0 編集部が注目した重点ポイント
① 高収益なストック型モデルへ構造転換を急ぐ
中期経営計画「Vision 2027」に基づき、従来の受託開発(労働集約型)から、継続的な収益が見込める製品ライセンス(ストック型)への事業転換を強力に推進しています。この構造改革に伴うリソースシフトにより、一時的な利益減少が発生しているものの、将来の利益率向上に向けた戦略的な過渡期と位置づけられています。
② 車載量産車向けライセンス獲得へ資源を集中する
車載・モビリティ領域において、単発の試作案件(PoC)から、将来の大きな収益源となる「量産車向けライセンス」の獲得へ社内リソースを大胆にシフトしています。自動運転開発を牽引するティアフォー社への技術提供など、大手メーカーとの関係強化により、中長期的な収益基盤の構築が進んでいます。
③ 防衛・建設等の新規領域で国産AIのニーズを掴む
DX領域では、国策としてのニーズが高まっている防衛や建設業界向けの製品開発を強化しています。高価なセンサーを使わない独自の3D空間撮像技術など、純国産の画像処理・AI技術を武器に、鉄道や航空宇宙といった新規市場の開拓が着実に進展しており、事業ポートフォリオの多様化が期待されます。
1 連結業績ハイライト
出典:2026年10月期 第1四半期決算補足説明資料 P.8
2026年10月期第1四半期の売上高は474,558千円となり、前年同期比で32.2%の減収となりました。これは主に、車載向け開発案件の一部中止や、半導体市況の高騰に伴うスマートフォンメーカーの生産調整が影響しています。利益面では、ビジネスモデル転換に伴う一時的な粗利益の減少に加え、次世代製品への研究開発費の継続的な投入が重なり、391,144千円の営業損失を計上しました。
通期予想に対する進捗状況については、売上高が目標3,500百万円に対し約13.5%に留まっており、現時点では進捗が遅れていると評価されます。ただし、会社側はこれを高収益化へ向けた「収益の底」と捉えており、計画通りのリソースシフトを継続しています。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年10月期 第1四半期決算補足説明資料 P.13
スマートデバイス領域
事業内容:スマートフォンやスマートグラス、アクションカメラ等のウェアラブルデバイス向け画像処理・AI技術の提供。
業績推移:ロイヤリティ収入が311百万円(前年同期比27.5%減)。スマホ市場の出荷調整が響く。
注目ポイント:スマートフォン向けで培った軽量AI技術を、「非スマホ(ウェアラブル)領域」へ展開しています。新規開拓が順調に進捗しており、デバイス特有の低消費電力・高速処理ニーズに応える組み込み開発の専門知識を持つエンジニアの貢献が期待されています。
車載/モビリティ領域
事業内容:自動運転・先進運転支援システム(AD/ADAS)向けの画像認識・計測技術の提供。
業績推移:開発収入が142百万円(前年同期比45.4%減)。一部案件中止により足元は苦戦。
注目ポイント:量産車向けライセンス獲得を最優先事項とし、AIオートキャリブレーション技術などの付加価値が高い製品開発を加速させています。ティアフォー社への導入実績を足掛かりに、大手メーカーとの量産開発プロセスに深く関与できる人材が求められています。
DX領域
事業内容:インフラ点検、防衛装備品、建設現場向けの国産AIソリューション開発。
業績推移:その他収入が20百万円(前年同期比130.8%増)と、規模は小さいながらも急成長。
注目ポイント:防衛省向け案件やドローンによる3D計測など、「純国産技術」への期待が非常に大きい領域です。特定業界の深い課題に対し、自社の技術をどうカスタマイズして提供するかというソリューション企画・開発の能力が、事業拡大の鍵を握っています。
地域別動向
事業内容:日本、中国、北米、アジア、欧州でのグローバル展開。
業績推移:日本(146百万円、▲41.7%)、中国(252百万円、▲17.2%)、アジア(45百万円、+54.3%)。
注目ポイント:アジア地域が唯一の大幅増収となる一方、主要市場の日本・中国・北米は苦戦しました。中国市場ではスマートフォン向けの出荷調整が響いていますが、アジア等の成長市場でのプレゼンス向上や、グローバル各拠点のニーズを吸い上げ、世界市場へ対応できるエンジニアリング体制の強化が必要です。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年10月期 第1四半期決算補足説明資料 P.18
モルフォは、AIが自律的にタスクを完結させる「AIエージェント」の時代を見据え、ビジネスモデルの根本的な再構築を推進しています。第1四半期の売上高研究開発費比率は33.4%と非常に高い水準を維持しており、次世代の成長の芽であるVLM(Vision-Language Model)や3D空間撮像技術の研究開発を継続しています。
今後の焦点は、これらの先端技術をいかに早期に収益化できるかです。未来創造室を中心としたプロダクトアウト製品の一部が売上に寄与し始めており、「技術を事業に変える力」を持つ人材の採用が、中期経営計画「Vision 2027」の達成に直結すると言えるでしょう。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
「画像処理 × 高精度AI × 軽量・高速・低消費電力」という独自の技術優位性に魅力を感じる方には、非常に刺激的な環境です。単なる受託開発ではなく、自社のアルゴリズムを世界規模の量産車や最先端ウェアラブルデバイスに搭載させ、世の中の利便性を根本から変えたいという熱意を伝えると良いでしょう。また、ストック型ビジネスへの構造改革という経営課題に対し、自分の専門性(技術力や営業力)をどう活かして貢献できるかを具体化することが鍵となります。
面接での逆質問例
- 「Vision 2027」の達成に向け、エンジニア組織には具体的にどのようなマインドセットの変化が求められていますか?
- 車載量産車向けライセンス獲得において、技術的な優位性以外にビジネス面で克服すべき課題は何だと考えていますか?
- 防衛や建設などのDX領域において、パートナー企業との連携は今後どのように強化していく方針でしょうか?
5 転職者が知っておきたい現場のリアル
偉ぶったところが一切なく物腰も柔らかい
え??この人が社長??というくらい偉ぶったところが一切なく話すときの物腰もとても柔らかい方です。性格も穏やかででもスキルは途方もなく高い方です。一緒に勤務することが非常にプラスになります。
(30代後半・総務・女性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料:
- 2026年10月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)
- 2026年10月期 第1四半期決算補足説明資料



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