0 編集部が注目した重点ポイント
① ソリューション営業体制へ移行し専門性を高める
2025年6月より、従来のサービス単位の営業から、顧客企業の業界課題に応えるソリューション営業体制へ移行しました。担当企業の引継ぎにより一時的に契約獲得は鈍化しましたが、営業社員の6割が成長を実感し、顧客への提供価値が上がったと回答しています。専門知識を武器にした高度な提案スキルを磨ける環境が整っています。
② スポットバイトルへ60億円の先行投資を行う
成長戦略の柱として、スポットワークサービス「スポットバイトル」への先行投資60億円(前年比24億円増)を継続しています。業界に先駆けたユーザー保護施策やTVCM等のプロモーションにより、掲載案件数は順調に拡大中です。新規市場の立ち上げに携われるキャリア機会が大きく広がっています。
③ 新卒採用1,000名超に向けた採用を強化する
中長期的な成長を見据え、2027年度には過去最大となる1,000名超の新卒採用を計画しています。足元でも営業人員数が前年比でプラスに転じており、退職率も低減傾向にあります。AIを活用した業務効率化により、単なる労働集約型ではない、高生産性な組織への進化を目指しています。
1 連結業績ハイライト
出典:第29期(2026年2月期)第3四半期 決算説明資料 P.15
第3四半期累計の売上高は42,378百万円(前年同期比0.6%減)、営業利益は8,085百万円(同25.7%減)となりました。営業組織の刷新に伴う引継ぎ業務の増加で顧客獲得が一時的に停滞したことや、将来の成長に向けた広告投資・人件費の投下が主な要因です。一方で、既存サービスの広告投資効率化により、対売上比率の広告宣伝費率は改善しています。
通期予想に対する売上高の進捗率は70.6%となり、ソリューション体制の定着とともに下期の成長を見込んでおり、全体として概ね順調な進捗といえます。一方で、営業利益の進捗率は67.3%にとどまりますが、これはスポットバイトル等への投資加速という期初計画に基づいた結果であり、4Qでの挽回を目指す局面です。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:第29期(2026年2月期)第3四半期 決算説明資料 P.54
人材サービス事業
事業内容:アルバイト・パートの「バイトル」や「スポットバイトル」、正社員・派遣求人サイトの運営、医療・介護分野の人材紹介サービスを提供しています。
業績推移:売上高は37,356百万円(前年同期比0.7%減)。セグメント利益は12,584百万円(同15.2%減)となりましたが、1契約あたりの単価は上昇傾向にあります。
注目ポイント:「スポットバイトル」経由でのシフト就業や「バイトルトーク」とのセット販売により、大手顧客でのシェア向上を推進しています。単なる媒体売りではなく、企業の採用課題そのものを解決するコンサルティング力が求められており、業界別の専門知識を活かしたい方に最適なフィールドです。
DX事業
事業内容:中堅・中小企業向けに「コボット」シリーズを展開。面接調整や集客、人事労務の効率化を支援するSaaS型サービスを提供しています。
業績推移:売上高は5,021百万円(前年同期比0.3%減)と微減でしたが、販促支援領域が伸長し、セグメント利益は2,857百万円(同15.3%増)と大幅な増益を達成しました。
注目ポイント:「集客コボット for MEO」の利用拠点拡大により、1社あたりの売上単価(ARPU)が堅調に推移しています。収益性の高いストック型ビジネスとして確立されており、顧客の業務変革を長期的に支援したいDX人材にとって魅力的な事業です。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:第29期(2026年2月期)第3四半期 決算説明資料 P.24
ディップの成長戦略は、今期の「先行投資」から来期の「収益化」へとシフトします。2027年2月期には売上高650億円(成長率8.3%)、営業利益170億円超という意欲的な目標を掲げています。この達成を支えるのが、「dip AI AGENT」の有料化や「スポットバイトル」の黒字化、そしてソリューション営業による生産性向上です。
採用面での注目点は、AIを活用した業務変革の加速です。提案資料の自動作成ツールや商談分析ツールの導入により、事務作業時間を削減し、顧客と向き合う時間を最大化させています。また、2026年3月開催のWBCメインスポンサー決定や大谷翔平選手の起用により、ブランド認知度はさらに高まる見込みで、採用競合に対する優位性も強まることが期待されます。
4 求職者へのアドバイス
「ユーザーファースト」の理念を具現化したスポットバイトルの立ち上げや、未払い賃金問題への迅速な対応に共感したことを伝えましょう。また、営業組織の刷新により「一社完結のソリューション」を提案できるようになった点に触れ、専門性を武器に顧客の事業成長に貢献したいという意欲を示すと高く評価されるはずです。
「ソリューション営業体制への移行後、具体的な提案の幅や顧客満足度の変化をどう感じていますか?」や、「AIを活用した業務効率化によって、営業社員に求められるスキルはどう進化していくと考えていますか?」といった、組織の変化と将来の役割を問う質問が効果的です。
5 転職者が知っておきたい現場のリアル
※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- ディップ株式会社 2026年2月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)
- ディップ株式会社 第29期(2026年2月期)第3四半期 決算説明資料



上場企業の四半期決算から、面接で差がつく「志望動機」や「逆質問」のヒントを導き出す専門チーム。3ヶ月ごとの業績推移と戦略の遂行状況をキャリコネ独自の現場データと照合し、求人票だけでは見えない企業の「現在地」を可視化します。投資家向け情報を、転職希望者が選考を有利に進めるための武器に変える、実戦的な企業研究を配信中。