オンワードホールディングスの転職研究 2026年2月期決算に見るキャリア機会

オンワードホールディングスの転職研究 2026年2月期決算に見るキャリア機会

オンワードホールディングスの2026年2月期決算は、純利益が中計目標を1年前倒しで達成。ウェルネス領域のM&Aや海外事業の黒字化により、アパレル主軸から生活文化創造企業への転換を加速させています。「なぜ今オンワードなのか?」を、人的資本経営の成果や最新の事業別分析から紐解きます。


0 編集部が注目した重点ポイント

ウェルネス領域のM&Aを完了し成長を加速する

2026年3月2日付で、化粧品企画開発を行う株式会社コスメ・デ・ボーテの全株式を取得し、完全子会社化しました。これにより、中長期経営計画で掲げる「ウェルネス領域」の事業基盤がさらに強固になります。従来の衣料品にとどまらない「生活文化創造企業」としての変革が進んでおり、新規事業やM&Aに関連するキャリア機会が拡大する可能性が高いです。

中計の純利益目標を1年前倒しで達成する

2026年度に「当期純利益100億円」とする中期経営計画の目標を、2025年度(当期)に101億円を計上して1年前倒しで達成しました。国内事業の好調に加え、海外事業の合計で11期ぶりとなる営業黒字化を実現したことが大きく寄与しています。収益構造の改善が数値として明確に現れており、安定した経営基盤への転換が完了したと言えます。

事業領域を再編し経営資源を集中させる

2026年度より、成長戦略を明確にするため、これまでの地域別から「ファッション」「ウェルネス」「コーポレートデザイン」の3領域へと管理体制を刷新します。不採算事業の整理を終え、強みを持つ各領域に資源を集中投下するフェーズに入りました。各事業の専門性を高める再編が行われており、特定領域でのプロフェッショナルとしての活躍が期待されています。

1 連結業績ハイライト

全段階利益において増益を達成。国内の戦略強化ブランドが牽引し、売上高は前年比13.6%増の2,368億円を記録しました。
2025年度 連結実績ハイライト

出典:2025年度 決算説明資料 P.4

売上高 236,804百万円 (前年比 +13.6%)
営業利益 11,604百万円 (前年比 +14.3%)
EBITDA 17,195百万円 (前年比 +11.3%)

※EBITDA = 営業利益 + 減価償却費 + のれん償却費(企業比較を容易にするための利益指標)

2026年2月期の連結業績は、売上高が前期比13.6%増、親会社株主に帰属する当期純利益が18.5%増と大幅な伸びを見せました。特に国内事業において、『アンフィーロ』や『カシヤマ』といった戦略強化ブランドが好調に推移したほか、広告宣伝費等の効率化が奏功し、増収増益の達成につながっています。

公表していた通期予想に対しても、売上高で3.0%増、当期純利益で0.9%増となり、すべての指標で予想を上回って着地しました。この結果、進捗状況としては「堅調」と評価でき、次期に向けた成長への準備が整ったと言えるでしょう。

2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド

国内ファッションが成長を牽引。ウェルネスやコーポレートデザイン領域でも収益性の高い事業が展開されています。
2026年度 主要事業会社別予想

出典:2025年度 決算説明資料 P.14

国内ファッション領域

【事業内容】株式会社オンワード樫山や株式会社ウィゴー等による、紳士・婦人衣料の企画・販売。23区やUNFILOなどの主要ブランドを展開。

【業績推移】売上高:163,809百万円、営業利益:8,704百万円(2025年度実績)。

【注目ポイント】EC売上が前期比12%増と大幅に伸長しており、OMO(オンラインとオフラインの融合)サービス「クリック&トライ」の導入率が70%を突破しました。デジタルマーケティングと店舗運営の双方に精通した人材が、さらなる客単価向上とブランド体験向上の鍵を握っています。

注目職種:デジタルマーケター、ECサイト運営、店長・店舗マネジメント、MD(マーチャンダイザー)

ウェルネス領域

【事業内容】チャコット株式会社(バレエ・ダンス、コスメ)、株式会社クリエイティブヨーコ(ペット用品、ギフト)等による、生活文化関連事業。

【業績推移】売上高:43,428百万円、営業利益:3,329百万円(2025年度実績)。

【注目ポイント】アパレルに次ぐ「第2の柱」として急成長しており、コスメティクス事業の売上は前期比22.0%増と極めて好調です。コスメ・デ・ボーテの買収によりさらなる市場拡大が見込まれており、美容やペット関連の専門知識を持つ人材への需要が急増しています。

