0 編集部が注目した重点ポイント
① AI関連の新子会社連結で収益基盤を強化する
2025年9月(当第3四半期)より、生成AIワーカー養成講座を展開する株式会社AIStepを連結の範囲に含めました。子会社フライヤーとのシナジーを通じ、法人向けアップセルやグループの収益力強化を図ります。AI技術を活用した教育・ソリューション領域での新たなキャリア機会が拡大する可能性があります。
② 電子書籍流通の新規商流獲得で増収を実現する
2025年7月より「めちゃコミック」との新規取引を開始したことで、主軸の電子書籍流通事業が前年同期比8.0%増と好調に推移しています。既存の大手書店との取引も堅調であり、国内最大の取次としてのシェアをさらに拡大させています。大規模なシステム連携や運用を支える技術人材の重要性が高まっています。
③ 事業ポートフォリオの見直しで損益を改善させる
第1四半期に関連会社MyAnimeListの株式を売却したほか、前年度末にエブリスタを連結除外するなど、選択と集中を推進中です。2025年3月期からは地域活性化を担うSC事業を戦略投資事業に統合。不採算領域の適正化を進めつつ、国際事業やIP創出など成長領域への投資配分を明確化しています。
1 連結業績ハイライト
出典:2026年2月期 3Q決算説明資料 P.6
売上高
80,508百万円
+6.7%
営業利益
1,908百万円
+12.9%
当期純利益
1,632百万円
+78.9%
当第3四半期累計の売上高は80,508百万円となり、第3四半期として過去最高を更新しました。親会社株主に帰属する四半期純利益については、第1四半期に計上した関連会社MyAnimeListの株式売却益531百万円が大きく寄与し、前年同期比で大幅増となっています。また、EBITDA(税引前利益に支払利息や減価償却費等を加えた指標)も2,807百万円(前年同期比5.1%増)と着実に成長しています。
通期予想に対する進捗率は、売上高が76.0%、純利益が81.6%に達しており、業績は順調に推移しています。一方、営業利益の進捗率は70.2%となっており、資料内では計画通り着地としているものの、基準値に照らすと概ね順調な評価と言えます。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年2月期 3Q決算説明資料 P.7
電子書籍流通事業
事業内容
国内最大手の電子書籍取次として、出版社2,200社以上、電子書店150店以上を繋ぐ流通プラットフォームを提供しています。
業績推移
売上高は75,017百万円(前年同期比8.0%増)。「めちゃコミック」との新規取引開始が大きく寄与し、増収増益を達成しました。
注目ポイント
膨大なコンテンツとキャンペーンを管理するため、取引先ニーズに合わせた話配信管理システム等の開発を強化しています。配信事故率の低減や業務効率化を推進するためのエンジニアやシステム企画人材のニーズが非常に高い領域です。
戦略投資事業(国際・IP・SC)
事業内容
海外子会社を通じたSaaS展開、日本文芸社やフライヤーによるIP創出、プロバスケットボール「徳島ガンバロウズ」の運営等を行います。
業績推移
売上高6,455百万円(前年同期比7.7%減)。エブリスタ売却の影響で減収ですが、不採算の改善等により営業損失が大幅に縮小しました。
注目ポイント
独自翻訳システム「MDTS」による海外展開支援や、M&AによるAIStepの連結など、非連続な成長を狙うフェーズです。出版×AI、グローバルビジネスの構築、地域創生の実務など、既存の枠組みに捉われない事業開発人材が求められています。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年2月期 3Q決算説明資料 P.33
今後の成長戦略として、日本のコンテンツを世界へ届ける「ゲートウェイ」としてのポジション確立を掲げています。特に、AI翻訳技術「MDTS」を活用し、通常5か月かかる翻訳工程を2か月に短縮(約60%短縮)することで、多言語展開のコストと期間を大幅に削減する方針です。2026年中の本格的な流通開始を目指し、現地流通網の確保に注力しています。
また、戦略投資事業においては、開始3年目以降の事業でROIC(投下資本利益率)8%を下回る場合には事業ポートフォリオの見直しを検討するなど、投資の適正化を厳格に運用しています。徳島ガンバロウズの来季B.ONE参入やアリーナ構想など、地域活性化を軸とした新規事業の芽も育っており、多様なバックグラウンドを持つプロフェッショナルが必要とされる環境が整っています。
4 求職者へのアドバイス
「国内最大の電子書籍インフラ」という安定した基盤を持ちながら、海外SaaS展開やAIを活用した出版DXなど、ベンチャー気質の強い新規事業が並走しています。自身のスキルを安定基盤の上で試したい、あるいは世界へ文化を届ける仕組みを作りたいという動機は、経営方針と強く合致するでしょう。
「MDTS(独自翻訳システム)の今後の多言語展開において、直面している技術的・商務的課題は何ですか?」や、「SC事業における徳島モデルの全国展開に向けて、採用人材に最も期待する現場での役割は何ですか?」といった、戦略の具体に踏み込んだ質問が有効です。
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 2026年2月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)
- 2026年2月期 3Q決算説明資料



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