コーセルの転職研究 2026年5月期2Q決算に見るキャリア機会

コーセルの転職研究 2026年5月期2Q決算に見るキャリア機会

コーセルの2026年5月期2Q決算は、顧客在庫調整の影響で減収減益も、生成AI向け需要増で受注は回復基調。上海・ベトナム子会社の解散など抜本的構造改革を断行し、LITEON社との協業強化へ舵を切っています。変革期にある同社で、転職希望者がどのような役割を担い、新ブランド拡大に貢献できるのかを整理します。


0 編集部が注目した重点ポイント

生成AI向け需要が追い風となり受注が回復する

2026年5月期上期は顧客の在庫消化遅れにより減収減益となりましたが、受注高は114億25百万円(前年同期比29.7%増)と回復基調にあります。特に生成AI用GPU半導体製造装置向けの特定業界向け製品が好調で、先端技術分野でのキャリアを志向するエンジニアにとって、成長領域での開発機会が拡大しています。

抜本的な構造改革で収益基盤を再構築する

経営の最適化に向け、2025年11月以降、上海の貿易拠点移管やベトナム製造子会社の解散など抜本的な構造改革を断行しています。不採算・重複機能の整理を進め、次期中期経営計画に向けた筋肉質な組織への変革が進んでおり、組織の若返りや業務効率化を推進できる管理部門や生産管理人材の重要性が高まっています。

LITEONとの協業でミドルレンジ市場を攻略する

台湾LITEON社との共同開発ブランド「COSELSYNC.」の拡大に向け、開発人員を増強する「COSELSYNC課」を新設しました。3年後の売上目標50億円を掲げ、北米での成功事例をグローバル展開する方針です。設計から生産・品質まで両社の強みを融合させる体制が整い、グローバルな開発プロジェクトに参画できる機会が生まれています。

1 連結業績ハイライト

顧客在庫の調整局面継続により大幅な減収減益も、次期に向けた構造改革に着手
上期実績サマリー

出典:2026年5月期 第2四半期(上期) 決算説明資料 P.4

売上高

11,134百万円

(前年同期比 ▲25.0%)

営業利益

▲659百万円

(前年同期比 営業損失転落)

経常利益

117百万円

(前年同期比 ▲80.3%)

2026年5月期第2四半期(累計)の業績は、国内および海外のFA・医療・計測機器関連において、顧客の在庫消化が想定以上に遅れたことが響き、売上高は前年同期を大幅に下回りました。利益面では、売上高の減少により固定費を吸収できず、営業損失6億59百万円を計上しています。一方で、経常利益については為替差益6億10百万円等の営業外収益により黒字を確保しました。

通期業績予想に対しては、中間期の実績が前回予想を大きく下回ったことを受け、通期売上高を241億19百万円、営業利益を8億14百万円の損失へ下方修正しました。修正後の通期予想に対する売上進捗率は約46.1%となっており、下期からの受注回復を見込むものの、現時点では進捗が遅れている状況です。これに対応し、グループ拠点の集約や経費削減を加速させる方針を打ち出しています。

2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド

AI半導体装置向け需要は堅調、地域ごとの調整局面を新ブランドで突破
地域別売上高増減

出典:2026年5月期 第2四半期(上期) 決算説明資料 P.5

日本生産販売事業

事業内容:産業用電源の国内開発・製造および国内顧客向けの直接販売・流通販売を担う基幹セグメント。

業績推移:外部売上高は63億29百万円(前年同期比35.3%減)。セグメント損失は3億95百万円となり大幅な減収減益。

注目ポイント:半導体製造装置向けの一部では在庫消化が進み、生成AI用途の需要増により受注は大幅に回復しています。一方でFAや医療機器向けの大口顧客で調整が続いており、既存のハイエンド市場に加え、新ブランド「COSELSYNC.」によるミドルレンジ市場開拓が急務です。国内販売店との連携を深化させ、ソリューション提案を強化できる技術営業職の活躍が期待されています。

注目職種:技術営業(FAE)、国内営業、電源回路設計、生産管理

北米販売事業

事業内容:米国市場を中心とした産業用電源の販売および顧客サポート、プロモーション活動。

業績推移:外部売上高は6億90百万円(前年同期比12.8%減)。セグメント損失は31百万円を計上。

注目ポイント:米国の関税政策に伴う先行き不透明感から調整局面が続いていますが、他地域に先駆けて展開したLITEON製品の拡販が新規顧客獲得に結びついています。この「北米成功モデル」をグローバル展開する戦略をとっており、現地のニーズを汲み取り共同開発にフィードバックできる、グローバルマーケティング感覚を持った人材が求められています。

注目職種:海外営業企画、マーケティング、カスタマーサポート(英語活用)

ヨーロッパ生産販売事業

事業内容:スウェーデンのPowerbox International AB(PRBX)を拠点とした電源の開発・製造・販売。

業績推移:外部売上高は30億3百万円(前年同期比2.5%増)。セグメント損失は3億41百万円を計上。

注目ポイント:関税リスクによる調整はあるものの、売上高は前年同期並みを維持しています。新製品の限界利益率向上に注力しており、高付加価値製品への切り替えを推進中。PRBXが持つ高度な技術力とコーセルの品質管理を融合させた共同開発が本格化しており、欧州のエンジニアと連携して次世代電源を開発できるグローバル開発人材にとって魅力的な環境です。

