0 編集部が注目した重点ポイント
① 海外4社を新規連結しグローバル展開を加速させる
当四半期よりInteragro (UK) Ltd.やNichino Mexico S. de R. L. de C. V.を含む海外4社を新たに連結範囲へ加えました。英国やメキシコでの直販・開発体制が強化されており、海外売上高比率は40%を超える水準で推移しています。グローバルなPMI(買収後の統合プロセス)や海外拠点管理に精通した人材の重要性が高まっています。
② 国内水稲向け製品が好調で営業利益は60.6%増を達成する
国内では米価高騰を背景とした生産意欲の高まりにより、水稲用除草剤などの主力品販売が大幅に伸長しました。ブラジルでの原材料価格下落に伴う収益性改善も寄与し、営業利益は前年同期比で約1.6倍の大幅増益を記録しています。市場環境の変化を的確に捉えた製品展開が成果として現れています。
③ BASF社との提携や新規成分の申請で成長基盤を固める
独BASF社との果樹分野向け製品の独占供給合意や、自社開発の新規有効成分「シベンソキサスルフィル」の日本・韓国での登録申請完了など、将来の収益源確保を推進しています。オープンイノベーションによる高付加価値化合物の開発も進んでおり、研究開発から事業化までを担う専門人材の活躍の場が広がっています。
1 連結業績ハイライト
出典:日本農薬株式会社 2026年3月期第3四半期決算概要 P.3
売上高
70,360百万円
+14.6%
営業利益
5,844百万円
+60.6%
経常利益
5,856百万円
+91.3%
2026年3月期第3四半期の連結累計実績は、売上高が前年同期比14.6%増の703億60百万円、営業利益が同60.6%増の58億44百万円と極めて高い利益成長を実現しました。国内での米価上昇に伴う農家の購買意欲向上に加え、ブラジルでの原価率改善が収益を大きく押し上げています。
通期予想に対する進捗率は売上高が64.3%、営業利益が63.5%となっています。第3四半期までの実績は概ね順調に推移しており、ブラジルにおける訴訟関連の和解金10億33百万円を特別損失として計上しながらも、本業の強い収益力により親会社株主に帰属する四半期純利益は同89.6%増と大幅な増益を確保しています。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:日本農薬株式会社 2026年3月期第3四半期決算概要 P.6
農薬事業(国内)
事業内容:稲、果樹、野菜等の栽培に使用される殺虫剤・除草剤・殺菌剤等の開発・販売。
業績推移:売上高122億円(前年同期比+21.1%)。
注目ポイント:米価高騰による生産意欲向上が追い風となり、主力自社開発品の水稲向け製品が極めて好調です。BASF社との独占供給合意により、果樹分野の製品ラインナップも大幅に拡充されており、国内営業・普及指導のニーズが高まっています。
農薬事業(海外)
事業内容:世界各地の農業環境に合わせた農薬販売。北米、欧州、中南米、インド、アジア等で展開。
業績推移:売上高517億円(前年同期比+13.3%)。(注:当3Qより海外4社を新規連結)
注目ポイント:北米での殺虫剤販売や欧州での除草剤販売が好調です。ブラジルでは流通在庫の適正化が進み収益性が劇的に改善しました。新規連結した英国・メキシコ拠点との連携強化を担う、国際感覚豊かな管理・営業人材が求められる局面です。
農薬以外の化学品事業
事業内容:外用抗真菌剤などの医薬品、シロアリ防除剤などの生活環境関連薬剤の製造・販売。
業績推移:売上高31億円(前年同期比+7.8%)、営業利益6億31百万円(同+22.8%)。
注目ポイント:爪白癬治療薬「ルリコナゾール」やシロアリ薬剤分野が堅調です。農薬で培った高度な化学合成技術をライフサイエンス分野へ応用しており、安定した収益柱として成長しています。多角的なキャリア形成が可能な領域です。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:日本農薬株式会社 2026年3月期第3四半期決算概要 P.12
2026年3月期通期の業績予想は、売上高1,093億円(前期比9.3%増)、営業利益92億円(同7.3%増)と、過去最高水準の更新を視野に入れています。中期経営計画「Growing Global for Sustainability (GGS)」の実行により、ブラジル拠点の収益改善や英国での新規連結など、構造的な成長フェーズに突入しています。
特筆すべきは研究開発への注力です。新規有効成分の登録申請を日本・韓国で完了させたほか、理化学研究所とのオープンイノベーションを通じて、天然物由来原料を活用した高付加価値化合物の生産技術に関して特許出願を行うなど、次世代の収益源創出に余念がありません。既存の農薬の枠にとらわれない新技術の導入を推進しており、アグリテックや環境経営に関心のある人材にとって、非常に魅力的な変革期と言えるでしょう。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
日本農薬は現在、創立100周年に向けた「Growing Global for Sustainability」を掲げ、急速なグローバル化と事業多角化を推進しています。「食の安定供給」という社会貢献性を軸に、英国やメキシコなど海外拠点の拡充を担いたいという意欲を伝えるのが効果的です。また、BASF社との提携や新規成分の開発といった「イノベーションへの挑戦姿勢」に共感し、自身の専門性をどう掛け合わせたいかを具体化しましょう。
面接での逆質問例
- 今回新たに新規連結された海外4社を含め、グループ全体でのシナジー創出に向け、中途入社者にはどのような役割が期待されていますか?
- 理研との共同研究などオープンイノベーションが加速していますが、外部技術と自社技術を融合させる際の課題や、それを乗り越えるための文化的な取り組みを教えてください。
- ブラジルでの収益改善が顕著ですが、今後他地域へ展開予定の成功事例やマネジメント手法などはありますか?
5 転職者が知っておきたい現場のリアル
勤務体系を上手に活用する方法もある
残業を強制するような風習が強いわけではないので、残業時間を抑えて早く帰宅する人も多く、勤務体系を上手に活用する方法もある。
(20代後半・研究開発・男性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 日本農薬株式会社 2026年3月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)
- 日本農薬株式会社 2026年3月期第3四半期決算概要



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