エービーシー・マートの転職研究 2026年2月期決算に見るキャリア機会

エービーシー・マートの転職研究 2026年2月期決算に見るキャリア機会

エービーシー・マートの2026年2月期決算は、過去最高売上を更新。フィリピン進出や複合業態店舗の拡大で5期連続の増収増益を達成しました。「なぜ今エービーシー・マートなのか?」「転職希望者がどの事業で、どんな役割を担えるのか」を整理します。


0 編集部が注目した重点ポイント

フィリピン共和国への新規進出を果たす

2025年10月に、東南アジア2か国目となるフィリピン共和国への進出を実現しました。在外連結子会社を新たに設立し、期末までに2店舗を展開しています。グローバル展開の新たな足掛かりを築いたことで、海外事業におけるキャリア機会がさらに拡大する局面を迎えています。

5期連続の増収増益で過去最高売上を更新する

2026年2月期の連結売上高は3,786億24百万円(前期比1.7%増)に達し、過去最高を更新しました。国内事業が強力な牽引役となり、インバウンド需要の増加や高付加価値商品の販売好調により、厳しい市場環境下でも安定した成長基調を維持しています。

複合業態店舗とデジタル売上を拡大させる

「GRAND STAGE」を中心に複数のバナーを展開する複合業態店舗を142店舗まで拡大しました。また、デジタル売上高も前期比7.4%増と伸長しており、SNS活用や著名人とのコラボレーションを通じた最新のマーケティング手法が、店舗とECの両面で成果を上げています。

1 連結業績ハイライト

国内需要の回復とインバウンドの恩恵を受け、5期連続の増収増益を達成しました。
2026年2月期 決算サマリー

出典:2026年2月期 決算補足説明資料 P.2

売上高
378,624百万円
(前期比 +1.7%)
営業利益
63,287百万円
(前期比 +1.2%)
経常利益
67,156百万円
(前期比 +3.9%)

当連結会計年度の業績は、売上・利益ともに前期を上回り、着実な成長を継続しています。国内においては、著名人を起用したプロモーションが奏功し、スポーツアパレルやトレンドスニーカーが好調に推移しました。また、免税売上高が金額ベースで前期比1割以上の増加となるなど、インバウンド需要も大きな追い風となっています。一方で、海外事業では韓国や米国の市況悪化による利益率の低下が課題となりましたが、グループ全体では連結営業利益率16.7%という高い収益性を維持しています。

当期の連結業績は、当初の売上高計画に対しては98.6%(進捗率)となりましたが、純利益ベースでは計画を上回る実績を収めており、業績は順調に推移していると評価できます。

2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド

地域ごとの特性に合わせた店舗戦略と商品展開が、グループ全体の成長を支えています。
連結売上高と海外シェアの推移

出典:2026年2月期 決算補足説明資料 P.3

国内事業

事業内容:「ABC-MART」「GRAND STAGE」「オッシュマンズ・ジャパン」等の展開による靴・アパレルの小売。

業績推移:売上高2,731億64百万円(前期比5.4%増)、セグメント利益564億41百万円(前期比6.3%増)。

注目ポイント:既存店の売上高が前期比4.6%増と堅調で、特に「ハンズフリーシューズ」などの高付加価値商品やアパレルの売上構成比が高まっています。ショッピングセンターへの積極出店に加え、既存店の増床・改装による「メディア化」を推進しており、リアル店舗とデジタルの融合をリードする企画・店舗運営人材の重要性が高まっています。

注目職種:店舗開発、デジタルマーケティング、アパレルMD、店長候補

海外事業

事業内容:韓国、台湾、ベトナム、フィリピン、米国における店舗運営および販売。

業績推移:売上高1,113億78百万円(前期比4.5%減)、セグメント利益70億31百万円(前期比25.8%減)。

注目ポイント:フィリピンへの新規進出(2025年10月)やベトナムでの展開など、東南アジア市場の開拓を加速させています。韓国では国内需要の減退をインバウンドの増加で補うなど、各国の政治・経済環境に応じた柔軟な運営が求められています。グローバルでの業態別出店体制の整備が進んでおり、海外拠点のマネジメント経験を持つ人材の活躍フィールドが広がっています。