注目職種:電源開発エンジニア、技術プロジェクトマネージャー、海外生産技術

アジア販売事業

事業内容:中国・韓国・東南アジア地域における販売活動およびウェブマーケティングを通じた販路拡大。

業績推移:外部売上高は11億11百万円(前年同期比17.7%減)。セグメント利益は28百万円を確保。

注目ポイント:中国景気の減速や関税動向の影響を受けていますが、唯一セグメント黒字を維持しています。ウェブマーケティングによる新規開拓を継続的に進めており、デジタルマーケティングを活用した販路拡大戦略をアジア全域に広げていく計画です。オンラインとオフラインを融合させた新しいB2B営業スタイルを構築できる人材が期待されています。

注目職種:アジア圏海外営業、ウェブマーケター、販売促進

中国生産事業

事業内容:中国国内の生産拠点(無錫コーセル)における製品の製造および品質管理。

業績推移:内部売上高は7億95百万円(前年同期比20.8%減)。セグメント損失は45百万円を計上。

注目ポイント:受注回復を見越した柔軟な増産体制の整備を進めています。「生産性の向上」「品質の改善」「コスト削減」を徹底テーマに掲げており、DX推進によるスマート工場化の素地を作っています。また、新製品「PDAシリーズ」の生産体制増強も進めており、製造現場のデジタル化を牽引できる生産技術人材の採用可能性が高まっています。

注目職種:生産技術(自動化・デジタル化)、品質保証、工場管理

3 今後の見通しと採用の注目点

構造改革により「選択と集中」を加速、新組織による成長戦略へシフト
下期以降の事業方向性

出典:2026年5月期 第2四半期(上期) 決算説明資料 P.13

同社は下期から来期にかけ、収益改善に向けた「構造改革」と「成長分野への集中」を同時に推し進めます。まず、経営効率化のため、上海の貿易子会社「上海科素商貿有限公司」とベトナムの製造子会社「COSEL VIETNAM」の解散・移管を決定しました。これによりサプライチェーンを再編し、固定費削減と意思決定の迅速化を図ります。

成長戦略の柱は、AI半導体製造装置向けの需要取り込みと、LITEON社との協業強化です。「COSELSYNC課」を新設し、開発人員を増強することで、ミドルレンジ市場向けの製品ラインナップ拡充を加速させます。3年後の売上目標50億円達成に向け、再生可能エネルギー関連製品の量産化移行など、新規分野への積極投資も計画されています。

転職者にとっては、組織再編に伴う「攻めの増員」が期待できる局面です。特にLITEONとの共同開発体制の強化や、国内・海外でのデジタル化推進、コスト構造改革をリードできる経験豊富な人材へのニーズがかつてないほど高まっており、変革期にある企業の中心メンバーとして活躍できるチャンスと言えます。

4 求職者へのアドバイス

HINT

志望動機のヒント

同社は現在、ハイエンド市場での圧倒的地位を活かしつつ、LITEONとの協業でミドルレンジ市場を攻略するという「第二の創業期」とも言える変革期にあります。特に「COSELSYNC課」の新設など、外部パートナーとの共創を重視した新しい組織体制が整い始めています。これまでの自身の経験を、単なる「回路設計」や「営業」に留めず、グローバルな協業や新規市場開拓にどう活かせるか、という視点で志望動機を構築すると、経営陣の意向と強く合致するでしょう。

Q&A

面接での逆質問例

COSELSYNC課の新設により、LITEON社との技術連携や意思決定のスピード感にどのような変化がありましたか?」
上海やベトナム拠点の解散・集約により、今後のグローバルサプライチェーン管理や生産技術の役割はどう進化していくとお考えですか?」
生成AI関連の受注が好調ですが、この分野での優位性を維持するために、中長期的にどのような技術スペックの追求を予定していますか?」

5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)

決算資料や公式発表だけでは見えにくい、現場で働く社員・元社員の実体験(口コミ)を、転職判断の参考となるよう編集部で選定しています。
"

毎月数千円程度の報奨金が給与に反映

社内資格を合格すると福利厚生として、毎月数千円程度の報奨金が給与に反映される。

(33歳・技術・男性) [キャリコネで給与明細を見る]
"

住宅関連補助が一切ないのが厳しい

福利厚生に関しては一部上場企業と思えないほどペラペラの内容。特に富山勤務の場合住宅関連補助が一切ないのが厳しい。

(27歳・技術・男性) [キャリコネで給与明細を見る]

※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。

使用した主な公開資料

  • 2026年5月期 第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(連結)
  • 2026年5月期 第2四半期(上期) 決算説明資料

この記事の執筆者

上場企業の四半期決算から、面接で差がつく「志望動機」や「逆質問」のヒントを導き出す専門チーム。3ヶ月ごとの業績推移と戦略の遂行状況をキャリコネ独自の現場データと照合し、求人票だけでは見えない企業の「現在地」を可視化します。投資家向け情報を、転職希望者が選考を有利に進めるための武器に変える、実戦的な企業研究を配信中。