0 編集部が注目した重点ポイント
① 新規連結6社によるグループ事業領域を拡大する
当期よりAGソリューションテクノロジーやスマートリンクを含む新規連結6社が加わり、SES(システム・エンジニアリング・サービス)事業へ本格参入しました。金融IT領域の内製化を加速させる体制が整い、エンジニア等のIT専門人材にとって新たなキャリア機会が急拡大しています。前年同期は未連結のため、単純比較以上の組織的進化が起きています。
② 利益計画に対して85%超の高い進捗率を達成する
2026年3月期第3四半期の経常利益は282億円となり、通期計画330億円に対して85.4%という極めて高い進捗率を記録しました。主力事業の好調な推移により、利益面での目標達成が確実視されています。業績の安定性は、新規事業への投資余力を生み出しており、攻めの姿勢を強める同社への転職にとって絶好のタイミングと言えます。
③ WebMoney事業の譲受により決済基盤を強化する
2025年12月に電子マネー「WebMoney」事業の譲受契約を締結し、2026年3月末の完了を予定しています。既存のビットキャッシュ事業との統合により、国内屈指のプリペイド決済基盤を構築する狙いです。金融から決済、そしてITへと多角化を推進する同社において、M&Aによる事業シナジー創出に携わるチャンスが生まれています。
1 連結業績ハイライト
出典:決算プレゼンテーション資料 P.4
営業収益
1,597億円
前年比 +13.7%
営業利益
277億円
前年比 +47.5%
経常利益
282億円
前年比 +42.8%
当期純利益
224億円
前年比 +50.8%
※調整後営業利益:363億円(前年比 +20.2%)。定義:営業利益に貸倒関連費用や減価償却費などを加算し、M&Aによる一時的利益を調整した、事業の実態ベースの収益力を示す指標です。 2026年3月期第3四半期の業績は、営業収益・各利益項目ともに大幅な増収増益となりました。営業債権残高が14.6%増と伸長し、トップラインの拡大が利益を力強く牽引しています。金融費用は金利上昇や調達増に伴い32.8%増加したものの、営業収益の伸びがこれを十分にカバーしています。 通期予想に対する進捗率は、営業利益で85.9%、経常利益で85.4%に達しており、業績は極めて順調に推移しています。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:決算プレゼンテーション資料 P.20
アイフル株式会社(ローン・保証事業)
事業内容:個人・事業者向け無担保ローン、有担保ローン、および金融機関との提携による信用保証事業を展開。
業績推移:営業収益906億円(前年比 +10.9%)、営業利益201億円(前年比 +46.3%)と極めて好調に推移。
注目ポイント:特に保証事業が急成長しており、中期経営計画の残高目標3,100億円を前倒しで達成しました。不動産関連の保証が寄与しており、提携先数も170先に拡大。リスク管理と営業の両面で専門人材のニーズが高まっています。
ライフカード株式会社(クレジット事業)
事業内容:クレジットカード、カードキャッシング、信用保証事業。若年層をメインターゲットとした戦略を展開。
業績推移:営業収益300億円(前年比 +3.7%)。リボ・分割残高は順調に拡大する一方、広告投資により利益は減少。
注目ポイント:長期利用が見込まれる若年層の獲得に向けた戦略的プロモーションを継続。UI/UXの改善やアプリ機能拡充に注力しており、デジタルマーケティングやサービス開発の知見を持つ人材が不可欠です。
AGビジネスサポート株式会社
事業内容:有担保・事業性ローン、ファクタリング事業を展開し、中小企業や個人事業主を支援。
業績推移:営業収益118億円(前年比 +21.2%)。不動産担保ローンの残高拡大により収益・利益ともに順調に進捗。
注目ポイント:ファクタリング収益が前年比84.6%増と爆発的に成長。企業の資金繰り支援という社会的意義の高いフィールドで、コンサルティング要素の強い営業スキルが求められています。
AGメディカル株式会社
事業内容:医療機関や介護事業者向けの診療報酬等担保ローン事業を専業として展開。
業績推移:営業利益6億円(前年比 +99.7%)。貸付残高は計画以上に伸長し、利益ベースで2倍の成長を達成。
注目ポイント:医療・介護という安定成長市場において、ニッチトップの地位を確立。専門性の高い業界知識を活かした与信モデルの構築が、グループ全体の利益貢献に繋がっています。
AGペイメントサービス株式会社
事業内容:個別信用購入あっせん。2024年にAGギャランティーとAGミライバライが合併して誕生。
業績推移:営業収益73億円(前年比 +29.5%)、営業利益19億円(前年比 +71.6%)と合併シナジーを発揮。
