0 編集部が注目した重点ポイント
① 17年ぶりの復配を実施し株主還元を本格化させる
2025年12月期において、実に17期振りとなる1株当たり5円の配当(復配)を決定しました。本業によるキャッシュ創出力が向上し、営業キャッシュ・フローが1,352百万円と大幅に増加したことが背景にあります。今後は安定配当の継続を方針として掲げており、投資フェーズから利益還元フェーズへの移行は、転職者にとっても経営基盤の安定を示すポジティブな指標となります。
② 那須の大型複合施設開業で新事業領域へ進出する
2025年3月、栃木県那須塩原市に新業態となる「那須パラダイスヴィレッジ」をグランドオープンしました。1階にフードコート、2階にホテルを備えた大規模な商業施設パッケージであり、従来のレストラン単体経営から「宿泊複合施設の運営」へと事業ポートフォリオを拡大させています。新領域でのオペレーション構築や地域密着型の集客戦略など、新たなキャリア機会が創出されています。
③ 米国子会社の経営体制を刷新し黒字化を狙う
2026年度より米国子会社のCEO・CFOを日本本社の役員が兼務する管理体制の抜本的刷新を行います。2025年度は現地新店「セッテチェント」の好調により米国全体のEBITDAが黒字転換するなど、再成長に向けた兆しが見えています。本社機能の投入によるガバナンス強化が進む中で、グローバルな視点での店舗マネジメントやコスト管理スキルの需要が高まっています。
1 連結業績ハイライト
出典:2025年12月期 決算説明会資料 P.5
売上高
13,660百万円
+15.9%
営業利益
688百万円
▲8.6%
EBITDA
1,121百万円
+18.4%
※EBITDA = 営業利益 + 減価償却費(本業のキャッシュ創出力を示す指標)
当連結会計年度の売上高は前年比15.9%増の13,660百万円となり、期初計画を上回って着地しました。国内既存店が客数・客単価ともに前年を上回り、営業利益率11.1%を達成するなど非常に堅調です。損益面では、那須の大型施設や米国・下北沢での新店開業に伴う一時的なコスト、ロサンゼルス近郊の山火事の影響などにより営業利益は微減となりましたが、減価償却費を加味したEBITDAは18.4%増と、実質的な稼ぐ力は大きく伸長しています。
通期予想に対する進捗状況については、売上高で計画対比101.3%、営業利益で109.9%を達成しており、業績は順調に推移しています。特に下期にかけての既存店回復と新店の立ち上がりが寄与しており、次年度に向けた成長の土台が整っています。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2025年12月期 決算説明会資料 P.28
国内飲食事業(既存主要コンセプト)
【事業内容】「ラ・ボエム」「権八」「モンスーンカフェ」など多彩なブランドを、東京圏を中心に展開する主力事業です。
【業績推移】売上高11,149百万円(+10.2%)。「権八」がインバウンド需要を取り込み、営業利益率27.5%と極めて高い収益性を維持しています。
【注目ポイント】サプライチェーンの進化として、パスタやワイン、オリーブオイル等の海外生産者との直接交渉・契約を推進しています。直輸入食材の拡大により原材料費を低減しつつ、独自性の高い商品調達を行っており、購買・商品開発分野での専門性が収益改善の鍵を握っています。
米国事業(California)
【事業内容】子会社GLOBAL-DINING, INC. of CALIFORNIAを通じて、サンタモニカやウエストハリウッド等でレストランを運営しています。
【業績推移】売上高2,510百万円(+50.1%)。新店「セッテチェント」の好スタートにより、営業利益赤字が1.6億円縮小し、EBITDAは黒字化しました。
【注目ポイント】15年ぶりの新規出店となった「セッテチェント」は、自家製パスタやピザ生地の使用により原価率を既存店比で約5ポイント抑制することに成功しています。2026年度は屋外営業の恒久化に向けた工事も予定しており、再成長に向けた店舗マネジメント体制の構築が急務となっています。
那須プロジェクト(新規事業)
【事業内容】那須塩原市にて、13業態のフードコートと37室のホテルからなる「那須パラダイスヴィレッジ」を運営する新領域事業です。
【業績推移】2025年3月のグランドオープン。開業費用の計上により利益面は赤字ですが、売上高は着実な右肩上がりを計画しています。
【注目ポイント】2026年度は「ソフトビルディング期」と位置づけ、愛犬同行プランの拡充やイベント開催を通じて、商圏50km内での地域密着型集客を強化します。レストランの枠を超えた「体験価値の創造」を主導できる、観光・レジャー分野の知見を持つ人材が活躍できるフィールドです。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2025年12月期 決算説明会資料 P.10
2026年度の連結業績予想は、売上高14,032百万円(前年比2.7%増)、営業利益948百万円(同37.9%増)と大幅な増益を見込んでいます。特筆すべきは、2026年内には新規出店の計画がない点です。これまでの積極投資フェーズから一転し、那須プロジェクトの進捗、国内赤字店舗の改善、米国子会社の黒字化という3つの課題に集中し、2027年以降の再成長に向けた「体力向上」を目指します。
2027年度には「たまプラーザ」への2店舗開業を予定するなど、次なる成長への布石も打たれています。また、質疑応答や計画資料によれば、東郷町の2店舗(ラ・ボエム、モンスーンカフェ)を2026年1月に閉店し、リソースの最適化を図っています。無謀な拡大ではなく、不採算拠点の整理と既存資産の最大化を優先する経営判断は、着実なキャリアを歩みたい転職者にとって安心材料と言えるでしょう。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
同社の強みは、特定のコンセプトに依存しない「マルチブランド戦略」と、インバウンド需要を利益に変える「権八」などの圧倒的な収益力にあります。「既存ブランドの収益性をさらに高めるためのサプライチェーン改革」や、「那須パラダイスヴィレッジのような新領域でのブランド浸透」にどのように貢献できるかを語るのが効果的です。単なる飲食の枠を超えた、サービス価値の最大化に意欲を示すことが求められます。
面接での逆質問例
1. 「2026年度は利益率改善に注力されますが、特に本部機能から店舗現場へのオペレーション支援において、現在最も強化しようとしているポイントは何ですか?」
2. 「那須パラダイスヴィレッジの2030年に向けた段階的なフェーズ移行において、ホテルと飲食のシナジーを最大化するための次なる一手は何ですか?」
3. 「米国子会社の経営体制刷新により、日本本社と現地のガバナンスや人材交流は今後どのように変化していく計画ですか?」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
実力主義で評価される社風
実力主義で評価される社風ではある。印象役の要素も実際高く、評価されるのが上手な人が昇級しやすい。
(31歳・コンサルタント / 管理職・男性) [キャリコネで給与明細を見る]プライベートが全くない
将来自分のお店を持ちたい人には制限なく何でもやらせてもらえるため良い勉強になると思うが、プライベートが全くない為、ただのサービスが好きだけでできる仕事ではないと思います。
(20代後半・ホールスタッフ・女性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 株式会社グローバルダイニング 2025年12月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
- 株式会社グローバルダイニング 2025年12月期 決算説明会資料



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