ヤプリの転職研究 2025年12月期決算に見るキャリア機会

ヤプリの転職研究 2025年12月期決算に見るキャリア機会

ヤプリの2025年12月期決算は、売上・利益ともに過去最高を更新。チューズモンスター社の子会社化や連結決算移行を経て「マルチプロダクト元年」へ突入しました。急成長するHR領域「UNITE」や、エンタープライズ向けのABM戦略など、転職希望者がどの事業でどんな役割を担えるのかを整理します。


0 編集部が注目した重点ポイント

連結決算への移行と飲食DX企業の子会社化を完了する

2025年12月期第4四半期より連結決算体制へ移行しました。同年11月には飲食店向けモバイルオーダーを提供する株式会社チューズモンスターを子会社化しており、2026年度からは連結業績にフル寄与します。新たな体制下で、既存のアプリ事業と買収先の知見を融合させた非連続な成長を目指すフェーズに入っています。

マルチプロダクト元年として事業領域を大きく拡張する

2026年を「マルチプロダクト元年」と位置づけ、アプリ開発プラットフォーム「Yappli」に加え、Web構築の「Yappli WebX」やモバイルオーダー、LINEミニアプリなどへ投資を本格化させます。顧客のカスタマージャーニーを横断して支援できる体制を整えることで、1社あたりの提供価値を最大化し、競争の激しいマーケティング市場でのシェア拡大を狙います。

従業員体験向上を支援するHR領域が急成長を遂げる

人的資本経営への関心高まりを背景に、HR領域の「UNITE by Yappli」が2025年下半期から成長を加速させています。導入企業数は100社を超え、日本を代表する大手企業での全社導入も進みました。スコアを「測る」だけでなく「引き上げる」ための施策実行支援という独自のポジションを確立し、2026年も専門組織の設立によるさらなる強化を予定しています。

1 連結業績ハイライト

売上高・各利益ともに過去最高を更新。連結決算初年度から高い収益性を証明しました。
2025年12月期通期連結業績

出典:2025年12月期 通期・第4四半期 決算説明資料 P.27

売上高
6,056百万円
+9.9% (YoY)
営業利益
882百万円
+60.2% (YoY)
当期純利益
920百万円
+23.0% (YoY)
調整後EBITDA
958百万円
+45.4% (YoY)

※調整後EBITDA = EBITDA + 株式報酬費用(事業の真のキャッシュ創出力を測る指標)

2025年度は売上高が前年比+9.9%の60.5億円、営業利益は同+60.2%の8.8億円となり、過去最高の更新を達成しました。通期計画に対して、売上高は97.7%とわずかに届かなかったものの、利益面では営業利益106.4%と上方修正後の予想も超過する極めて力強い着地となりました。

当連結会計年度の進捗評価は、利益面での大幅な超過達成を考慮し順調と判断されます。サーバー費用の効率化などが奏功し、営業利益率は前年の10.0%から14.6%へと大幅に改善。安定的な利益創出フェーズへの移行を裏付ける内容となりました。

2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド

アプリ運営プラットフォームを核に、Web・HR・BtoBへと多角的なDX支援が広がっています。
マルチプロダクト戦略の全体像

出典:2025年12月期 通期・第4四半期 決算説明資料 P.14

アプリ運営プラットフォーム事業(主力)

事業内容:ノーコードアプリ開発プラットフォーム「Yappli」の提供。マーケティング、HR、BtoBなど多様な領域で企業のモバイルDXを推進します。

業績推移:累計契約数は939件(YoY+5.2%)。平均月額利用料も46.0万円(YoY+4.1%)と着実に上昇しています。

注目ポイント:市場の成熟に伴い、エンタープライズ企業向けにABM(アカウント・ベースド・マーケティング)によるリプレイス提案を強化しています。また、制作支援から導入後の成長支援までを行う「プロフェッショナルサービス」の売上が第4四半期に前年同期比+22.8%と急増しており、単なるツールの提供にとどまらない伴走型の支援が求められています。

注目職種:ITコンサルタント、カスタマーサクセス、プロジェクトマネージャー、アカウントエグゼクティブ

HR・従業員体験領域(UNITE)

事業内容:従業員エンゲージメント向上を支援する「UNITE by Yappli」を展開。理念浸透や福利厚生、社内広報をアプリで最適化します。

業績推移:導入企業数は100社を突破。2025年4Qの契約純増数は過去最高の20件を記録し、全社導入を進める大手企業が急増中です。

注目ポイント:人的資本開示の標準化により、エンゲージメントを単に「測る」フェーズから「改善する」フェーズへ企業の要望が高度化しています。自動翻訳機能やコミュニティ機能など、組織課題に即した製品開発をスピーディーに行う専門部隊を設置しており、SaaSと人事領域の知見を掛け合わせられる人材の価値が高まっています。