注目職種:商品開発(化粧品)、ブランドマネジャー、ペット関連商品MD、販路開拓営業

コーポレートデザイン領域

【事業内容】株式会社オンワードコーポレートデザインによる、ユニフォームやノベルティ等のB2Bソリューション提供。

【業績推移】売上高:19,121百万円、営業利益:1,822百万円(2025年度実績)。

【注目ポイント】法人向けビジネスとして安定した高い営業利益率(9.5%)を誇っています。単なるユニフォーム制作にとどまらず、企業のブランディングを支援する「空間・体験デザイン」への領域拡大を推進しており、法人営業やデザイナーとしての高度な提案力が求められる領域です。

注目職種:法人ソリューション営業、スペースデザイナー、生産管理(B2B)

海外ファッション領域

【事業内容】欧州(JOSEPH)、米国(J. PRESS)、アジア地域における衣料品の製造・販売。

【業績推移】売上高:24,254百万円、営業利益:442百万円(2025年度実績)。

【注目ポイント】2014年度以来11期ぶりとなる営業黒字化を全エリア合計で達成しました。特に米国での利益率改善や、中国・大連工場でのオーダーメイドスーツの受注増加が寄与しています。2026年度は全地域での単独黒字化を目指しており、グローバルな事業運営に携わりたい人材にとって大きなチャンスとなります。

注目職種:海外事業管理、グローバルMD、生産拠点マネジャー

3 今後の見通しと採用の注目点

2026年度は売上高2,470億円、営業利益10.3%増を目指す。人的資本投資を一段と強化し、社員の多様性を力に変える経営を推進しています。
人的資本経営への取り組み:働き方デザイン

出典:2025年度 決算説明資料 P.24

2026年度の通期予想では、売上高2,470億円、営業利益128億円と、さらなる増収増益を見込んでいます。特にウェルネス領域への経営資源の集中を掲げており、株式会社コスメ・デ・ボーテの連結フル寄与による上積みが期待されています。

注目すべきは、採用市場における優位性を高めるための人的資本投資です。プロジェクト「働き方デザイン」により、管理職級の女性比率が3割超、離職率は5.7%(国の平均値12.1%に対し約5割減)と顕著な成果を上げています。2025年度には「男性育休取得率100%」も達成しており、ワークライフバランスを重視しながらキャリアを築きたい層にとって非常に魅力的な環境が整いつつあります。

4 求職者へのアドバイス

HINT

志望動機のヒント

同社は現在、「衣」を中心としたアパレル企業から、美容、ペット、ギフトなど多角的にライフスタイルを支える「生活文化創造企業」への脱皮を図っています。特に好調なウェルネス領域やDX推進(OMOサービス)において、自身の専門スキルをどう活かしてブランド体験を深化させられるかを語ることが重要です。また、「働き方デザイン」に象徴される、個人の個性を尊重する企業文化への共感を自身の経験に基づき言語化しましょう。

Q&A

面接での逆質問例

「2026年度からの3領域への再編により、現場の意思決定スピードや異業種領域間の連携(シナジー創出)はどう変化すると期待されていますか?」や、「男性育休取得率100%を達成されていますが、心理的安全性の高い職場づくりにおいて、管理職層にどのようなスキルを求めていますか?」といった質問は、長期的な活躍意欲と経営課題への関心をアピールできます。

5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)

決算資料や公式発表だけでは見えにくい、現場で働く社員・元社員の実体験(口コミ)を、転職判断の参考となるよう編集部で選定しています。
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店長になると役職手当などが付く

店長になると役職手当などが付きますが額はしれていますしそこから更に上げるのは困難です。

(20代前半・ショップスタッフ・男性) [キャリコネの口コミを読む]
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残業は以前よりも減りました

残業は以前よりも減りましたが、それでも営業のワークライフバランスは悪いです。

(20代後半・カウンターセールス・女性) [キャリコネの口コミを読む]
※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料:
  • 株式会社オンワードホールディングス 2026年2月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
  • 株式会社オンワードホールディングス 2025年度(2026年2月期) 決算説明資料

この記事の執筆者

上場企業の四半期決算から、面接で差がつく「志望動機」や「逆質問」のヒントを導き出す専門チーム。3ヶ月ごとの業績推移と戦略の遂行状況をキャリコネ独自の現場データと照合し、求人票だけでは見えない企業の「現在地」を可視化します。投資家向け情報を、転職希望者が選考を有利に進めるための武器に変える、実戦的な企業研究を配信中。


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