0 編集部が注目した重点ポイント
① AI型運営モデルで営業利益が前年比35.3%増と急伸する
中期経営計画の柱である「AI型運営モデル」の確立により、業務効率化が劇的に進展しています。AI活用で累計13,000時間/月の業務時間を削減し、法人向け事業の利益体質化が加速しました。上半期として売上高・各段階利益ともに過去最高を更新しており、AIを武器にした高収益体制への転換が鮮明です。
② 創業40周年記念配当と1対2の株式分割を同時に実施する
2026年6月の創業40周年を控え、株主還元を大幅に強化します。普通配当に加えた記念配当の実施により、当期の連結配当性向は100%程度を見込んでいます。併せて1株につき2株の株式分割(基準日:2026年2月28日)を決定。投資家層の拡大と流動性向上を図り、さらなる成長に向けたファン基盤を構築します。
③ SaaS型ビジネスへのシフトで中小企業市場を開拓する
大手企業向けで培った知見を基に、「WxTech(ウェザーテック)」ブランドのSaaS型プロダクトを拡充しています。特にLand Domainにおいて、エネルギーや小売に加え、建設・物流などの新市場でのサービス導入が順調に推移。従来の個別対応型から汎用性の高いプラットフォーム提供へ移行することで、顧客基盤の飛躍的な拡大を目指しています。
1 連結業績ハイライト
出典:2026年5月期 第2四半期 決算資料 P.4
当第2四半期累計期間の業績は、売上高が前年同期比4.5%増の12,133百万円となり、全社的な成長を維持しています。特に利益面での改善が顕著で、営業利益は前年同期比35.3%増の2,268百万円に達しました。これは、AI活用による法人向け事業の運営効率化に伴う人件費の抑制に加え、広告戦略の変更による販売促進費の減少が寄与したものです。営業利益率は前年同期から4.3ポイント向上し、中期的な目標である20%達成に向けて順調な利益体質化が進んでいます。
通期計画に対する売上高の進捗率は48.5%、営業利益の進捗率は45.4%となっており、第2四半期の実績としては順調な推移と言えます。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年5月期 第2四半期 決算資料 P.6
Internet Domain
事業内容:個人向け天気予報アプリ「ウェザーニュース」の運営、サブスクリプション売上、及び広告収入で構成される気象メディア事業。
業績推移:売上高は前年同期比4.5%増の4,472百万円。自社メディア強化によりユーザー数が増加し、過去最高の売上高を更新しました。
注目ポイント:予報精度、利用者数、SEOの「3冠」を達成し、圧倒的な国内トップシェアを誇ります。蓄積された膨大なユーザーデータを広告(WxTech Ads)や新コンテンツ開発に活かすメディア・マーケティング人材の需要が高まっています。
Land Domain
事業内容:道路・鉄道などのインフラ企業に加え、小売・エネルギー・物流等の法人向けに気象データサービスを提供。
業績推移:売上高は前年同期比5.1%増の3,399百万円。「ウェザーニュース for business」やAPI販売が好調に推移しています。
注目ポイント:特定の業界に依存しないSaaS型プロダクトの展開により、中小企業を含む未開拓市場へのアプローチが加速しています。各業界の課題を気象データで解決するソリューション提案を担う人材が不可欠です。
Sky Domain
事業内容:航空会社、ヘリコプター、ドローン運航者向けの航空気象サービスを提供。
業績推移:売上高は前年同期比13.5%増の742百万円。アジアのエアライン市場や国内ヘリ市場での増収が寄与しました。
注目ポイント:新プロダクト「SkyAviators」をリリースし、航空業界向けのデータ販売(Wxtech Data)を拡充。安全運航と業務効率化を支える専門性の高い航空気象エンジニアが求められています。
Sea Domain
事業内容:海運会社・船舶向けに世界規模で展開する、安全・効率運航のための航海気象サービス。
業績推移:売上高は前年同期比1.7%減の3,087百万円。欧州での新規獲得は堅調でしたが、一部高単価顧客の失注が影響しました。
注目ポイント:世界初、AIが対話形式で運航判断を支援する「SeaNavigator for Master」を実用化。グローバル市場の再開拓に向け、カスタマーサクセス体制の構築を進めています。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年5月期 第2四半期 決算資料 P.17
2026年5月期の通期業績予想は期初計画を据え置き、売上高25,000百万円(前期比6.4%増)、営業利益5,000百万円(同10.7%増)を見込んでいます。中期経営計画の最終年度として、営業利益率20.0%の達成を確実なものにするため、AIを活用した更なる運営効率化を推進します。期末にはAIによる業務削減時間を累計16,000時間/月まで拡大する計画です。
成長戦略としては、フィリピン(PAGASA)とのMOU締結などのグローバルネットワーク強化や、放送局向け「お天気原稿エージェント」の試験提供といった新領域への展開が鍵となります。組織面では、AIと共創する新たなビジネスモデルを設計できるプロダクトマネジメント層や、海外拠点のガバナンスを担えるグローバル人材の採用が一段と重要度を増しています。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
ウェザーニューズは現在、単なる気象予報会社から「気象データSaaS企業」への構造転換期にあります。AI型運営モデルによる収益性改善という具体的な成果に基づき、「最新テクノロジーを駆使して社会インフラの安全と効率を支えたい」という視点を盛り込むのが有効です。また、中小企業市場の開拓や、グローバル展開(特にアジア・欧州)への意欲を示すことで、同社が今まさに求めている成長ドライバーとしての貢献をアピールできます。
面接での逆質問例
- AI活用で月13,000時間を削減されたとのことですが、それによって空いた時間をどのような付加価値創造(アップセル提案等)に振り向けようとしていますか?
- Sea Domainでの失注を機に「カスタマーサクセス体制」を強化されるようですが、現場レベルで求められるフォローアップの具体的内容について教えてください。
- SaaS型プロダクトの展開にあたり、従来の「特定顧客向けカスタマイズ」から「汎用的な機能開発」へ、開発・営業手法の軸足をどう移行させていますか?
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
実力主義を謳う
実力主義を謳いながら現状はあまりそうなっていない。社歴の長い社員がマネージャー職につき、権力を濫用するケースが見受けられる。
(30代後半・技術関連職・男性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 株式会社ウェザーニューズ 2026年5月期 第2四半期 決算説明資料
- 株式会社ウェザーニューズ 2026年5月期 第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(連結)



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