注目職種:HRテック営業、プロダクトマネージャー(HR領域)、カスタマーサクセス(組織開発支援)

Web・新規領域(Yappli WebX / MobileOrder)

事業内容:AIを活用した新時代のWeb構築プラットフォームおよび、飲食業界向けモバイルオーダーシステムを提供します。

業績推移:WebXは2025年5月のリリース以降、既に猿田彦珈琲などの著名ブランドが導入。モバイルオーダーは買収後初の連結寄与となります。

注目ポイント:アプリとWeb、LINEの接点を一つのプラットフォームで統合管理できる点が最大の強みです。「マルチプロダクト」による総合提案により、1社あたりの受注単価(LTV)向上を目指しており、複数のデジタルチャネルを跨いだ横断的なマーケティング設計スキルが重視されています。

注目職種:Webディレクター、セールスエンジニア、デジタルマーケティングスペシャリスト

3 今後の見通しと採用の注目点

2026年度は売上・利益ともに2桁成長を計画。積極的な投資を継続しつつ、組織体制を盤石にします。
2026年12月期 連結業績予想

出典:2025年12月期 通期・第4四半期 決算説明資料 P.48

2026年度の連結業績予想は、売上高68億円(前年比+12.3%)、営業利益10億円(同+13.3%)を見込んでいます。単なる「アプリ制作ツール」から、WebやLINE、モバイルオーダーを統合する「デジタルエクスペリエンスプラットフォーム(DXP)」への進化を加速させる方針です。

採用面では、新規事業やマルチプロダクト戦略の強化に向け、前年比約10%の人員投資を計画。年度末時点の正社員数は320名(現在は連結294名)を想定しており、人件費は約24億円規模まで拡大します。特に、大手企業向けのABM推進や、買収したヤプリフードコネクトとのシナジー創出を担える即戦力人材への需要が高まっています。また、オフィス拡張も2026年内に予定されており、成長に合わせた働く環境の整備も進んでいます。

4 求職者へのアドバイス

HINT 志望動機のヒント

ヤプリは現在、単一プロダクトからマルチプロダクト体制への歴史的な転換期にあります。「ノーコード」という強力な武器をWebやLINE、モバイルオーダーといった周辺領域へ拡張し、企業のDXを網羅的に支援する戦略に魅力を感じる方には絶好のタイミングです。特に、HR領域(UNITE)の急成長や、エンタープライズ企業へのABM戦略の深化など、自身の専門性を活かせる具体的なフィールドが拡大している点を志望動機に盛り込むと、同社の成長戦略との高い合致を示すことができるでしょう。

Q&A 面接での逆質問例
  • 「マルチプロダクト元年」において、アプリ・Web・LINEを統合したクロスセルの戦略は現場でどのように具体化されていますか?
  • ヤプリフードコネクト(旧チューズモンスター)の子会社化により、飲食業界向けプロダクトの組織体制や開発スピードはどう変化しましたか?
  • 大手企業向けのABM強化において、プロフェッショナルサービスの部門が果たすべき役割や期待されている価値は何ですか?

5 転職者が知っておきたい現場のリアル

決算資料や公式発表だけでは見えにくい、現場で働く社員・元社員の実体験(口コミ)を、転職判断の参考となるよう編集部で選定しています。
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仕組みかされていない部分が多い

仕組みかされていない部分が多く、面倒な作業は善意で行われていたりする。コミュニケーションを取っても自分がやりたくないという表情をしてくる人が多く、やりにくさを感じることが多かった。

(20代後半・ソフトウェア関連職・男性) [キャリコネの口コミを読む]
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福利厚生はしっかりしている

福利厚生はしっかりしていると思う。総務はみんな優しくて話しやすかった印象。

(20代後半・ソフトウェア関連職・男性) [キャリコネの口コミを読む]

※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。

使用した主な公開資料

  • 株式会社ヤプリ 2025年12月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
  • 株式会社ヤプリ 2025年12月期 通期・第4四半期 決算説明資料

この記事の執筆者

上場企業の四半期決算から、面接で差がつく「志望動機」や「逆質問」のヒントを導き出す専門チーム。3ヶ月ごとの業績推移と戦略の遂行状況をキャリコネ独自の現場データと照合し、求人票だけでは見えない企業の「現在地」を可視化します。投資家向け情報を、転職希望者が選考を有利に進めるための武器に変える、実戦的な企業研究を配信中。