注目職種:海外事業管理、グローバルMD、海外店舗運営スペシャリスト

3 今後の見通しと採用の注目点

2027年2月期は売上高4,000億円突破を視野に入れ、さらなる攻めの投資を継続します。
今後の店舗展開戦略

出典:2026年2月期 決算補足説明資料 P.5

次期の通期連結業績は、売上高4,008億円(前期比5.9%増)、営業利益656億円(前期比3.7%増)を見込んでいます。戦略の柱となるのは、健康意識の高まりを捉えたランニング・ウォーキングシューズの強化です。新業態「RUN & FITNESS」の展開や、オッシュマンズ事業での新規出店を計画しており、専門性の高いカテゴリーへの注力が鮮明になっています。

また、フィリピンや韓国での「GRAND STAGE」多数出店、国内36店舗の新規出店など、リアル店舗のネットワークをさらに強固にします。地政学リスクや物価上昇によるコスト増は懸念されるものの、インバウンド需要の安定的な増加を背景に、強固な財務体質(自己資本比率87.5%)を活かした積極的な事業拡大が続く見通しです。新規出店や改装に伴う専門人材の採用意欲は、今後も高く維持されることが期待されます。

4 求職者へのアドバイス

HINT 志望動機のヒント

同社の成長を牽引しているのは、単なる靴の販売を超えた「体験価値」の提供です。「GRAND STAGE」のメディア化や、著名人・インフルエンサーを活用したデジタルマーケティング戦略への理解を示すことが重要です。また、フィリピン進出に代表されるグローバルな挑戦心や、PB(プライベートブランド)とナショナルブランドを組み合わせた独自のMD戦略に興味があることを伝えると、高い評価につながるでしょう。

Q&A 面接での逆質問例
  • 「フィリピンへの新規進出を機に、今後東南アジアでのさらなるエリア拡大はどのように計画されていますか?」
  • 「複合業態店舗が増加する中で、アパレルとシューズを連動させた接客やVMDにおいて、現場にはどのようなスキルが求められていますか?」
  • 「デジタル売上比率が向上していますが、実店舗のスタッフがEC在庫を活用した販売にどのように貢献しているか詳しく教えてください。」

5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)

決算資料や公式発表だけでは見えにくい、現場で働く社員・元社員の実体験(口コミ)を、転職判断の参考となるよう編集部で選定しています。
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飽きない仕事がしたい人には楽しい

顧客への提案には正解がないので、追求したい人or飽きない仕事がしたい人には楽しいかもしれません。

(10代後半・ショップスタッフ・男性) [キャリコネの口コミを読む]
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押し売りみたいなのやめてと返り討ちに遭う

よくフェアと称して靴とセットで靴用品(ワックスや予備の靴紐、防水スプレー等)を勧めるように指示されるが店長達が思ってる程必要としている客は多くない、むしろ「そういう押し売りみたいなのやめてくれる?」というもっともなご意見で返り討ちに遭うケースの方が多い。

(20代前半・ショップスタッフ・女性) [キャリコネの口コミを読む]

※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。

使用した主な公開資料

  • 2026年2月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
  • 2026年2月期 決算補足説明資料

この記事の執筆者

上場企業の四半期決算から、面接で差がつく「志望動機」や「逆質問」のヒントを導き出す専門チーム。3ヶ月ごとの業績推移と戦略の遂行状況をキャリコネ独自の現場データと照合し、求人票だけでは見えない企業の「現在地」を可視化します。投資家向け情報を、転職希望者が選考を有利に進めるための武器に変える、実戦的な企業研究を配信中。


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