0 編集部が注目した重点ポイント
① 構造改革を完遂し2027年2月期の黒字化を目指す
当期は手づくりおにぎり等の販売中止という大きな苦境に立たされましたが、来期は営業利益15億円の黒字転換を計画しています。新たな提供価値とローコスト運営を両立する「Newコンボストア」モデルを確立し、不採算店の閉店や直営店規模の縮小といった事業構造改革を断行することで、収益性の抜本的な改善を図る方針です。
② ベトナム事業が第4四半期に3年ぶりの営業黒字を達成
海外の主力であるベトナム事業において、MD改革とオペレーション改革が実を結びました。第4四半期に3年ぶりの四半期営業黒字を達成しており、個店モデルが確立されつつあります。今後はこの成功モデルを基盤に、既存店の改装や2027年度以降の新規出店再開を見据えた再成長フェーズへと移行し、グローバルな活躍の場が拡大しています。
③ 職域事業を第2の柱として2,500拠点体制へ拡大する
オフィス内無人コンビニ「MINISTOP POCKET」を中心とした職域事業が、前年比180%超の事業利益を創出する急成長を遂げています。当期末の拠点は2,147拠点(前年比120%超)に達し、来期は2,500拠点への拡大を計画。物流や組織体制のインフラを再整備し、コンビニの枠を超えた新たな成長ドライバーとして専門人材の必要性が高まっています。
1 連結業績ハイライト
出典:2026年2月期 本決算 決算説明会 P.2
営業総収入
91,788百万円
+4.9%営業利益
△3,610百万円
前期比:123百万円減親会社株主に帰属する当期純利益
△5,630百万円
+1,143百万円(改善)当連結会計年度は、上半期に看板商品の刷新などで好調なスタートを切ったものの、8月の不備判明に伴う手づくりおにぎり等の販売中止が業績に大きく響きました。この影響は営業利益ベースで約37.5億円と試算されており、通期では営業損失を計上する結果となりました。
一方で、特別損失の圧縮やベトナム事業の劇的な改善により、最終的な赤字幅は前期から大幅に縮小しています。通期予想に対しては、販売中止の影響が当初想定以上に響いたことから、進捗が遅れている状況ですが、来期のV字回復に向けた構造改革は着実に進展しており、負の側面を出し切った決算と言えます。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年2月期 本決算 決算説明会 P.7
国内事業
事業内容
ミニストップ株式会社およびネットワークサービス株式会社(物流)で構成。FC加盟店・直営店の運営に加え、急成長中の職域事業も展開しています。
業績推移
営業総収入は823億47百万円(前期比5.6%増)。販売中止等の影響で営業損失は33億35百万円となりましたが、Eコマースは売上高前年比290%超と躍進しました。
注目ポイント
店舗収益性の改善に向け、AI発注システムの導入や店舗支援体制の刷新が進んでいます。特に職域事業(ミニストップポケット)は利益が前年同期比180%超と飛躍しており、店舗運営の枠を超えた新チャネル開発の専門家や、DXを通じた店舗支援を担う人材が強く求められています。
海外(ベトナム)事業
事業内容
MINISTOP VIETNAM COMPANY LIMITED等を通じ、ベトナムでのコンビニ事業を運営。イオングループとの連携による商品供給が強みです。
業績推移
営業総収入は94億41百万円(前期比0.6%減)。営業損失は2億74百万円(前期比8億14百万円の大幅改善)となり、通期黒字化が射程圏内です。
注目ポイント
MD改革によって既存店1店あたりの売上総利益高が前年同期比110%超に伸長しました。人件費や廃棄ロスの適正化により店舗営業費も5%削減。利益を上げられる個店モデルが確立されたことで、今後は新店出店を通じた事業拡大が加速する見通しであり、海外での事業マネジメントを志向する人材には絶好の機会です。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年2月期 本決算 決算説明会 P.18
来期は、国内事業での徹底した「収益構造改革」が鍵となります。ストアアドバイザーの巡回頻度見直しや教育支援の拡充といった店舗運営の支援体制刷新を進め、加盟店とともに1店あたりの利益最大化を図ります。直営店については、模範店としての役割を維持しつつ、不採算店舗の整理を進めて規模を縮小し、身軽な体制への転換を図る方針です。
また、中長期的な柱として期待される職域事業では、拠点網のさらなる拡大とインフラ整備に取り組みます。ベトナムでも「ベトナム版コンボストア」を確立し、2027年度以降の本格的な再成長に向けた土台を作ります。企業再生に近いフェーズで、自らの手で事業を立て直し、新たな流通モデルを創造したいという情熱を持つ人材にとって、来期は非常に挑戦しがいのある1年になるでしょう。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
再生期の企業で「仕組み作り」から携わりたいという姿勢を強調しましょう。当期の表示不正という課題を真摯に受け止め、「食の安全・安心No.1」の実現と店舗収益の改善をいかに両立させるか。この難易度の高いテーマに対して、自身の経験(店舗マネジメント、DX推進、新規事業等)をどう活かせるかを具体的に語ることが有効です。特に、成長著しい職域事業やベトナム事業への貢献意欲は、会社が今最も求めているエネルギーと合致するはずです。
面接での逆質問例
- 「Newコンボストア」モデルの確立において、従来の強みである店内加工ファストフードをさらに進化させるために、イオングループの商流をどう活用していく計画ですか?
- 職域事業やEコマースの急成長を受け、物流インフラや組織体制をどのように「次世代型」へ再整備していこうとお考えでしょうか?
- 再生フェーズにある今、中途採用で入社する人材には、まずどのような「現場の変革」を期待されていますか?
5 転職者が知っておきたい現場のリアル
※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- ミニストップ株式会社 2026年2月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
- ミニストップ株式会社 2026年2月期 本決算 決算説明会



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