0 編集部が注目した重点ポイント
①コア営業利益が前年比24.4%増と大幅に伸長する
2026年3月期第3四半期のコア営業利益は7,192百万円(前年同期比24.4%増)を達成しました。現地通貨ベースでの堅調な販売推移に加え、売上原価率の改善が利益を押し上げています。通期計画に対する進捗率は87.7%に達しており、極めて堅調な業績推移といえます。
②高機能エラストマー製品事業が黒字化を達成する
前年同期に損失を計上していた高機能エラストマー製品事業が、当第3四半期累計で246百万円の利益を計上し黒字化しました。製品構成の変化(プロダクトミックスの改善)が功を奏しており、精密機能部品や機能フイルム領域での収益性が向上しています。不採算からの脱却は、今後の成長を加速させる大きな転換点です。
③創業120周年の記念配当で株主還元を強化する
2026年4月に創業120周年を迎えるにあたり、期末配当に1株当たり20円の記念配当を実施することを決定しました。これにより、年間配当予想は100円となり、株主への利益還元を一段と強めています。安定した財務基盤を背景に、長期的な企業価値向上への自信が伺える施策です。
1 連結業績ハイライト
出典:2026年3月期第3四半期 決算概要 P.3
売上収益
89,191百万円
+2.2%
コア営業利益
7,192百万円
+24.4%
営業利益
9,426百万円
+57.3%
※コア営業利益 = 売上収益から売上原価、販売費及び一般管理費を控除して算出(事業の経常的な収益力を示す指標)。
当第3四半期の売上収益は、為替が円高に推移したものの、現地通貨ベースでの販売が堅調であったことにより増収となりました。営業利益の大幅な増加(+57.3%)には、コア営業利益の伸長に加え、前年度に発生した加古川工場における雹(ひょう)災事故に係る受取保険金1,524百万円の計上といった一時的な収益も寄与しています。
第3四半期累計の実績は、通期業績予想に対してコア営業利益で87.7%、親会社の所有者に帰属する四半期利益で96.7%の達成率となっており、業績の進捗は極めて順調です。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年3月期第3四半期 決算概要 P.7
自動車部品事業
事業内容:自動車用補機駆動用伝動ベルト(リブエースなど)や二輪車用スクーター変速ベルトの開発・製造・販売。
業績推移:売上収益44,778百万円(前年比1.9%増)、セグメント利益4,073百万円(前年比18.2%増)。
注目ポイント:国内では自動車生産台数が減少したものの、当社製品の採用車種増加により補機駆動用伝動ベルトの販売が増加。海外では中国市場における二輪車メーカーの生産が堅調で、スクーター用変速ベルトが成長を牽引しています。高効率な伝動システムへのニーズは高く、設計・開発エンジニアの重要性が増しています。
産業資材事業
事業内容:産業機械用Vベルト、歯付ベルト、コンベヤベルト(サンラインベルト)などの製造・販売。
業績推移:売上収益29,407百万円(前年比2.6%増)、セグメント利益2,510百万円(前年比28.6%増)。
注目ポイント:欧米での産業機械用ベルトの伸長に加え、国内ではコンベヤベルトおよび樹脂コンベヤベルトの販売が増加。中国での農業機械用ベルトも大きく伸びており、利益率は28%を超える大幅改善を見せています。物流DXや自動化に伴う搬送システムの需要に応えるため、生産技術やシステム提案の知見が求められています。
高機能エラストマー製品事業
事業内容:クリーニングブレード、高機能ローラ、装飾表示用・工業用・医療用などの各種機能フイルム。
業績推移:売上収益10,786百万円(前年比0.2%増)、セグメント利益246百万円(前年同期は51百万円の損失)。
注目ポイント:プロダクトミックスの改善により利益が大幅増加し、黒字転換を達成。国内での装飾表示用フイルムや精密機能部品が安定しており、医療用フイルムなどの新領域への展開も期待されます。材料開発の専門性を活かし、付加価値の高い新製品を市場へ投入する研究開発人材の獲得が急務です。
地域別実績の状況
事業内容:日本、中国、アジア、欧米の4極体制によるグローバル展開。
注目ポイント:中国市場が前年比12.8%増(現地通貨ベース換算前)と好調を維持。日本(+2.8%)、欧米(+6.7%)も堅調ですが、アジア(▲4.4%)は農業機械向け販売の減少が響きました。各地域で補修市場(アフターマーケット)向け製品が安定収益を生んでおり、グローバル供給網を最適化できる物流・管理部門の役割が大きくなっています。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年3月期第3四半期 決算概要 P.16
2026年3月期の通期連結業績予想については、売上収益117,000百万円、コア営業利益8,200百万円の当初計画を据え置いています。しかし、3Q時点での利益進捗は極めて良好であり、通期目標の超過達成も視野に入ります。
経営面では、自己株式取得の実施(19億円規模)や創業120周年記念配当など、資本効率の向上と株主還元を同時に進めています。また、ロボット関連デバイス、電子資材、医療機器といった「その他事業」への投資も継続しており、既存のベルト事業で稼いだ利益を次世代の成長エンジンに再投資する循環が明確になっています。新しい技術領域に挑戦したいエンジニアや、老舗企業の変革を支えたい管理部門人材にとって、今が最も刺激的なフェーズと言えるでしょう。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
バンドー化学は120年の歴史を持つ老舗ながら、高機能エラストマーやロボットデバイスといった新領域で着実に成果を出し始めています。「既存の安定した収益基盤(ベルト事業)」と「新規事業への積極投資」のバランスに注目し、自身のスキルがどのように事業ポートフォリオの高度化に寄与できるかを言語化すると、非常に説得力のある志望動機になります。
面接での逆質問例
「高機能エラストマー事業の黒字化を受け、今後はどのような付加価値の高い製品開発に注力していく方針でしょうか?」「創業120周年を機に、ロボット関連や医療機器事業の拡大に向けて、中途採用者に期待される具体的な役割について教えてください。」など、成長領域への関心を示す質問が有効です。
5 転職者が知っておきたい現場のリアル
※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- バンドー化学株式会社 2026年3月期 第3四半期 決算概要(2026年2月9日発表)
- バンドー化学株式会社 2026年3月期 第3四半期決算短信〔IFRS〕(2026年2月9日発表)



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