クックパッドの転職研究 2025年12月期決算に見るキャリア機会

クックパッドの転職研究 2025年12月期決算に見るキャリア機会

クックパッドの2025年12月期決算は、金融収益により税引前利益10億円超を維持。主力サービスの減収が続く中、AIを活用した「moment」など次世代プロダクトへの投資を加速させています。「なぜ今クックパッドなのか?」という問いに対し、テクノロジーで料理体験を再定義する現場の挑戦とキャリア機会を整理します。


0 編集部が注目した重点ポイント

資本効率の向上に向け自己株式を消却する

2025年3月の取締役会決議に基づき、機動的な資本政策の一環として約17億円規模の自己株式取得を実施しました。2026年2月までに取得した株式の消却も予定しており、1株当たりの価値向上を図っています。転職者にとっては、経営陣が株主還元と資本効率を重視し、筋肉質な財務体質への転換を急いでいる姿勢が読み取れます。

有価証券運用で税引前利益を維持する

本業の営業利益は前年比60.8%減と苦戦しましたが、有価証券運用による金融収益が増加したことで、税引前利益は1,098百万円と前期並みの水準を確保しました。キャッシュ・リッチな財務基盤を活かし、本業の回復に向けた投資余力を維持している点が、今後の事業再生に向けた大きなマイルストーンとなります。

AI時代の料理体験再定義に注力する

AI技術の進展による検索体験の変化に対応し、単なるレシピ検索を超えた「料理の学び方」を変えるAI学習サービス「moment」などの開発を加速させています。既存の収益モデルが転換期にある中、テクノロジーを活用して「毎日の料理を楽しみにする」というミッションを完遂するための、エンジニアやプロダクト職の重要性が増しています。

1 連結業績ハイライト

売上収益は会員数減少により減収となるも、金融収益の寄与で税引前利益は前期並みを確保。
決算ハイライト

出典:2025年12月期 決算説明会資料 P.4

売上収益
5,336百万円
-9.2%
営業利益
264百万円
-60.8%
税引前当期利益
1,098百万円
-1.0%
親会社所有者帰属利益
741百万円
-44.4%

2025年12月期の連結業績は、主力であるレシピサービスのプレミアムサービス会員数減少が響き、売上収益は前期比9.2%減となりました。販売費及び一般管理費については、従業員数の自然減に伴う人件費抑制や効率化により前期比2.6%の削減を実現しましたが、減収分を補いきれず営業利益は大幅減となりました。一方、有価証券運用が奏功し、税引前当期利益は1,098百万円と前期並みを維持しています。

なお、2026年12月期の連結業績予想については、事業環境の変化に応じた機動的な投資判断を行うため、合理的な算定が困難として非開示としています。

2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド

単一セグメントながら、既存レシピサービスと新規AI・流通事業のポートフォリオ変革を推進。
販管費の推移と構成

出典:2025年12月期 決算説明会資料 P.7

クックパッド(レシピサービス)

事業内容:国内外で展開する日本最大級の料理レシピ投稿・検索サービス。広告および有料会員(プレミアムサービス)が主収益。

業績推移:プレミアムサービス会員数の減少が継続し、グループ全体の減収要因となったが、グローバルでのプラットフォーム統合を完了。

注目ポイント:AI技術の進展によりレシピ検索のあり方が激変する中、「AI時代の料理の楽しみ方」を再定義するフェーズにあります。検索・記録・共有の3価値向上に向けたプロダクト改善が急務であり、大規模プラットフォームの変革を担うエンジニアやデータサイエンティストにとって、挑戦しがいのある環境です。

注目職種:バックエンドエンジニア、データサイエンティスト、プロダクトマネージャー

moment(AI学習サービス)

事業内容:AI技術を活用し、調理行動に応じたフィードバックを行うことで料理の学び方を変える次世代型サービス。

業績推移:高いユーザー評価と学習体験の再現性を確認できたものの、プロダクトとしての実装スピードや体制面が課題となっている。

注目ポイント:個人の成長に合わせたパーソナルな体験を提供する手応えを得ており、汎用的なプロダクトへの昇華が期待されています。ゼロイチのプロダクト開発において、AI技術を実生活の課題解決にどう落とし込むかという、高度なUI/UX設計と技術実装の経験が積める領域です。

