0 編集部が注目した重点ポイント
① 不採算の書店事業から完全に撤退する
前年度に書店事業からの撤退を完了しました。当第3四半期より報告セグメントにおける構成が変化しており、経営資源をコア領域である化学品や機能品へ集中させる構造改革が進んでいます。教育・文化支援の側面があった事業を整理したことで、専門性の高い技術者や営業職にとって、より事業の方向性が明確な環境へと変化しています。
② 電子セラミック材料が通信向けで大幅に伸びる
成長分野である電子セラミック材料において、車載向けの好調に加え、通信向けが大幅に伸長しています。機能品事業全体の利益は苦戦しているものの、次世代通信やEV化を支える先端材料の需要は高く、高付加価値製品の開発・量産体制の強化に向けたエンジニアの活躍フィールドが拡大しています。
③ 2.6億円を上限とした自己株式の取得を決定する
2026年3月末を期限として、2.6億円を上限とする自己株式取得を決定しました。利益面では下振れを懸念しつつも、株主還元の強化と資本効率の向上を重視する姿勢を明確にしています。DOE(純資産配当率)2%などの新指標導入と合わせ、安定した経営基盤を背景とした中長期的なキャリア構築が期待できる局面です。
1 連結業績ハイライト
出典:2026年3月期 第3四半期 連結業績概要 P.2
売上高
30,442百万円
(前年同期比 Δ1.4%)
営業利益
1,987百万円
(前年同期比 Δ40.7%)
純利益
1,835百万円
(前年同期比 Δ21.8%)
当第3四半期の売上高は、電子セラミック材料の大幅増により、電池材料や燐製品の減少を補い前年同期並みを確保しました。一方、営業利益は1,987百万円(前年同期比40.7%減)と大きく落ち込んでいます。これは、電池材料における原材料価格の転嫁タイムラグや、前年度にあった棚卸資産評価損の改善効果が剥落したこと、さらに生産拠点集約に伴う費用発生が重なったためです。
通期予想(売上高405億円、営業利益32億円)に対する進捗率は、売上高が75.2%、営業利益が62.1%となっています。
売上高は75%を超えており順調な推移ですが、営業利益などの各利益項目は70%を下回っており、進捗が遅れている状況です。第4四半期に投資有価証券売却益の計上を見込んでいますが、本業の収益性改善が急務となっています。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年3月期 第3四半期 連結業績概要 P.5
化学品事業
事業内容:クロム製品(めっき用等)、シリカ製品、燐製品などの基礎化学品の製造・販売。
業績推移:売上高は13,515百万円(前年同期比3.0%減)。燐製品が一般工業向けで低迷し、減収減益。
注目ポイント:伝統的な製品群ですが、クロム製品のめっき向けやシリカ製品は堅調を維持しています。安定したキャッシュ創出源としての役割が求められており、既存プロセスの効率化や品質管理を担う技術者の需要が根強くあります。
機能品事業
事業内容:電子セラミック材料、ホスフィン誘導体、電池材料、半導体向け高純度電子材料等。
業績推移:売上高は15,991百万円(前年同期比2.3%増)。営業利益は434百万円(同73.0%減)と苦戦。
注目ポイント:成長の鍵を握る最重要セグメントです。車載・通信向けの電子セラミック材料が12.8%増と伸長し、半導体需要の回復で高純度電子材料も回復傾向です。利益面では資源価格下落に伴う電池材料の苦戦が響いていますが、量子ドット向けなど最先端領域の研究開発人材が強く求められています。
賃貸事業
事業内容:不動産の賃貸・管理業務。
業績推移:売上高は704百万円(前年同期比2.6%増)。主要テナントが堅調に推移。
注目ポイント:グループの安定収益基盤として機能しています。営業利益率は非常に高く、本業の化学・機能品事業への投資余力を支える重要なバックボーンとなっています。
その他
事業内容:環境測定業務等。(注:前年同期は書店事業を含んでいたため単純比較不可)
業績推移:売上高230百万円。書店事業撤退により前年同期から大幅に減少しています。
注目ポイント:書店事業の整理により、現在は環境測定などの専門サービスが主軸です。グループのサステナビリティ経営を支える技術的支援機能を担っています。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年3月期 第3四半期 連結業績概要 P.12
通期業績予想は当初の売上高405億円、営業利益32億円を据え置いています。第4四半期に向けて、電子部品業界の市場環境には不透明感が懸念されていますが、戦略的な材料開発体制の強化により製品競争力を高める方針です。特に設備投資額を前年実績の4,966百万円から5,500百万円へ増額する計画であり、将来の成長に向けたインフラ整備が進んでいます。
求職者にとっての注目点は、政策保有株式の売却による特別利益計上の活用です。これにより得た資金を次世代材料の研究開発や、自己株式取得などの株主還元、さらには財務基盤の強化へ充当する流れが加速しています。
また、中期経営計画に掲げる「事業拡大と体質強化」を推進するため、全社一丸となったサステナビリティ経営の取り組みが重視されています。環境変化に強い組織への変革期にあるため、新規事業の創出やグローバル展開を担えるリーダー候補にとって、挑戦の機会が多い時期と言えるでしょう。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
「電子セラミック材料」や「高純度電子材料」など、世界的なEV化・デジタル化の潮流に不可欠な先端化学材料の成長に貢献したいという動機が強力です。また、書店事業の撤退などの構造改革を経て、よりコア事業へ集中する変革期に関わりたい、という視点も評価されるでしょう。
面接での逆質問例
「機能品事業において、原材料価格の変動を販売価格へ迅速に転嫁するための、営業・管理体制の強化策はどのように進めていますか?」や、「量子ドットや次世代電池など、新たな価値の創造に向けた研究開発チームにはどのようなバックグラウンドの人材を求めていますか?」といった、具体的な経営課題に踏み込んだ質問が有効です。
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
福利厚生はほとんど見る影もない状態
福利厚生は随分以前に緊縮財政になった折にダイエットしてぜい肉をそぎ落としたために、退職時にはほとんど見る影もない状態であった。
(46歳・技術・男性) [キャリコネで給与明細を見る]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 2026年3月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)
- 2026年3月期 第3四半期 連結業績概要(プレゼン資料)



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