0 編集部が注目した重点ポイント
① 売上高および全段階利益で過去最高益を更新する
2026年5月期第3四半期累計の業績は、売上高が前年同期比4.8%増、営業利益が20.4%増と大幅な増益を達成しました。法人向け事業のSaaS(サービス提供型ソフト)モデルへの転換や、個人向けアプリ「ウェザーニュース」の広告収入増が寄与し、過去最高の業績を塗り替えています。収益性の高いストック型ビジネスへのシフトが順調に進んでいます。
② AI活用で月14,000時間の業務時間を削減し利益体質を強化する
「AI型運営モデル」への転換により、法人向け事業での運営効率化が劇的に進捗しています。2025年5月期初からの累計で月間14,000時間の業務削減を実現しました。これにより人件費が減少し、営業利益率は前年同期から2.7ポイント改善して20.7%に上昇。気象のプロフェッショナルがより高度な価値創造に注力できる環境が整っています。
③ 株式分割の実施と40周年記念配当で株主還元を加速させる
2024年12月に続き、2026年3月1日付で1対2の株式分割を実施しました。投資単位の引き下げによる流動性向上を図るとともに、第40期の節目として「記念配当35円」を決定。普通配当45円と合わせた年間配当は80円(分割修正後)となり、連結配当性向約100%を目安とした積極的な還元姿勢を示しています。
1 連結業績ハイライト
出典:2026年5月期 第3四半期 決算説明資料 P.4
当第3四半期累計期間は、主力事業が軒並み伸長し、売上高・各段階利益ともに過去最高を更新しました。特に利益面では、AI活用による業務効率化が人件費の抑制に繋がり、営業利益率は中計目標である20%を上回る水準で推移しています。広告戦略の変更や天候影響により販売促進費が減少したことも増益要因となりました。
通期予想(売上高25,000百万円、営業利益5,000百万円)に対する進捗率は、売上高が73.0%、営業利益が75.5%となっており、業績は順調に進捗しています。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年5月期 第3四半期 決算説明資料 P.6
Sea Domain(航海気象)
事業内容:グローバルな海運市場向けに、大型船舶の安全かつ効率的な航海をサポートするサービスを展開しています。
業績推移:売上高は4,684百万円(前年同期比+0.6%)。欧州での新規獲得が好調で増収に転換しました。
注目ポイント:AIが対話形式で船長の判断を支援する新プロダクト「SeaNavigator for Master」をリリース。世界トップクラスの予測精度を武器に、グローバル市場のシェア拡大を牽引するITエンジニアやカスタマーサクセス人材の重要性が高まっています。
Sky Domain(航空気象)
事業内容:エアライン、ヘリコプター、ドローンなどの航空業界向けに運航管理に必要な気象情報を提供しています。
業績推移:売上高は1,129百万円(前年同期比+14.9%)。アジアの航空市場や国内ヘリ市場が好調です。
注目ポイント:アジア圏の新規開拓が加速しており、他社からの切り替え受注も増加。AIを用いた霧検出技術など独自の技術力を強みに、安全運航を技術で支えるスペシャリストの活躍の場が広がっています。
Land Domain(陸上気象)
事業内容:道路、鉄道、エネルギー、建設、物流など、多様な地上インフラ企業向けに気象DXサービスを提供します。
業績推移:売上高は5,279百万円(前年同期比+5.5%)。エネルギーや自治体市場での導入が進みました。
注目ポイント:「ウェザーニュース for business」や「ソラテナPro(気象IoTセンサー)」などのSaaS型プロダクトが急成長。自治体市場の開拓が想定を上回り、期末KPIの上方修正を行うなど、ビジネスサイドの攻めの人材を必要としています。
Internet Domain(個人向け・広告)
事業内容:アプリ「ウェザーニュース」を通じたサブスクリプションサービスおよび広告収入で構成されます。
業績推移:売上高は6,504百万円(前年同期比+5.5%)。DAU(1日の利用者数)が過去最高を更新しました。
注目ポイント:「予報精度・利用者数・SEO」の3冠を達成。圧倒的な信頼性を背景に広告売上が増加しています。ユーザーエンゲージメントをさらに高めるためのAI対話機能の実装など、最新技術をプロダクトに落とし込むエンジニアリング力が不可欠です。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年5月期 第3四半期 決算説明資料 P.15
通期計画については、売上高25,000百万円(前期比6.4%増)、営業利益5,000百万円(前期比10.7%増)の期初計画を据え置きました。第4四半期に向けては、既存顧客のサービスを順次SaaS型の「WxTech」へ切り替えることで、さらなる収益性の向上を狙います。AIによる業務削減目標も今期末に累計16,000時間/月まで引き上げる計画です。
投資面では、グローバルな気象データ取得やクラウドインフラ、SaaS型プロダクト開発への継続的な投資を予定しています。特に小笠原諸島での「気象DX先進エリア」化の取り組みに見られるように、最新の気象IoTセンサーとAI技術を組み合わせた社会実装を推進。技術職・ビジネス職ともに、気象とITを掛け合わせて社会課題を解決する意欲的な人材が求められています。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
「船乗りの命を守りたい。地球の未来も守りたい。」という同社のミッションに対し、自身の技術や経験をどう活かせるかが鍵です。現在、同社はAI型運営モデルへの大転換を進めており、業務効率化で生み出した時間を「新しい顧客価値」に変えるフェーズにあります。単なる気象予報ではなく、「ビジネス影響まで予測するSaaS」のグローバル展開に挑戦したいという意欲は高く評価されるでしょう。
面接での逆質問例
・「AI型運営モデルへの転換により月14,000時間の業務削減を達成されていますが、そこで創出された余力は具体的にどのような新サービス開発や価値創造に充てられていますか?」
・「Land Domainでの自治体向けDXが想定以上に進捗していますが、今後の官民連携プロジェクトにおけるエンジニアや営業に求められる役割はどう変化しますか?」
・「グローバル市場(特に欧州・アジア)でのSaaS拡販にあたり、現地の気象特性やビジネス習慣を反映したローカライズ戦略の課題は何ですか?」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
女性にも均等な機会がある
女性も働いており、上の立場にいる方も何人かいらっしゃったので女性にも均等な機会があるかと思います。女性だから管理職になれないということはないと感じました。
(20代前半・派遣社員・女性) [キャリコネの口コミを読む]出世は運によるところが大きい
実力主義を謳いながら現状はあまりそうなっていない。社歴の長い社員がマネージャー職につき、権力を濫用するケースが見受けられる。
(30代後半・技術関連職・男性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 2026年5月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)
- 2026年5月期 第3四半期 決算説明資料



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