カチタスの転職研究 2026年3月期3Q決算に見るキャリア機会

カチタスの転職研究 2026年3月期3Q決算に見るキャリア機会

カチタスの2026年3月期3Q決算は、営業利益が前年同期比31.1%増の14,248百万円と過去最高益を更新。新築住宅の価格高騰を追い風に、地方・都市郊外の両ブランドで販売件数が好調に推移しています。人的投資の強化により営業員数も10.5%増加。成長加速期にある同社でのキャリア機会を整理します。


0 編集部が注目した重点ポイント

消費税訴訟確定に伴い当3Qより会計処理を変更する

2025年5月の最高裁判所による不受理決定を受け、従来「販売費及び一般管理費」に計上していた消費税等差額を、決定日以降は売上高より控除する形式へ変更しました。この構造的変化により売上高・売上総利益は減少したものの、営業利益以下の各段階損益に与える影響は一切なく、事業の収益性は維持されています。

第4次中期経営計画が始動し成長を再加速させる

今期より開始された新中期経営計画では、営業利益成長の年平均成長率(CAGR)12.0%の達成を掲げています。既存の「中低所得者向け中古住宅」という強固な地盤に加え、未出店地域への進出や戦略在庫の活用により、2028年3月期には営業利益200億円、年間販売件数10,000件という高い目標を目指すフェーズに入っています。

営業人員数が前年比10.5%増加し供給能力を拡大する

成長の源泉となる人的資本への投資を強化しており、2025年9月末時点の営業人員は877名(前年同期比10.5%増)に到達しました。新卒採用数の増加により組織の若返りと供給能力の拡大を同時に進めており、今後も年間150名規模の新卒採用を継続することで、二桁成長を支える強固な営業体制の構築を推進しています。

1 連結業績ハイライト

新築住宅の価格高騰を背景に、中古住宅へのニーズが拡大。第3四半期累計で過去最高益を更新し、極めて順調な推移を見せています。
業績推移と進捗率

出典:2026年3月期 第3四半期 決算説明資料 P.3

売上高 112,414百万円 (+16.3% YoY)
営業利益 14,248百万円 (+31.1% YoY)
四半期純利益 9,486百万円 (+31.6% YoY)

※調整後売上総利益:消費税訴訟の影響による会計処理変更がなかった場合の実態数値を指します。

2026年3月期第3四半期累計の業績は、販売件数が6,284件(前年同期比13.7%増)と好調に推移し、売上・利益ともに大幅な増収増益を達成しました。特に営業利益は前年比+31.1%と大幅に伸長しており、四半期ベースでも過去最高益を更新しています。これは、インフレによる新築価格高騰に対し、同社グループが提供する中古リフォーム住宅の価格競争力が相対的に上昇したことが主因です。

通期の連結営業利益予想17,800百万円に対する進捗率は80.0%に達しており、第3四半期時点の目安となる75%を大きく上回って順調に推移しています。下半期に向けた在庫の量・質ともに十分であり、通期計画の上振れ着地も視野に入る堅調なパフォーマンスを示しています。

2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド

地方の「カチタス」と都市郊外の「リプライス」。ターゲットと戦略が明確に分かれた2ブランド体制で、全国的な空き家問題にアプローチしています。
カチタスとリプライスの事業領域

出典:2026年3月期 第3四半期 決算説明資料 P.28

カチタス(地方中心ブランド)

事業内容:人口5万〜30万人程度の地方都市を中心に、築古の戸建物件を買い取り、リフォームして販売する主力事業。全国137店舗の直営ネットワークを誇ります。

業績推移:販売件数は前年を上回り、過去最多水準を維持しています。特に戦略在庫の導入により、営業員の生産性が上昇トレンドにあります。

注目ポイント:「新築より安く、賃貸より広い」という独自の価値提供が地方市場で圧倒的に支持されています。第4次中計では未出店地域への進出を加速させており、地方での空き家問題解決に直接貢献したい人材にとって、全国各地に活躍のフィールドが広がっています。

注目職種:地域密着型営業(仕入・販売一貫体制)、店舗責任者候補

リプライス(都市郊外・マンション対応ブランド)