注目ポイント:主要加盟店の取扱高増により、売掛金残高が26.9%拡大。合併後の組織統合と事業拡大を同時並行で進めており、攻めの姿勢が際立つセグメントです。
ビットキャッシュ株式会社
事業内容:プリペイド電子マネーの発行・運営。加盟店管理の強化とWebMoney事業の譲受を推進。
業績推移:営業収益31億円(前年比 -1.4%)。決済額の減少影響はあるものの、利益は計画通りに推移。
注目ポイント:「WebMoney」事業の譲受により、国内の決済プラットフォームとしての存在感が大幅に向上。大規模なシステム統合やブランド再編を牽引できるリーダー候補が求められています。
AIRA & AIFUL(海外・タイ)
事業内容:タイ王国における個人向けローン事業。現地に根ざしたリテール金融を展開。
業績推移:営業収益66億円(前年比 +8.9%)。固定費削減を徹底し、赤字幅を大幅に縮小(営業利益 -1.1億円)。
注目ポイント:店舗数や人員の適正化により、当年度の黒字化が射程圏内に入っています。優良顧客中心の貸付へシフトしており、海外拠点での経営再建や構造改革の経験を積むことが可能です。
SES関連子会社(注:当期より新規連結)
事業内容:AGソリューションテクノロジー等によるシステム開発・IT人材支援。グループの内製化を支える。
業績推移:(前年同期は未連結)営業収益への貢献に加え、連結営業利益を32億円押し上げる要因に。
注目ポイント:グループ内外のシステム開発を担うIT拠点として重要性が急増。特に金融システムのフルスクラッチ開発を目指す同社にとって、技術者集団のリーダーシップを発揮できる人材が熱望されています。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:決算プレゼンテーション資料 P.32
アイフルグループは中期経営計画に基づき、ROEとPERの向上を柱とした「企業価値向上」に邁進しています。特筆すべきはIT人材戦略の深化です。2025年12月末時点でITエンジニア数は383人に達し、プロダクト改善スピードの向上とシステムコストの削減を同時に実現する「フルスクラッチ開発」を目指しています。 また、2026年3月期の配当を1株当たり12円(中間6円、期末6円予定)と、前期の1円から大幅な増配を計画している点は、株主還元と業績への自信の表れです。M&Aについても、ノンバンク領域全般やSES事業をターゲットに継続的な検討がなされています(質疑応答で言及)。 今後、タイのAIRA & AIFULでの人員適正化や構造改革の成果が見込まれる(質疑応答で言及)ほか、WebMoneyの事業譲受完了が控えており、組織の変革をリードできる人材の採用意欲はますます高まる見通しです。
4 求職者へのアドバイス
「従来の消費者金融の枠を超え、IT内製化と多角化を強力に推進する成長性に魅力を感じた」という視点が有効です。特に、新規連結されたSES事業や、WebMoney事業の譲受といった「決済・IT領域への積極投資」を具体的な志望動機に組み込むことで、同社の未来志向な戦略への理解度をアピールできます。
「ITエンジニア数が383名まで拡大していますが、フルスクラッチ開発を推進する上で、現場のエンジニアとビジネスサイドはどのような協力体制を築いていますか?」や、「WebMoney事業の譲受後、既存のビットキャッシュ事業とどのようなシナジーを具体的に想定されていますか?」といった質問は、決算資料を読み込んだ上での鋭い逆質問として評価されるでしょう。
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
業務の進行が非常にスピーディー
決定事項が実行に移されるまでの時間が短いのが魅力です。業績は安定しており、認知度も高いため、将来的にも安定した成長が期待できるでしょう。最近では、広告の影響もあってか、消費者金融としてのイメージがよりポジティブになってきています。事業の方向性としては、現状の枠組みにとらわれず、しかし無理のない範囲で新しい挑戦を続ける姿勢が見られます。
(30代前半・システムエンジニア・女性) [キャリコネの口コミを読む]日々の変化が少なく物足りなさを感じることも
業務内容に関しては、日々の変化が少なく、改善や新しい挑戦を求めるには少し物足りなさを感じることもあります。
(20代後半・人事・女性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 2026年3月期 第3四半期 決算プレゼンテーション資料
- 2026年3月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)



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