0 編集部が注目した重点ポイント
① M&Aにより調剤事業の構造が大きく変化する
2025年2月期に旧I&H(阪神調剤薬局等)を連結子会社化したことで、調剤事業の売上高が前年比40.3%増と劇的に拡大しました。これまで未連結だった大規模な調剤基盤が加わったことで、薬剤師などの専門職や本部機能において新たなキャリア機会が創出されています。グループ統合によるシナジー最大化が急務となっており、組織融合をリードできる人材への期待が高まっています。
② セキ薬品の連結子会社化を大幅に前倒しする
当初2030年を目途としていたセキ薬品の連結子会社化を、信頼関係の深化を理由に2026年9月へと大幅に前倒しすることを決定しました。これにより、関東エリアにおけるドミナント戦略がさらに強化されます。統合準備や商品調達・店舗運営のノウハウ共有など、M&A実務やPMI(買収後の統合プロセス)に精通した人材が活躍できるフィールドが急速に広がっています。
③ 売上高1.6兆円を目指す新中期経営計画を策定する
2027年2月期を初年度とする5か年の新中期経営計画が始動しました。2031年2月期に売上高1.6兆円以上、ROE15%以上という高い目標を掲げています。DX(デジタルトランスフォーメーション)を活用した生産性向上や、医療・介護・ウェルネスなどの周辺事業への投資を加速させる方針であり、従来のドラッグストアの枠を超えた次世代ビジネスモデルの構築に携わるチャンスがあります。
1 連結業績ハイライト
出典:2025年2月期 決算説明資料 P.3
売上高
1,010,336百万円
(前年比 +15.1%)
営業利益
48,568百万円
(前年比 +14.1%)
当期純利益
44,982百万円
(前年比 +75.1%)
2025年2月期は、主力であるスギ薬局の好調に加え、旧I&H株式会社の連結化により売上高が過去最高を更新しました。営業利益についても、人件費や光熱費の上昇を増収効果で吸収し、着実な成長を見せています。親会社株主に帰属する当期純利益が大幅に伸長している要因は、繰延税金資産の計上など税金等調整額の影響によるものです。
通期予想に対する進捗状況については、売上高が当初計画比100.5%、営業利益が99.1%となっており、2025年2月期の業績は概ね順調に推移したと評価できます。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2025年2月期 決算説明資料 P.5
調剤事業
事業内容:スギ薬局および旧I&H(阪神調剤薬局等)における処方せん応需、訪問調剤、漢方薬局、訪問看護ステーションの運営。
業績推移:売上高は307,324百万円で前年比+40.3%と急伸。構成比も24.9%から30.4%へ拡大しました。
注目ポイント:(注:前年同期は旧I&Hが未連結のため単純比較不可)スギ薬局単体でも既存店の処方せん枚数が伸長していますが、今後はM&Aで加わった店舗群とのオペレーション統合やDX化が重要課題となります。薬剤師の専門教育や、高度な医療ニーズに応える体制整備のため、教育研修やDX推進の専門人材の需要が高まっています。
物販事業
事業内容:ヘルスケア、ビューティ、ホーム、フーズ(食品)等の商品販売。スギ薬局店舗でのドラッグストア運営が中心。
業績推移:売上高は685,218百万円で前年比+6.4%。特にフーズ部門が前年比+8.2%と全体を牽引しています。
注目ポイント:物価上昇局面において、生活防衛意識の高まりから食品や日用雑貨の需要が堅調です。アプリによるパーソナライズされた販促が進んでおり、購買データの分析に基づいたマーチャンダイジングの高度化が進んでいます。店舗網の拡大に伴い、物流網やサプライチェーンの再構築を担う人材が求められています。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2025年2月期 決算説明資料 P.9
2026年2月期の業績予想は、売上高1兆920億円(前年比8.1%増)、営業利益540億円(前年比11.2%増)と、増収増益の継続を見込んでいます。店舗戦略では、ドラッグストア112店舗、調剤薬局18店舗の新規出店を計画しており、退店30店舗を差し引いた純増100店舗体制でシェア拡大を図ります。設備投資額は322億円を予定しており、そのうち65億円をDX関連に投じるなど、店舗運営の効率化とデジタル顧客体験の向上に注力します。
また、中期経営計画では「スギグループ経済圏」の競争優位性を確立するため、メーカー・卸との垂直連携や異業種パートナーとの水平連携を推進する方針です。単なる小売業から、医療・介護を基盤としたトータルヘルスケア企業への転換を目指しており、新規事業開発やアライアンス担当の役割が重要性を増しています。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
売上高1兆円を突破し、業界トップクラスの規模となった同社は、第2の創業期とも言える構造改革期にあります。「M&Aを通じたグループ統合の推進」や「DXによる次世代型ドラッグストアの構築」といった、巨大組織が変革するダイナミズムを志望動機に盛り込むのが有効です。また、セキ薬品の連結化前倒しに見られるような「地域密着のブランド力と経営資源の融合」にどう貢献できるかを具体的に語ることで、即戦力としての期待値を高められるでしょう。
面接での逆質問例
- 「旧I&Hやセキ薬品との統合が進む中、異なる企業文化を融合させるための具体的な取り組みについて教えてください」
- 「DX投資65億円の主要な使途として挙げられている、本部業務の標準化やAI化が現場の働き方にどのような変化をもたらすと期待されていますか?」
- 「中期経営計画の周辺事業(介護・ウェルネス)への投資に関連して、異業種パートナーとの連携を推進する上で今最も不足しているリソースは何でしょうか?」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
腰を据えて長く活躍したい女性にはぴったり
女性でも店長など管理職を目指せると聞いたが、実際に多くの女性社員が活躍しておりモチベーションがあがる環境です。また、女性ならではの視点や気配りでお店を改善できるので、将来的にキャリアを積んで、腰を据えて長く活躍したいと考えている、そんな女性にはぴったりだと思います。
(20代後半・ショップスタッフ・女性) [キャリコネの口コミを読む]事実上サ残が横行している
残業は禁止されているし、もしサ残が発覚すれば(コンプライアンスで訴えられる)降格、処罰が待っているが、事実上サ残が横行している。基本、30時間を超えてはいけないので、それを超える分をサ残を強いられる実態がある。
(40代後半・店長・男性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- スギホールディングス株式会社 2026年2月期 決算短信(2026年4月9日発表)
- スギホールディングス株式会社 2025年2月期 決算説明資料(2026年4月9日発表)



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