注目職種:AIエンジニア、モバイルアプリエンジニア、UXデザイナー

クックパッドマート

事業内容:生産者と消費者をつなぐ生鮮食品EC。既存流通では難しい高品質な食材を直接届ける事業モデル。

業績推移:サービスとしての意義は確認できているが、物流・供給制約に伴う収益性の確立には至らず、成長ドライバーとしての確立が課題。

注目ポイント:物理的なサプライチェーンをテクノロジーで最適化する難度の高い挑戦を続けています。収益性と拡張性を同時に満たすモデルの構築が必要不可欠となっており、事業企画やロジスティクス、オペレーション設計の専門知識を持つ人材が、事業をフェーズアップさせる鍵となります。

注目職種:事業開発(BizDev)、オペレーションマネージャー、SCMスペシャリスト

3 今後の見通しと採用の注目点

不透明な環境下でも積極投資を継続。料理体験の「パーソナライズ化」が成長の鍵。
財務状況サマリ

出典:2025年12月期 決算説明会資料 P.5

同社は、業績の回復を最優先の経営課題としつつ、将来にわたり価値を生み出すために経営資源の集中を進める方針です。特に「料理の障壁」を取り除くためのAI学習サービスや流通モデルの検証に投資を継続しており、これらの事業がいつ「明確な成長ドライバー」へと転換できるかが焦点となります。

採用面での注目点は、従業員数が前年末の117名から101名まで減少(自然減)している点です。全社的な効率化が進む一方で、新サービス「moment」などの開発体制には課題が残ると明記されており、特定領域での高い専門性を持つエンジニアや、事業を安定稼働へ導くマネジメント層の補強は継続される可能性が高いと考えられます。不透明な状況を機動的な投資で切り抜ける戦略を掲げているため、変化に強く自律的に動ける人材への期待が高まっています。

4 求職者へのアドバイス

HINT 志望動機のヒント

主力のレシピサービスが減収傾向にある中で、会社としてAI技術による価値再定義を明確に打ち出しています。「単なるレシピの提供」から「料理を学ぶ・実践する体験の変革」へとミッションを深化させている点に共感し、自身のスキルがどのようにその第2の成長エンジン(momentやマート)に貢献できるかを具体的に語ることが有効です。また、定款に「料理が楽しみになった時、解散する」と記すほどの強い使命感への理解も欠かせません。

Q&A 面接での逆質問例
  • 「AIによる検索体験の変化に対応する中で、現在エンジニア組織に最も不足している技術的なピースは何でしょうか?」
  • 「momentやクックパッドマートの汎用プロダクト化に向け、現場が直面している最大の障壁とそれを突破するための戦略を教えてください。」
  • 「自然減に伴い人件費が減少していますが、今後の新規事業加速に向けた中途採用の優先度と期待される役割について伺いたいです。」

5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)

決算資料や公式発表だけでは見えにくい、現場で働く社員・元社員の実体験(口コミ)を、転職判断の参考となるよう編集部で選定しています。
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子育てママにはとっても良い環境

女性も男性も産休育休は当たり前に取得する。子供の行事の参加なども問題なく参加できたし、子どもの体調不良で休むことで何か言われたことは一度もなかった。むしろ、何か不平を言う人がいたら白い目で見られるくらいに良い環境。子育てママにはとっても良い環境だった。

(30代前半・Web関連職・女性) [キャリコネの口コミを読む]
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基準が曖昧で属人性が高く透明性は低い

グレードという評価制度があるが、基準が曖昧で属人性が高く透明性は低い。所属部署と評価する上長ガチャ状態。目標設定から評価までコストのかかる評価制度だが、給与とは紐付いていないという謎な設計。年俸と賞与という給与体系だが、賞与は小遣い程度。出ないこともザラ。昇給有無の根拠も曖昧で、将来設計が難しい。中途採用の多い企業では仕方がないのかもしれないが不満と不安を感じて離れる人も少なくはない。

(30代前半・Web関連職・女性) [キャリコネの口コミを読む]

※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。

使用した主な公開資料

  • クックパッド株式会社 2025年12月期 決算短信〔IFRS〕(連結)
  • クックパッド株式会社 2025年12月期 決算説明会資料

この記事の執筆者

上場企業の四半期決算から、面接で差がつく「志望動機」や「逆質問」のヒントを導き出す専門チーム。3ヶ月ごとの業績推移と戦略の遂行状況をキャリコネ独自の現場データと照合し、求人票だけでは見えない企業の「現在地」を可視化します。投資家向け情報を、転職希望者が選考を有利に進めるための武器に変える、実戦的な企業研究を配信中。


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