0 編集部が注目した重点ポイント
① 生成AI企業への転換を本格化し25億円規模の受注を実現
SHIFTは2026年2月よりAI企業への転換を本格化させ、わずか半年で約25.5億円のAI関連受注を実現しました。AIによるシステム仕様の可視化(リバースエンジニアリング)など、破壊的なソリューションを次々と投入しています。この構造的変化により、従来の労働集約型モデルからAI駆動型モデルへと進化し、エンジニアにとって最先端の技術環境でキャリアを築く機会が急拡大しています。
② ニッセイコム等の大型M&A完了により顧客基盤を大幅拡大
2026年4月に株式会社ニッセイコムの全株式取得を完了し、同年6月には株式会社ステップの連結取込を予定するなど、積極的なM&A戦略を継続しています。特に地方の有力顧客や社会インフラ分野の強固な基盤を取り込むことで、グループ全体の開発ケイパビリティが向上しています。新領域への参入により、PMやコンサルタントとして活躍できるフィールドが物理的・業種的に大きく広がっています。
③ 下期の投資回収を見据えた戦略的な人材採用を継続
上期に約25億円のAI投資を先行実施した影響で一時的に減益となりましたが、下期からはこれらの投資回収フェーズに移行します。「With AI」人材のリスキリングを加速させており、社内AI素養テストに基づいた適正配置を進めています。単なる開発者ではなく、AIを使いこなし生産性を極限まで高められる次世代型エンジニアへの成長を、会社が強力にバックアップする体制が整っています。
1 連結業績ハイライト
出典:2026年8月期 第2四半期 決算説明資料 P.4
売上高(上期)
720.3億円
(前年比 +16.8%)
調整後営業利益
79.5億円
(前年比 △12.5%)
営業利益率
9.6%
(前年比 △3.5pt)
※調整後営業利益 = 営業利益 + のれん償却費 + 顧客関連資産に係る減価償却費 + M&Aに係る諸経費。事業の本質的な稼ぐ力を示す指標として採用されています。
2026年8月期上期の業績は、売上高が720億円に達し、前年同期比で16.8%の増収となりました。第2四半期単体では371.9億円と過去最高を記録しており、営業改革による大型案件の獲得が寄与しています。利益面については、AI活用を推進するための先行投資として約25億円(人件費やシステム利用料等)を投じたため、調整後営業利益は前年同期比で減益となりましたが、これは想定内の「戦略的投資」と位置付けられています。
通期予想に対する進捗率は、売上高が48.0%、調整後営業利益が39.8%となっています。進捗率は50%をわずかに下回りますが、資料内では「下期に投資回収の開始を予定」としており、期初予想の達成に向けた確度は高いと分析されています。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年8月期 第2四半期 決算説明資料 P.11
ソフトウェアテスト関連サービス
事業内容:品質保証、テスト実行、セキュリティ診断、カスタマーサポート等の提供。
業績推移:売上高473億円(前年比+19.5%)。採用活動の正常化により増収を実現。
注目ポイント:「AIテストエージェント」の提供により、テスト実行期間の大幅短縮を実現しています。単なる手動テストから、AIを活用した高度な品質エンジニアリングへの転換が進んでおり、AIツールの活用スキルを持つエンジニアの需要が非常に高まっています。
ソフトウェア開発関連サービス
事業内容:システム受託開発、システム性能改善、IT戦略コンサルティング、データ分析。
業績推移:売上高213億円(前年比+8.0%)。AI投資による採用費増で営業益は減益。
注目ポイント:「AIモダナイゼーション」が成長の核心です。1億ステップものソースコードを解析し、老朽化したシステムをAIで紐解くリバースエンジニアリング需要が急増中。レガシー脱却を支援する高度なアーキテクトとしてのキャリアパスが魅力です。
その他近接サービス
事業内容:Web制作、マーケティング、キッティング、ERP導入支援、M&A/PMI支援。
業績推移:売上高64.5億円(前年比+32.1%)。PC入れ替え需要等で好調。
注目ポイント:「AI BPaaS」を通じて、クライアントのバックオフィス業務そのものをAI化して提供する新サービスを推進中。BPR(業務改革)とAI実装を掛け合わせた提案力が求められており、コンサルティング能力を活かしたい人材に最適です。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年8月期 第2四半期 決算説明資料 P.36
SHIFTは下期の売上高として800億円超を見込んでおり、通期では売上高1,600億円の達成を視野に入れています。AI関連サービスの本格的な収益貢献が期待されており、特に「AIモダナイゼーション」においては受注済みの25.5億円に加え、約300億円規模の開発オポチュニティがあるとされています。また、販管費比率を21.0%前後まで圧縮する計画で、生産性の向上が利益成長に直結するフェーズに入ります。
採用面では、戦略的に「年収600万円以下の層」の採用を一部停止し、AIスキルの高いハイエンド層や特定のドメイン知識を持つ人材の獲得にシフトしています。中長期成長戦略「SHIFT3000」に向け、売上高3,000億円を目指す中で、AIを武器に市場価値を最大化したいエンジニアにとっては、今が最も刺激的な参画タイミングと言えるでしょう。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
「AIを単なるツールではなく、ビジネスモデルそのものを変える核として捉えている姿勢」に共感を示すのが有効です。特に、資料内で強調されている「AIモダナイゼーション」や「リバースエンジニアリング」によるレガシーシステム刷新に、自身のエンジニアリングスキルをどう活かしたいかを具体化してください。「非連続な成長」を志向する社風に合わせ、自身のキャリアアップへの意欲を強調することが鍵となります。
面接での逆質問例
・「AIモダナイゼーション事業において、従来の開発手法からAI駆動型へとシフトする際、現場エンジニアに最も求められる『マインドセットの変化』は何ですか?」
・「ニッセイコムやステップとのM&Aにより、グループ内でのナレッジシェアやシナジー創出のために、具体的にどのような交流・プロジェクト体制が組まれていますか?」
・「社内のAI素養テストやリスキリング制度を通じて、エンジニアの平均単価向上をどのように実現されていますか?」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
発展企業で働くことそのものはやりがい
会社自体はソフトウェアテストという隙間産業でニーズはこれからも大いにあり有望市場だと思います。そういう発展企業で働くことそのものはやりがいにつながります。
(30代前半・人事・男性) [キャリコネの口コミを読む]規模の大きい案件のみが表彰されている
成果を上げた方に表彰をすることが多いが、規模の大きい案件のみが表彰されているので、不平等を感じる。
(40代後半・テストエンジニア・男性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 株式会社SHIFT 2026年8月期 第2四半期 決算説明資料(2026年4月14日公開)
- 株式会社SHIFT 2026年8月期 第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(連結)



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