0 編集部が注目した重点ポイント
①3期連続で過去最高業績を更新し経営目標を2年早く達成する
2026年2月期は売上高・各段階利益ともに3期連続で過去最高を更新しました。2031年2月期を最終年度とする長期経営ビジョンの目標値(売上高1,200億円、営業利益率10%)を2年連続で前倒し達成しており、強固な収益基盤を構築しています。商船向け市場の活況を背景に、世界的なシェアと技術的優位性が業績を強力に牽引しています。
②積極的な人財投資とDX推進で事業構造を根本から変革する
2027年2月期から始動する「中期経営計画フェーズ3」では、得た利益を将来の成長基盤構築へ投じる方針を明確にしました。人的資本への投資やDX人財の採用強化を最優先事項として掲げており、単なるハードウェア製造からデータサービスやAIを活用した「ソリューション提供型」の事業構造への変革を目指しています。IT・先端技術系職種のキャリア機会が大きく拡大しています。
③防衛予算増額と船舶の自律航行技術で新規市場を独占する
産業用事業における防衛装備品分野が前年比22.6%増と急成長しています。また、世界初の「自動運転レベル4相当」の旅客船商用運航開始など、自律航行システムの社会実装で世界をリードしています。安全保障ニーズの高まりや海事DX(デジタルトランスフォーメーション)という巨大な市場機会に対し、独自の超音波・通信技術を武器に高い参入障壁を築いています。
1 連結業績ハイライト
出典:2026年2月期 通期 決算説明資料 P.3
売上高
1,406億円
+10.8%
営業利益
162億円
+23.3%
純利益
167億円
+46.1%
ROE
20.7%
+3.5pt
2026年2月期は、世界的な新造船需要の拡大を背景に、売上高が1,406億円(前期比10.8%増)と過去最高を大きく更新しました。営業利益率も11.6%に向上しており、長期ビジョンで掲げていた収益性目標を大幅にクリアしています。特に商船向け市場での新造船・換装需要が旺盛で、アジア圏を中心とした販売拡大が寄与しました。また、自己資本利益率(ROE)は20.7%に達し、グローバルで見ても極めて高い資本効率を実現しています。
通期予想に対する進捗状況については、当初の業績予想をすべての利益項目で上回る着地となっており、非常に順調な推移と評価できます。上期における税効果の発生もあり、当期純利益は通期初の10%超えとなる11.9%を記録しました。この潤沢な資金をもとに、次期からは人財開発や新製品開発への成長投資を一段と加速させる計画です。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年2月期 通期 決算説明資料 P.4
舶用事業(Marine)
事業内容:商船、漁船、プレジャーボート、官公庁船向けのレーダー、魚群探知機、航海計器等の製造・販売・保守。
業績推移:売上高1,211億円(前期比11.5%増)。商船向け新造船販売と保守サービスが牽引し、増収増益を達成しました。
注目ポイント:環境規制対応(脱炭素)に伴う代替燃料船への換装需要が爆発しており、受注残が積み上がっています。また、自律航行システムの開発や、リモートモニタリングを活用した保守サービスの高付加価値化が急務となっています。ハードウェアの品質はもちろん、システム統合やソフトウェア開発の専門性が強く求められています。
産業用事業(Industrial)
事業内容:ITS(高度道路交通システム)、GNSS(衛星測位)、ヘルスケア(生化学分析装置)、防衛装備品の開発・販売。
業績推移:売上高158億円(前期比11.3%増)。防衛装備品の生産拡大とITS関連の時刻同期製品が好調に推移しました。
注目ポイント:防衛予算の増額により、第4四半期から防衛関連売上が大きく伸長しています。今後は生産体制の更なる強化と採算改善がテーマです。また、5G基地局等で使われる超高精度な時刻同期技術の海外展開も加速しており、グローバルな事業開発や生産管理のスペシャリストが必要不可欠です。
無線LAN・ハンディターミナル事業
事業内容:文教・物流市場向けの無線LANアクセスポイント、産業用ハンディターミナルの製造・販売。
業績推移:売上高33億円(前期比10.5%減)。文教市場の更新需要が落ち着き、減収となりました。
注目ポイント:既存の文教市場でのリプレイス需要を確実に捉えるとともに、物流や店舗などの新規市場開拓を推進中です。ソフトウェア基盤の強化により、ハード単体ではないソリューションとしての提案力を高めるフェーズにあります。法人向けネットワーク構築の経験を活かせるフィールドです。
地域別分析(Global Cluster)
事業内容:日本、米州、欧州、アジア、その他の地域でのグローバル販売・サービス拠点運営。
業績推移:米州(+29.2%)とアジア(+15.2%)が特に大きく成長し、グローバル化がさらに加速しています。
注目ポイント:欧州では円安の為替効果も収益に寄与しており、商船の既存船向け換装が好調。アジアは中国の新造船建造数拡大が寄与しています。地域ごとにマーケットニーズが異なるため、「グローバルマインドセット」を持ち、現地の拠点をリードできるマネジメント人材が常に求められています。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年2月期 通期 決算説明資料 P.14
次期(2027年2月期)の売上高は1,485億円とさらなる増収を見込んでいます。特筆すべきは、営業利益をあえて170億円(前期比4.6%増)という堅実な予測に留めている点です。これは、競争力強化に向けた「人的資本への投資」や「ITインフラ、新製品開発への投資」を大幅に増やすためであり、将来の成長基盤を今、築くという経営の意思表示です。
採用の注目点としては、DX(デジタルトランスフォーメーション)人財の採用強化が挙げられます。自律航行システムの社会実装やリモート管理サービスの進化に伴い、クラウドエンジニアやAI・データサイエンティストといった、従来のメーカーの枠を超えた「デジタル人財」の獲得が急がれています。また、防衛装備品事業の拡大に伴い、国内の生産体制整備や品質管理の強化も図られており、製造現場に近い職種でも経験者が活躍できる好機と言えます。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
古野電気は、世界初を成し遂げた魚群探知機の技術から、今や「海の自動運転」という世界のフロンティアに立っています。「単なる精密機器メーカーではなく、安全で持続可能な海をデジタルの力で創る企業」という文脈で自身のスキルを語るのが有効です。特に「グローバル」「DX」「社会課題解決(ブルーカーボン等)」のキーワードは経営層の関心と一致しており、共感を得やすいでしょう。また、8年連続ホワイト500認定という健康経営への真摯な姿勢も、長く活躍したい転職者にとって強力なアピールポイントとなります。
面接での逆質問例
- 「中期経営計画フェーズ3で掲げられている人的資本への積極投資により、具体的に社員のスキルアップ環境はどう変化しますか?」
- 「自律航行システムの社会実装において、今後エンジニアが解決すべき最大の技術的課題は何だとお考えですか?」
- 「海外売上比率が非常に高いですが、海外拠点とのナレッジ共有や組織機能の連携はどのように強化されていますか?」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 2026年2月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
- 2026年2月期 通期 決算説明資料



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