0 編集部が注目した重点ポイント
① 新社長就任と市場区分変更で経営基盤を刷新する
2025年1月に萩原千恵子氏が代表取締役社長に就任し、新組織体制でのスタートを切りました。同年12月には東証スタンダード市場へ市場区分を変更しています。ガバナンス体制の強化と知名度の向上を同時に推進しており、組織の成長スピードを加速させる第2の創業期とも言える変革を断行しています。
② 上場来最高の売上・全利益項目で過去最高を更新する
2025年12月期は売上高6,928百万円(前期比27.6%増)に達し、上場以来過去最高の業績を達成しました。政府の医療DX(デジタルトランスフォーメーション)推進の追い風を受け、クラウド型電子カルテシステムの新規導入と既存顧客の更新需要が想定以上に拡大。全利益項目でも過去最高額を大幅に塗り替える快挙を成し遂げています。
③ 生成AI対応とオフショア拠点拡充で開発力を強化する
LLM(大規模言語モデル)等の最新AI技術を電子カルテに取り込み、医師の書類作成支援などの高機能化を推進しています。また、開発リソース確保のためベトナム・ハノイのオフショア拠点を積極的に活用。国内外でエンジニアを確保できる体制を構築しており、継続的な製品開発力の維持と人材不足の解消を同時に実現しています。
1 連結業績ハイライト
出典:2025年12月期 決算補足説明資料 P.5
2025年12月期の業績は、売上高が前期比27.6%増の6,928,650千円、当期純利益が同19.4%増の573,459千円となりました。これは政府が推進する「骨太方針2025」に基づく医療DXの加速により、医療情報システム需要が極めて強く推移した結果です。特にクラウド技術を活かした主力製品が評価され、上場以来最高の数値を全ての利益指標で達成しています。
2026年12月期の通期予想に対する評価ですが、前期実績をさらに上回る売上高7,800百万円、営業利益800百万円を見込んでいます。前期の受注残高も3,183百万円(同64.3%増)と高水準で期首を迎えており、業績のさらなる積み上げに向けた進捗は極めて順調であると評価できます。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2025年12月期 決算補足説明資料 P.6
システム事業:ソフトウェア領域
事業内容:WEB型電子カルテシステムを中心とした医療情報システムの開発・販売。パブリック/プライベートの両クラウド形態で提供。
業績推移:販売高2,910,792千円(前期比17.7%増)。新規案件獲得および既存顧客のリプレイス需要が堅調。
注目ポイント:医療情報の標準化が進む中、クラウド技術を武器に差別化を図っています。生成AI(LLM)を用いた「病名付けサポート」などの医師補助機能の開発を強化しており、最先端技術による医療現場の課題解決に直接関与できるのが魅力です。
システム事業:ハードウェア領域
事業内容:電子カルテシステムの稼働に必要となるサーバー、端末、ネットワーク機器等の調達・構築。
業績推移:販売高2,099,210千円(前期比57.8%増)。ソフトウェアの導入増に伴い大幅伸長。
注目ポイント:システム稼働件数の増加に伴い、インフラ構築の重要性が増しています。クラウド基盤の安定運用を支えるネットワークエンジニアの役割は大きく、大規模病院のICT環境構築という責任あるプロジェクトが多数発生しています。
システム事業:保守サービス等領域
事業内容:導入済みシステムの安定稼働を支援する保守メンテナンス、運用サポート。ストック型収益の源泉。
業績推移:売上高1,918,647千円(前期比18.1%増)。累積稼働件数の増加に比例して拡大。
注目ポイント:稼働件数は5年前の1.5倍となる325件へ拡大。顧客満足度向上のためのきめ細かなサポートが、強固なストック型ビジネスモデルの土台となっています。顧客の声を製品開発へフィードバックするカスタマーサクセス的な動きも重視されています。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2025年12月期 決算補足説明資料 P.11
「医療DX令和ビジョン2030」により、2030年までの電子カルテ普及率100%という政府方針が改めて示されました。この巨大な市場需要に応えるため、同社は社員数を過去5年間で37%増加させ、2025年度には248名体制へと大幅に拡充しています。今後も積極採用を継続し、ベトナム拠点を活用したグローバルな開発体制の強化を推進する方針です。
特筆すべきは、人材の「量」だけでなく「質」への投資です。資格取得に対する報奨金制度や外部研修の実施により、エンジニアのスキルアップを強力に支援しています。2022年度には初任給を5年前比で49%引き上げるなど、業界トップクラスの待遇改善を進めており、成長企業で腰を据えてキャリアを築きたい層にとって魅力的な環境が整っています。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
上場以来最高の業績を更新し続ける成長性の高さと、医療崩壊を防ぐという社会貢献性の強さを軸に志望動機を構築するのが有効です。特にクラウド技術や生成AI(LLM)の活用といった「先端技術を医療現場の効率化にどう役立てたいか」という具体的なビジョンを伝えると評価されます。また、オフショア開発を含む多様なチームでの開発体制に前向きな姿勢を示すことも、現在の組織戦略に合致しており、採用確率を高める要因となります。
面接での逆質問例
- 「医療DX令和ビジョン2030」という国策の追い風の中で、エンジニアが担うべき最も重要な技術的課題は何だとお考えでしょうか?
- 生成AIを活用した機能開発において、現場の医師からのフィードバックはどのように製品へ反映させていますか?
- ベトナム拠点とのオフショア連携を強める中、国内拠点のエンジニアに求められるマネジメント力やコミュニケーションスキルのレベル感を教えてください。
5 転職者が知っておきたい現場のリアル
非常にやりがいを感じる仕事が出来る
医療機関が電子カルテなどのシステムを導入するに当たり、システムの構築、仕様打ち合わせ、操作指導などをSEとして支援している。そのため、非常にやりがいを感じる仕事が出来る。最近では、Web型の特徴を生かし、クラウドによる総合医療情報システムの構築を推進している。
(20代後半・プログラマ・男性) [キャリコネの口コミを読む]仕事にやりがいはある
事にやりがいはあるが、評価方法が不明瞭で普段の勤務では分からなくなっている。仕事が優先であれば特に問題は無いと思われる。
(20代後半・プログラマ・男性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料:
- 2025年12月期 決算短信〔日本基準〕(非連結)
- 2025年12月期 決算補足説明資料



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