0 編集部が注目した重点ポイント
①半導体製造装置向け受注が回復し業績底打ちを鮮明にする
当第3四半期の累計受注高は191億33百万円と前年同期比44.6%増を記録しました。特に生成AI用GPU半導体製造装置向けの需要が旺盛で、FA関連の在庫調整も進展しています。売上への寄与は次期以降が中心となりますが、受注残高の大幅な積み上がりは、転職者にとって将来の事業拡大を予見させるポジティブな指標です。
②収益性は低下するも受注残高の拡大で反転を狙う
売上高の減少により固定費を吸収できず、営業損失8億99百万円を計上しました。しかし、BBレシオが1.24倍まで上昇するなど、先行指標は急速に改善しています。収益力回復に向けた製造体制の整備が急務となっており、生産性の向上やコスト削減を主導できる専門人材の活躍機会が国内・海外拠点ともに拡大しています。
③グローバル市場での在庫消化が進み受注が急増する
北米やアジア市場において、顧客の在庫消化が進んだことで受注が急速に回復しています。特にアジアでは大口案件の受注もあり、第3四半期単体での受注が急増しました。地域ごとの需要変動に対応した柔軟な営業戦略と、新製品「PDAシリーズ」等の投入によるラインナップ強化が、グローバルでのシェア拡大を後押ししています。
1 連結業績ハイライト
出典:2026年5月期 第3四半期 決算説明資料 P.4
売上高
17,346百万円
前年比:▲18.2%
営業利益
▲899百万円
前年:730百万円
経常利益
9百万円
前年比:▲98.6%
受注高
19,133百万円
前年比:+44.6%
当第3四半期累計の業績は、売上高が前年比18.2%減の17,346百万円となり、売上減少に伴う固定費の負担から営業損失899百万円となりました。しかし、先行指標である受注高は前年同期比で約45%の大幅増となっており、特に日本国内を中心に半導体製造装置向けの需要が極めて旺盛です。生成AI市場の拡大が追い風となり、段階的に回復基調を強めています。 通期予想(売上高24,119百万円)に対する進捗率は71.9%となっており、資料の記述を総合すると、受注回復に伴う売上寄与が後半に集中することから、業績は概ね順調に推移していると評価できます。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年5月期 第3四半期 決算説明資料 P.5
日本生産販売事業
事業内容:国内における電源製品の開発・製造・販売。半導体製造装置やFA、医療機器向けが主力。
業績推移:外部顧客売上高は97億29百万円(前年同期比28.2%減)。セグメント損失は4億66百万円。
注目ポイント:売上高は低調ですが、受注は前年同期を大幅に上回り回復傾向にあります。特にAI活用によるデジタル化推進を背景とした半導体製造装置関連の需要回復が顕著です。多くの受注が第4四半期以降の売上寄与となる見込みで、増産体制の構築に向けた生産・技術人材の重要性が高まっています。
北米販売事業
事業内容:北米市場における販売およびプロモーション活動。セールスレップとの連携を強化。
業績推移:売上高は12億19百万円(前年同期比9.7%増)。セグメント利益は15百万円。
注目ポイント:関税の影響による先行きの不透明感があったものの、当第3四半期からの受注回復に伴い売上高も増加基調に転じました。動画を用いた新製品プロモーションや、新ブランド「COSELSYNC.」の拡販活動に注力しており、海外市場でのデジタルマーケティングや販路開拓の経験者が求められています。
ヨーロッパ生産販売事業
事業内容:スウェーデンの子会社Powerbox(PRBX)を拠点とした開発・製造・販売。
業績推移:売上高は45億34百万円(前年同期比0.5%増)。セグメント損失は6億30百万円。
注目ポイント:景気の不透明感はやや後退したものの、需要の調整局面が継続しています。顧客の発注調整により受注が低迷し、売上は横ばいとなりました。一方、訪問営業とテレワークの両面での活動を増やしており、厳しい市場環境下でPRBX製品の付加価値を訴求できるグローバル営業力の重要性が増しています。
アジア販売事業
事業内容:中国・アジア市場での販売活動。ウェブマーケティングによる新規開拓に注力。
業績推移:売上高は18億62百万円(前年同期比8.8%減)。セグメント利益は61百万円。
注目ポイント:中国景気の鈍化や関税動向の影響がありましたが、在庫消化の進展と大口案件の受注獲得により、第3四半期以降に受注が急増しました。受注回復に伴い、売上も回復傾向にあります。ウェブを活用した新規顧客獲得と、急速な需要増に対応するデリバリー管理が期待されるフィールドです。
中国生産事業
事業内容:中国における製品製造およびセグメント間への供給。無錫拠点が中心。
業績推移:内部売上高は13億1百万円(前年同期比6.5%減)。セグメント損失は22百万円。
注目ポイント:既存製品および新製品の受注回復に伴い、生産量が徐々に増加しています。さらなる受注拡大を見越し、増産体制の整備と「生産性の向上」「品質の改善」「コスト削減」に注力しています。PDAシリーズの生産能力増強も推進しており、海外工場のマネジメントや生産改善のスペシャリストにとって挑戦しがいのある環境です。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年5月期 第3四半期 決算説明資料 P.13
第4四半期は、医療や通信機器メーカーからの先行手配による調整が入る可能性があるものの、生成AI用半導体製造装置関連の需要増が全体の業績を支える見通しです。顧客の在庫消化も完了に向かっており、受注残高をいかに効率よく売上に変えていけるかが鍵となります。 成長戦略の柱として、新ブランド「COSELSYNC.」やLITEON製品の拡販活動、さらにはユニット型シングル出力AC-DC電源「PDAシリーズ」の拡充など、製品ポートフォリオの強化が加速しています。これらの新展開を支えるための研究開発費や設備投資も積極的に行われており、変化する市場環境に適応できる機動力のある人材の採用が重要視されています。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
生成AI市場の爆発的成長を支える「電源」というインフラ側面での貢献に注目しましょう。半導体製造装置向けの受注が急増している事実は、同社の製品が最先端技術の根幹を支えている証拠です。「社会のデジタル化を支える高品質な電源製品を世界に広めたい」といった動機に加え、LITEONとの連携など新しいビジネスモデルへの関心を示すことで、成長意欲の高い候補者として評価されます。
面接での逆質問例
「現在、過去最高水準の受注残高を抱えておられますが、この需要を確実に売上に繋げるための増産体制の構築において、私のこれまでの〇〇(生産改善・サプライチェーン管理等)の経験をどのように活かせるとお考えでしょうか?」といった、実績に裏打ちされた質問が有効です。また、「PDAシリーズの拡充など新製品開発が加速する中で、開発と営業の連携において具体的にどのような課題を克服されようとしているのか」を聞くことで、現場視点での熱意が伝わります。
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
部署によって残業時間はまちまち
新製品の開発部隊は残業時間が長いし、品質保証やカスタマーサポート部隊の残業枠は少ない。新製品開発を優先した経営体型になっている。
(30代・技術・男性) [キャリコネで給与明細を見る]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- コーセル株式会社 2026年5月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)
- コーセル株式会社 2026年5月期 第3四半期 決算説明資料



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