事業内容:三大都市圏の郊外や地方中核都市(人口30万〜50万人)を主戦場とし、仲介業者とのネットワークを活かしたスピード感のある仕入れ・販売を強みとします。

業績推移:利益重視の運営が定着し、計画を上回る売上総利益率で推移。販売件数も過去最多を更新し、グループの利益成長を牽引しています。

注目ポイント:新築分譲戸建てとの競合が激しいエリアながら、価格優位性を活かして着実にシェアを拡大しています。利益連動型のインセンティブ制度が浸透しており、効率的な事業運営と高い生産性を追求するプロフェッショナルな環境が整っています。

注目職種:法人営業(仲介業者開拓)、プロジェクトマネージャー

3 今後の見通しと採用の注目点

二桁成長の継続に向けた在庫確保は完了。人的投資とシステム投資を両輪に、2027年3月期の利益目標前倒し達成を視野に入れています。
中長期の成長ビジョン

出典:2026年3月期 第3四半期 決算説明資料 P.20

今後の展望として、第4四半期は「第4次中計」の基本戦略に基づき、システム投資や人的資本への追加投資を積極化させる計画です。人的投資においては、新卒採用の継続に加え、リテンション(人材保持)強化やインセンティブ制度の拡充により、組織の実行力をさらに高めていきます。

市場環境については、4月に施行された環境規制強化等による建築コスト増が続いており、中古住宅へのシフトという構造的な追い風は今後も継続すると見ています。また、将来的なM&Aについても「複数の企業を対象に検討進行中」であることが明示されており、非連続な成長に向けたキャリア機会も期待できます。来期以降も年間10%程度の成長を維持できる十分な量と質の在庫を確保しており、中長期的なキャリア形成に適した安定成長期にあります。

4 求職者へのアドバイス

HINT

志望動機のヒント

同社は「空き家問題の解決」という明確な社会的意義を掲げながら、営業利益成長率12%という高い資本効率も追求しています。この「社会貢献と経済成長の両立」を自分の言葉で具体化することが重要です。例えば、「地方創生に関わりたい」だけでなく、「生産性を高めるためのデータ活用や、戦略的な在庫管理に貢献したい」といった、組織の実行力を高める視点を盛り込むと高く評価されるでしょう。

Q&A

面接での逆質問例

  • 「営業人員が急速に拡大する中で、個人の生産性を維持・向上させるための教育プログラムやDXツールの活用状況を教えてください。」
  • 「第4次中計で掲げている戦略在庫の活用において、現場の営業担当者にはどのような判断基準や裁量が与えられているのでしょうか?」
  • 「将来的なM&Aの可能性に言及されていますが、新たな事業会社が加わった際、グループ間のシナジーを生むためにどのようなPMI体制を想定されていますか?」

5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)

決算資料や公式発表だけでは見えにくい、現場で働く社員・元社員の実体験(口コミ)を、転職判断の参考となるよう編集部で選定しています。
"

新築は難しいと言って諦めていた方々に販売

リフォームによって内装は、まるで新築のように生まれ変わります。これらの物件を、低所得者の方々や、新築は金銭的に難しいと言って諦めていた方々に販売した時に、非常にやりがいを感じます。

(20代後半・営業・男性}) [キャリコネの口コミを読む]
"

休日だったりすると結構つらい

携帯電話を持たされているので、お客様から朝晩問わずに連絡が入るのが休日だったりすると結構つらい。

(30代後半・営業・女性) [キャリコネの口コミを読む]

※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。

使用した主な公開資料

  • 株式会社カチタス 2026年3月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)
  • 株式会社カチタス 2026年3月期 第3四半期 決算説明資料

この記事の執筆者

上場企業の四半期決算から、面接で差がつく「志望動機」や「逆質問」のヒントを導き出す専門チーム。3ヶ月ごとの業績推移と戦略の遂行状況をキャリコネ独自の現場データと照合し、求人票だけでは見えない企業の「現在地」を可視化します。投資家向け情報を、転職希望者が選考を有利に進めるための武器に変える、実戦的な企業研究を配信中。


関連記事

カチタス 転職ガイド:有価証券報告書等から読み解く会社の実態

東証プライム市場に上場する、中古住宅再生事業のリーディングカンパニーです。地方都市の空き家を中心とした戸建住宅を買取り、リフォームして低価格で販売する独自のモデルを展開しています。2024年3月期の業績は、売上高が前期比4.4%増の増収、営業利益は9.9%減の減益となりました。