0 編集部が注目した重点ポイント
① 売上高・受注高が第1四半期として過去最高を更新
2026年7月期第1四半期は、売上高が15.2億円(前年同期比19.6%増)、受注高が31.0億円(同46.2%増)に達し、いずれも第1四半期として過去最高を更新しました。生成AIの普及に伴うデータセンター向け投資の拡大が追い風となっており、極めて高い成長力を示しています。
② 電子部品分野の売上構成比が41.1%へ急拡大
用途別売上では、電子部品分野が前年同期の15.5%から41.1%へと大幅に上昇しました。金額ベースでは前年比215.9%増と驚異的な伸びを記録しています。MEMSや各種センサー向けの需要が牽引しており、事業の収益基盤が化合物半導体以外にも多角化していることが鮮明となりました。
③ 先端技術研究棟の竣工により開発体制を強化
2025年に「先端技術研究棟」を竣工させ、次世代の薄膜技術開発に向けた投資を加速させています。新施設の活用により、5G通信や自動運転用のLiDAR、量子デバイスといった成長領域でのキャリア機会が拡大しており、技術職・研究職にとって挑戦しがいのある環境が整っています。
1 連結業績ハイライト
出典:2026年7月期 第1四半期 決算概要 P.4
当第1四半期の決算は、主力の化合物半導体向け装置に加え、電子部品分野の売上が急伸したことで、増収増益の好決算となりました。営業利益率は9.9%(前年同期は9.1%)へ向上しており、収益性も着実に改善しています。特に受注高が31億円を超え、将来の売上となる受注残高も67.0億円と過去最高を記録している点は、中長期的な成長を裏付ける強力な実績です。
通期予想の売上高102億円に対し、第1四半期時点の進捗率は約14.9%となりますが、会社側は「概ね計画通りに推移」しているとしています。受注残高が売上予想の6割を超えて積み上がっていることから、今後の納品に伴い業績が加速する見通しです。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年7月期 第1四半期 決算概要 P.7
エッチング装置(主力事業)
事業内容:プラズマ等を利用して半導体材料を微細加工する装置で、当社の売上の約6割を占めるコア事業です。
業績推移:売上高は907百万円(前年同期比22.7%増)と堅調。高密度プラズマ技術が高い評価を得ています。
注目ポイント:生成AI向けの化合物半導体需要や、自動運転向けのセンサー、量子デバイス開発など、最先端の加工ニーズが集中しています。高精度の微細加工を実現するためのプラズマ制御エンジニアやプロセスエンジニアの重要性がさらに高まっています。
洗浄装置(急成長分野)
事業内容:独自の「アクアプラズマ」技術を用いた、溶液を使わないドライ洗浄装置を展開しています。
業績推移:売上高は143百万円(前年同期比249.1%増)と爆発的に成長。構成比も9.4%へ向上しました。
注目ポイント:環境負荷の低い洗浄プロセスとして、医療用マイクロ流体デバイスやウイルス不活性化などのヘルスケア分野での採用が進んでいます。新領域での用途開拓や技術営業のポジションで大きな活躍の余地があります。
CVD・ALD装置(次世代技術)
事業内容:化学反応により基板上に薄膜を形成する装置。原子一層単位での成膜が可能なALD装置も含みます。
業績推移:売上高は190百万円(前年同期比10.5%減)。一時的な納期の重なりで減収も、研究開発用が34%増と伸長しています。
注目ポイント:次世代パワーデバイスの絶縁膜形成などに不可欠な技術であり、研究開発投資が活発です。大学や研究機関との共同プロジェクトも多く、学術的な知見を活かしたいキャリア層に適したフィールドです。
地域別分析:アジア拠点の強化
事業内容:日本、アジア、北米、欧州の4極体制で、世界中の半導体・電子部品メーカーへ装置を供給しています。
業績推移:アジア売上高が774百万円(前年同期比154.8%増)と急伸。構成比は50.7%に達し、国内を逆転しました。
注目ポイント:台湾や中国、韓国、シンガポール等での引き合いが非常に強く、グローバルなフィールドでの保守・サービス体制の強化が急務となっています。海外拠点でのマネジメントや技術支援のニーズが高まっています。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年7月期 第1四半期 決算概要 P.12
2026年7月期は、売上高102億円(前期比9.2%増)、営業利益24.6億円(同5.0%増)を計画しています。1Q時点で記録的な受注残高を抱えていることから、下期に向けた業績の上積みも期待できる状況です。戦略面では、参入障壁の高い化合物半導体や電子部品等の特定領域で圧倒的シェアを握る「ニッチトップ」戦略を継続し、高い利益率(目標25%以上)の維持を目指しています。
キャリアの観点では、2025年に竣工した「先端技術研究棟」での研究開発強化が最大の注目点です。省エネ・脱炭素を支える次世代パワーデバイス(SiC、GaN、酸化ガリウム)向けの技術開発に注力しており、「70歳まで働ける企業」を掲げた人材育成方針のもと、リスキリングやシニア層の活躍支援、外国籍社員の積極採用など、多様なプロ集団の形成を急いでいます。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
サムコは、生成AIの普及や脱炭素社会の実現といった世界的な潮流の最前線に立つ企業です。単なる装置メーカーではなく、「薄膜技術」のスペシャリストとして、5G通信、自動運転、量子コンピュータといった未来を創る基盤を提供しています。特に、1Qで急成長を見せた「電子部品」や「洗浄装置」などの新領域において、自らの専門性をどう活かし、同社の多角化を加速させたいかを語ることが、強いアピールに繋がります。
面接での逆質問例
- 「先端技術研究棟の竣工により、特に注力される新規アプリケーションの開発ロードマップについて教えてください」
- 「アジア圏での売上比率が50%を超えていますが、現地でのカスタマーサービスや技術支援の体制はどのように変化していく予定でしょうか」
- 「『70歳まで働ける企業』としてリスキリング支援に注力されていますが、具体的にどのようなスキル習得が推奨されていますか」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- サムコ株式会社 2026年7月期 第1四半期 決算概要(2025年12月11日発表)
- サムコ株式会社 2026年7月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(非連結)(2025年12月11日発表)



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