月期 2023年9月期 2024年9月期 2025年9月期
売上高 - - - - 113億円
経常利益 - - - - 6.9億円
経常利益率 - - - - 6.1%
親会社株主に帰属する当期純利益 - - - - 4.7億円
1株当たり当期純利益(円) - - - - 73.22

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたりの売上高は46.7百万円、営業利益は3.0百万円となっています。これらの数値は、同社グループが従業員1人あたりでどの程度の収益と利益を生み出しているかを示しています。

指標 2024年9月期 2025年9月期
従業員1人あたり売上高(連結) - 46.7百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) - 3.0百万円

業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


同社グループの財務状況は、事業活動や投資活動における資金の流れに特徴が見られます。自己資本比率やROEは一定の水準を示しており、手元資金も確保されています。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの自己資本比率は37.2%となっており、プライム市場の非製造業平均(24.2%)と比較すると高い水準を示しています。ROE(自己資本利益率)は14.5%であり、プライム市場平均(9.4%)を上回る水準です。

現金及び預金は16.7億円を確保しており、前期の16.5億円から増加しています。これらの財務指標は、同社グループが安定した財務基盤を維持していることを示しており、入社後の雇用や給与の安定性にもつながる要素です。

指標 - 2025年9月期
純資産 30.3億円 34.4億円
自己資本比率 - 37.2%
ROE(自己資本利益率) - 14.5%
現金及び預金 16.5億円 16.7億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループのキャッシュフローは、営業活動による資金が減少している状況です。これは、税金等調整前当期純利益はプラスであるものの、売上債権と前払金の増加が主な要因となっています。

一方、投資活動による資金は、定期預金の払戻収入が預入支出と有形固定資産の取得支出を上回ったことで増加しています。財務活動による資金は、短期借入れと社債の発行により増加しました。結果として、フリーキャッシュフローはマイナスとなっています。

事業活動による資金の減少が見られる一方で、財務活動で資金を調達している状況です。これは、事業拡大に伴う運転資金の増加が主な要因であり、今後の事業展開と資金繰りの動向が、雇用や給与の安定性、そして同社グループの成長性に影響を与える可能性があります。

項目 - 2025年9月期
営業CF - △10.6億円
投資CF - 2.4億円
財務CF - 7.9億円
フリーCF(営業CF+投資CF) - △8.3億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループは、厳しい市場環境のもとで業者間の受注競争が激しい状況にあり、価格競争がより一層熾烈化した場合には受注価格が低下する可能性があります。また、東北電力ネットワーク株式会社と東京電力パワーグリッド株式会社への販売依存度が高い状況です。

これらの得意先からの受注動向が、同社グループ全体の経営成績に影響を与える可能性があります。

③ 人材・組織に関するリスク

人材・組織に関するリスクの記載はありません。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


ETSグループは、社会のライフラインである電力インフラを支える事業を展開しています。
「この街に明かりを灯すのは私達」というパーパスを掲げ、持続可能な社会の実現と未来を見据えた事業活動を行っています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


ETSグループは、「この街に明かりを灯すのは私達 ~100年の伝統から100年の未来へ~」を存在意義・誇り(パーパス)として事業活動を行っています。
企業価値を高めることを重要な課題と捉え、受注の拡大と利益率の向上に取り組む方針です。
2050年のカーボンニュートラル実現に向けた再生可能エネルギーの導入拡大や、AI活用による電力の大量消費時代に対応し、電力インフラの強化を目指しています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社グループは、サステナビリティ経営を重視し、持続可能な社会への貢献と企業価値の向上に努めています。
人材の多様性を尊重し、年齢、性別、国籍、障害の有無にかかわらず、多様な人材の採用と登用を積極的に推進しています。
人「財」を資本と捉え、各種研修の拡充、資格取得支援、社員面談の推進により、能力を最大限に活かす環境を整えています。

また、建設業働き方改革加速プログラムを推進し、スピーディな意思決定と環境変化に柔軟に対応できる体制づくりを行っています。
女性労働者の活躍と労働環境改善のため、就業規則の改定を行い、ウェルネス休暇の導入や時短期間の延長も実施しています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社グループは、技能労働者の高齢化と人材不足、2024年からの時間外労働規制への対応、資材価格の高騰といった建設業界全体の構造的課題に直面しています。
これらの課題解決を図りつつ、主力事業の強化、関連分野への挑戦、顧客ニーズに応える事業展開を進めています。
電力事業では「働き方改革」による労働環境の改善と、協力会社との連携による安全管理の徹底に取り組んでいます。

設備事業では、限られた人材・資材の中での効率的な工程管理や、BIM/CIMをはじめとするデジタル技術の活用による生産性向上を推進しています。
不動産関連事業では、管理品質の向上と改修工事の技術的対応力強化、管理組合との円滑なコミュニケーション体制構築、法令改正への対応、環境配慮型設備の提案力強化を通じて専門性と信頼性の両立を図っています。

会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


株式会社ETSグループは、監査役会設置会社として、取締役会による監督と監査役による監査の二重チェック体制を構築しています。社外取締役と社外監査役が独立した立場から経営の意思決定と執行を監視する体制となっています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


同社グループの筆頭株主はアムス・インターナショナルであり、複数のアムスグループ関連会社が大株主として名を連ねています。これにより、アムスグループが同社グループの経営に強い影響力を持つ資本構成となっています。

株主名 持株比率
アムス・インターナショナル 29.19%
德原 榮輔 14.11%
アムス・エステート 4.71%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は10名(男性10名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は上江洲剛氏が務めています。社外取締役比率は28.6%です。

氏名 役職 主な経歴
上江洲 剛 代表取締役社長 2003年4月アムス・インターナショナル同社入社、2022年8月同社代表取締役、2025年1月同社代表取締役社長より現職。
榊原 範昭 常務取締役 1978年4月山加電業同社入社、2022年12月ETSホールディングス(現ETSライン)常務取締役工事総括担当、2024年10月同社常務取締役より現職。
日下 直 取締役 2005年3月ホップス入社、2024年10月同社取締役、2024年10月ユウキ産業(現ETSクリア)代表取締役より現職。
加藤 慎章 取締役 2000年4月中部電力入社、2024年10月同社代表取締役、2025年1月同社取締役より現職。
黒川 弘務 取締役 1983年12月検事任官東京地方検察庁、2019年1月東京高等検察庁検事長、2024年10月同社取締役より現職。


社外取締役は、若狭正幸氏(元独立行政法人国立印刷局理事)、後藤健志氏(元帝国データバンク釧路支店調査課長)です。

同社は監査役会設置会社であり、取締役の業務執行に対して取締役会による監督と監査役による監査の二重チェック体制を採っています。社外取締役及び社外監査役が、取締役会において独立性の高い立場から発言を行い、客観的かつ中立的な立場から監督及び監視を行う体制です。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


同社は取締役会で取締役の個人別の報酬等の決定方針を定めており、代表取締役社長にその決定を一任しています。監査役の報酬は監査役の協議により決定されています。役員報酬は固定報酬のみで構成されており、業績連動報酬や退職慰労金は設定されていません。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 4名 28百万円 7.0百万円
監査役(社外除く) 1名 6百万円 5.5百万円
社外役員 4名 11百万円 2.7百万円


※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

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この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。